令和5年1月24日
(県政記者クラブ主催)
【知事】
おはようございます。今日もよろしくお願いいたします。
まず、先週から対応しておりました鳥インフルエンザにつきましては、1月21日の土曜日の午前に養鶏場の防疫措置を完了いたしました。そして、昨日1月23日の月曜日に、殺処分いたしました鶏、そして鶏卵、飼料の焼却処理が完了したと報告を受けております。この防疫対応にあたりましては、多くの皆様方の御協力をいただきました。地元で御理解・御協力いただいた住民の皆様や県職員も頑張りましたけれども、大津市の職員の皆さん、保健所の皆さん、そして物資や機材、輸送手段、食料等を御提供いただいた関係団体の皆様方など、御協力いただいた方々に心から感謝申し上げたいと存じます。
繰り返し申し上げておりますが、我が国において、この家きんのお肉や卵を食べることにより私たち人間が鳥インフルエンザに感染する可能性はないと考えられております。今後とも、迅速で正確な情報提供に努めますので、県民の皆様には根拠のない噂などに惑わされず、冷静な対応を呼びかけたいと思います。
今後も発生リスクが高い状況が続くと見込まれております。今朝の経営会議でも、また(鳥インフルエンザの発生が)あるかもしれないということで注意喚起したところでございます。養鶏農家の皆様には、引き続き、鳥インフルエンザ対策をしっかりと取っていただきますように強く要請いたしますとともに、今回のことを教訓にしながら、いろいろな反省事項もあったと聞いておりますので、次の対策をしっかりと行っていきたいと思います。
今日から明日にかけて、最強の寒波が襲来するという情報がございます。滋賀県を含む広い範囲で大雪も予想されております。既に情報が出ておりますが、北陸自動車道および京滋バイパス、国道8号、国道161号はじめ、多くの道路で通行止めとなる可能性がございます。最新の道路情報に御注意いただきたいと思います。
今回は、普段、雪が降り積もらない南部でも降雪が予想されております。積雪地で多くの車が走行いたしますと、除雪作業に遅れが生じます。県民生活への悪影響も懸念されるところです。道路を利用される方々には、降雪時、そして積雪時には、外出を控えていただきますほか、やむを得ず車で外出される際は必ず冬用タイヤの装着、タイヤチェーンの御準備をお願いしたいと存じます。
情報によりますと、今日は午後から鉄道の運転取り止めの可能性も出ているということでございます。企業の皆様、事業所の皆様には、本日、早めの帰宅を促していただきますとともに、できる限り明日の仕事をテレワークにしていただくなど、御協力をお願いしたいと存じます。
もう1点は、高時川の濁水問題についてです。昨年8月5日、豪雨に起因いたします高時川の濁水問題が課題になっておりまして、昨年10月31日の定例会見でも申し上げましたが、県庁内に「高時川濁水対策連絡調整会議」を設置いたしまして、雪が降り積もるまでにできる限りの調査を行おうということで指示したところでございます。
これまでに現地調査、学識経験者等への聞き取りなど、現在も継続しているところでありますが、延べ27日にわたり実施いたしまして、本日午後3時30分から現時点における調査状況等について連絡調整会議の担当者から報道機関の皆様への説明会を開催いたしますので、ぜひお聞き届けいただければ幸いでございます。なお、同時間帯で恐縮でございますが、今日の午後3時10分からオンラインではございますが、小倉大臣等と子ども政策に関する国と地方の協議の場の準備会合がありますので、平井全国知事会長とともに出席し、意見を述べることになっております。異次元の子ども政策とおっしゃっている岸田政権の方針等について確認をしていきたいというふうに思います。
それでは1点、資料に基づきまして、「ここ滋賀 オリジナル近江牛の本革IDカードケース 限定500個、販売申し込み期限迫る」という情報提供をさせていただきたいと思います。昨年4月29日にリニューアルオープンし、また10月29日に開館5周年を迎えました滋賀県情報発信拠点「ここ滋賀」でございますが、一昨日(1月22日)、開館から5年3か月で来館者200万人を達成したということでございます。この間、御来店いただいた皆様、また御愛顧いただいている皆様方に御礼申し上げたいと存じます。これまでの御来館に感謝して、今後、ますます首都圏で滋賀を感じていただく、滋賀への誘い(いざない)につなげていく取組を進めていきたいと存じます。
