令和5年1月17日
(県政記者クラブ主催)
【知事】
おはようございます。今日もよろしくお願いいたします。今日は1月17日ということで阪神淡路大震災から28年。私も5時40分に起きておりましたので、テレビの合図と同時に1分間の黙祷を捧げさせていただきました。関西広域連合の連合長になって初めて迎えるこの日でもございましたので、兵庫県を中心に大きな被害が出た(ことを踏まえて)地震防災に対する思いを新たにしたいと存じます。地震を防ぐことはできませんが、地震被害を小さく、もしくはなくすということも可能だと思いますので、そのための意識、知識、組織を強化していきたい。また、記憶や教訓を大事にしたいと思います。
今月25日、滋賀県が被災した場合における他府県からの応援職員の受け入れのための訓練を国や全国知事会、県内市町などとともに実施いたします。本県でこういう訓練を行うのは初めてということでございます。また、個別避難計画、すぐに移動・避難がなかなか難しい方がどこにどのような状態でお住まいになっているのかということも把握しながら、個別避難計画をつくる取組も滋賀県内で行っておりますので、そういった力をさらに上げていきたいと思います。家の中の家具の固定ですとか、いざというときの持ち出し備品の用意ですとか、それぞれができる対策を実施していくことも呼びかけたいと思います。
コロナの状況は、先々週に比べて先週は少し減少の兆しもみえるかという観測もございますが、依然、多くの方が感染され、特に病床使用率が8割を超えているという大変厳しい状況がございます。現場の医療機関、療養機関はそれぞれ皆様が御奮闘いただいて、懸命に頑張っていただいているという状況です。定期的にみております救急搬送困難事案、また発熱外来のひっ迫状況等につきましても、昨年8月のピーク時の状況まではまだ至っていないですけれども、増加傾向にあるということですし、今、教育現場等でも発熱者が増えているなど、また一部地域では救急車の搬送時間が長引く困難事例も出ているという報告もいただいておりますので、ぜひ皆様方にも御協力をいただきたいと思います。
ワクチン接種につきましては、昨日までで接種促進強化期間が終わったのですが、昨日も首長会議で議論いたしましたように、まだまだ若い方の接種が十分に進んでいないという状況がございますので、本日から2月20日までを「オミクロン株対応ワクチン“一人1回”接種促進強化期間」と位置づけて、関係機関と協力しながらPR、呼びかけを行っていきます。既にかかった方も、そしてこれまでワクチンを接種した方も、もう1回、一人1回ワクチンを打ってください。そのための広域接種センターを引き続き開設いたしますし、市町また医療機関(における接種会場)の開設、機会も確保をいたしますので、それぞれの御都合に合わせてできるだけ早く、4月以降はまだどうなるかわかりませんけれども今の体制と異なるワクチン接種のあり方というのも検討されているようですので、無料で打てる期間というのが今年度中ということにもなりますので、あと1回、できるだけ早くワクチンを打っていただくことを呼びかけたいと思います。打った方では70%の発症を防ぐ効果も確認されておりますので、ぜひ積極的なワクチン接種を検討してください。
季節性インフルエンザも、滋賀県においても流行期に入っております。したがって、この季節性インフルエンザのワクチン接種もあわせて御検討いただき、基本的な感染対策の徹底を呼びかけたいと思います。
また、今朝の県政経営会議で、私自身、知事として常に気にしています安全安心、特に犯罪の件数、認知件数が暫定値・速報値で共有されました。令和4年の犯罪抑止というものが5,500件以下にしようとしていた目標を達成できずに、暫定値ですけれども6,832件という刑法犯認知件数であった。特殊詐欺被害も80件以下にしようとしていたところ132件、被害額が3億2,000万円を上回る。また、住宅侵入窃盗被害も140件以下にしようとしていたのに、162件ということでございまして、非常に厳しい状況があったという報告がございました。したがって、今年も目標を定めて犯罪抑止の取組を総ぐるみで行っていくことを、近く行われる総会で確認すると同時に、私から今日指示いたしましたのは、この6,832件の刑法犯認知件数が、どこで、誰が、どのような状態で加害・被害に遭っているのか、害を加えているのか、被害を受けているのか、その背景や環境要因はどのようなものがあるのかをもっと深く分析し、対策を講じようということを申し上げたところでございます。ぜひ、報道機関、また県民の皆様方のこの面での御協力もお願いしたいと存じます。
それでは資料に基づきまして3点申し上げます。
