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知事定例記者会見(2023年1月31日)

令和5年1月31日
(県政記者クラブ主催)

【知事】

今日もよろしくお願いいたします。

彦根総合高校の野球部が選抜(選抜高等学校野球大会)に出場というニュースは嬉しかったです。初出場ということでございますので、これまでの御努力をたたえ、本番での活躍を期待したいと思います。

先週から今週にかけて、大寒波、大雪ということがあり、JR西日本の列車が止まったということに伴って、多くの帰宅困難の方が出てしまったということがございます。会見前に行った県政経営会議でも、この大雪の問題等を検証することにしています。このJRの長時間の駅間停車問題でありますとか、新名神での長時間滞留問題、とりわけトラック運転手の皆さんが大変御苦労されたということもあるのですが、荷主の方への働きかけも含めてどのような対応が可能であったのか。また、昨年の反省をもとに、今回、広域迂回を行いましたけれども反省点はなかったのか。さらには、バスの中にいらっしゃった乗客の皆様方の御苦労もあったと聞いておりますので、このバス会社との情報共有の問題。また、南部で大雪、積雪等があったということで、雪に慣れていない方々のノーマルタイヤでの走行、それらがスタックして交通渋滞を生む、また事故が発生するということに対する対応などにつきまして、改めて関係機関等とも協議し、検証していきたいと思います。必要に応じて、事業者等とも話をしながら、今後の対策をつくっていきたいと思います。

もう1つは「しが割」について、第2弾を現在好評実施中でございますが、1月23日から開始いたしました「しが割」キャンペーン第2弾を多くの方に御利用いただいておりまして、昨日の時点で利用総額と取得額の合計が予算上限に達しましたことから、現在、割引券の新たな取得を制限させていただいております。ちなみにこの第1週の御利用状況というのは、割引券を利用された方が約33万人、割引利用額は6.7億円ということでございまして、想定以上の御利用です。1週目で全体予算額の約4割の御利用があったということでございます。

聞いていますと、6,000店舗を超える登録店舗のうち、90%を超えるお店で少なくとも1回以上の御利用があったということでございますので、多くのお店で一定、御利用いただいているのではないかと思っております。それに伴って、対象のお店の前で渋滞が起きるというようなこともあったようでございまして、このペースでいくと、予定よりも大幅に早くキャンペーンを終了する見込みでございます。御利用状況等を注視していきたいと思います。

鳥インフルエンザの対応につきましては、県内で2例が発生し、一部消毒等が残っておりますが、既に焼却を含めた防疫措置を完了いたしました。関係の皆様方の御協力、御理解に感謝したいと思います。

今回の2例目は、エミューという動物でした。こういうものを飼っていらっしゃる方がいらっしゃるということがございまして、ぜひ、家きん(ニワトリ、アヒル、ウズラ、ダチョウ、ホロホロ鳥、七面鳥、キジなど)を飼っていらっしゃる方、もしくはそれを見かけた方は連絡してくださいということでございます。既にお知らせしています、野鳥のカラスで死亡個体も発生しておりますので、引き続き、注意しながら対応していきたいと思います。

コロナはお陰様で減少傾向が続いており、病床使用率も6割ということになってきましたが、現場はまだまだ厳しい状況であるのではないかと思っております。引き続き、注意喚起、呼びかけをしていきたいと思います。同時に感染症法上の分類の見直しが行われる予定ということでございますので、とりわけ高齢者療養施設、また高齢者の療養体制でいろいろとみられる課題等にどのように対処していくのか、県としても検討していきたいと思います。

なお、なんとなくもう打たなくてもいいかという雰囲気もあるのですが、年度内は体制を整備しており無料で打てますので、オミクロン株対応ワクチンの接種がまだな方は、ぜひあと1回打っていただきますように御検討いただきたいと思います。

私から2点、資料に基づいてお知らせいたします。まず、1つ目は、「仮称」を取って、「滋賀県立高等専門学校構想推進本部会議」の開催についてということで御案内をさせていただきます。いろいろと種々の検討をいたしました結果、令和10年4月の開校を目指して現在準備をしております高専につきましては、本部を設置いたしまして、地元市などとの調整、また関係機関との調整を行い、重要事項等も検討して、基本構想1.0を年度内につくるということにしておりますので、そちらに結びつけていきたいと思っております。