この「ここ滋賀」でオリジナル商品として近江牛の本皮を使ったIDカードケースの販売を行っていると。「ここ滋賀」では、滋賀の魅力を様々な形で首都圏の皆様にお届けするために運営事業者と一緒に県内素材の掘り起こし、商品化の企画を進めているところです。今回は、近江牛のブランド振興の一環として運営事業者が近江牛の本革の活用について話を聞いたことからヒントを得て、商品開発に取り組んでいただいたということでございます。
これまでにも食材としての近江牛の魅力は、レストランやマーケットなど、あらゆる機会を通じて「ここ滋賀」での首都圏に向けた発信を行ってきたところでございます。今回の販売にあたりまして、食材としてだけではなく、おしゃれな本皮IDカードケースを通じて、滋賀県が誇る近江牛ブランドを身近に感じていただければということでございます。このカードケースは限定500個の販売ということでございます。申し込みは1月31日までと迫っているということでございます。今日、「ここ滋賀」の所長も来ていますので、ぜひ、お問い合わせいただければと思います。とても柔らかくて、肌触りもいいので、ぜひ御利用いただければと思います。私からは以上です。
[びわ湖放送]
新型コロナについてですけれども、先日、岸田総理がこの春に「5類」に引き下げると表明をされました。ワクチンであるとか、医療費の公費の問題とか、いろいろあるかと思うのですが、これについて三日月知事はどのようにお考えでしょうか。
【知事】
この間、これまで3年あまり新型コロナと対応・対峙してきました。全国知事会等を通じて、オミクロン株の特性に応じた対応をしよう、またその検討をしようと申し上げてきましたので、そういったことも受けて、政権として総理として御判断されたのではないか、そのことを表明されたのではないかと受け止めております。
ただ、状況を注視しなければなりませんけれども、すぐにいわゆる季節性インフルエンザと同じ対応というのは、医療費の公費負担のあり方等々、なかなか難しい面もあるのではないかと思いますので、現在の対応を段階的に移行するということも検討すべきではないかと思います。また、相当いろいろな変更をしなければならないとすれば、どういう内容になるのか、詳細、またスケジュールをできるだけ早めにお示しいただいて、私たち自治体、また対応いただく医療機関等の準備が円滑に行えるように努めていただきたいというふうに思います。
[びわ湖放送]
鳥インフルですけれども、先ほど、反省点もあったというお話だったかと思うのですが、具体的にどういったところが反省点だったのでしょうか。
【知事】
発生以降、早期に対応できたのではないかと思っているのですが、現地に人やモノがきちんと行けたのか届けられたのかというようなことですとか、今回、大津市と連携しながらの対応でしたけれども、そういったところに今後の改善につなげるべき課題はなかったのか、今、洗い出しているところです。
[京都新聞]
先ほどのコロナの「5類」移行の関係で、例えば季節性インフルと同一視できない点でありますとか、段階的な移行はもう少し慎重な対応をしてほしいという具体的な部分はありますか。
【知事】
まだ、十分に知見がそろっているわけではないのでしょうけど、かかると、やはりひどいということ、高熱であったり、喉の痛みであったりということを聞いています。したがって、それに対する治療薬が季節性インフルエンザほど十分にあるのかとか、そういうこととの兼ね合いの中で分類上の「5類」と同じにすぐに変えてしまうことの是非ですとか、ワクチンの取り扱いにつきましても、現在、全て公費負担でやっておりますけれども、季節性インフルエンザと同じに変えるとするならば、そのことがまん延防止にどういう影響をもたらすのか。こういったことは課題になってくるのではないでしょうか。
[京都新聞]
マスクの扱いも議論になるかと思うのですが、症状がなければ原則不要になるというような話も出ているかと思うのですけれども、その辺りの知事のお考えはありますか。
【知事】
これまでから状況に応じた対応をやってきました。着けるときには着けるようにしてきましたし、外してもいいときには外すということもしてきましたし、呼びかけてきたところです。ただ、相手に対する配慮ですとか、御自身の体調を気遣う対応ですとか、そういったことはあってもいいと思いますし、残ると思います。ただ、ずっと着けなければいけないという状況は改善の方向に向かうのではないかと思います。
[朝日新聞]
