令和4年10月31日
(県政記者クラブ主催)
【知事】
おはようございます。今日もよろしくお願いいたします。
オリックスが久しぶりに日本一に輝いたということで、心からお祝い申し上げたいと思います。いろいろな意味で関西の経済が元気になればと思います。
韓国・ソウルのイテウォンで起こった悲劇にお見舞いを申し上げたいと存じます。雑踏や群衆から悲惨な事故につながるということは、日本でもあったし、これからも起こりうるということですので、今後、わかってくる様々な状況と原因等を踏まえた対応を考えていかなければならないと思っております。
資料に基づいての御説明の前に、3つ申し上げたいと思います。
1つは、明日11月1日付けで、来年度予算での具体化に向けて、振興策をまとめていく中心組織として「北の近江振興プロジェクトチーム」を設置することといたしました。プロジェクトチーム長には総合企画部の平岩治人理事をあて、チーム員には専属の職員を配置いたしますとともに、関係する部局の職員で構成をいたします。この北部振興につきましては、県庁内にワーキングチームを設けまして、検討の方向性、進め方等を整理しながら、来年度に向けた政策づくりについて全庁で議論を重ねているところです。
また、この間、「北部の日」をはじめといたしまして、市長、県民、関係者の皆さんとの意見交換をこれまでのところ、米原市、長浜市、これから高島市の現地で進めているところでございます。今後、このチームにおきまして、各市等と連携をとりながら、北部のポテンシャル、地域特性を生かした持続的発展につながるような振興施策の具体化を図ってまいりたいと存じます。
この点にも関連いたしますが、8月の被災に伴います高時川の濁水問題につきまして、現時点では濁りが少し収まりつつあるのではないかとも言われておりますが、以前とは異なる濁り、長引く濁り等が心配されているところでございます。例えば、漁業関係者をはじめ、流域にお住まいの皆様からもその影響の大きさ懸念の声を伺っております。したがいまして、この長期にわたる濁水の発生というものは1日も早い改善が必要だと感じております。
県では、8月5日の豪雨直後から継続的に現地での調査を行ってまいりましたが、現時点では新たな山腹崩壊(山の斜面が崩れ落ちること)などは確認できず、本流・支流ともに、渓岸侵食(沢の両側が削られ、表面の土砂が流出し堆積すること)が確認されたものの、原因の特定までには至っておりません。このため、この山の痛みですとか、山の疼き(うずき)というものをしっかりと調べるため、庁内の関係部局で連絡会議を立ち上げ、調査を継続しているところでございますが、改めて「高時川濁水対策連絡調整会議」を設置いたしまして、その長には琵琶湖環境部森林保全課長の山本を充て、しっかりとした対応を行っていくことといたします。
まず、調査します。雪が降るまでにできる限りの調査を行うことを指示いたしました。その上で、専門家の皆様方、また既に調査を行っていただいております市民の皆様方ともしっかりと連携いたしまして、当面できる対応策を検討し、可能であれば来年度の予算、組織からしっかりと対応することといたしたいと思っております。もちろん、広大な山、自然環境の山、私達にはわからないこともたくさんあるのですが、この間の開発等、山との関わり方の中で何か原因があるのではないかということについても予断を持たずに調べて対応策をつくってまいりたいと考えております。
また、もう1つ。原子力防災訓練について、既に資料を提供させていただいていると思いますが、11月4日から6日までの3日間、国、長浜市、高島市と合同で関西電力の美浜発電所を対象に、地震に伴う全面緊急事態発生を想定いたしました原子力防災訓練を実施いたします。これまで滋賀県から国のリーダーシップのもとでの美浜発電所を対象とした訓練の実施を、国に政策提案・要望も行ってまいりましたので、今回、その意味では実現したものと捉えているところです。今回、初めて実施いたします、例えば広域避難の受け入れ、これは大津市で行いますし、また、政府備蓄の安定ヨウ素剤の受入訓練などを通じて、国や関係機関との連携を深め、県民の安全・安心を確保する体制の強化を行ってまいりたいと存じます。
それでは資料に基づきまして、3点お伝えをいたします。
