令和4年12月6日
(県政記者クラブ主催)
【知事】
今日もよろしくお願いいたします。
既に任期は始まっているのですけれども、12月1日の関西広域連合委員会で関西広域連合長を拝命いたしました。12月4日から任期がスタートしております。いろいろな課題や可能性もある中、広域行政の役割がとても重要になってきていると認識しております。重責と大役に緊張いたしますが、誠心誠意、務めていきたいと思っております。
所信として私が申し上げたのは、まず0番として全ての基礎として、府県民の安全・安心、目下コロナ禍でもありますし、エリア内に鳥インフルエンザの感染がまん延しております。阪神淡路大震災を乗り越えてきた等の地域でもございますので、防疫、防災、府県民の安全・安心に対する備えを連携してやっていきたい。その上に3点申し上げました。
まず1点目は、唯一の府県域を越えた広域行政、広域自治体として広域行政のシンボルたる自覚も新たにしながら、分権をさらに進めていきたい。分権型社会をつくるための歩みや実績を積み重ねていきたいというのが1点目。
2点目は、2025年に大阪・関西万博、そして2027年にワールドマスターズゲームズなどの大きなビッグイベントがエリア内で開催されます。その準備を加速させていくと同時に、生命や健康、自然と文化、DXやGX、この関西の強みを内外に発信をしていこうというのが2つ目。
そして3つ目は、琵琶湖をお預かりする滋賀県の知事として関西広域連合長を拝命いたしましたので、水のつながり、水循環、生態系サービスを大事にしようということを申しあげたところでございます。
関西は1つであり、一つひとつを大事にしながら、2府6県4市、約2,200万人の構成府県市人口、そして35,000km2という広大な面積を有する、この地域の発展のために尽力をしていきたいと考えておりますので、県政記者メディアの皆様方の様々な御理解や御鞭撻をいただければ幸いでございます。
「しが割」について申し上げます。11月14日から開始いたしまして、当初は2月まで消費喚起、需要喚起ができたらということで始めたのですが、大変好評でありまして、まもなく予算上限に達する見込みでありますので、今週末の12月11日の日曜日をもってキャンペーンを一旦終了させていただきます。
昨日12月5日時点での登録店舗数が5,273店舗、利用に必要な公式LINEの友だち登録者数が54万人、延べ51万人の方に御利用いただいております。お店からは「しが割」のおかげで新規のお客さんが増えたというお声や、お買い求めになる単価、また食べていただく単価が上がりましたというお声などもいただいておりまして、県内消費の起爆剤となった一方、事業の目的に照らして店舗の登録や利用者の利便性などにおいて課題もあったと認識しております。こうした様々な御意見、課題等を踏まえまして、今後の対応を検討していきたいと考えております。
もう1つ。10月1日にオープンいたしました結婚支援センター、しが・めぐりあいサポートセンター「しが結」についてでございますが、こちらは今月の12月1日からマッチングサービスをスタートいたしました。昨日12月5日時点でお見合いが9件成立したという報告をいただいております。コロナ禍での出会いの創出に一定つながっているのではないかと考えております。現在、350人を超える方の御登録をいただいております。AIでマッチングをするという新たな取組もやっております。オンライン上で随時入会を受け付けておりますので、ぜひこのセンターを利用してみようという方は御登録をいただければと存じます。
それでは資料が2つあると思いますので、2点お伝えをいたします。
新型コロナウイルス感染症に関連いたしまして、ヴォーリズ記念病院の旧病棟に高齢者等宿泊療養施設を開設しますということについてでございます。昨日時点の最大確保病床使用率は66.9%、現在の病床数は493床。これを501床まで増床すべく、現在調整をしているところです。今後、こうした感染拡大傾向が継続した場合、近く病床がさらにひっ迫する可能性というものがございます。コロナの患者さんを診ていただいている病院等でもクラスターが発生しております。一部、医療機関はかなり厳しい現場の状況があるということも聞いております。今一度、昼夜を問わず御奮闘いただいている医療機関、福祉機関、保健関係者の皆様方に感謝の気持ちをお届けしたいと思います。そうであるからこそ、私達県民一人ひとりが感染を広げない取組をしっかりと徹底していきたいと思います。