その第1回の本部会議を2月2日の木曜日、11時から参集とオンラインの併用で開催することといたします。メンバーは記載のとおりでございますが、運営法人である公立大学法人滋賀県立大学の廣川理事長、高専設置場所の市長である野洲市長の栢木市長にも御参加いただきますし、学識経験者として文部科学省の中央教育審議会、またNHKの番組制作等、多くの理数系教育にも携わってこられた京都大学総合博物館准教授でいらっしゃいます塩瀬 隆之先生や、元香川高専の校長でいらっしゃり、京都大学の名誉教授でいらっしゃいます八尾 健先生、また女性の技術者として多くの学生を指導されてこられ、立命館大学理工学部の教授でいらっしゃいます渡辺 圭子先生にも御参加いただき、令和の時代、新たにつくる全国や世界に誇る滋賀の高専をつくれるよう、皆様方の御意見を賜っていきたいと考えております。

もう1つは、こちらも資料があると思います。県で整備を進めております彦根総合スポーツ公園、陸上競技場および補助競技場のネーミングライツパートナーが株式会社 平和堂様に決定いたしましたという情報です。競技場の愛称は「平和堂HATOスタジアム」、補助競技場の愛称は「平和堂げんきっこフィールド」となるということでございます。ネーミングライツ料は記載のとおりでございます。その期間は令和5年2月1日から令和10年3月31日までとなっております。

陸上競技場および補助競技場は令和2年3月から建物工事等に着手いたしまして、約3年の歳月をかけて完成いたしました。今年4月から県民の皆様に御利用いただく予定でございます。この陸上競技場は県内唯一の第1種陸上競技場でございます。令和7年(2025年)に開催いたします、国スポ・障スポ大会「わたSHIGA輝く国スポ・障スポ大会」の開会式および閉会式の会場として、また両大会の陸上競技の会場として利用をいたします。

フィールド内は陸上競技以外にも、サッカーやアメリカンフットボール、ラグビー等の競技にも御利用いただけます。施設内にはトレーニングルームもあるということでございます。運営面では、スポーツの普及促進、競技力の向上、健康増進や生きがいをつくるということなどを目的とした様々なスポーツプログラムを実施いたしますほか、世界遺産を目指す彦根城の隣にありますので、歴史散策など周辺施設とも連携した取組を進めていきたいと思います。滋賀が誇ります地元が生んだ企業「平和堂」様に付けていただくこの愛称、また賜りますお力添えを生かしながら、有効に活用をしていきたいと思いますので、ぜひ報道機関各位の御報道や、御注目いただければ幸いでございます。私からは以上です。

[びわ湖放送]

先週24日の大雪ですけれども、JR京都線や琵琶湖線が止まってしまうということで、多くの県民が何時間も電車の中に缶詰状態になり、私は大津駅へ夜中に取材に行きましたが、大津駅でも乗客を乗せたまま電車が何時間も止まったままというような状態になっておりました。

今回のこの立ち往生の件について、三日月知事はJRの職員でもありましたけれども、今回のJRの対応はどのように御覧になっていますか。

 

【知事】

現場の職員、社員の皆さんは懸命に対応されたと思いますが、結果として長時間、電車を動かせず、駅間にも止まったままで数時間、長い方では10数時間この車内等にいることを余儀なくされたということは、会社もおっしゃっていますけど極めて遺憾な状況だったと思います。会社としてもこの対応を検証され、今後の対策に生かされるということです。一方、冒頭に申し上げたように自治体としてももっとできることがあったのではないかと。県内の一部の市では、駅周辺の施設等を開放して様々な対応された自治体がありますので、そういった対応や、もっと情報連携を密にしながら、できることがあったのではないかということなども合わせて検証し、今後に生かしていきたいというふうに思います。

 

[びわ湖放送]