今回、鳥インフルエンザが発生するということがありました。新型コロナウイルス、あるいは地震対策もそうだと思うのですが、リスクに対する政策判断というのは、科学的な根拠(エビデンス)に基づいて判断して、政策を立てていくということが重要だと思います。これは、いわゆるエビデンス・ベースト・ポリシー・メイキング(EBPM)というような考え方で行われているわけですけども、そういう場合、その判断をするというのはもちろん政治家であるリーダーである知事であって、それが政策を立案して実行していくというのは、県庁であると思います。ただ、その根拠となる分析・知見というのを担っていくのは専門家という集団であるべきだというふうには考えるわけですけれども、そうした行政と根拠のあるものを専門的に分析する専門家の役割というのを組織としてきちんと分けてやっていくということは重要ではないかと思います。そうしたことを通じることで、リスクに対する理解、あるいは政策に対する理解・協力というのが深まっていくのではないかというふうに思います。
県庁にも優秀な医療者や研究者がいらっしゃると思いますけれども、そうとはいえ行政組織の一員ではあるので、そうしたところと第3者の専門家の分析による知見をみて、それに対して行政はどういうふうに判断していくのかということを目に見える形で分けて、そして、プロセスをきちんと説明していくということがリスクに対する理解、あるいはそのリスクに対する政策に対する理解というのを深めていくことになるのではないかと思います。そうした組織のあり方についても、いわゆる専門家委員会とか、あるいはアドバイザリーボードみたいな形できちんとその役割として分けるというような考え方があってもいいのではと思うのですけども、知事はいかがお考えでしょうか。
【知事】
総じて賛成です。今おっしゃったことに、私も同感いたします。この間の新型コロナの対応等につきましても様々な状況がありました。時間の暇(いとま)のない課題、県として十分に知見が得られないような場面等もあったのかもしれません。県庁内外の専門的な知見なども取り入れながらやってきたところでありますが、果たしてそれらが十分にリスクコミュニケーションという観点で機能したのか。これはまた検証もしなければならないと思います。
その他のリスクに対しても、地震や様々な疫病対策等々につきましても専門家の知見をもらいながら、おそらく質問いただいた趣旨はきちんと明確に分けてプロセスもわかる形で「見える化」して、判断をしてきた過程を共有すべきではないかという御趣旨だと思います。私はある意味、そういうプロセスがこれからより重要になってくると思います。
ただ、これをやりながら悩みながら、私どもも思っていますのは、そういう専門家も数多(あまた)いらっしゃって、どの分野の、どなたにお願いするのかということに恣意性が働く余地というものをどのように考えたらいいのかなど、具体に進めようとすれば伴う課題等もあるのかもしれませんが、先がわからない・実態もわからないテーマであるからこそ、そういった過程の「見える化」、コミュニケーション、専門的知見の活用というのは重要だというふうに思います。
[朝日新聞]
例えば、先ほど鳥インフルのときの御説明で、鳥インフルが起きても肉を食べたり、卵を食べたりしても安心であるというようにメッセージを出すにあたって、それはどういう科学的な知見に基づいてのことであるのかということをきちんと説明された方が受ける側としても納得感が得られやすいと思います。知事が常々おっしゃっているワクチンをもう1回打ってというようなことも、ワクチンをもう1回打つということが、科学的に、医学的にどういう効果があって、あるいはメリット・デメリットがあるのかということを専門家の分析に基づいた客観的な説明があった上での判断だというふうに説明された方が納得感は得られやすいのだろうというふうに思います。
【知事】
この間、ワクチンにつきましても、その間に得られた効果・知見などを御紹介しながら、接種の有効性・有益性を皆さんにお伝えしてきたところであります。また、鳥インフルエンザの人への無害性等につきましても、出典等について明示したことはありませんけれども、一定国で蓄積された知見に基づいて述べてきたつもりです。そういったことにも「どういうものによれば」とか「いつの、何の書の、研究会名」によればというようなことも明示しながら皆様方にお伝えしていくことがより大切だと思いますので、そういったことをぜひ今後努めていきたいと思います。
[朝日新聞]