その取組の1つがワクチン接種です。先週、私も4回目の接種をいたしました。注射は嫌いですけど、痛いので苦手ですけれども、受けさせていただきましたが、過去3回に比べて私自身は副反応がほぼなかった。人の体質にもよりますし、体調にもよると思いますので、一概には言えないですが、私はそういう状況でございました。12月4日時点のオミクロン株対応ワクチンの接種率は23.7%。まだ、若い方を中心に(接種の)広がりを欠いている、まだまだ打っていただきたいという状況であります。年末年始、帰省やお仕事、また様々な御旅行等を予定されている方もあろうかと思いますので、もう1回だけ接種を皆様方に呼びかけます。今後、オミクロン株対応ワクチンの取扱い等も変わることが想定されますので、もう1回このワクチンを打とうということについて、皆様方の御理解と御協力、御検討を呼びかけたいと思います。
そして、本題でございますが、準備を進めておりました介護や見守りが必要な高齢者等のための新たな宿泊療養施設について、これまでホテルピアザびわ湖で実施しておりましたが、12月13日から2つ目となるヴォーリズ記念病院の旧病棟を利用して16室で運用し、介助が必要な患者さんを受け入れるということでございます。
ホテルピアザびわ湖は大変好評だったのですが、移動距離等の問題でなかなか入っていただきにくいという状況を改善するためにも、このヴォーリズ記念病院は役立つと考えられます。来週12月13日の午前中にメディアに公開予定ということでございます。こうした体制を確保する、充実させながら、感染者を受け入れる医療提供体制への負荷も減らせるように運用を行っていきたいと思います。また、療養中にADLという日常生活動作の機能が衰えるということを解消するためにも役立ててまいりたいと思います。
少し話題が変わりまして、滋賀県のいちご新品種「みおしずく」のロゴデザインが決定したということについてでございます。「みおしずく」は、滋賀県農業技術振興センターが5年の歳月をかけて育成いたしました。イチゴの新品種を作るのは滋賀として初めてということでございまして、本県が誇ります技術スタッフが精魂かけて開発した新品種でございます。昨年度、約7,600の応募の中から名前が決まりました。この「みおしずく」でございますが、フローラルな香りと爽やかな甘さ、そして大粒で明るい赤色が特徴ということでございます。とても美味しい。
ロゴデザインは「みおしずく」の実を雫に見立てて、瑞々しい美味しさを表現したというものでございます。キャッチコピーは、様々なイチゴがある中でもひときわ輝く1粒になってほしいと、生産者や消費者一人ひとりの思いが集まって、滋賀を代表する宝石になってくれたらという思いが込められまして「ひとしずくから輝く宝石へ」というキャッチコピーで売り出していきたいと考えております。今年度は、栽培試験中のため、数量限定となります。今、8件の農家で鋭意生産中ということでございます。
本日からロゴデザインを活用して量販店で試験販売を開始するということでございます。滋賀県のオリジナルいちご「みおしずく」を、皆さんと一緒に滋賀を代表するブランドに育てていく取組といたしまして、後ほどこの会見場で御発表いただけるということですが、株式会社平和堂様、コープしが様の御協力により「みおしずく」を使用したスイーツを開発していただきました。ぜひ、御取材等いただければと思います。県民の皆さんには、今月からイチゴそのものやこうしたスイーツで、ぜひ「みおしずく」を味わっていただければと存じます。
県といたしましては来年度の「みおしずく」の本格デビューに向け、生産者の方はもちろん、様々な形で関わる人、またファンを増やす取組も進めていきたいと考えております。ぜひ皆様方、御取材よろしくお願い致します。私からは以上です。
[びわ湖放送]
