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知事定例記者会見(2022年11月15日)

令和4年11月15日
(県政記者クラブ主催)

【知事】

おはようございます。今日もよろしくお願いいたします。

まず、高病原性鳥インフルエンザの関係です。今年は少しペースが早いということで警戒感を持っています。10月28日に岡山県と北海道で今シーズン初めて発生が確認されて以降、先週末の兵庫県を含めて6道県9事例が発生しています。近畿では、先週11月11日に和歌山県、13日に兵庫県で発生したということです。これを受けまして、昨日の14日、滋賀県特定家畜伝染病対策会議幹事会を開催いたしまして、庁内の関係部局との連携・確認の強化と情報共有を行ったところです。

養鶏農家が県内には42か所、全部で34万羽。採卵のため、肉のため、そしてアヒルがいます。これら養鶏農家に対して、今後、消毒薬の配布による県内一斉の緊急消毒を実施いたします。11月中には消石灰が届くということですので、できるだけ早く消毒が行えるようにいたします。同時に、飼養衛生管理基準の遵守・徹底を指導してまいりたいと思います。

いずれにしろ、冒頭申し上げたとおり、昨年を上回るペースで発生しています。最大限の危機意識を持ちながら、発生予防と同時に、万が一発生した際の初動対応をしっかりと行っていきたいと思います。ちなみに、一昨年は12月に発生しておりまして、コロナもありましたので、職員が大変だったということもございます。そういったことに備えるように指示しております。

続いてコロナの状況でございますが、感染者数は増加傾向にございます。こちらの(モニターの)グラフでもお示しのとおり、第8波に入ってきているという認識を持っております。新型コロナウイルスの感染拡大と、懸念しております季節性インフルエンザの同時流行による発熱外来のひっ迫に備えまして、県民の皆様方にはあらかじめ検査キットと市販の解熱鎮痛薬を御購入の上、常備していただきますようにお願いをいたします。また、引き続き、場面に応じたマスクの着用、常時換気、手指の消毒等、基本的な感染対策の継続をお願いしたいと存じます。

昨日、既に資料提供済みですが、本日11月15日から来年1月16日までを「年末年始ワクチン接種促進強化期間」として、市町とも連携しながら、特に若い方に届くように情報発信、また接種機会の提供に取り組み、オミクロン株対応ワクチンの接種を促進してまいりたいと存じます。県広域ワクチン接種センターでは予約なし接種でありますとか、事業所単位でお申し込みの場合に1か月以上先の予約ができる「事業所・団体先行接種」も実施いたしますので、御活用いただきたいと思います。新型コロナワクチンは、季節性インフルエンザワクチンと間を空けずに接種することが可能です。同時流行に備え、年内の早期接種をぜひ積極的に御検討いただきたいと思います。

また、もう1つ。昨日から「しが割キャンペーン」が始まりました。電子割引券が配信され、皆様にお買い物等で御利用いただけるようになっております。今後、毎週月曜日に割引券が配信されます。ちなみに11月14日、昨日時点で登録店舗数は約3,600店舗(11月14日時点、3,613店舗)。初日は約4,500人の方に御利用いただいた。ぜひ、コロナで影響を受けてきた店舗を応援するための制度として積極的に御活用いただければと思います。ただ、予算がなくなれば終わりますので、そういったことも含めて早めの御利用をいただきますように呼びかけていきたいと思います。

さて、資料に基づきまして1点、御紹介いたします。

農林水産省が推進する「みどりの食料システム法」に基づきまして、全国で初となる「グリーンファーマー」という方2者の認定を行いました。この認定は、環境負荷の低減に取り組もうとする生産者が「みどりの食料システム法」や県が策定する基本計画等に基づき作成した実施計画を認定し、環境負荷の低減を進めてもらうものでございます。認定された生産者について、滋賀県では「グリーンファーマー」と呼ぶことといたします。この「グリーンファーマー」は、実施計画に沿って導入した機械等について、税制上の優遇措置を受けられるということとか、無利子・低利融資が受けられるなど、金融上のメリットがございます。