滋賀県でいろいろと仕事をしてみて感じるのは、大学や研究機関も数多くあり、それからすぐ隣には京都という、専門家とか研究者が非常にたくさんいらっしゃるので、社会的に貢献してもらう場をきちんと県として提供していくというのも研究者にとっても非常に大事なことだと思います。行政としてもそういう、せっかく目の前にあるリソースもうまく活用するという滋賀県としての地理的なメリット、そうしたことが非常にやりやすいところではあるのかなというふうにも感じていましたので、お話させていただきました。
【知事】
ありがとうございます。御指摘を受け止めて、今後の行政推進の糧にさせていただきたいと思います。
[中日新聞]
コロナについて数点お伺いします。先週も新規感染者が減少傾向にあるというふうにみられたのですが、ピークアウトしたかどうか、どのようにお考えでしょうか。
【知事】
おっしゃったとおり、ここに来て減少傾向がみられ始めてきているのではないかと思います。減少の兆しです。それが、さらに下がるように期待もしたいし、そのための対策やワクチンの接種なども呼びかけていきたいと思います。ただ、この水準とて相当多い。まだまだ数百人という数字ですし、医療機関、療養施設等には多くの方が療養され、まだまだ厳しくひっ迫した状況というのはあるのではないかと思います。そういう状況を改善できるように、今後、一緒に努めていきたいと思います。
また、これだけ寒くなって、これで寒波が来るとか、季節性インフルエンザも流行ってきているということからすると、まだまだ注意深くみていかなければいけないと思っております。
[中日新聞]
一方で、12月以降、死者の数がとても増えているようにみられます。先週の会見でも質問がありましたけれども、特に入院中の中等症や軽症であるような高齢者の死亡が多いという印象を受けているのですけれども、知事はこのあたりについてはどのようにお考えでしょうか。
【知事】
どうしても感染されて、他にお持ちの病気との兼ね合いで、重篤化されて残念ながらお亡くなりになってしまわれることというのも一定数いらっしゃるのだと思います。とりわけ寒い時期というのは、そういうリスクも高まると思いますので、だからこそ感染を広げない対策、配慮、努力というものも怠らずやっていくと同時に、必要な方に必要な医療を届けていくコントロールでありますとか、調整というのは引き続きやっていきたいというふうに思っています。
[中日新聞]
現在、県の方では高齢者施設でクラスターが発生した場合、基本として施設内療養をされているというふうに認識をしています。これに対して、先日、医師の方に取材させていただいた際に、施設内療養で一定期間、隔離された場合、運動機能が著しく低下して心不全や誤嚥性肺炎を発症される方が一定数おられて、それが死につながっているケースもあるというふうにお伺いしました。そういった施設内療養を続けるかどうかも含めて、今後の対応をどのようにお考えでしょうか。
【知事】
基本的にはその方その方に応じた症状やお持ちになっている基礎疾患、置かれていらっしゃる状況といったことに応じた対応だと思います。重篤化すれば、医療で入院して治療を受けていただくということも必要であります。総じて聞いていますと、入院してしまうと、医療の行為が中心になってしまい、療養先では受けられたサービス、療養先では行われた活動というのが制約されます。今おっしゃった御高齢の方であれば機能が低下してしまって、残念ながら、その方らしく生活することができなくなったり、逆にそのことが命を縮めてしまったりというようなこともあると聞いておりますので、そこはかかったから入院ありきということではなくて、むしろ日常の生活の場で適切に隔離対策も取りながら療養をしていただくということも重要な選択肢なのではないかということで、滋賀県では早めにそういう対策も取ってきたところです。
ただ、その場合に、その施設内で感染を広げずにどのように寄り添うのかということとか、いざ重症化した場合の搬送ですとか、医療を担うスタッフがどうしても足りなくて御苦労されていること、施設内でももうほとんどの方が感染されたりするような状況等も聞いておりますので、そういったところには県のサポートチームが行って、少し重点的な支援を行うということもやっているところです。
[日本経済新聞]
コロナの「5類」引き下げに関連して伺います。今、病床の管理というのを県がコントロールセンターで一元的に管理していると思いますが、「5類」に引き下げられると、即ち一元管理というのもやめてしまうということになるのでしょうか。
【知事】