野洲市や守山市は待機所を設けられたということですが、滋賀県とJR西は包括的連携協定を結んでいますけれども、今回のことで何かJRから支援要請があったということはなかったのでしょうか。

 

 

【知事】

今回の件で、事前、事中、そして事後に何か支援要請があったかというと、私のところにまで届いておりません。なかったと承知をしております。ただ、先ほども申し上げたように、もっと連絡を取り合いながら、双方でできることがあったのではないか。さすがに駅間に止まる車中にお客様がいらっしゃる場合、なかなか自治体で何かというのは難しいのかもしれませんが、駅で長時間止まる、また駅前でタクシーなどの二次交通がない状況で、寒い中、人が多くいらっしゃるという状況には、もっと協力し合いながらできることがあったのだろうと思います。そのあたりのことを検証しながら、事業者とも話をして、もちろん県内の市町とも話をしながら、今後の対策を考えていきたいと思います。

 

[びわ湖放送]

先ほどおっしゃっていた大雪の検証会議ですけれども、今年は連日雪が降っておりますけれども、これはいつぐらいに会議を開かれるのでしょうか。

 

【知事】

実務的には、土木交通部を中心に検証なり勉強してくれています。評価の会議を持っていただいていますし、防災の部局や警察とも連携してやろうということを、今日の経営会議の中でも言いましたので、ぜひ実務的に積み重ねて、反省点を洗い出して、必要に応じて事業者、国や関係機関とも向き合いながら、お互いの課題を共有する場なども持てたらいいと思っています。

 

[びわ湖放送]

一堂に会してという場というのはないのでしょうか。

 

【知事】

報道の皆さんは画になるというような視点でおっしゃっているのかもしれませんけど、どちらかというと実務的に集まったり、オンラインで繋がったりしながら、次またいつ降るかわかりませんので、一堂に会する場を調整するよりも、わかったこと・できることを速やかにやっていくということを優先したいと思います。

 

[びわ湖放送]

「しが割」ですけれども、先ほど9割のお店に使っていただいているとおっしゃっていたかと思います。1週目もかなりの好評で予定より早く終わってしまいそうということですが、当初の目的である県内の中小企業の応援というところに繋がっているのか、どうお感じでしょうか。

 

【知事】

まだ期間中で、しかも第1週が終わったばかりです。しかし、これだけ多くの方が御利用されている、もう予算上限に達しつつあるという状況は好評いただいているということではないかと思います。

ただ一方で、どういう御利用の状況なのか、先ほど速報ベースで一部申し上げましたけれども、さらに詳細に分析して、どういう効果が県内の事業者の皆さんに及んでいるのか、また及んでいないのか、みていきたいと思います。

[京都新聞]

大雪対応について質問させてもらいます。JRの運転見合わせによる帰宅困難者への対応ですが、今ほど野洲市や守山市では独自に待機場所をつくった一方で、大津市や草津市、栗東市では特段設けなかったということで利用者にとっては止まってしまった駅で安全な待機場所が得られたかどうかというのがわかれてしまったと思います。自治体によって、帰宅困難者への対応が分かれた原因を知事は何だと思われるかということと、待機場所を設けるのは一義的には市町だと思うのですが、県としては何ができたかというようなお考えがあれば教えてください。

 

【知事】

そのあたり、どういう経過でそういうことになったのかというのは、これから情報なども整理しながら分析することがまず必要ではないかと思います。当然、鉄道会社、交通事業者は予定している路線の輸送を完遂すること、目的地まで行くこと、大雪等があったとしても極力ギリギリまでは運行しようとされるでしょうし、琵琶湖線の交通体系からすると行き先が長浜とか野洲ということが多いので、そういったところの対策が出た結果もあるのかもしれません。

片やその途中駅であるところは駅に車両が止まった状態ですので、そういうことの必要性というものを、駅外に出てお客様に休んでいただくということの必要性を感じていらっしゃらなかったのかもしれません。ただ、このあたりは今後、どういう状況であったのか、またその状況を受けてどういう対策が取り入れたのか、必要だったのかというのは検証していく必要があると思います。