「しが割」についてですが、当初2月までということだったのですが、12月ということで2か月も早く終了ということのようですが、先ほどおっしゃっておられました課題もあったと認識されているということで、課題というのは具体的にどういったところにあったのか。そして、また今後の対応として第2弾というのはあるのでしょうか。
【知事】
課題はいろいろあったと思うのですが、今回、LINE登録から御参加いただきましたが、そういったスマホ、携帯、LINEからだけでいいのかというお声ですとか、県民に限定したわけではなくて、県外からも御利用いただけるということに対するお声でありますとか、割引率をもう少し減らしてでもいいから回数を増やし多く利用できるようにした方がいいのではないかとか、分割で利用できた方がいいのではないかとか、様々な御意見いただいているところです。全てに対応できるわけではないのでしょうけれども、どういったことが可能なのかということも御利用状況とあわせて総括、検証、また検討をする必要があると考えております。そして、2つ目の御質問にも絡むのですが、そういったことを踏まえて、今後の対応については検討していきたいと思います。
[びわ湖放送]
それと関西広域連合ですけれども、設立から12年が経ちまして広域の課題解決というのは進んでいるかと思うのですが、先ほど分権型社会というお話もありました。東京一極集中を打破するという当初の目的があったかと思うのですが、そのあたりはあまりまだ進んでいないのかなと感じるのですが、このあたりいかがでしょうか。
【知事】
分権型社会の実現、そして東京一極集中の打破に向けてはまだまだ道半ばではあると思いますが、様々な歩みを皆で力を合わせて進めているという状況ではないでしょうか。来年3月には文化庁が京都に移転をしてきます。滋賀県には国立環境研究所の琵琶湖分室が既にできておりますし、消費者庁が徳島県に来たり、統計の分局が和歌山県に来たりというようなことがございますので、またドクターヘリをやったり、広域で文化・観光行政をしたり、様々な受け皿としての機能・実績というのを積み重ねてこられたのではないでしょうか。
したがって、これまでやってきたことを基礎にしながら、さらにこの分権型社会を担いうる双眼構造の一極としての関西になれるように、これからも頑張っていきたい。そのためにも、定期的に、知事、市長が顔を合わせながら、副知事も副市長も含めて議論をする、心合わせをする、そして広域連合議会で様々な御指摘をいただきながら行政を充実させていく取組をしているところというのは、日本全国、関西広域連合だけです。ぜひ、こういうことを基礎にしながら、さらに発展をしていければというふうに思っています。
[読売新聞]
「しが割」の件で伺いたいのですが、「しが割」の特徴としてクレジットカード情報を入れないで、かなり普及しているLINEで気軽に登録できるという特徴があると思うのですけども、それがおそらく、かなり早く予算消化ということにつながったと思うのですが、今回LINEを使ったということについてはどのように知事は評価されていらっしゃいますか。
【知事】
私は1つの有効な手段だったのではないかと思っております。詳しくは、また検証して必要な改善策等を考えていく必要があると思っておりますが、この間、多くの方に御迷惑、御心配もかけながら滋賀県はいろいろな歩みもありましたので、今回は早く簡便に手軽に御利用いただける方法として、このLINEを使わせていただいた。54万人の方が登録されておられますし、延べ51万人が利用されたということからしても、一定のこの効果というのはあったのではないかと思っています。ただ、LINEからということで、入っていらっしゃらない方、スマホからということで使えない方、使い勝手がわかりにくい方々に対するフォロー・ケアというものもいるのかもしれません。こういったことをよく考えていきたいと思います。
[読売新聞]
今後の検討ということだと思うのですけれども、こういう事業というのは、多分、皆が満足するというのはありえなくて、絶対どこかで不公平感は出ると思います。今回の目的としては中小事業者の支援ということでやったわけですけども、消費・需要喚起ということをとにかく重視するという理解でよろしいでしょうか。
