令和4年10月11日
(県政記者クラブ主催)
【知事】
今日もよろしくお願いいたします。
週末はいちご一会とちぎ国体に行ってきました。お昼のニュースでも出ていましたけど、閉会式を迎えられたということでございました。滋賀県の選手団も大変頑張ってくれました。成年女子のバスケットボールは滋賀銀行の皆さんが見事優勝と、初優勝ということでございました。嬉しくて、頭取にすぐメールを送りましたら、頭取も応援に行かれていたということでございました。陸上競技の山本選手も前評判とおりの素晴らしい走りでした。私も予選を見ましたけれども、抜きん出る強さをお持ちの選手の印象を受けました。とりわけ、高校生アスリートが大変頑張ってくれました。陸上競技も、ボート競技も、ホッケーも、ウエイトリフティングも、それぞれの競技で高校生アスリートが頑張ってくれたこともとても嬉しかったです。私は10月9日に陸上競技と柔道競技の応援をしまして、柔道の会場には5時間いまして応援しました。非常に熱戦でした。
こういうスポーツを見る、また応援する、支えるというのは、とてもいいことだと思いましたので、3年後の令和7年の2025年の「わたSHIGA輝く国スポ障スポ」滋賀県大会においても、そういった感動を共有できるようにしっかり準備したいと思いました。
会場地ですとか、それぞれの施設の視察もさせていただきました。ボランティアの皆さんも精力的に御案内や御紹介をいただいていることも印象的でした。こういったことを滋賀でも頑張って準備していきたいと思っています。なお、この栃木国体の詳細結果につきましては15時にプレスの皆様方向けの説明会を開催するようでございますので、ぜひ、また御取材等いただければ幸いでございます。
先週の出来事ですけど、10月6日の木曜日には、淡海学園の視察にまいりました。これは7月議会で公明党の中村才次郎議員から御指摘をいただきまして、知事としてまだ伺ったことがありませんでしたので、伺って勉強をさせていただきました。聞いていますと、現職の知事として現地に伺えたのは土山に創設したときの知事だった谷口久次郎知事以来の訪問だったということだそうでございまして、そういう意味で大切な施設に伺えたことをとても嬉しく思います。社会的養護が必要な子どもたち向けの児童自立支援施設ということで、後ほどの御質問の中にもあるのかもしれませんが、早くからの教育というものを大事に、小嶋直太郎先生が教育をしようということで頑張ってつくっていただいた施設でございますが、いろいろな課題がここにきてあるということも実感いたしました。改めて振り返りながら、例えば中学校を卒業した後の自立を支援するための施設や体制のあり方、また教育部門との連携といったことにつきまして、現地で提示されたことも含めまして対応をとろうということで、今朝、大杉副知事に検討を指示したところでございます。
3点目は「北部の日」というのを設けて、現地に行く活動を先月からやっていますが、今月は10月17日から18日の2日間、米原で実施いたします。テーマもみんなで考えて、今回はナショナルサイクルルートのある全国12道県の知事らとオンラインでセッションをやろうということか、「ビワイチ・プラス」として琵琶湖岸だけではないサイクリングルートを自転車で巡って、魅力を発信してみようということであるとか、湖北・湖東・湖西、具体的に言うと長浜・米原・高島・彦根4市の市長とサミットされているということですので、飛び入り参加させていただいて意見交換しようということなど、予定をしているところでございます。職員も北部で勤務いたしまして、現地視察や意見交換を行います。会見は幹事社様と相談させていただきます。よろしくお願いいたします。
なお、今日の10時に(資料提供が)出ていますが、滋賀交通ビジョン、公共交通の現状および意向に関するアンケートを実施しております。公共交通に求めるサービス水準ですとか、公共交通を維持、またはより良くするための費用負担・分担に関する御意向などをお聞きいたしまして、現在進めております新たな交通ビジョンの策定、これから本格的に検討しようとする交通税の検討に役立てていきたいと思っております。県全体で6,650世帯の方に封筒で調査票をお送りしております。そろそろお手元に届く頃だということだそうでございます。選ばれし方々につきましては、ぜひとも回答をしていただければ回答するチャンスがあるということで御回答に御協力いただきたいと思いますし、調査票が届かなかったという方につきましても、県庁ホームページからアンケートに回答いただけます。受付は10月31日までということでございます。ぜひ、多くの声をお寄せいただければと存じます。