県としては、もちろん当該市町とJRが個別に連絡される場合もあるのでしょうが、災害とか、こういった大雪のときにはたくさんのところに連絡するよりも、一元的に取り扱いながら情報連絡することの方が良い場合もありますので、そういう情報の集約というか、そういう役割というのはあるかもしれません。また、市町の施設だけではなくて、県立・県営の施設などでそういった場所、既にもういくつかリストアップはしていると思うのですが、そういうことの運用をしていくということも重要なことだと思います。

 

[京都新聞]

県としては、その情報の集約という面でもう少しできることがあったかもしれないという御認識でしょうか。

 

【知事】

もちろん、これは自治体間だけではなくて、聞いていますと、タクシーもほとんど頑張って走っていただいていましたけど、なかなか回ってこなかったといったこともあるようです。そういう状況を報道によれば、守山市が開設に至られた経緯もタクシー会社からの情報だったというようなことを聞いていますけど、そういうやり取りというのを個別の市だけではなくて、県という広域自治体でどのように集約できるのか、また共有できるのかということはあると思います。

 

[京都新聞]

大雪関係でもう一点別の事案ですけれども、24日の大雪の降った日に県議会の2つの特別委員会の委員会や視察の後に懇親会という名の宴会を開いていたというのがわかりました。知事も朝の定例会見から早めの帰宅を促されている中で宴会が持たれていたことについて、危機意識が少し足りなかったのではないかという声もあるのですけれども、そこはどのように感じていらっしゃるのでしょうか。

 

【知事】

おそらく参加された方も、また周りで見られている方も、この雪の日だから、もっと早く帰られたり、いろいろな取りやめをされたりした方がよかったということはお感じになっていらっしゃると思います。ただ、せっかく予定した機会なので、予定を早めてでも、短くしてでも、少なくしてでもやれる事はやろうという御判断もあったのかもしれません。そのあたりはそれぞれの方がお感じになり、お考えになっていらっしゃることではないでしょうか。

 

[京都新聞]

これは議員さんだけではなくて、議会事務局をはじめ県の職員さんも行きたかった・行きたくなかったかどうかは別にして参加されていたわけですけれども、そのあたり検証が必要だとかいった思いはありませんでしたか。

 

【知事】

検証というよりも、その結果、行かれた方々も長時間、車内や駅等で帰宅が困難になられたり、また、そういう人が動かなかったら与えられたであろう機会というものが他のお客様に与えられなかったりという面もあるのかもしれません。ただ、今までなかった機会がようやくできるようになったので、せっかくなので、やろうというといった面もあったのだと思います。そこは、それぞれの方が反省され、今後の教訓として生かしていかれるということだと思います。

 

[朝日新聞]

今回の大雪の件で、県のやれることとして情報集約という役割があるのではないかと知事はおっしゃいましたけども、市町にまたがっていたり、府県に関わってきたりとかすることになると思いますので、個々の自治体だけではなかなか対応しきれないということにもなってくるのが、こういうケースだと思います。やはり県のやるべきこととしては、情報集約はもちろんだと思うのですけども、広域的な自治体にまたがるようなこと、あるいは国も含めて、そういうところというのは総合調整とか、指揮・命令とまではいかないとは思いますけれども、やはりヘッドクォーター的なことをいうのは県の役割なのかというふうにも思うのですが、いかがでしょうか。

 

【知事】

そういった広域自治体としての役割はあると思います。例えば、関西広域連合でも帰宅困難の場合のガイドラインをつくっています。今回の大雪でも警戒準備体制を取って構成府県市の状況把握に努めておりましたけれども、今回は本部にまではいたっておりませんでした。そういった運用とか、さらなる連携といったことに課題があったのか、なかったのかということについては不断に考えていきたいと思います。

[朝日新聞]

関西広域連合としては、こういう大雪だけでなく地震も含めてだと思いますが、こうしたケースの想定した対応というのは、用意されていたことが今回はうまく機能しなかったという認識でしょうか。

 