まず1点目は、第2弾「しが割」キャンペーンについてでございます。資料がお手元にあると思います。このキャンペーンは、県内の飲食・小売・サービス業のお店で利用できる割引券、これは有効期限が1週間というものですが、毎週月曜日にLINEで発行させていただくものです。割引額は(配布している)チラシの表のとおり、購入したもの・サービスの金額に応じて6つの区分で、最大割引率が30%、最大割引額が3,000円となっております。
第1弾、これは昨年の11月14日から想定を超えて(短く)12月11日までということでしたけれども、割引券の発行総額は10億8,000万円という結果でございました。第2弾の割引券の発行総額は15億6,000万円でございます。お店で利用できる期間は令和5年1月23日から予算の上限に達するまでの最大5週間、2月26日までを予定しております。割引券を取得し、利用するためには専用サイトからLINEの友だち登録をしていただく必要がございます。既にLINEの友だち登録をしていただいている方は新たな登録は不要で、基本的な使い方は第1弾と変更ございません。
御利用いただけるお店につきましては、第1弾での御利用状況、いただいた御意見等を踏まえまして、参加店舗の登録要件の見直しを行っております。第2弾の参加店舗は、今日時点で県内全6,047店舗の予定でございまして、本日10時30分からしが割専用サイトで御覧いただける状態となっております。
この取組は、コロナ禍に加えまして、原油や原材料価格高騰の影響を受けていらっしゃる県内の中小・小規模業者の支援を目的とするものでございまして、県内のお店の応援にしっかりとつなげていきたい、また皆様方は御利用いただくことで目的の達成にお力添えをいただきたいと存じます。
また、1月10日からスタートいたしました旅行支援「全国版今こそ滋賀を旅しよう!」につきましては、開始から1週間で利用者が約1万1,000人、滋賀県独自の上乗せクーポンを御利用いただいた方は約5,600人ということで大変好評であります。感染拡大を防ぎながら社会・経済・文化活動を行っていけるよう、こういったツールも有効に活用していきたいと思いますので、報道機関各位の力添えも賜れれば幸いでございます。
それでは残り2点、CO2ネットゼロの取組で2つ御紹介させていただきます。
1点目は、滋賀県におけるCO2ネットゼロの取組の1つ。CO2などの温室効果ガスの排出削減量や吸収量をカーボンクレジット、これはすなわち「排出権」として「見える化」いたしまして、カーボンプライシングの考え方も活用して、事業者の皆さんや各家庭での取組を促進したいと考えています。
その1つが、中小企業や家庭での小口のCO2削減量を県が取りまとめて、カーボンクレジットとして販売できるようにする「びわ湖カーボンクレジット倶楽部」という仕組みでございます。仕組み図のスライドが(モニターに)出ていますが、具体的には、県の補助金を活用する事業者や県民の皆様に倶楽部の会員になっていただいて、そしてそれぞれ機器導入によるCO2削減の実績の報告をしていただいて、それを県が務めます事務局が取りまとめ、国に申請を出し、クレジットの発行を受け、そしてその他の企業の皆様方にクレジットを販売する、また御購入いただくという仕組みを新たに導入するということでございます。特に事業所も家庭も小口の取組、小さな取組を総体として集め、さらなる取組拡大につなげていこうという趣旨でございます。
1月13日に国の認証を得まして、J-クレジット制度の登録を受けました。県がカーボンクレジットの売り手、創出者側になれるということとなりましたので、こういう仕組みの根幹をつくることができました。実際にクレジットを販売するのは令和5年4月からの予定です。まず、初年度はクレジットの総質量約800t、販売収益140万円程度を見込んでおります。収益は県内のCO2ネットゼロを推進する事業の財源として活用できればと考えているところです。ぜひ、好循環を作っていきたい。「見える化」して好循環をつくるということに取り組んでいきます。
もう1つは産学官金民連携プラットフォーム「ネットゼロフォーラムしが」が実施する(取組の)第1弾がスタートいたしますので、そのお知らせです。内容は、フォーラムの参加メンバーのうち、32の企業団体がそれぞれで決めた取組をこの1月に一斉に実践され、取組の「見える化」、「自分ごと化」、省エネ行動の定着につなげていくものです。例えば、「各店舗の空調の温度を20度に設定する」でありますとか、「マイカー通勤を控え、公共交通機関で出社する日を設けよう」ということであるとか、「一斉定時退社の日を設けて消灯をする」ということ、「服装の工夫による暖房器具の適正利用」などでございます。