コロナの状況は、御案内のとおり、直近1週間比較いたしますと(新規感染者数がその前週の)0.68倍ということで、お陰様で減少傾向が続いております。調べてみますと、先月の9月26日から全数届出の見直しが行われましたが、発生届の対象外となった方のうち、85.5%の方が窓口に御申告いただいているのではないかという推計値を持っているということでございます。なお、陽性患者のうち、約15%の方が「検査キット配布・陽性者登録センター」に御登録いただいているのではないかということでございます。症状が軽いとか、自宅で速やかな療養開始を希望される方は検査キットでセルフチェックをしていただいて、センターに御登録いただきたいというふうに思います。
なお、オミクロン株対応ワクチン接種もこれから進めていきます。市町において、10月半ばに接種が行われるということで、既に予約が始まっているということでございます。まだ、接種券が届いていない方もいらっしゃるようでございますが、予約はできるということでございますので、また県の広域ワクチン接種センター、こちらは職種を限定して予約を受付中ということでございますので、それぞれの御日程に応じて予約をしていただきたいと思います。
それでは資料に基づきまして、今日は3点を御紹介いたします。
まず1点目は「買って応援!使ってお得!滋賀を元気に!しが割」の利用者登録開始のお知らせでございます。コロナ禍に加えまして、原油・原材料価格の高騰の影響を受けて県内の中小・小規模事業者が大変厳しい状況に追いやられているという、こういった方々をみんなで応援しようということを目的に滋賀県独自の取組として、この「しが割」というものを実施することとなりました。いよいよ準備が整いました。この事業は、県内の小売・サービス・飲食業のお店で利用できる電子割引券をLINEで配信するというものでございまして、電子割引券の正式名称は「買って応援!使ってお得!滋賀を元気に!しが割」、少し長いので「しが割」と呼んで親しみ、お使いいただければと存じます。
割引券の発行総額は11.4億円。有効期限を1週間とする割引券をLINEで毎週月曜日に配信しますというものでございます。割引額は、配布資料の一番下の表にありますとおり、購入した物やサービスの金額に応じて6つの区分を設けており、最大割引率は30%、最大割引額は3,000円となっております。この仕組みには、県内店舗の御参加と県民の皆様の利用登録が必要となります。県内店舗の参加受付は10月3日から先行して始めております。事業者の皆様には10月21日までということですので積極的に御参加をお願いしたいと思います。
県民の皆様の利用登録は専用サイトからLINEのお友達登録をしていただく必要がありまして、本日10月11日から受付を開始しております。「しが割」の電子割引券をお店で利用できる期間は、来月11月14日から来年の令和5年2月26日までの予定と。ただ、発行予算上限に達し次第終了となりますので、できるだけ早めに御登録いただき、御利用いただければと思います。こうして「しが割」を利用して、県内で物を買って楽しもうということは県内のお店の応援につながりますので、奮って御登録・御利用いただければと思います。なお、御心配をかけました情報漏えいなどの反省も十分に生かして、クレジットカードの登録などはしていただかずに御利用いただけるようにしておりますので、その点も御安心していただければと存じます。
続きまして2点目、こちらも資料がありますが、いよいよ来年登場「オーガニック栽培向け近江米新品種の名前、大募集!」というものでございます。滋賀県農業技術振興センターで開発中の近江米新品種は来年度に登場予定でございます。現在、最終の審査、検査、調査等をしている。新品種は「みずかがみ」以来10年ぶりということでございます。特徴は、食味、品質ともに良くて、栽培しやすくて、たくさん収穫できるということだそうです。ただ、栽培方法をこれは滋賀県らしくオーガニック栽培を始め、農薬や化学肥料を極力使わない。議会答弁ではネオニコチノイドレス(ネオニコチノイド系の農薬なし)で作れる近江米を作ろうということで答弁させていただいているところです。健康志向の皆さんにも喜ばれるお米としてPRしていきたいと思います。