滋賀県では今年10月28日に県と県内19市町が共同で「滋賀県みどりの食料システム基本計画」を策定し、これが全国初の基本計画となっております。今回、県内で最大規模のオーガニック農業を営んでいらっしゃる、草津市の有限会社「クサツパイオニアファーム」様と野洲市の「中道農園」様から実施計画の申請がございまして、全国初の認定をさせていただいたものです。

今回、認定された2者様は県内でのオーガニック農業の先駆けでもいらっしゃいます。令和2年から開始したオーガニック近江米の取組にも当初から御参画、御協力いただいている方々です。全国に先駆けて環境保全型農業を推進してきた滋賀県といたしましては、今回の認定を契機に「グリーンファーマー」を目指す生産者の方々を後押しするとともに、世界農業遺産の中心的な取組でもある環境こだわり農業を一層進めていきたい。その価値をぜひ、価格やブランド力に反映させて販売促進に取り組んでいきたいと思っているところでございます。私から以上です。

[朝日新聞]

今ほどの御説明にあった新型コロナのことでお尋ねします。第8波に入ったという御認識ですけれども、先日、政府の方から示された考え方として、これからは大人数の会食自粛を求める対策強化宣言とか、あるいは出勤の抑制を求める医療非常事態宣言というのを各都道府県知事が発するような形になるということになりました。ということは、各都道府県でコロナの感染状況をきちんと正確に判断することが求められると思います。その判断には科学的知見、あるいは医学的なエビデンスに基づいた、より正確な判断が求められると思うのですが、政府はアドバイザリーボードとかいう専門家の助言を受け、東京都は研究者や医師会が入っているモニタリング会議というのを定期的に開催しています。滋賀県は、このようなきちんとした判断をするためにどのような体制を取っていらっしゃいますか。

 

【知事】

滋賀県は協議会を適宜開催しながら、体制づくりや対策を講じていく検討を行っておりますし、県庁内のスタッフにも感染症の専門家がおりますので、そういったスタッフが中心となり、対応しているところです。今月の11月24日に協議会を開催いたしまして、これから冬季、また年末年始に向けた医療提供体制をどのように構築していくのか等について協議する予定です。

 

[朝日新聞]

その協議会のメンバーには、どのような専門家が参加されていらっしゃるのですか。

 

【知事】

医師会、歯科医師会、薬剤師会を中心とする現場の医療スタッフ、滋賀医科大学の感染症の専門家の方々、また、市長会、町村会、現場で様々な対応を取っていくスタッフ、そういった方々に御参画いただいています。

 

[朝日新聞]

先週11月8日の定例記者会見で、知事は第8波に入ったというふうな認識を持たれていますということを御発言なされました。若干、違和感を覚えたのですけれども、というのは同じ8日に加藤厚労大臣が会見で第8波につながる可能性があるので、それに向けた対策を進めていきたいというような発言されています。翌日の9日には、国立感染症研究所から、先週から1.4倍の患者数の増加をもって第8波の兆しがあるというような発言をされています。他の知事さんでもいろいろ発言があって、11日には京都府の西脇知事が第8波に入ったかどうかの判断は難しいと発言されています。いろいろ地域差はもちろんあるので、それぞれで判断されるのはいいと思うのですが、何を持ってそのような判断をされたのかというような、どういうふうな科学的根拠に基づいての知事の認識だったのかということをきちんと説明をされた方が、より信頼性をもった判断として県民に届くと思うのですけれども、そのあたりについてはいかがお考えでしょうか。

 

【知事】

兆しや入口の話は、私は早めに言うようにしてきた。これまでもそうです。前回、その見解をお話した時に、その時点で先週よりも1.3倍で陽性患者数が報告されているということであるとか、病床使用率が2割から3割に迫ってきているということをもって申し上げたと記憶しておりますけれども、そういったものを根拠に第8波に入ってきているのではないかということを申し上げました。兆しであれ、入口に差し掛かっているのであれ、概ね同様の認識をお持ちなのではないかと思います。

 

[朝日新聞]