1つ目は、県が整備を進めてまいりました愛称「滋賀ダイハツアリーナ」、正式名称「滋賀アリーナ」が令和4年12月1日に供用を開始することを記念いたしまして、11月19日開館記念式典を開催いたします。令和元年10月から整備に着手し、4年の年月をかけて完成するものです。滋賀ダイハツ販売株式会社様がネーミングライツパートナーとして名乗りを上げていただきまして、10月1日から「滋賀ダイハツアリーナ」という愛称で、供用開始に向けた準備を進めてきております。アリーナは令和7年(2025年)に開催いたします「わたSHIGA輝く、国スポ・障スポ大会」で体操やバスケットボール、バドミントン、車いすバスケットボールの会場となる施設でございます。11月19日の記念式典の後、関係者への内覧会も予定しておりますので、ぜひ報道機関の皆様方の御取材等もいただければと存じます。
また、11月21日の月曜日から11月27日の日曜日までの間、県民の皆様に向けた施設内覧会を実施いたします。施設の見学、施設の利用体験などを行っていただけますので、お気軽に御参加いただければと存じます。別途、資料提供を行いますが、明日11月1日からはアリーナの一般予約の受付を開始いたしますので、団体申込みだけでなく、県民の皆様も予約していただける状況となります。さらに、今後、ヨガやエアロビクスといったフィットネス教室などの豊富なプログラムも実施される予定と伺っておりまして、スポーツに親しむ場、健康づくりの場として、できるだけ多くの方々に御利用いただければと存じます。
続きまして、滋賀県農福連携マルシェ「第2回びわ湖まん福市場」の開催についてのお知らせをいたします。農福連携は農業者と障害者就労施設が協力いたしまして、農業分野において障害のある方の活躍の場を広げる取組です。例えば、障害者就労施設が農産物を生産販売することですとか、障害者就労施設が生産した農産物を加工して販売すること、障害者就労施設が地元農家から農産物を買い取り加工して販売することとか、農家の仕事の一部を請け負うことなどの取組がございます。農福連携マルシェ事業は、県内で農福連携に取り組む事業者に生産物の販売の場を提供することで、新たな商談や販路拡大につなげるとともに、農福連携の取組について広く県民の方に知っていただくことを目的に、昨年度から実施しているものです。
このマルシェはウェブ上と実際の店舗で開催いたします。実地での販売は今回が初めてでございまして、11月12日の土曜日、11月13日の日曜日の2日間、イオンモール草津のレストランコートで実施いたします。商品の魅力に触れていただくことはもちろんですが、生産に携わる障害のある方々と交流していただき、商品に込めた思いやこだわりなども聞いていただければと考えております。ウェブ上での販売は明日11月1日の火曜日から令和5年1月31日の火曜日まで、パソコン、スマートフォンで商品を選び、購入していただけるとのことでございます。また、生産者が農福連携に取り組む様子も掲載いたしますので、あわせて御覧いただければと存じます。
障害者就労施設の生産活動収入はコロナ禍で落ち込み、回復に向けて努力されているところでもございます。滋賀県産の美味しい商品を購入し、食べていただくことで働く障害者と農業者の方の応援につなげていきたいと思っております。
最後3点目は「SDGs全国フォーラム2022滋賀・びわ湖」のプログラムの詳細が決まり、参加を呼びかけているところでございます。ぜひ、多くの方に御参加いただきたく、改めて御案内をさせていただきます。チラシにもございますように、当日は3つのセッションとポスター発表を行うということでございます。
セッションの1つ目は「SDGsで変わるビジネス」がテーマです。グローバル企業、県内企業、スタートアップ企業の方々に御登壇いただきましてESG投資に詳しい夫馬賢治(ふま けんじ)さんのコーディネートで、ビジネスにおけるSDGsの取組について御議論をいただきます。
2つ目は「発見!滋賀のSDGs」をテーマに映像やクイズを交えて、滋賀県内のSDGsやマザーレイクゴールズ(MLGs)の取組を知っていただく内容になっております。
3つ目は「わたしたちの担う未来」がテーマで、高校生・大学生等の若い世代の取組が活発であるという、滋賀県の特色を生かして、滋賀県内外の学生実行委員会が企画・運営するセッションとなっております。若者が残したい滋賀県の映像やリアルタイムのSNSコメントをメタバース上に表示しながら、異なる場所にいるパネリストがメタバース上で議論するなど最新の技術を駆使したセッションになる予定でございます。