【知事】
おっしゃったとおりで、コロナ禍、そして原材料・原油価格高騰、低迷する需要・消費を喚起させて、もって県内の事業者、中小、小規模事業者を支援するという目的でやってきましたので、そういう目的がどの程度達成できたのかということはしっかり総括、検証する必要があると思っております。
そして、その意義というものに対する御理解は一定程度あったのではないかと推察しております。また、これが年末で終わりということでいいのかということについても、さらに年末年始、クリスマスも含めて一定の消費は増えるのかもしれませんが、年明け以降、年度末に向けてさらにどういう対策が必要なのかできるのか、こういったことはよく考えていきたいと思います。
[京都新聞]
引き続き「しが割」の質問をしたいのですけれども、課題を洗い出すということでおっしゃっていたのですけれども、やはり使われた方の年代ですとか、県内の方なのか県外の方なのかというあたりが重要になってくるかと思うのですが、その辺は把握されていますか。
【知事】
今、集計・集約中です。参加された店舗は当初が4,000店舗ぐらいだったのですが、5,200店舗を超えてきたということですし、割引券の利用額も予算は11億円余を計上しておりますけれども、今週末で終了しなければならないほど、既に9.7億円を利用していただいているということですし、LINEの友だち登録が54万人、割引券の利用者数が延べ51万人を超えているということです。
まだ、完全ではないですけど、LINE登録されて、どれぐらい滋賀県居住者がいらっしゃるのかということでみてみると、本人入力ベースではありますが、95%が滋賀県居住者で、県外からは5%。あと、年代をみますと、全体の23%が60代以上の方、女性の利用が約6割。月曜日に出されるということもありますが、取得される日はいつが多いかというと、取得の4割が月曜日に取得。どれぐらい利用されているのかという利用率をみますと63%で、取得したけど使わないという方も一定いらっしゃる。あと、「しが割」で消費効果がどれぐらいあるのかをみたときに、割引した原資が9.6億円に対して生じた消費というのが46億円あったのではないかということで約4.8倍。どの券種が、どれぐらい利用されているのかというのを調べますと、3,000円利用というのが全体の40%で、そのあたりの価格層が多い。業種別でみると、金額ベースでサービス業が11%、飲食業が24%、最も多いのが小売業65%ということであります。これはまだ、第3週目までの状況ですので、そういったことなどを最終、総括いたしまして今後の対応等を考えていく必要があると思っております。
[京都新聞]
先ほど、その数字の中で60代以上が23%とおっしゃったかと思うのですが、スマホを使ったサービスですと、なかなか高齢の方が利用しづらいのではないかという声、懸念があったかと思うのですけれども、60代以上23%というのは、知事としては、現時点よく利用してもらったとみるのか、少ないというふうにみられるのか、いかがでしょうか。
【知事】
スマホを使わない方やLINE登録されてない方々のお声をどのようにお聞きし、対応していくのかというのは大事なことだと思います。そして、スマホを使えない方、使われない方に対する目配りをするということも重要だと思いますが、よく言われます高齢者がスマホやLINEに少し遠いのではないかというステレオタイプ的な見方というのは、私は違うのではないかと思っております。御高齢の方でもスマホやLINEを使いこなしながら、御利用いただく方もいらっしゃいますので、そこは、よくみながら分析して、今後の対応を考えていきたいと思っております。
また、どういうところで利用できるのかということについて、私ども中小企業、小規模事業者などを対象にしていたのですが、少し大企業の資本下にあるような店舗等で利用をされることについて、「果たしてこれでいいのだろうか」という問題提起等もいただいておりますので、今後の対応策を考える上ではこういったことも論点になってくるのではないかというふうに思っています。
[NHK]