今回の一斉の取組を足がかりにいたしまして、CO2ネットゼロのムーブメントをさらに県内に広げていければと考えております。このネットゼロフォーラム滋賀は75の企業団体でスタートいたしまして、産業界、大学、行政、金融機関団体等にさらなる参加を呼びかけているところです。ウェブサイト「ゼロナビしが」で紹介しておりますので、御覧いただき、ぜひ多くの企業や団体の皆さんにフォーラムに御参加いただくと同時に、こういった「見える化」の取組、実践に御参加いただきますように、さらに呼びかけていきたいと思います。
長くなりましたが、私からは以上です。
[びわ湖放送]
新型コロナについて、(新規感染者の)人数は先週より少ないということですけれども、死者数が7波に比べるとかなり多いように思います。毎日5人以上ぐらいになっているかと思うのですが、死者数が多いことについて、どのように受け止めていらっしゃいますか。
【知事】
亡くなられる方は基礎疾患も患っていらっしゃる御高齢の方が多いということでございます。聞いておりますと、コロナに罹患されることで、お持ちの基礎疾患も悪くなるという、こういうことが主であるということでございます。7波に比べて、もしくはこれまでの波に比べて重症化しやすくなったという状況は確認されていないということでございますが、全体の感染者数が増えると重症化する方、そして残念ながらお亡くなりになってしまわれる方も一定数いらっしゃる。特に、この寒くなる時期は免疫、抵抗力も落ちますので、基礎疾患をお持ちの方の命が奪われてしまうということもございます。したがって、よりこれまで以上に注意して対策を講じていこうということも呼びかけていきたいと思います。
[びわ湖放送]
ワクチンについて、また接種促進期間ということですが、ずっと接種促進期間だとあまり効果がないといいますか、新たなPR方法などはお考えでしょうか。
【知事】
はい、考えて実施していこうと思っています。オミクロン株対応ワクチンの効果について、これまで一定数を接種してきて、接種していない人と比べて7割(の発症を)削減できるという効果も出てきましたので、そういった告知ですとか、またどうしても打ってから期間が経つと効果が減弱して、そろそろ打たなければいけないということが十分に訴求できてない可能性もありますので、そういった訴求ですとか、また、びわ湖放送さんをはじめテレビ媒体だけではなくて、SNSを含めより多くの媒体で効果的な発信をしていただく取組ですとか、そういったことをこれまで以上にやっていこうと思います。
また、この1月、2月、3月は受験とか卒業とか就職とか転居とか、そういう大きなライフイベントと重なりますので、だからこそ(コロナに)かかっても発症しないように、重症化しないように打っておこうと。今の取り決めであれば一定期間休んでいただくということが必要になります。もちろん、かかったら休めばいいのですが、そのことに伴う様々な問題等を克服するためにも、ワクチン接種が有効だということを皆さんにわかりやすくお伝えできるように努めていきたいと思います。
[びわ湖放送]
先ほども「若い人が」というお話だったのですけれども、若い人に向けての何かPRの方法というのは。
【知事】
これはもうみんなが悩みながらやっています。やはりワクチンを何回も打つのは嫌ですよね。打ってもかかるし、かかっても重症化しないのであれば、もうワクチン打たんでもいいのではないかということがありますが、やはり打っていないと、かかって発症するという可能性が上がります。かかればやはり喉が痛いとか、熱が出るとか、しんどいということも起こりますし、かかって発症すればやはり休まなければならないという状況がございます。また、周りの方が御高齢の方だと、基礎疾患を持ちの方だと命を脅かすということもございますので、自分のため、周りの人のためワクチンを打てば防げる感染をぜひ防ぐためにあと1回ワクチンを打とうと。こういうことを繰り返し、粘り強く皆さんにお伝えをしていきたいと思います。
[NHK]
先ほど知事もおっしゃいましたけども、新型コロナだけではなくて、まさに先週、県内3年ぶりにインフルエンザの流行期に入ったということで、同時流行ということになりましたけども、改めて受け止めと、対策とか呼びかけをお願いします。
【知事】
季節性インフルエンザも流行してきました。多くの方が発熱をしたり、感染をされたりということもございます。対策は新型コロナと同じです。マスクをする、手洗いをする、換気をする、こういう対策をしっかりと取るということと併せて、食べること、寝ること、免疫力を保ち、抵抗力を落とさないように努めることも重要だと思いますので、ぜひコロナやインフルエンザに負けない暮らしを一緒につくっていきましょうということです。