ポスターセッションには現時点23の企業・団体が参加し、取組事例をPRされるとのことでございます。滋賀を舞台に、全国の人々とのSDGsを通じたパートナーシップを構築、拡大するきっかけを提供する有意義な時間になると期待をしているところです。
開催前日まで申込みを受け付けておりますので、ぜひ、多くの皆様に御参加いただき、交流をし、SDGsにつながる取組を始めるアクションにつなげていただければと思います。お願いします。長くなりましたが、私からは以上でございます。
[朝日新聞]
まず1つ目は、今、お話があった「北の近江振興プロジェクトチーム」設置のことについてお尋ねします。今、知事はお話の中で、この地域特性を生かしてということもおっしゃいました。かねてから、この北部振興については「滋賀らしさ」あるいは「北部ならではのことを」というふうにおっしゃっていました。これからいろいろと検討していくとは思いますけれども、知事としてはこの北部振興というものを、どういうものを目指して、どんなものを、どんなことをイメージしているのかということを御説明いただけたらと思います。
【知事】
まず、自治を大事にいたしますので、地域のことは地域の皆さんが主体的に考えて、皆で力を合わせて取り組むということは大事にしたいと思います。その意味で当該地域の基礎自治体の、例えば長浜市や米原市、高島市の御意向やお考えというのは十分尊重することが基本になると思います。その上で、県内のどの地域も享受していますけれども、とりわけ北部地域は、例えば冬季には雪が降るとか、春の訪れが待ち遠しくゆっくり進んでくるとか、この琵琶湖の景色も南部とは異なる景色・様相もございます。琵琶湖をはじめとする豊かな自然、これは基本になると思います。そして、その中で紡がれてきた歴史や文化、大切に守られてきた文化財、こういうものは価値・恵みとして、まずあると思います。
そして、その中で学ぶことや暮らすこと、助け合って支え合って生きていくこと、さらには働くこと、子どもたちを育てること、老いていくこと、こういうことがどのように、今後、より充実した形で展開されていくのか、こういうことを県がしっかり支援してつくっていければと考えております。特に、この間の意見交換では、若い世代の関心ですとか希望というものを実現していくということが大事ではないか、学ぶところと働くところということには多くのお声をいただいているところでございますので、そういったことは特に心を砕いて取り組んでいければと考えているところです。
[朝日新聞]
続いて、やはりこの北部振興ですけども、こうしたチームを立ち上げて、これから振興策の具体化に取り組むということですけども、いつまでにどんなことをやっていくのかというロードマップみたいなものを、きちんと示していかないと、結局、何かやったという形だけで終わりかねないという懸念もあるかと思います。
こうした、いつまでにどんなことをやるのかというようなロードマップを示すというお考えはあるのか。それから、あるならば、いつ頃をめどにお示しになるお考えでしょうか。
【知事】
そのロードマップというか、いつ頃までにどのようなことを、ということも含めて、このチームを中心に描いていければと考えております。当面は、来年度の施策にどのように反映していくのか。例えば、来年度に立ち上げる施策というものをいつまでに、どのような形で展開していくものなのか。すなわち、何年ぐらいかけて、どこまでいこうと考えるのかという、ある程度の見通しというものは示していければと考えているところです。
[朝日新聞]
別の質問ですけども、昨日、栗東市長選がありました。竹村健県会議員さんが当選されました。知事もあの当選の会場にはいらっしゃっていましたけれども、この市長選をどんなふうに受け止めていらっしゃいますか。その感想をお聞かせいただけますか。
【知事】
市民・有権者の選択として、竹村健新市長が選ばれたということでございますので、その場でも申し上げましたけれども、県と栗東市政がしっかりと連携して、可能性は伸ばしていけるように、そして課題は克服していけるように連携して頑張っていきたいと思います。
[朝日新聞]
栗東市長選ですけど、今回はもう1人立たれた候補が女性の方でした。女性の首長が誕生するかどうかということで注目されたわけですけども、現在、滋賀県内をみますと女性の首長さんはいらっしゃいません。今の県内の政治における女性の参加状況について知事はどういうふうに捉えていらっしゃいますか。