全く話題が変わってしまいますが、今年の7月の大雨のときに近江八幡市の地下道で72歳の女性の方が溺れて亡くなるという痛ましい事故がありましたけれども、その女性の遺族が現場を管理する県と市に対して、安全管理が不十分だったということで提訴される意向を示しているということですけれども、これにつきまして知事としての受け止めをお願いしたいです。
【知事】
まず、大雨の影響でアンダーパスにおいて、尊い命が失われたということでございます。亡くなられた方に哀悼の気持ちを寄せると同時に、御遺族、御家族の皆様方にお悔やみを申し上げたいと存じます。私ども、市とも連携しながら原因や今後の対応策を考えているところでございますが、今お尋ねのあった訴訟につきましては報道で承知をしておりますが、訴訟の内容を私も現時点で把握をしているわけではありませんので、そういったものをみて県としての対応を考えていきたいと思います。
[京都新聞]
関西広域連合長に関して2つお尋ねします。広域連合長のお仕事は結構たくさんあるというふうに聞きました。東京への要望活動であるとか、関西広域連合主体の会合であるとか、催しへの参加があるということで、前連合長もかなりの労力を要する仕事だというふうに言っていらっしゃったのですけれども、知事の仕事と合わせてやっていかれるということで、もし広域連合の仕事と県の公務が重なったときにどちらを優先していくのかですとか、お仕事分担をどういうふうにやっていこうと思っていらっしゃるのか、そのあたりを1つお尋ねしたいです。あと、昨日の午前中の知事談話で、関西広域連合で取り組みたいこととして、例えばジェンダー平等というのを挙げていらっしゃったかと思うのですが、もし何か考えていらっしゃることが今おありでしたら教えてもらえないでしょうか。
【知事】
滋賀県知事 三日月の体は1つで数多ある公務仕事にどのように対応するのか、関西広域連合長も担ってということでございますが、実は3期目に入りまして、県庁全体で業務の見直しをやっておりますし、知事としての公務も今どのように分担していくのか、取捨選択していくのか、こういったことをやり始めておりました。副知事と分担し合うとか、そもそも行かない、受けない、もしくはやり方を変えるということなどもやっておりますので、それを引き続き行って、タイムマネジメント(時間のやりくり)を調整していきたい、より有効な公務ができるようにしていきたいと思っております。
これまでも私が連合長を引き受ける前から滋賀県知事としてできる限り時間を使って会議等にも参加をして、その中で滋賀県のことを発信すると同時に、いろいろな府、県、市の情報を得ながら、滋賀県のために生かそうということに取り組んできたところでございますので、そういう思想を持ちながら広域連合長としてもしっかり仕事をして、それらを滋賀県にフィードバックする。連合長の仕事を通じて滋賀県のことを発信していく。こういったことができたらいいと思っています。ただ、連合長としてこれまで以上に行かなければならないこと、やらなければいけないことがあるようですので、まずは1年やってみて、どういう状況になるのか試してみたいと思います。精いっぱいやって、その上で2年目に改善していけたらいいと思っています。
そして、2つ目にお尋ねのあった連合長として取り組みたいこと、力入れてやりたいことというのは、さっき申し上げた0番と3本柱ですけど、それに加えて申し上げれば、私はジェンダー平等、関西における女性も男性も活躍できる社会づくりというのはとても重要なテーマだと考えております。既に関西広域連合の中に、企業やいろいろな団体の皆様方と一緒に女性活躍のための協議会をつくって様々な意見交換もやってきました。そこからもいろいろな発信や提言などもいただいております。それらを連合長である私自身も参加をしたり、また直接意見交換をしたりしながら、さらにどういったことができるのか、やらなければいけないのかを一緒に考えてみたいと思っています。私は女性知事からバトンタッチしていただきましたが、今、関西広域連合の連合委員が皆、男性ということで、包摂性のある多様性をつくっていくためにも少しやらなければいけないことがあるのではないかと問題意識を持っているところです。ぜひ、メディアの皆さんからもいろいろな御指摘などもいただけたらありがたいと思っております。
