令和5年1月4日
(県政記者クラブ主催)
【知事】
改めまして、新年あけましておめでとうございます。今年もどうぞよろしくお願いいたします。
年末年始もコロナ対応をはじめ、雪寒、また、防災、事件や事故対応など、多くの方々がお仕事をしてくださいました。その方々に心を寄せたいと存じます。また、ウクライナでは戦禍の中で年越しという方もいらっしゃいましたし、避難をして新年を迎えられた方々もいらっしゃいます。おかげさまで県内では大きな事件、事故がなかったと思いますが、全国各地で土砂崩れや事件・事故に巻き込まれた方々もいらっしゃいます。心を寄せ、無事、平和、平穏を祈りたいと存じます。
先ほども庁内放送等で皆様方にお伝えしたところでございますが、今年の元日の朝に
(俳句) 『越えていく 決意の朝の 初茜(はつあかね)』
と詠ませていただきました。
いよいよビヨンド・コロナ、コロナを乗り越え、府県境や国境を越えて、さらには様々な物事を超越して、新時代へ「健康しが2.0」を実現・実感するため、新たなチャレンジをする1年にしようと呼びかけさせていただきました。
まず、新時代というのは「シン・ジダイ」と片仮名で表記いたしまして、新しいの「新」、一歩進むの「進」、未来へ伸びるの「伸」、一本芯の通った「芯」、心の豊かさを重視するための「心」、みんな仲良く、親しくの「親」、本当の意味、真の「真」など多くの意味を含んで表記、表現いたしました。
重点的に取り組むこととして3つを表明いたしました。
1つ目は「シン・ジダイ」の希望である「子ども・子ども・子ども」。子どものために子どもとともにつくる県政を実現したい。そのために、様々に取り組んでいることに加えまして、2025年大阪・関西万博へ滋賀の全ての子どもが行けるプロジェクトをスタートさせようと呼びかけました。
2つ目として、「シン・ジダイ」の歩みは琵琶湖をはじめ、自然環境とともにあるべきだと。琵琶湖をお預かりする滋賀県の使命といたしまして、これまで以上に生態系サービス、生物多様性の保全に力を入れて取り組もう。COP15の合意決定事項に賛同を表明するとともに、現行の「生物多様性しが戦略」の改定に着手いたします。
3つ目、滋賀の「シン・ジダイ」へのチャレンジは世界とのつながりの中で行っていきたいと思います。今年、友好姉妹関係それぞれ55周年、40周年の節目を迎えます米国・ミシガン州、中国・湖南省との対面交流活動を再開させることや、まだ仮称ですけど「環境・平和友好交流訪問団」を組成し、派遣することにより深化、発展させたいと思います。また、現在検討中の高校生の留学を積極支援する枠組みづくり、またミシガン州、湖南省、リオ・グランデ・ド・スール州に次ぐ第4、第5の友好交流提携先の可能性を探ることにも挑んでいきたいと思います。
この「子ども」「生態系」「世界とのつながり」という3つのテーマ以外にも既に検討している公園の価値・魅力の向上、また3年に及ぶコロナ対応を教訓としたソフト・ハード両面からの感染症対策の強化、そして北部振興や財源づくりとともに進める交通ビジョンづくりについても力を入れて取り組んでいく。こういった事々を近く説明し始める予算案や組織体制案の中にも盛り込んで、丁寧に説明していこうということを呼びかけました。
また、その上で1970年代後半に設置されました「文化の屋根委員会」を参考にして、仮称ですけど「新しい豊かさ研究会」をつくり、この先、滋賀が歩むべき道筋等について探っていきたい。もう1つは、滋賀県庁のパーパス(存在意義、志)を議論の上、決定し、職員とも共有をし、前例や形式にとらわれずに自由で柔軟に新たなチャレンジができる礎としていきたいと考えているところでございます。
ぜひ、今年も報道機関各位の皆様方との対話を重視しながら県政を進めてまいりたいと思いますのでどうぞよろしくお願いいたします。
なお、コロナ対応につきましては、年末年始も140を超える医療機関が開設していただくなど、また県民の皆様方には基本的な対策を取りながら過ごしていただくことなど、様々な御協力をいただきながら、何とか乗り越えることができました。今のところ、季節性インフルエンザとの同時流行は、本県においてはまだみられないのではないかということでございますが、通常、季節性インフルエンザは1月後半から本格流行期に入るということですし、この1月には寒波の襲来も予想され、さらに寒くなるとより厳しい状況になることも想定されますので、注意・警戒を行っていきたいと思います。