【知事】
知事である私を含め、県内の首長は全て男性です。県選出の国会議員は嘉田参議院議員、全国比例で当選されておられます有村さんがおられますけれども、男性が多くを占めるという状況です。
私も男女共同参画の観点からは、こういったことがこういった役職も含めて男性も女性も担える状態をつくっていくというのが大事なテーマ、また目標になってくると思います。そのためにも、例えば県庁での役職もそうですし、県が設置する審議会等における男女比率というものも常に意識しながら重要な政策を決める意思決定、検討過程には男性も女性もできるだけ等しく参画をしていくという状態を目指して取組をしているところでございます。こういったことを通じて、今、お尋ねいただいた首長職などにも今よりも女性も加わっていけるように取り組んでいくことが重要ではないかと思います。
[朝日新聞]
それに関連して、滋賀県の場合は知事が副知事に女性を登用されていらっしゃいます。今回、8月末に就任された大杉副知事は就任から2か月が経ちました。今回、9月の県議会でも答弁もされましたけども、2か月間、知事と一緒にお仕事されたのを御覧になって、大杉副知事のこの2か月間をどのように評価されていますか。
【知事】
これまで歴代、国からお願いして来ていただいている女性副知事はどの方もそれぞれの方なりに動いていただいますが、大杉副知事はこれまでの中でも突出して精力的かつ行動的に動いているのではないかと心強く思っています。いろいろな協議・会議の場での御発言、そして県内各地を土日も含めて公務で回っていただく。また、私の代わりに様々な場面に臨席して、御自身の言葉でスピーチをされるようなことも含めて、とても心強く、頼もしく思っているところです。「少し飛ばしすぎずに気をつけてやってくださいね」というぐらい頑張っていただいてのではないでしょうか。
[朝日新聞]
今回、3期目にあたって、「子ども・子ども・子ども」と子ども施策をあらゆる施策の中心に据えてという知事のお考えをその補佐するという意味で、文科省から大杉さんを招聘されたということだと思うのですけども、文科省からその大杉さんに来ていただくにあたって、知事の方から大杉さんという人物を指名なさって選んだのでしょうか。それとも、文科省の方からこの人でいかがでしょうかということで打診があったのでしょうか。
【知事】
お尋ねいただいたように「子ども・子ども・子ども」として、子どもの力を、生きる力を高めるという意味での教育、さらにはスポーツや文化といったことに力を入れたいということで、文部科学省に女性の副知事で招聘したい旨の要請をいたしました。そして大杉住子さんを御推薦いただき、私の片思いもあったのかもしれませんが、最終的には相思相愛になってきていただけたということだと理解をしています。
[京都新聞]
新型コロナウイルスのオミクロン株対応ワクチンで全国的に接種が進んでいないという報道もありますが、滋賀県の状況、それに関する知事の受け止めをお願いいたします。
【知事】
オミクロン株対応ワクチンの接種状況ですが、先週の半ば、10月27日登録分までで、滋賀県は4.5%の接種ということでございます。これが多いか少ないのか、全国が4.4%ですので概ね平均の割合ということなのかもしれませんが、以前のこれまで行ってきたワクチンの接種状況に比べると、出だしはゆっくりという形だと思っております。今後、このオミクロン株対応ワクチン接種の有効性などもしっかりとお伝えすると同時に、季節性インフルエンザの流行状況、また同時流行の状況などがどのように推移してくるのか、早めの情報収集と情報発信に努めて「(ワクチンを)打とうかな」という方々の選択に資する情報提供をしっかり行っていきたいと思っています。
[京都新聞]
コロナウイルスの感染状況は、第7波だと100人以下のときもあったのですか、それに比べたら、まだそこまで減ってないような気もしますが、それに関してはどう思われますか。
【知事】
おっしゃったとおり、これまでの波に比べて減少局面においても、新規陽性者の数は以前ほど減ってこないという状況であります。その意味では下げ止まりというような状況はあると思います。