[共同通信]
全く別件ですけれども、保育士の虐待の問題が報道されています。これは保育行政というと市町の管轄かとは思いますが、全国的にちらほらそういう問題が表面化している中で、滋賀県として何か現時点で対応なり何か考えていらっしゃることがあれば教えていただきたいと思います。
【知事】
多くの保育士、保育関係者の皆様方は子どもたちのために日夜頑張っていただいております。このコロナ禍においても、様々な対応で御苦労もいただいております。まず、そのことに思いを寄せ、そういった保育現場の皆さんを激励したり、その処遇条件を改善したりということに、引き続き頑張っていきたい。私は全国知事会の次世代育成支援対策のプロジェクトチームのリーダーでもありますので、こういった責任を痛感しているところです。
また、今回、ある保育園での虐待事案というものが発生してしまい、親御さんもそうですし、子どもたちもそうですけど、不安を持つことにつながらないように現場の皆さんと協力して対応を考えていきたいと思っております。この報道が出だした頃から担当者とも意見交換していますと、もちろん絶対にあってはいけないことであるけれども、いろいろな現場の負担とかストレスとか、こういったことが許せない、許されない事象として現れてきているのではないかという指摘もあります。そういうことが園内で起こらないような助け合い、起こってしまったとしてもそれをきちんと正していくような自浄作用というものが働かない問題であった。こういったことに目を向けて対応していく必要があるのではないかと考えております。したがって、市町だけではなくて、県も協力しながら今後の対応策、必要な取り組み等をしっかり考えていきたいと思います。
テーマが異なりますけど、保育園バスの中で幼い命がなくなったということを受けて、保育園バスの安全対策の予算なども国で措置されましたので、それを受けた対応も、今、県でも予算の補正を含めて考えているところですので、そういうやり取りの中で、今回の事象のことなどについてもよく共有していきたいと思っています。
[共同通信]
また、全く別件ですけれども、11月の終わりにホンモロコのシンポジウムが行われました。結構、多くの方が集まられて盛況だったのかなという感じを受けたのですけれども、シンポジウムを終えて改めて知事の期待感ですとか、今後の展望とかあれば一言いただきたいと思っております。
【知事】
水産のスタッフが、おかげさまでホンモロコの資源が回復して獲れるようになってきたけど、コロナ禍もあり、そして需要の低迷もあって、十分にお料理として使っていただけていないのではないかと、「もっとこんな食べ方ありますよ」「こんな美味しい料理の仕方ありますよ」ということを広めようということで考えてシンポジウムをやってくれました。県庁の7階で、平日の昼間に「そんなに来てくれはるかな」と私は思っていたのですけど、予想を超えてたくさんの方に来ていただき、参加された方から「とても良かった」「自分の料理のレパートリーが少しまた増やせるような気がする」といった趣旨の感想などもいただいておりますので、ぜひ、こういった取組が広がっていければというふうに思っております。
釣りをする人、漁をする人から聞いてもホンモロコの資源量がずいぶん回復しているそうです。ただ、養殖と天然物で、少し骨の硬さが違うとか、色が違うとか、大きさが違うとかがあるようです。詳しい方はよく御存じです。それぞれに応じて、酢漬けにするとか、素焼きにするとか、いろいろな料理の仕方があるそうでして、そういったことなどもぜひ共有しながら、これから「シガリズム」を含めて滋賀に来ていただく。春は子持ちのホンモロコも出てくるので、滋賀へのいざないなどに役立てていけたらと思っているところです。
[中日新聞]
来週から予定されております武村さんの企画展についてですけれども、先週、共産党滋賀県議団から公費の支出を取りやめる要望書が提出されたかと思います。これについての受け止めと対応はどのようにお考えでしょうか、お願いします。
【知事】