【知事】

うまく機能しなかったとまではこの時点で言い切れませんけれども、どちらかというと、地震ですとか、台風、風水害というものがメインになっていて、こういった大雪というものに沿ったガイドラインであったのかとか、またそこで想定した「帰宅を見合わせてください」「移動を見合わせてください」といった周知が広域連合としても十分だったのかどうかとか、にわかに大寒波襲来、そしてそれぞれの事業者が運休・運行見合わせの情報を出していましたけど、我々が自治体として、広域連合として、そういう発信がそれぞれ構成府県市民に対して十分であったのかとか、そういったことなどは省みて、さらに次の対策に生かしていく必要はあると思います。

 

[朝日新聞]

別のことをお尋ねいたします。今、国会でも議論されていますけれども、岸田政権が異次元の少子化対策を打ち出していて、いろいろな政策を掲げて議論になっています。その一方で、東京都が先んじて、現金給付という対策をされています。こうした現金給付の策というのは、やはり財政的な問題があるので、財源が豊かな自治体とそうでないところの自治体とでは差が出てきてしまわざるを得ないと思います。各自治体がこうした政策のアイディアを出して競うのは非常にいいことだとは思うのですが、こういう場合、生まれ育っている自治体によって受ける支援が違ってしまうという、自治体間にこういう形で格差が出てしまうということについて知事はどのようにお考えでしょうか。

 

【知事】

今、おっしゃった点は先般24日に行われた子ども政策に関する国と地方の協議の場の準備会合においても、私は全国知事会の平井会長と一緒に次世代育成支援対策プロジェクトチームのリーダー県として参加いたしましたけれども、そういった趣旨のことを政府、副大臣等にもお伝えをいたしました。

もちろん、それぞれの自治体が、道民・都民・県民・府民・市民・町民・村民の理解を得てする政策というのは一律一様でなければならないかというと、それぞれ違いがあってもいいと思うのですが、殊、この子どもに係る政策ですとか、経済的な支援の問題などは、できるだけ整えて一律一様にして底上げしていく、財政力の優劣によって受けられるサービスが変わるということがないようにすべきではないかという趣旨の提起をさせていただいております。国も異次元とまでおっしゃっていますので、そのあたりのことは十分に認識の上、お考えになるのではないかと思いますが、そのあたりは注視してみていきたいと思います。

 

[京都新聞]

「しが割」でまたお聞きしたいのですけれども、知事も日曜日に草津のスーパー前で大渋滞を目の当たりにされたと聞いています。9割の店舗で利用があったということですけれども、やはり特定の店舗に集中しているようにも感じるのですが、例えばスーパーであれだけ行列ができるというのはどういうところから人気が発生しているという分析はありますか。

 

【知事】

やはり最大3割の割引は大きいですね。これだけ物価が上がっていて、給料がなかなか上がらないときに、しかも1万円分を買って3,000円(の割引)というのは大きいと思います。例えば、腐らないものとか、少し高額なものとか、そういうものをこの機会に買っておこうという心理というのは働いて当然ではないかと思います。

 

[京都新聞]

私も日用品とか普段使いのもので、特に日持ちするようなものを1万円まとめて買って3,000円が還元されるとかなりお得だと思います。一方で、そうなると、多様な品揃えのあるスーパーとか価格の安い量販店で日々の生活に使うようなものばかりに「しが割」が使われると、多種多様な店舗に参加いただいていると思いますが、そこにお金が流れずに、割引がなくても普段買うものを先に買う「単なる需要の先食い」というような状況になっているのではないかと思います。そうすると趣旨、中小事業者の支援という意味では政策目的からずれてくるのではないかと思いますが、何かお考えでしょうか。

 

【知事】

そういった御指摘なり御意見もあると思います。そこは今回の結果をみながら、また検証する必要があると思います。とはいえ、聞いておりますと、この機に普段食べられない近江牛を買って食べようという地元での消費ですとか、お土産に弾んで少しいいケーキを買って帰ろうといった御利用もありますという声も聞いていますので、目立つのは大きなお店で渋滞も引き起こしながらなさるお買い物かもしれませんけれども、効果は大なり小なり、広く及びつつあるのではないかと思いますが、詳しくみていきたいと思います。

 

[京都新聞]