いろいろと判断があると思うのですけども、研究者によっては新しい波に入るかどうかは患者数の増加だけではなくて、新しい株への置き換わりに着目した方がいいのではないかと。研究者によっては今、第8波に入っているというよりも、第7波の再燃ではないかというような指摘もあるので、第8波に入ったら、もちろんそこでどういう施策を取るかという根拠になるとは思うのですけれども、第8波に入ったという認識の基になったものは何かということをきちんと共有して、みんなで同じこういう施策に基づいて対応していきましょうということを納得してもらうために、根拠をきちんと説明されるのが必要かなというふうに感じます。

 

【知事】

御質問の御趣旨は私も受け止めたいと思います。まだ、このコロナとのつき合い、戦いは3年ですので、そういった知見が十分積み重ねられてない部分もあると思います。株への置き換わりをもって波を表現するという言い方とやり方は、やはり相当遅れて認識なり見解が確定することになりますので、施策を担う側からすると、それでは遅いと思います。

第7波の再燃というか第8波というかは別として、波の高まりがあるとするならば、そういうものを県民の皆さんと共有し、大きく緩みがちだったところを少し注意するとか、ワクチンももういいかと思っていたけど、やはり打ってもらうとか、そういった行動変容につなげていただくという面では、その時にわかった傾向などをとらまえながらお話するということも必要なのではないかと思います。

 

[朝日新聞]

最後になりますけど、やはりコロナについてです。先日、財務省の方からですけれども、新型コロナのワクチン接種については、季節性インフルエンザと同様にみなして、一部自己負担を求めていくような考えが示されました。今、滋賀県としては、やはりワクチン接種を広く進めるということを進めていらっしゃることから、こうした一部自己負担を求めるという考え方についてどう思っていらっしゃるのかということと、それと例えば、少なくともリスクのある患者さん、あるいは高齢者については国の公費負担がなくなっても、県で負担していこうというような考えが、もしあるならば御説明いただければと思います。

 

【知事】

2つの御質問にまとめてお答えしますと、そういった検討が行われていることは承知しておりますが、具体に示された段階で私どもは対応方針を考えたいと思います。ただ、今のように全ての人のワクチン接種を全て公費負担ということがいつまでも続けられるとも思いません。だからこそ、早めに打とうと思う人、希望する方は早めに打ってくださいということを、今申し上げているところでございますので、そういうことも含めて早めに接種を検討していただきたいというふうに思います。

 

[朝日新聞]

国の負担がなくなったとしても県で独自に負担するということについては考えていらっしゃいませんか。

 

【知事】

それは、どういうスケジュール感で、どういった方々を対象から外し、対象に含めるのか。そのときに、どういう株がまん延していて、その後、まん延していく可能性があるのか。また、今の季節性インフルエンザとの違いがどのようになっていくのか等も判断していかなければいけませんので、今の時点で国から公費負担が外れるから、どこからどこまでを県で負担をということは少し考えにくいと思います。

 

[読売新聞]

選挙の区割りのことでお伺いをしたいのですけれども、公職選挙法の改正案がもうすぐ、もしかすると成立するかもしれないという流れになっておりまして、滋賀県衆議院選挙の小選挙区数が3区に変更されるとみられています。人口推計に基づくと、10年後には再度全4区体制に戻るという見方も一部あるそうで、三日月知事御自身は頻繁な区割り変更は避けるべきという発言をされたことがありました。この点に関して受け止めを教えていただければと思います。

 

【知事】

これは衆議院議員選挙区画定審議会設置法の規定によって、審議会が行う区割りの改訂案です。その勧告を受けたものですので、かつ10年ごとに行われる大規模国勢調査の結果をもとに行われると承知をしておりますので、私は必要な見直しだと思います。ただ、人口、特に増加から減少に移る局面や、ちょうどその基準の間にあって、増減が繰り返し行われるようなところというのは選挙の実施を含め、有権者の選択というのも少し複雑になると思います。そういったことに十分に配慮する観点でありますとか、人口規模だけでいいのか、例えば面積をどのようにみるのかとか、文化圏・社会圏というのをどのように扱うかとか、そういったことなどは今後も検討していくべき課題ではないかと思います。審議の過程で、どういう付帯の決議が付されるのか、また審議が行われるのかということは注目したいと思います。

 