病床につきましては、医療現場で厳しい状況、病床使用率80%を超える状況が続いておりますが、おかげさまで何とかコントロールできている状況、必要な医療が患者の皆さんにお届けできている状況にあります。
また、ワクチン接種につきましても、1月6日から広域接種センターも再開ということですし、現在、接種強化期間と設定し、皆様方に呼びかけておりますので、積極的な接種を御検討いただきたいと思います。
直近、専門の担当者に確認いたしますと、医療機関や高齢者施設等でクラスターが続発していることを受けて、現場に赴きながら直近どのようなことを現場と共有しているのかと尋ねたところ、「感染拡大を防ぐことと身体機能低下を防ぐことの両立を目指して取組を行っている」と。基本的な対策、ハード・ソフト両面の対策というのはもちろん必要ですけれども「特に最近重要なテーマとして換気。距離を空けることとあわせて換気、気流をデザインすることに力を入れて取り組んでいる」ということでございました。こういった知見や経験をさらに積み重ねて、次の波、今後の対策に生かしていくことも考えていきたいと思います。いずれにいたしましても、まだコロナの感染状況が続いておりますので、しっかりと取り組むと同時に、コロナの先を見越した取組についても皆さんと一緒に試行していきたいと思いますので、どうぞよろしくお願いいたします。私からは以上です。
[産経新聞]
今日の年頭あいさつで、「シン・ジダイ」ということを大きく打ち出されました。それは全て「シン・ジダイ」と片仮名で表記すると、何か『シン・ゴジラ』とかそういうのを思い出してしまうのですけども、「シン」にはいろいろな意味を込めたということを今おっしゃいましたが、全て片仮名にしたというところの思いというか、そういったところをもう少し教えていただけますでしょうか。
【知事】
『シン・ゴジラ』もそうですけど、「シン・びわ湖なう」など、その時々、注目したい、耳目を集めたい事柄について、改めて振り返っていきたいテーマについて「シン」とつけて片仮名で表記するという手法はあると思います。例えば、年末に発表された男性1位、女性2位という平均寿命の長さをはじめ、琵琶湖を窓・鏡にした環境に対する取組の先進性ですとか、コロナ対策もまだまだ試行錯誤の中で現場の御尽力とともにやっているのですが、お互いのことを思いやり、規制や制限・制約だけではなくて共存を目指して頑張ってきた過程や、琵琶湖を真ん中に皆で仲良く支え合ってつくっている滋賀県。決して大きくもないし、強くもないけれども、私はこの滋賀の取組を世界に自信を持って発信していける取組などがあるのではないかという思いを込めて、むしろ新しい時代を開いていくのは私達、滋賀だと、滋賀県にいる私達だという思いを込めて表現させていただいております。
[産経新聞]
世界に向けてというところが、この片仮名に込められているということを受け取りました。
もう1点。新たなチャレンジをする1年ということをおっしゃいましたけれども、何か具体的に知事の頭の中に思い描いている1年のイメージはありますか。
【知事】
この1年だけで全て完結ということではないですが、新しく始める取組として、重点的に3つ申し上げました。
1つは「子ども・子ども・子ども」。2025年大阪・関西万博に滋賀の全ての子どもが行けるプロジェクトというものを始動させようということ。
COP15を受けて生態系保全、生物多様性の保全に本格的に取り組む。さらに力を入れて取り組む滋賀というものをつくろう。そのための戦略の改定。目標についても野心的に再設定するということについても考えております。
また、世界とのつながりの中で、そういったことを行っていけるようなことも表明させていただきました。