ただ、発熱した、コロナなのかインフルエンザなのかわからないという方も増えていると思います。ぜひ、すぐに動いて病院ということではなくて「どこに行けばいいんだろう」「どうすればいいんだろう」という受診相談の電話番号を24時間で設けておりますので、相談・受診先に迷う場合は御一報ください。かかりつけ医に受診してくださいといっても、かかりつけ医をお持ちでない方等もいらっしゃると思いますので、まずそれぞれお電話をしていただいて「こういう症状だけど」「こういう事情だけど」ということの相談をお気軽にしていただきたいと思いますので、ぜひ負けずに頑張っていきましょう。特に1月、2月、とりわけこの1月の後半、小寒から大寒にかけて寒い時期、非常に重要です。今が要注意期間だと思いますので、この点を皆さんに強く呼びかけたいと思います。
[朝日新聞]
阪神大震災について、28年前の阪神大震災が起きたときに、知事は当時JR西日本にいらっしゃって、神戸市に支援に行かれたというふうに聞いておりますけれども、そのとき現地で何を見て、何をされて、そしてどんなことを考えたのかということをお話しいただけたらと思います。
【知事】
28年前、1月17日5時46分の時点で、私は鉄道員として駅員として、山陽本線、山口県の岩国駅というところでの勤務中でありました。山口県の岩国駅でも、震度は記憶にないですけれども、相当な揺れを感じましたし、直後に、鉄道駅ですから警報アラームとかすぐに一報の放送が鳴りました。また、鳴り続けました。尋常ではないことが起こったということを感じましたし、その後、6時以降に動き出す新幹線等も全て動かない。復旧見込みも立たない。被害状況がわからないという状況がしばらく続きました。
したがって、現場での対応を行うと同時に、私は中国地方で勤務していましたけれど、京阪神が大変なことになっているということから、現地に行って自分も鉄道員として頑張りたいということで、支援勤務を駅長に志願しました。「そういうことが必要になったときに君に行ってもらおう」ということでしたので、2月から3月、4月にかけて約2か月間、広島から通って新長田駅ですとか神戸駅で支援勤務をしました。
当時見た情景というのは今でも強く覚えていますが、焼け野原になった新長田の駅前は、とても信じられない焼け野原でした。街の色が変わっていましたし、臭いも強烈でした。また、着の身着のまま、寒かったので着込んではいらっしゃいましたけど、ボロボロになったり、ドロドロになったりする洋服をまとわれながら御家族の捜索をされる方々ですとか、がれきの片付けをされる方々、亡骸を抱えて家に帰られる御様子ですとか。当然、新長田の駅も仮設の駅舎でしたから、こういうプラスチック板でできたような駅改札のラッチ(改札柵)で仕事をしたという状況でしたから、果たして復興がいつになるのかということも思いながら、何とか早期に復旧して街の役に立ちたいという思いを持ったことを覚えています。
と同時に、皆様も取材されたことがあると思いますが当時、いろいろな方がボランティアで炊き出しですとか、暖を取る取組をされておられましたので、そういう現場を見るにつけ、この震災復興の火が灯り始めたということを実感いたしました。私の友人などもそういう活動していましたので、こういうことができるのか、必要なのかということも感じましたので、当時の記憶として残っております。
その後に起こった東日本大震災も春先でしたし、津波という被害も新たに出ました。したがって、この地震の防災というのはこういう記憶を、教訓をしっかりと刻み込んでいく、そして防災対応能力を高めていくということが重要だということを強く実感しております。
[朝日新聞]
先ほど知事のお話の中でも個別避難計画の話がありましたけれども、この個別避難計画をつくるスキームとして滋賀県は「滋賀モデル」という独自の取組をされています。その「滋賀モデル」の理念としては「誰一人取り残さない防災の実現を目指して」というふうに書かれていますけれども、誰一人取り残さない防災を実現するために、知事としてはどんなことが課題で、どんなことに取り組んでいこうというふうに考えていらっしゃいますか。
【知事】
これはとても大切なテーマでして、誰一人取り残さない、取り残されないために、まずやはり「自助」、自分でできることは自分でやろう、そして「共助」、そして「公助」だと思います。もちろん「公助」を整えますし、「共助」の仕組みも強化するのですが、いざ地震が起こったときは、まず自分で身を守るということが大事ですので、身を守るために何をすればいいのか、倒れてこないために何をすればいいのか、バラバラになったガラスの上を歩くために何を持っていればいいのかということの知識を高め、知識だけではなくて実際の行動として備えておく、対策を取っておくということを呼びかけていくというのがまず1つです。