世界農業遺産の認定を受けた滋賀県らしいお米として多くの方に親しまれる品種にみんなで育てていきたいという趣旨で名前の募集をいたします。ぜひ、多くの方に御応募いただければと思います。新品種の名前の応募は今日から来月11月13日まで「しがネット受付サービス」で行います。名称の選定および決定は県が考案している候補3点と合わせ6点に絞りまして、年末の12月から来年1月に一般投票を行って、その結果を受けて来年2月中旬に名称選考会議を開催して名前を決定する予定でございます。
県のホームページや、本日オープンいたしました「みらいの近江米」特設サイトに開発秘話など、近江米とその新品種についての情報を掲載しておりますので、名前を考えていただく上での御参考にしていただければと存じます。御応募をいただいた中から3点を選定いたしまして、選ばれた方に賞金3万円と新品種の近江米サンプル5kgをお送りいたします。さらに抽選で10名の方には新品種サンプル2kgを進呈するということでございます。ぜひ、皆さんで「こんな名前がいいな」ということで応募してください。
最後3点目でございますが、滋賀県立日野高等学校の生徒6名が滋賀県を代表し、福島県主催の「只見線全国高校生サミット」に参加します。今年は滋賀県政150周年、御案内のとおり鉄道も150周年。いよいよ10月14日は150周年の「鉄道の日」ということで、電車運転士出身の知事としても大変強い思い入れを持って、この報道発表をさせていただいております。JR只見線は滋賀県ではなく福島県と新潟県を走る鉄道でございますが、2011年7月に発生いたしました豪雨で被災されまして、長年、バス代行運行となっていたそうでございますが、令和4年10月1日に全線で運転が再開したということでございます。他のローカル線と同じように乗る人が増えないとか、いろいろな課題を抱えていらっしゃるということですが、そういった課題解決・克服に向けて高校生が利活用とか地域振興に向けた企画の検討・発表を行う「只見線全国高校生サミット」がこの全線運転再開に合わせて開催されるということでございます。
福島県とは、東日本大震災のカウンターパートの復旧・復興支援を行っておりまして、そのつながりがあります。私自身、今年5月だと思いますが、福島県を訪問した際にこの企画情報を知りまして、内堀知事に滋賀県からの参加を打診いたしまして、喜んで御快諾いただき、県内の高校にも御案内をし、こうして参加していただくことになりました。近江鉄道の日野駅で高校生カフェの運営などをしていただいております日野高校の生徒6名が参加してくれます。来週10月22日、23日に、福島県で現地研修が開催されるということでございまして、参加する生徒の皆さんが10月14日の「鉄道の日」に知事室に来てくれる予定となっております。日野高校の皆さんには、他の高校の生徒や現地の方との交流、沿線地域の文化の体感などを通して、只見線の活性化策をしっかり検討していただくと同時に、その経験が近江鉄道の利活用促進、また日野駅の賑わいの再生などにもつながるよう期待をしたいと思います。
また、今回の件と関連いたしまして、福島県と滋賀県とは教育旅行・修学旅行相互訪問ということで、びわこビジターズビューローなど、また校長先生の相互往来などで交流促進を行っているところでございます。こういったことも今後さらに広げていけるよう、つなげていけるようにしていきたいと思います。長くなりましたが、私からは以上でございます。
[朝日新聞]
2つ質問させていただきます。まず1つは、冒頭にもお話がありました北部振興についてです。今回の議会でも多くの議員の方から北部振興についての質問が寄せられて、その関心の高さと期待が高さというのを感じました。それで、実際に「北部の日」を1回実施されて、今回2回目を迎えるわけですけれども、現時点で知事が感じられた北部振興に対する手応え、それから新たに気づかれた課題があればお聞かせいただければと思います。
【知事】
議会でも多くの御質問や御提案をいただいておりますし、報道でも取り上げていただいたり、実際、県民の方々とお話をする際にも「北部振興をやるらしいな」というようなことでお尋ねいただいたりということで、御関心の高さというのは感じています。
現時点で「何かこうしよう」とか「こういう手応えが」「こういう成果が」というのはまだまだですので、これからしっかりとつくっていくということでありますが、そういった御関心の高さを土台といたしまして、多くの皆様方がいろいろな御提案をし、一緒につくっていける北部振興にしたいと思っております。