[読売新聞]

知事としては、様々な要素を勘案して必要であれば、10年後とおっしゃるように10年ごとに見直しを行う可能性があるのですけれども、また変更が行えるということに関しては、必要であればいいのではないかという御意見でしょうか。それともあまりにも頻繁に続くと、やはり事務を担う方としても混乱がありますので、そういったところはどうお考えでしょうか。

 

【知事】

法律に従ってやっていきますので、そこは必要なことだし、やるべきことだと思います。ただ、それが繰り返し行われるとか、ある一定の都道府県が増減なんかを繰り返すとか、都道府県境を越えてくっついたり離れたりするといったことなどが行われるということであれば、その影響というのは小さからずあるというふうに思います。あとは、繰り返しますけども、人口だけでいいのかという、かねてから言われている視点というものを置き去りにせずに検討していくということも必要なのではないかと思います。

 

[読売新聞]

滋賀県としては先ほどおっしゃられた人口以外の要素、どのような要素が、特に着目すべきである、あるいは今後重要になってくるなど、お考えがあれば教えていただければと思います。

 

【知事】

やはり面積はあるのではないでしょうか。あとは、衆議院の滋賀県内は県内の自治体で全て割られていますけども、県をまたぐ統合ですとか、選挙によって市が分断されるというようなことなどは今後も慎重な検討というのが必要なのではないかと思います。

 

[京都新聞]

昨日、滋賀県立3病院の経営形態を検討していた県立病院経営協議会の専門部会が「県立病院の経営形態については現行のまま直営が望ましい」という結論を導き出したということですが、知事の受け止めをお聞かせください。

 

【知事】

昨日、開催された専門部会について全て詳らかに把握できているわけではないですけど、お聞きしますと「令和7年1月の病院統合も含め、病院事業庁が示した今後の経営強化の取組が現行の全部適用のままでもしっかり進み、成果が上がるのであれば、直ちに独法化する必要はない」との結論と聞いております。今、申し上げたいくつかのこと、例えば令和7年1月の病院統合をしっかりやるということですとか、現行の全部適用というものがきちんと運用されるということとか、成果が上がるということをもって「独法化する必要はない」と結論付けられたとするならば、そういったことがきちんと成るようにすることも検討しないといけないだろうと思います。

ただ、この2、3年、コロナでいろいろなことが変わったということもあるように、やはり数年経つと不確定要素がいろいろとありますので、こういったことをどのように飲み込めるのか、受け止めるのかということも必要だと思います。いずれにせよ、今は専門部会の取りまとめですので、今後、県民の皆さんの意見募集とか関係団体の意見聴取、そして、来月中旬に経営協議会へ答申案を諮られて、協議会の会長から年内に答申をいただく予定であると承知していますので、その内容を踏まえて県の方針を定めていきたいと思います。

[京都新聞]

そもそも独法化を含めて経営形態を検討しようとなったのは、もちろん県立病院で赤字が続いていたことで、経営の効率化とか機能の向上をどうしていくかという論点があったかと思います。「現時点では独法化を見送る」という結論だということですけれども、現行のままでそういったことができるのかどうかということについては、知事はどうお考えでしょうか。

 

【知事】

専門部会での御議論ももう1回きちんと確認したいと思いますが、この全部適用に沿った形で、より効率的な経営というのは、私は不可能ではないと思っています。ただ、これまで県民のニーズに応えようということでつくってきたものや返済等の積み重なりによる資金不足、そしてこれぐらい患者さんが来られるだろう、入院が取れるだろうと思っていたものが十分に取れてない、これぐらいで費用が済むのではないかというものを上回ってしまう費用など、バランスできない状況が続いていますので、そういったものをどのように乗り越えていけるのかということもあると思います。

当然、県立病院ですので、必ずしも医療収益を上げられるものばかりではない医療もきちんと果たした上で、どのように回っていくのか、回っていかないのかという見極めをする必要があると思います。必ずしも御指摘いただいたようなことというのは不可能ではないと思いますが、乗り越えるべきハードルは非常に高いと思います。その辺り、よく考えた上で年内の方針決定に臨んでいきたいと思います。

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