重点の中には入れませんでしたけれども、今、ポスト・コロナに向けて公園の魅力づくりといったものもさらに進めておりますし、北部振興については予算や体制をもって、さらに具体を示していく1年になろうかと思います。私達が表明し、全国が注目しています「財源づくりとセットになった交通ビジョンづくり」も重要な時期を迎えます。こういった事々に具体、前進や成果を示していく1年になるのではないかと思います。
[京都新聞]
重点政策の中で述べられた2025年大阪・関西万博に滋賀の子どもを全て連れて行くというお話ですけれども、県の推計人口でいいますと県内の18歳未満の子どもの人数は22万人ということです。この人数の子どもたちを半年しかない万博の期間に全て連れて行くということなのか、どれぐらいの子どもを対象に、どのような方法で連れて行こうと思っていらっしゃるのでしょうか。
【知事】
今、お尋ねいただいたことは全て、今後検討する課題です。何歳までの子どもを対象にするのか、どのような形で万博を楽しむのか、その会場に行くのか。これらは皆さんとよく検討したいと思います。
まず、入場料金が決まっていません。そして、国から既に公表されております「2025年大阪・関西万博アクションプランVer.3」の中にも教育旅行等で全国からの子どもたちが楽しめる取組なども検討されているようです。こういった中で教育交流などについてもテーマとして盛り込まれておりますので、そういうものもうまく活用しながら、滋賀の子どもたちが何回も行くのは難しいとしても、最低でも1回は距離や費用を考えることなく行けるような取組をつくろうではないかと考えております。
[京都新聞]
万博は2025年でまだ少し先ですけれども、来年度の予算編成の中にこういったお話も入ってくるのでしょうか。
【知事】
具体の予算というのは来年度よりも当該年度になってくると思いますが、この時期に表明させていただいたのは産業界をはじめ皆さんと一緒につくるということが大事だと思いましたので、まずこの時期に表明させていただき、具体の検討に着手していきたいと考えております。
[共同通信]
知事の年頭のあいさつにもありましたけれども「新しい豊かさ研究会」をつくりたいということをおっしゃっていました。もし、もう少し具体的なイメージがあれば教えていただきたいです。
【知事】
言葉で述べたことに尽きるのですが、私は2014年に知事へ就任して以来、「新しい豊かさを追求しませんか」と呼び掛けてきました。今だけ、モノだけ、お金だけ、自分だけの豊かさではなくて、全ての人が将来も持続的に心で実感できる豊かさというものを皆でつくろうと。その新しい豊かさの具体の象徴として健康というのがありましたので、2018年以来、「健康しが」というものをつくり進め、「変わるしが、続く幸せ」の中にも、そういった要素を盛り込んできたということがございます。昨年、県政150周年を向えて、越えて今151年目ですけど、例えば160年、170年、200周年を迎えたときに、どのような滋賀でありたいのか、何を大事にすべきなのかということを、今の基本構想の次、今年スタートさせる第2期実施計画の次の中に柱になるものを埋め込んでいく必要があるのではないかと思いました。それらは、私だけ、知事だけ、行政だけ、滋賀県だけでつくるのではなく、最高の知見、最新の情報、こういったことも要素として盛り込みながら、より効果的な方法で皆が意見を共有できるような場もつくっていくことがいいのではないかと考えました。そういうモデルがどっかになかったのかと探しますと、1979年から1985年に武村正義当時知事がつくられた「文化の屋根委員会」というのがあったということを知り、現代版のこういった場がつくれるのであればつくろうではないかと。折しも今年度は「新しい豊かさに関する研究会」を庁内でやりながら勉強会もやっていますので、これを発展させる形でつくっていければいいのではないかと。人選ですとか、やり方、これから検討いたしますので、来年度すぐにということよりも、少しこの1年、じっくりとつくり込んでスタートさせていければと考えているところです。
現在、進んでいる死生懇話会というのもありますけれども、今年度の予定といいますか、当初であれば、一旦、取りまとめもしたいというようなことをおっしゃっていたかと思うのですけれども、その辺の計画があれば教えていただきたいです。
【知事】