これまで感じている課題というか、同時に可能性ということで申し上げればやはり働く場所。働くこととか学ぶところ、具体的に言うと高校とか教育機関とか、専門学校なども入るのかもしれませんけど、そういったものの必要性とか、重要性というのはあると思います。これがまず1点です。あとは、医療にしろ、子どもたちの保育・福祉にしろ、こういった分野できちんと支え合いの仕組みがつくられているということというのは基礎となる条件と思っています。
また、交通についてはおっしゃる方が多いです。ちょうど昨年来、減便がなされ、どうしても相対的に北部地域の交通が不便ではないかと思われている、感じられている方々がいらっしゃるようでございますので、そういったことなどは課題として、可能性として受け止めているところですので、そういったことにどのような解決策を見出していけるのかというのが、ポイントになると思います。
[朝日新聞]
もう1点質問いたします。やはり、これも今回の議会でも取り上げられましたけれども、旧統一教会の関連団体のイベントを県が後援して、それから寄付を受けていましたということについてです。知事の答弁の中で、この基準に照らして当時はわからなかったからということでありましたけれども、今回のケースを踏まえて、この後援の基準あるいはその運用について何か見直しすることを指示されているのかどうか。
それからもう1つは、この寄付については寄付そのものに問題があるわけではないので返還するという考えは現時点ではないけれども、情報を収集するという答弁だったと思います。どういう状態がわかったら返還することになるのかという、その返還することの要件というものが知事の中にお考えとしてあればお聞かせいただければと思います。
【知事】
まず、旧統一教会を巡る様々な問題に対しましては高額献金の問題でありますとか、入会の強要ということでありますとか、さらには宗教二世といわれる次の世代、またその次の世代に被害や悩みが続いていくという事々にしっかりと寄り添いながら、被害が起こらない、増えない、さらには被害を受けられた方がきちんと救済されるということが重要だと思います。したがって、消費生活センターを含め、様々な相談にきめ細かに対応していくということを県としては大事にしながら、国で取りまとめられる様々な情報なども共有させていただき対応を行っていきたいと思います。
後援名義につきましては、基準の見直しというものは行っていません。現時点で行わなければならないという結論を得ておりません。ただ、基準に基づく確認の徹底というものをしっかり行っていこうということで、現在、例えば申請内容をしっかりと確認するということでありますとか、背景とか経緯とか目的とかそういったことなどを十分審査させていただいた上で決定するというこの手続きをしっかり行っていきたいと思います。
また、いただいた御寄付については昨年度いただいたものでございますが、現時点で返還する予定はございません。どういう状況になればということで申し上げれば関連団体だと報じられている、指摘されている事象がございますが、そういったものが確実になるということでありますとか、そういったイベントでどのようなことが行われ、そしてどういう行為に基づく集金であり御寄付だったのかということがより今と違う形で情報が明らかになれば返還させていただくということも検討せねばならないことになると思います。現時点でそういった事実がまだ明らかになっておりませんので、この時点では返金・返還までは考えておりません。
[京都新聞]
先月末に武村正義元滋賀県知事がお亡くなりになられました。知事も追悼の談話を出していただきましたけれども、もう既に御親族で葬儀はお済みですが、県として送る会などを催すことはあるのかというのを教えてください。
【知事】
9月28日に武村正義元知事が御逝去されました。私も公私にわたり御指導いただいておりましたし、偉大な父を失ったような喪失感に陥っております。謹んでお悔やみを申し上げたい、また、御冥福をお祈り申し上げたいと存じます。