そのあたりは状況をみて対応を検討し、決めることになると思います。どの段階で、いつから、どういう分類で移行されるのか。そして、移行された際に伴う取り扱いをどのように定められるのかというのは、みないといけないと思います。滋賀県でも多くの医療機関にコロナの診療・治療、御協力いただいております。分類が変わることによって、それらがどのように変わるのか見極めた上で、滋賀県のコントロールセンターのあり方というのを考えていきたいと思います。
おかげさまで、センター機能を発揮して、また現場の医療機関にもそれぞれ御協力いただきながら24時間体制で、全県で調整するという仕組みを動かして3年になります。おかげさまで有効に機能し、御対応いただいているということがあります。すぐに全てを変えるというのはなかなか難しい面もあるのかもしれません。
[日本経済新聞]
先ほど管理者の質問に対する答えで段階的な移行を検討すべきと知事はおっしゃいましたが、この段階的な移行というのは具体的にどういうことを想定しているのでしょうか。
【知事】
私が想定していますのは、「2類相当」から「5類」へという移行について、いつ時点、すぐに全てを変えるということに対して、時期も一定期間を設けて、そして感染状況に応じて段階的ということを想定しながら申し上げております。具体の内容については、先ほど申し上げた公費負担のあり方ですとか、ワクチンの取り扱いですとか、医療機関、お尋ねいただいたコントロールセンターの対応ですとか、都道府県によって状況や対応取組もまちまちですので、そういったことに柔軟性を持たせていただければいいのではないかという趣旨で申し上げました。
[京都新聞]
北陸新幹線の関係でお聞きしたいのですが、小浜-京都ルートの着工が遅れているということを受けて、石川県の方ですとか、京都の前原誠司衆議院議員ですとかが、米原ルートや湖西ルートの再考について再考を検討してもいいのではないかというような趣旨の発言をされているようです。知事は昨年末の定例会見でもお聞きしたのですけども、基本、米原ルートの再考に否定的な考えをお持ちだと思うのですが、この沿線の自治体の関係者で小浜-京都ルートの推進に温度差が出始めているのかなというふうにも感じています。そのあたり、何か受け止めというか、お考えはありますか。
【知事】
今の方針は北陸新幹線の敦賀以西については、小浜から京都を通って大阪につないでいく。それらをできるだけ早くつないでいく。そのための着工条件を整えていく予算を確保していく。そういうことが方針だと思いますし、我々もそうなるように要望もしています。同時にいろいろな課題がある。例えば、環境影響などについては、迅速にかつ丁寧にこの取り扱い等を進めていってくださいということを申し上げているところです。
今おっしゃったように、さりとて、それがなかなか課題多きときに他の方策もあるのではないかとおっしゃることも、これは別に妨げませんし、そういう議論というのは出てきて当然のところもあると思いますが、私どもとして、県として、関西広域連合としてというのは考えていません。むしろ、今の方針に沿って条件整えて早期に進めていくということが重要だし、有効ではないかと思います。
[京都新聞]
今の環境アセスの遅れですとか、そういったことで諸々でかなり遅れてしまうと、結局、米原ルートの方が早く完成するのではないかという御意見ですけれども、そのあたり知事のお考えを。ひょっとして結果的に米原ルートの方が早くつながるのではないかとか。
【知事】
私たちは、特に私は知事に就任以降、その時にもっていた関西広域連合の方針もありましたので、米原ルートの方が早くつなげられるのではないかと申し上げてきました。ただ、そういうことも含めて、政治が決断して小浜-京都ルートに決めたわけですから、その決定に従って事業を進めていく。そして、伴う課題を乗り越えていく、条件を整えていくということが、私は今の段階ではいいのではないかと思います。
[京都新聞]
今、北部振興を掲げておられると思いますが、1つの起爆剤として来年の春の北陸新幹線の敦賀開業の効果を期待されているということかと思いますが、大阪までしばらく接続されないという状況の中で、敦賀駅の乗降客がどれほど増えるといった試算というのはあるのでしょうか。
【知事】
来年の春、北陸新幹線が福井県敦賀までつながって、北陸新幹線敦賀駅が開業する。手元にどれぐらいの数の方が乗り降りされるのか、また増えるのかというデータは持ち合わせておりませんけれども、このことはとても大きなイベントだし、今よりも確実に乗り降りする人は増えるだろうし、敦賀や北陸新幹線にあたる皆さんの注目というのも増えると思います。