とはいえ、体が不自由であったり、病気であったり、障害があったり、お一人で住まれていたりという、一人ひとりの弱さがあります。こういうものをそれぞれが自覚し、また共有をして、個別の避難計画をそれぞれのまとまり、地域なら地域、自治体なら自治体ごとにつくっておく。そして、それらが機能するように訓練をしていくことが重要だと思います。最初は高島市でやり始めたと思いますが、現在県内19市町のうち15の市町で、まだ部分的ですけれども作成を始め、進めているところですので、これらをしっかりと整備していきたい。
(地震の)発生確率が上がっているといわれていますが、いつ起こるかわからないというのが地震防災の難しいところだと思います。予報があって警報が鳴って、そろそろ雨が降るというものではない自然災害であるだけに、いつ起こってもおかしくないという良質な緊張感を持ちながら対策を進めていくことが肝要だと思います。
[朝日新聞]
滋賀県の場合は、本当に大きな地震に見舞われたということが長いことないと思います。阪神大震災から30年近くですけども、滋賀県を直撃した大きな地震というのは今から100年以上前の姉川地震以来、大きな地震はないということです。そういう中で暮らしている人たちにとって、やはり地震のリスクを身近に感じているのかどうかというのが、非常に難しいところなのかなと思います。先ほど知事がおっしゃったように、地震というのは本当にいつどこで起きるかわからないということなので、滋賀県でももちろん、どういうときにどんな地震が起きるかわからないわけなので、人々に意識を持ってもらうために県としていろいろ訴えかけというか、呼びかけをしていかれていると思うのですけども、どういうふうにやっていこうと考えていらっしゃいますか。
【知事】
今の御指摘のとおりだと思いますし、難しい課題だと思いますが、私たちが生きているこの期間内に滋賀県内で大きな地震というのは起きていませんけれども、長い歴史をたどれば起こった歴史もあるし、そして琵琶湖西岸断層帯をはじめ起こるリスクもあるということです。したがって、私は大事なことは3つあるのではないかと思っていまして、1つは歴史に学ぶということです。この滋賀県とて、今、御質問の中にあった姉川の地震をはじめ、歴史上、当該地域を襲った地震の歴史がある、これに学ぶということが1つ。そして2つ目は、他地域で起こった地震。これは阪神・淡路も東日本もそうです。この他地域で起こった地震からも、支援を行いながら学んでいくということが2つ目。そして、3つ目は、最新の知見で明らかになるリスクをしっかりと捉えて「自分ごと化」し、それぞれの地域に落とし込んで計画をつくる、訓練をすることが重要だと思いますので、この3つの視点を大事にしながら、滋賀県内の地震防災力を高めていきたいと思います。
[京都新聞]
先日、知事意見が出ました(仮称)三十三間山風力発電事業の計画段階環境配慮書に対する件でお尋ねしたいと思います。この知事意見では、この計画が重大な環境への影響を回避や低減できない可能性があるときには、事業の取り止めも含めた事業計画の抜本的な見直しを行うことというふうにされていまして、この「事業の取り止めも含めた」という言葉については、審査会案になかった、当初なかった言葉であって、厳しい意見だというふうに受け止めているのですけれども、知事のお考えをお聞かせいただけませんか。
【知事】
まず、それぞれの事業における環境影響評価、審査の手続きというのはそれぞれの段階に応じた取り決めが行われておりますので、その段階に応じて必要な意見を申し上げていくということだと思います。私が述べた意見のとおりですけれど、高島市長からもブナ等の原生林の存在ですとか、イヌワシ・クマタカの保護ゾーン内に位置していることなどの言及もありました。登山者もいらっしゃるということで、自然環境とか景観への懸念事項を示されているということ。また、動植物、景観、こういった専門家で構成されている環境影響評価審査会でも同様に様々な御指摘をいただいて、配慮書には十分な情報が含まれていないという指摘もあったと承知をしております。
したがって、この段階、まず環境アセスの第一段階としての計画段階配慮書に対する知事意見といたしましては、配慮書段階における環境に関する情報収集が不十分であるということを指摘しながら、今後、現地調査やその結果を踏まえた予測評価を適切に行っていただいて、環境への影響を明らかにしていただくということ、また科学的に実効性のある対策を検討することを求めております。
そういったことに加えて、事業の取り止め、ゼロオプションにつきましては、対策を検討した結果、重大な影響を回避または低減できない場合における事業計画の見直しの選択肢の1つとしてお示しをしたものでございます。したがって、今後、対策が検討され、知事意見を踏まえた環境評価の手続きが進められると期待しています。