琵琶湖の環境行政、いわゆる「琵琶湖条例」と言われる条例制定、環境学習船「うみのこ」の建造と就航、第1回世界湖沼会議の開催など、今も続き、そして全国世界に発信できる事々を実現、実行、実施されたという御功績、これは私達県民の誇りでもあります。ぜひ、そういった事々を県政150周年とも絡めて、改めて振り返り、そして次の世代につないでいくことが必要なのではないかというふうに考えております。ですから、どのような形で武村元知事の御逝去をお悼みし、そして皆さんとともに振り返ればいいのかということについては現在検討させていただいております。いわゆる大規模なお弔いというのは武村元知事も望んでいらっしゃらなかったのではないかという印象を持っております。直接伺ったわけではありませんけど、お人柄的にも、もう十分やり切ったし、言ったから、もう後はみんなで今のこと、先のことを考えてやってくれと言われると思います。ただ、あれだけの方ですし、内外にいろいろなおつながりもございますので、そういったゆかりの方々が何か考えなければと思われるのも、よくわかりますのでそういったことを出てくればみんなで一緒に考えていきたい。ただ、県としてどうするかというのは今の検討させていただいておりますので、また何かまとめれば皆さんにお知らせしたいというふうに思います。
[京都新聞]
過去には野崎欣一郎元知事であるとか宇野宗佑元首相の時には県民葬というのがなされていたらしいですけれども、今回も今何らか検討中ということで、滋賀県民葬という形も含めて検討されておられるのかというのはどうでしょうか。
【知事】
あらゆる選択肢を排除せず持った形で検討させていただいております。御遺族のお思いも十分踏まえなければならないと思っております。今、例に出されたように、昭和50年には野崎欣一郎元知事の、そして平成10年には宇野宗佑元総理の県民葬、これはいずれも葬儀委員長は滋賀県知事ということでなさっておられますので、そういった例というのは踏まえて検討したいと思いますが、時代が違いますので、そのあたりをどう考えるのかということはあると思います。
[読売新聞]
近江鉄道について伺いのですけれども、上下分離を2024年に控えていて、自治体の負担総額ですとか、分離移行の具体的なスキーム等の検討が進められていると思いますが、その辺の検討状況ですとか、いつ頃確定するのかといった時期的なめどが、もしあれば教えていただけますでしょうか。
【知事】
2024年度(令和6年度)からの上下分離への移行に向けて、近江鉄道の会社と県と沿線自治体とで詳細なスキーム、役割分担や費用分担や関わる取り決めなどについて今検討しているところです。法定協議会自体は今月10月26日に予定しているのですが、そこでどこまで御報告なり協議できるのかというのは今、最終調整中でございます。
その中では、例えば利用促進とか、より活性化するような事業なども検討して、この令和4年度、5年度にみんなで頑張って、コロナもあるけどみんなで協力して盛り上げてより良い状態にして、上下分離、新スキームに移行しようということがございますので、そういった進捗状況なども確認することが必要だと思っています。今月は近畿の鉄道会社で初めて(乗車料金が)1日フリーということで事業も予定されておりますので、そういった事業の結果なども共有できるようにしていきたいと思っています。
[読売新聞]
上下分離に移行すると駅舎や線路が自治体に保有されるわけですけども、近江鉄道の問題として、いろいろな設備が老朽化していて、利便性が低下して、乗客が減ってというある意味、悪循環があったかと思います。利用促進というところで、自治体として、どう利便性の向上を図っていくことが必要というふうに考えていらっしゃいますでしょうか。
【知事】
上下分離に絡めた利用促進、そのための設備投資、修繕費確保ということで申し上げれば、まず令和6年度の上下分離に向けて移行するまでの間、その設備、必要な補修、また投資を近江鉄道は会社としてグループの西武鉄道の協力も得ながら、今、鋭意取り組んでいただいております。まず、そういったことで施設をより良くするということがあります。我々自治体も県と市町、みんなで協力しながら、線路ですとか駅ですとか車両といったものを保有させていただく訳ですから、その資産価値を十分に精査した上で、それに見合う体制をつくり、例えばこの令和4年度、5年度だけでもできることをやろうということで、駅前の開発ですとか駐輪場の整備ですとかに、今、それぞれの自治体が取り組んでいます。