死生懇話会は、まだずっと続けておりまして、庁内のワーキンググループを先月も開催いたしました。これまで行ってきたことを振り返りながら、今後につきましても、今年度も美術作品からみる死生観というセッションですとか、あとは3月には死生懇話会を開催すべく、現在準備しているところです。より良い形で発展、継承していければと思っております。その死生懇話会を来年度以降どうするのかというのは、まだ検討中です。
[中日新聞]
年頭あいさつで知事が今年の1年に兎年に合わせて、弱さを大切にするということをおっしゃっていたかと思います。その思いを少し詳しくお聞かせください。
【知事】
これは話し出すといろいろと長いし、いろいろな思考をしながら出てきた自分なりの考えですけど、知事としても行政としてもそうですけど、滋賀県の強みはとか、私の強みはとかをいろいろと問われ、発することが多いです。もちろん、SWOT分析などで同時に脅威や弱みについても分析として用いることがありますけど、あまり表に出さない傾向があるのではないでしょうか。どちらかというと弱みは繕いたいし、隠したいし、何か克服の対象になっていることの方が多いように思います。
ただ、弱さこそ強さではないかと最近思うようになりました。この弱みや弱さを見た目もそうです。心の弱さ、例えば少し折れてしまうとか、休んでしまうとか、潰れない方がいいですけど耐えられないということもあるでしょう。つながりもそうです。職場のつながり、地域のつながりも以前は強かったけれども今は弱い。どちらかというとネガティブに捉えられる傾向がありますけど、実はその方がいろいろな人たちとしがらみなく付き合えるということにもつながるのかも知れません。また、県政も大きい、強い、たくさん人が来る、お金をいっぱい持っているというのを強調しがちですけど、そうではない強さというのもあるのではないか。そこを私は「弱さ」に見出してはどうか。むしろ、それを皆がお互い認め合って表現や発信もすることができて、それを肯定的に捉えて支え合っていけるような行政のあり方とか地域のあり方というのを追求してみたらどうかと思うようになりました。別に私が確たる論理をつくれているわけではないのですが、年頭の言葉の中で皆さんに投げかけることで、どういう反応があるのか。また、議論していきたいと思います。
[中日新聞]
重点的な施策に1つ掲げられていた高校生の留学制度。具体的にどういった対象でどのようなビジョンをお持ちなのかお伺いします。
【知事】
既に国の飛び立てという冠のついたプロジェクト(トビタテ!留学JAPAN)で、留学を支援する取組はあるのですが、もっと早く、もっと多く、もっとより良い形で世界を舞台に学ぶこと、活動することは有効なのではないかと考えました。行政だけではなくて税金だけではなくて高校生の留学を皆でサポートする仕組みづくりというのを国で施行され、募集されようとしていますので、そういったところに滋賀県も手を挙げて取組をつくっていくことができないだろうかと現在検討しているところです。
[京都新聞]
重点政策の関係でもう1つお聞きしたいのですけれども、生物多様性の保全で力を入れていきたいということだったと思います。年頭のあいさつではCOP15で合意された「30 by 30」に賛同したいということで言及されたと思うのですが、「30 by 30」ですと、2030年までに陸と海の30%を保全エリアにしていくということだったと思います。県では既に37.4%が保全地域になっているということもおっしゃったので既に県内では達成しているような状況かと思いますが、37.4%をさらに引き上げていくというようなことでお考えなのか、その目標数値のようなものが念頭にあれば教えていただけますか。
【知事】
年頭の言葉の中で述べたとおりですが、また今後仔細は議論・検討の上、決定していきたいと思います。昨年12月にカナダで開催されたCOP15での合意は「30 by 30」で、これは2030年までの生物多様性の損失の食い止めと回復、2030年までに陸・海の30%以上を健全な生態系として効果的に保全するという決定ですので、まずはそのことに賛同を表明したいと思います。