ただ、以前に比べると重症化する方などが少なく比較的落ち着いた状況、冷静に受け止められる状況というのもありますし、病床の運用も入院が必要な方・治療が必要な方にきちんと受けていただける環境というのは維持できていると思いますので、こういう状態をしっかり保っていくっていうことが大事だと思っております。ただ、変異もいたしますし、御高齢の方が持病のある方は重症化しやすいということもございますので、注意喚起は怠らずにやっていきたいと思います。
[びわ湖放送]
「北の近江振興プロジェクトチーム」に関してですが、まず確認ですけれども、関係部局の方も含めるとどのぐらいの人数でチームが構成されているのかということと、もう1つはこういう形でプロジェクトチームが設置されるのは初めてということでいいのかということをお聞きしたいです。
【知事】
関係部局の人間も全部の数を入れると相当な数になりますが、皆が「北の近江振興プロジェクトチーム」の仕事だけをするわけではありませんので、詳細は担当部局からお答えさせていただきます。また、こういった特定地域を振興することを志向するチームの設置というのはあまり例がない。私になってからは初めてのことですし、前例のないことだと思います。
[びわ湖放送]
そういう形で、今回初めてといいますか、例のない形でプロジェクトチームを立ち上げられたきっかけ、過去に例がなくて新しくそういうのをつくるというところに関して、知事のお考えをお聞かせいただけますか。
【知事】
これは以前にもこういう場で申し上げたことがあるのかもしれませんが、6月や7月に3期目に向けた選挙で(各地域を)回らせていただく際に、それぞれの地域の課題や可能性を目の当たりにする、その地域の方々と意見交換をしてお声を聞かせていただくことがございました。どの地域も皆で盛り上げていこう、頑張っていこうということで、様々な取組をしていただいています。県も一緒になってテコ入れをし、一面課題だと捉えられている人口減少ですとか、長寿化の問題、これは裏返せば、一人ひとりに手厚くできるとか、皆が長生きして暮らせるとか、耕作放棄地の課題などもまだまだ生かせる土地がある、山の振興の取組も伐期を迎え、木を活用するということができるというプラスの捉え方というのができる面もあると思います。
そういうことについて、課題の先進地域、そして北部からの玄関口としてのこの北部の振興というのを図ることが、滋賀県全体の取組を進めたり、これから同様の課題を抱える地域に展開できる施策をつくることができたりということにつながるのではないかと思い、少し異例だったのですけれども、北部の振興、北の近江を振興するというプロジェクトチームをつくることといたしました。
[京都新聞]
コロナの件で、下げ止まりということで、やや増加傾向にもみえたりもするのですが、第8波に入ったのかどうかという認識はありますか。
【知事】
現時点、第8波に入った、またその兆しにあるのではないかという見解はありませんし、そういう報告も受けておりません。ただ、注意深く状況をみる必要があると考えています。
[京都新聞]
出だしのワクチン接種率が低いというような受け止めだったと思うのですが、その理由みたいなのはどのようにお考えでしょうか。
【知事】
皆様方もそうだと思いますけど、以前よりもいろいろなことがわかってきた。以前ほど、例えば重症化しない、罹っても療養すれば何とか回復することもできるというような方々も増えてきた。こういうことは、今の接種が以前ほど進まない1つの理由なのかもしれません。ただ、打つことによって罹らないとか重症化しないという効果もございますので、こういったことを粘り強く皆様方にお伝えをしていくということが重要だと思います。また、いろいろなワクチンを何回も打つということに対する疲れも出てきているのかもしれません。
[京都新聞]
前回の第7波のときでも、やはり感染が増してくるとワクチン接種が少し伸びたような話も聞くのですが、もし第8波というような状況になれば、やはりワクチン接種というのは自然と増えていくというような御認識もありますでしょうか。
【知事】
そこは波が高くなれば増える傾向には一般的にあると思いますが、県としては市町と連携しながら打てる環境というのをきちんと整えて、いつでも条件に合う方はできるだけスムーズに打っていただける環境というのを確保して、接種しようという方が接種できる状況をしっかりとつくっていきたいと思います。それと同時に、季節性インフルエンザのワクチンの問題も出てきますので、そういったことにも地域の医療機関と連携しながら対応していくということが重要だと考えております。その体制をしっかりつくっていきたいと思います。