ただ、皆さんが敦賀だけで目的地を完結されるわけではなくて、周辺のどこへ行こうかとか、どういうビジネスチャンスがあるのかということも当然模索されるでしょうから、その際に滋賀県の北部地域が玄関口として活性化のチャンスを持つということもあると思います。それらを十分に生かせるように北部振興でも策を練っていきたいと思います。
[京都新聞]
1年近くまで迫ってきています。具体的にこういうことに取り組みたいというような何か具体策があるのでしょうか。
【知事】
まずは観光需要をどうつくり、また誘い(いざない)、滞在等に結びつけていくのかということは、当座、取り組めるテーマだと思います。そのための予算や仕組みなども現在検討しているところですので、これは早急に形にしていきたいと思います。おっしゃったように、もう少し中長期で、敦賀で開業して敦賀で止まって、その先、早くつなげてほしいとは言いつつも、しばらく時間がかかるとすれば、敦賀がターミナルになるわけですから、そこからどのように周辺に行き来、観光も含めてするのかというのは、当該JRや隣接福井県、また岐阜県などとも連携しながら、つくっていけたらいいなと思っています。
[朝日新聞]
ビワイチを紹介するYouTuberが実際に体験したという動画がステルスマーケティングにあたるのではないかという指摘がありますが、これについて知事はどう考えていらっしゃいますか。
【知事】
報道を受けて、担当から寸時ですけれど情報を聞いていますと、適切に対応するように努めていきますということでしたので、大きな問題はないと思いますが、そういった疑念や指摘を受けないように必要な改善は行っていきたいと思います。
[共同通信]
1月22日に守山市長選の告示があって、結果的に無投票当選となりました。守山市の無投票当選がおそらく3回連続続いていますが、無投票当選について知事の御見解を一言いただければと思います。
【知事】
私も選挙で禊(みそぎ)を受ける立場でして、無投票で当選というのはさせていただいたことがないので、よくわからないですけど、まずは市民選択の結果として森中氏が新市長に当選されたことに祝意を示したいと思います。森中さんは豊富な行政経験、国でも県でも市でも、とりわけ滋賀県での行政経験も長いので、またフットワークも軽いですから、私も信頼、尊敬する同志としてともに地域、県の発展のために尽力をしていきたいと思います。
せっかくの機会ですので、無投票よりも選挙戦が行われることが望ましいのだと思います。政策を皆さんにお伝えし、名前を言いながら「こういう思いです」と言えます。また、有権者は、その際に言えることを聞いて比べられます。私もそうでした。昨年の夏、県内あちこち回りながら、例えば交通のこと、農業のこと、琵琶湖のこと、高齢化のことなど、いろいろとコミュニケーションできましたので、そういう機会というのは有益・貴重だとしみじみ思いました。
したがって、そういう機会が有効に活用されることを私も願っています。同時に、そこに至る過程というのは地域によって様々だと思います。例えば、森中氏の場合、その時点からずいぶん地域内回られていたり、今の宮本市長もそういう活動を丁寧になさっていたりされておりますので、選挙に至らずとも、そういうコミュニケーションが十分であるとすれば、そういったことも一定寄与したのではないかと考えています。
[京都新聞]
先ほどのステルスマーケティングの関係でお聞きしたいのですけども、社会的な影響力のあるインフルエンサーに紹介してもらうという効果を期待してお金を出して情報発信してもらったような形かと思います。やはり、そういう方に直接広告料のような形で資金提供するというよりは、例えばビワイチでいえば、体験してもらう場を設けて、そこで本当に良かったと感じてもらって自ら発信してもらうという手法の方が王道というのか、特に行政というスタンスとしてはその魅力というのをしっかり感じ取ってもらった上で自発的に発信してもらうような努力をする方が、より魅力の発信につながるのではないかと思のですが、そのあたりどうでしょうか。広告的な手法でインフルエンサーを活用するということについて知事のお考えはどうでしょうか。
【知事】
SNSを使った魅力の発信、広告塔というのは、今、広がってきていますし、我々もそれらを有効に活用したいと思っています。その際に、いわゆるインフルエンサーの方々の登場とか、その方々を使った広報というものの有効性というのも言われております。ただ、公金・税金を使って県という公の機関が行う広報・広告のあり方として、どういうやり方がいいのか、また発注の仕方がいいのか、今回の御指摘も含めて、さらに検討を重ねていきたいと思います。