今もお尋ねいただいたように、県土の37.4%が生態系の保全・保護地域として滋賀県はもう既に指定しています。それでもって「30 by 30」が達成されているのかということは、また別問題ではないかと思います。地域の指定だけではなくて、現にその地域での生態系がどのようになっているのかということですとか、以前あったものの、回復というものについてどういう取組が行われ、どういう効果を出しているのかということですとか、また目標やエリアの定め方でさらに先進事例というものをつくれる余地・可能性があるのかどうかということなどを、ぜひ、県庁の専門スタッフや県庁外の御関心の方々と一緒につくっていきたいと思います。
当然、産業活動、生産活動、生活との影響や兼ね合いもあると思います。これまでであれば、生態系サービス、生物多様性保全を強調しすぎると制約が大きい、むしろ経済活動がやりにくいという見解もあったのかもしれませんが、もう最近の経済活動、生産活動、産業活動はむしろそういうものを保全しながらするというのが前提になってきていますので、以前とは違う舞台が整えられつつあるのではないでしょうか。おかげさまで滋賀県の企業、産業界の皆さんは「トンボ100大作戦」をはじめ、こういった事々に熱心な企業様も多いので素地があると思います。それらを発展させていこうということです。
[京都新聞]
先ほど、仕事始めのあいさつの中で職員の服装を自由で柔軟にしていくというお話があったかと思うのですが、服装を柔軟にすることでどのような県庁の姿を目指そうとしてらっしゃるのか。どういうふうに呼びかけていこうと思っていらっしゃるのか教えてください。
【知事】
TPOもあると思いますが、法律では県庁で働く職員の服装が決まっているわけではないということです。クールビズやウォームビズの取組の中でいつからいつまではいいということは決めていますが、もっと自由にあっていいのではないか。そのことで暖房をガンガンたかなくても温かいスタイルですとか、クーラーをガンガンかけなくても涼しいスタイルというのをさらに追求していければ、そこから生まれる副次的な効果として形式や前例にとらわれない働き方とか、人との関わり方とか、物事の論じ方とかが生み出せないかということで、既に担当部局で検討してくれていることがあります。それらを具体に発信して動かすことでどのように皆が行動するのか、何かが変わっていくのか・いかないのかを、みていきたいと思います。私は、今日はこういうスタイル(紋付き袴)ですけど、私自身ももっと変わっていくきっかけになればと思います。
[産経新聞]
生物多様性がすごく強調されておりました。去年11月に(開かれたシンポジウムで)ホンモロコが獲れ始めたというすごく嬉しいニュースがありました。これはおそらく20年、30年という努力の成果が上がってきていると推察するわけですけども、新年ですので、これから20年後、30年後の琵琶湖をどういうイメージで描いておられるのか。ネットゼロも大事だと思うのですが、何か具体的なイメージとしていただけないでしょうか。
【知事】
今、お触れいただいたホンモロコもそうです。鮒寿司の材料になるニゴロブナもそうですけど、おかげさまで滋賀県が誇る琵琶湖の固有種が資源回復の途にあります。これは長年にわたる地道な努力や取組の1つの成果ですので、それは成果としてしっかり確認していきたいと思います。
ただ同時に、せっかく獲れるようになってきたのに以前ほど食べなくなったとか、調理の仕方がわからなくなったとかいう生活スタイルの変化とともに、需要と供給がマッチしない、適度に獲りながらいただきながら次の資源がずっと育っていくという環境が少し崩れてしまっているようなところがあります。20年、30年が経った理想の姿としては、やはり獲れる、いただける固有種・自然資源を大切に使いながらいただきながら、ずっとまた次の世代へと再生産していく。人間だけではなく、魚も鳥も生き物たちもということが1つの理想となるのではないかと思います。
そのことに触れるきっかけとして、MLGs(マザーレイクゴールズ)がありますし、そのことを内外に表明するという効果として「生物多様性しが戦略」をつくり直し、世界との関わりの中でどのように守っていくのかということもあるのだと思います。