[京都新聞]
環境アセスであって事業への賛否を示すものではないと思うのですけれども、宮城県で計画されていた風力発電事業、関西電力が進めていた事業では、宮城県の村井知事や山形県の吉村知事が計画への違和感であるとか反対を表明された。その後、関電側も中止を表明したということがありまして、地元の意見であるとか知事意見というのはかなり事業に影響するものだと思うのですが、今のお話だと、現段階で知事はこの計画そのものへの懸念とか違和感を示されたものではないというような受け止めでよろしいのでしょうか。
【知事】
私が今述べたとおりで、私の今回の知事意見で、事業の賛否というものを表明したわけではありません。環境影響評価の段階、それぞれの段階における知事としての意見を申し上げたということですので、今後どういう対策が行われるのか、その対策の影響や評価をどのように行われるのか注視していきたいと思います。
[中日新聞]
「しが割」について、参加事業者の要件を厳格化されるということですけれども、それについての知事の御意見を改めて具体的にお願いしたいです。
【知事】
第2弾は、第1弾のときの割引額の総額、ですから第1弾でもうたくさん御利用いただいた事業者でありますとか、中小・小規模といいながら(大企業の)傘下にあるような「みなし大企業」に該当する事業者は御参加いただけないようにという要件を課しております。また、周知に一定必要な期間を設けることがあると思いますが、この第2弾の途中にも、第2弾でたくさん御利用いただいて、第1弾と第2弾の割引利用額の合計が多額になられた事業者についても参加の御辞退をお願いすることもあるということでございます。第1弾のときの教訓として、一部の事業者にたくさん利用が集中しているのではないかということを少し改善しようということを考えております。
[中日新聞]
第1弾と第2弾を合わせて一定の額になったら(その事業者は参加を)やめることもあるということですか。
【知事】
そこも要件として設けようと思っております。第1弾と第2弾の割引利用額が1億円以上になった場合には、もうこれで終わりにしてくださいということで。
[中日新聞]
参加店舗数は今6,000店舗ほどですけれども、これ以上増えるのでしょうか。大体どれぐらいを想定されていますか。
【知事】
第1弾に比べますと800店舗近く増えているということです。ただ、この第2弾の(参加店舗の)募集は1月4日で終了していますので、まだ一部審査継続中の店舗があるようですけど、これ以上大きく伸びることはないのではないかと思います。
[京都新聞]
「しが割」について、第1弾を踏まえての事業者側の公平性というか、一部の店舗に集中しすぎないようにという見直しがされたのだと思いますが、利用者側の目線でいいますと、1回当たり3,000円で回数に上限がなく、利用額の上限がないように思います。これは利用者にたくさん使っていただきたいという制度設計かと思います。利用者側からすると3,000円の割引額上限でできるだけたくさん使いたいと考える方も多いのではないかと思いますが、1回3,000円の割引を受けてそれを5週といいますと、1万5,000円まで割引の総額は膨らむと思います。一方で、「しが割」を利用できない方、LINEを使ってないですとかスマホを持ってないなどで利用されない方、できない方もいらっしゃいます。恩恵というか割引を受けられる額で差が出るように思うのですけれど、利用者側の公平性というのか、何かお考えはありますでしょうか。
【知事】
できる限り第1弾のときにいただいた御意見も踏まえた改善をやろうとしています。例えば、アクセスが集中して利用できないではないかということについてもサーバーを増強して対策を講じておりますし、金額設定、割引率の設定というものについても、もう少し少額で利用できた方がいいのではないかということもございますが、それぞれの方の利用額に応じて割引額がございます。1万円分利用して3,000円の割引を利用してくださいということではなくて、それぞれのお買い物に応じて御利用いただけるように設定させていただいております。また、スマホを持ってない方、LINEを登録されていない方などについてどう考えるのかということですけれど、一定数そういうものが広がってきている状況もございますし、この事業の目的はコロナ、もしくは物価高で傷んでいる経済、とりわけ県内の事業者の方々(の店舗)でお買い物をする方を増やして、もって支援をしようということを目的とさせていただいておりますので、そういった御趣旨等を丁寧に皆さんに説明して、御理解、納得して御利用いただける環境をつくっていきたいというふうに思っております。