今回の企画展は、9月に武村元知事が御逝去された、ちょうど次の日が県政150周年という節目でもございましたし、武村元知事は高度成長期に様々な取組を、琵琶湖のことを含めてなさいました。改めて県政を振り返る機会にもなれば、そして新しい時代をつくっていく思いを共有できたらということで企画させていただきました。したがって、この費用は予備費を活用させていただいて、展示用のボードの設置、展示ケースのレンタル代、そして武村県政を振り返る映像の制作費などで約45万円の支出予定で、予備費を使って対応させていただく予定でございます。したがって、予備費を活用させていただいて、最小限でやらせていただくという意味からいたしましても、多くの御理解をいただけるのではないかと思っております。ただ、そもそもこういった支出は望ましくないのではないかという御指摘は受け止めて、できる限り費用をかけずに必要な趣旨が達成できるように努めていきたいと思います。
[中日新聞]
国葬でも弔意の強制とか、いろいろ話題になったかと思うのですけれども、今回の企画展については、そのあたりどのように対応をお考えでしょうか。
【知事】
決して弔意を強制する類のものではございませんし、もちろん来られた方が偲ばれながら御覧になるということには一定配慮した設え(しつらえ)もさせていただく予定です。例えば、献花していただくとか、記帳していただくとか、こういったコーナーを設ける予定でございます。ただ、御自由に観覧いただいて、当時を偲ぶほか、こういうことがあった、こういうことを大事にしなければということを感じていただけるような機会になればというふうに思っております。
[京都新聞]
「しが割」のことでもう1点。先般、おっしゃられたことだと思うのですが、「しが割」が想定より早く終わったということについて改めて理由なり、背景などをどうお考えでしょうか。
【知事】
こういう需要喚起、消費喚起の事業者支援のキャンペーンで割引をいたしますので県内で御利用いただきませんか、というものは一定の御利用を想定して予算もつくって期間も定めてやるのですが、想定を超えて御好評だったということだと思います。使いやすさというのもあったのかもしれません。また、ぜひ使ってくださいというお店側のこういったキャンペーンも相まって、多くの方がお求めいただいたのではないかと思いますが、3分の1の期間で終わってしまうということでしたので、そのまま延長するというよりも少し年末年始を外して、上がった消費の波が少し収まって来る頃を目掛けてつくっていくのもいいのではないかという視点も持ちながら、今、検討しているところです。
[京都新聞]
先ほどおっしゃられた県外企業とか大手資本の参加とか、そういった仕切り直しを御検討されるということでしょうか。
【知事】
実施するのであれば、今回実施する中でいただいた御指摘や顕在化した課題をどのように捉えて、そして改善できるのかということを検討した上で、次の期間を迎えられたらということで、今、考えているところです。
[京都新聞]
武村さんの企画展に戻って恐縮ですけれども、タイトルが「県政を振り返り、次世代へつなぐ企画展」というようなことだと思います。「次世代へつなぐ」というとやはり武村県政を全面的に肯定するような感じにも受け止められるのですが、県民それぞれ武村さんの県政時代に賛否が全くないわけではないかと思いますが、全面的に肯定、業績が素晴らしかったというような称える企画展になると共産党さんが指摘されるような懸念につながってくるのかなと思います。知事は、企画展の方向性についてはどのようにお考えでしょうか。
【知事】
映像ですとか、残っている資料等で事実は事実としてお伝えしていければと思います。今、御質問のあったような賛同だけ、称賛だけして一面的に捉えるということになりはしないかという視点も持ちながら、展示内容を最終準備したいと思います。決して、そういう意図があるわけではなくて御覧になる方は、いろいろなお考えを持って御覧になると思います。当然、私もそうですけど、その時々、県政を担う知事の仕事、有り様というのは歴史が評価するものでもありますので、いろいろな観点を持って御覧になることを誘導したり強制したりすることがないような展示内容になるように努めていきたいと思います。