第1弾でもそういう検証をされたと思うのですが、どこまで分析されて、それが第2弾で仕組みとして反映されているかというと、資本金の大きな企業を参加できなくするというようなところに留まって、きめ細やかな制度設計が第2弾の修正ではまだ足りなかったのではないかというふうにも感じます。第1弾の検証をしっかり踏まえて第2弾に臨めましたか。

 

【知事】

今、おっしゃったように第1弾を行って、いただいた御意見を基に検証して修正して第2弾を実施させていただきましたが、それが十分だったのか、やるべきことがもっと他にもあったのではないのかという御指摘は、甘んじて受けたいと思います。足らざる部分もあったのかもしれませんし、もっとやれることがあったのかもしれません。そのあたりのことも、既に私のところにも届き始めていますけど、おそらく今後、県民の皆様からいただくでしょうし、県議会代表である県議会の方を通じていただくこともあると思いますので、そこは謙虚に受け止めたいと思います。

 

[京都新聞]

このままですと2週目か3週目と、早期に終わる可能性があると思いますが、第1弾もかなり前倒しで終わってしまいましたので、延長というのか、予算を追加して延ばすというようなお考えはありますか。

 

【知事】

今の時点で期間を延ばしたり、予算を積んだりということは予定しておりません。年度の区切りもございますので、そういったことというのは容易ではないと思っています。まずは、この第2弾がどのような経緯で最終推移していくのか、今の状況でいうと、予定よりも早くかつ想定よりも相当早く予算上限に達する見込みというのはあると思います。

一方で、せっかく設定しているのに御利用されない割引でもどうかと思います。聞いていますと、もう少し先の2月に予定しているお買い物に使えたらいいとか、そういった声もあったようです。なのに、もう終わりというような残念な声も届いていますので、そのあたりがこれから寄せられると思います。そういったものも分析しながら、今後の対策というのを考えていきたいと思います。

ただ、目的は、こういったことを通じて県内の中小事業者、地元の事業者の需要を喚起するということが目的でしたので、そういったものに照らしてどうだったのかという検証はしていきたいと思います。

[朝日新聞]

鳥インフルエンザの対応のことでお尋ねしたいと思います。今回、養鶏場で発生したときに、農場内にいたニワトリを全て殺処分にしたのと同じようにエミューについても殺処分ということになりました。

エミューが感染を広げていくということではないし、エミューもその卵も別に商売で出しているもの、営業しているものではなくて事業者が飼育されているだけというものに対して、法律で殺処分というのは決まっているわけですけれども、それが法律で決まっていることとはいえ、本当に殺処分までしなければならなかったのかということを感じました。

和歌山県のアドベンチャーワールドも園内で発生した場合に、やはりダチョウやエミューも全て殺処分対象になると、そういう法律ができているので、それに従ってやるのはもちろんでしょうけども、法律とおりの運用というので、非常に心を痛めている人もあると思います。

いろいろと研究も進んできて、どういうふうに感染が広がるのかということも含めて考えれば、営業用ではないエミューまで殺処分対象にせざるを得ないというのは考え直してもいいのではというところもあろうかとは思いますが、実際、目の当たりにされてみていかがお感じでしょうか。

 

【知事】

基本は法律に基づく対応です。かつ、今回のエミューは、お肉も卵も営業用には使っていらっしゃらなかったけれども、外から鳥が入りたい放題の柵だけしたところで飼われているということでしたので、それ以外の、また波及可能性というのもあったことを考えれば、この措置はやむを得なかった措置だと思います。今後もそれを基本にすべきだと思いますが、おっしゃったように経済動物とはいえ、命をいただいて私たちが生きているとはいえ、こういった殺処分のあり方がいいのかというのは、私も考えないわけではありません。もっと違うやり方があるのではないかという思いはいたします。現に、豚熱の折には、対応した職員も相当やはり現場でつらかったようですし、命をいただく動物の命を、こういった殺処分等で終わってしまう、殺めてしまうということは考えないといけない面もあります。

どうしてもそういった動物が媒介してウイルスが広がっていくということもあることを想定した対応かもしれませんけど、人間至上主義ではないかということは皆で考えていきませんか。

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