また、駅まで、駅からの移動手段、バス交通などの確保などにも取り組んでいらっしゃる自治体もありますし、ウォーカブルシティということで歩いて街中を駅まで、駅も含めて移動できるようにしようということなど、また駅の近くに様々な拠点施設をつくろうという町づくりなども取り組んでいただいております。こういったことで利用促進につながるように、その結果などをそれぞれの市町ごとの取り組みではなくて、法定協議会などで確認して、さらに連携した取組がどのようにできるのかっていうことを考えていきたいと思います。例えば、現在、開催中のBIWAKOビエンナーレ10回目が近江八幡市を中心に開催されておりますけれども、彦根市でも開催、鳥居本駅でも開催というようなことで、今回、近江鉄道も絡めて開催していただいているというようなこともございます。ぜひ、いろいろな形で盛り上げていけるようにしていきたいと思います。
[読売新聞]
冒頭でも説明していただいたのですが、先日、淡海学園を視察されて課題の多様化ですとか、専門人員の確保等でもいろいろとやらないといけないと思われていることがあるかと思うのですが、今後、特に注力しなければと考えていらっしゃることはどういったところでしょうか。
【知事】
御同行いただいた記者の皆様方もそれぞれにお感じになったことがあると思うのですが、私も限られた時間でしたけれども、知事として現場に行った中でも非常に心に残る視察の1つになりました。まずは、長年にわたって、24時間365日、子どもたちの安心・安全をしっかりと守るという安定した生活基盤をしっかりとつくっていただいていることの大切さを改めて感じました。その上に、子どもたちの自信をつけたり、夢を描いたりすることに、教育部門、福祉部門の皆さんが連携して、中には24時間ずっと住み込みで寮のお世話をしていただいている方々がいらっしゃいまして、こういったことの県の施設の大事さというのを改めて感じました。
なお、どういうことが課題かでいうと、やはり中学校を卒業した後、中には就職先から戻ってきて寮に帰ってくる子どもたちもいましたけれども、そういった自立につながる生活とか施設のあり方、指導のあり方、こういうことがどのようにより改善していけばいいのかというのは課題だと思いました。だから、そういったことについて、体制整備や施設整備、必要なことは如何ということで、大杉副知事に現地で伺ったことを元に検討しようということを指示いたしました。
[NHK]
本日から滋賀県を含め全国旅行支援がスタートしましたけども、これに関する期待や受け止めと、滋賀県独自で今後上乗せですとかキャンペーンのようなものを検討されているかどうかをお願いします。
【知事】
コロナの感染状況が少しずつ落ち着きを取り戻してきているということを受けて、全国旅行支援が本日から再開・開始ということで大いに期待をしています。皆様方に御利用いただけるように、県としてもしっかり御案内、そしておもてなししたいと思います。同時に、少し都道府県ごとに違いがあったり、またクーポンが使える・使えないということがあったりと、わかりにくさがあるようにも思いますので、コールセンターも設けながら御案内し、御相談に応じられるようにしたいと思いますので、こういった点は大事にしていきたいと思います。
なお、滋賀県はお客様がどうしても多くなる休日よりも平日で、より手厚いクーポンの額を設けており、旅行需要が平準化されるように工夫をさせていただいております。他の県も、例えば移動する交通機関の割引をしたり、子ども・子育て世帯に対する割引をされていたり、いろいろな工夫をされているようでいらっしゃいますので、そういったことも参考にさせていただきながら、さらにどういう取組ができるのかを検討していきたいと思います。
[NHK]
新型コロナに関して、冒頭でも御説明いただきましたように、かなり減少傾向が続いておりますが、現在の県の警戒レベルについて引き下げの検討などのお考えはいかがでしょうか。
【知事】
レベルを引き下げることができるのかを検討しています。やはり、病床の使用率、今2割を切る直前まできていますので、その状況はよく見極めたいと思います。これまでもそうですけど、レベルを上げるときには早めに、レベルを下げるときには少しゆっくりめに、慎重を期してということがございました。そういう趣旨で、まだ100人を超える方々の新規陽性が確認されておりますし、これから少し寒くなってきますと、どうしても季節性インフルエンザなど罹患される方も多いので、少し状況を見極めた上でレベル判断をさせていただきたいと思います。
[中日新聞]
先日、滋賀県立病院の経営のあり方の検討に関して、「未来を考える会」という方たちが記者会見をされました。その場でありますとか県議会でも同じような質問がありまして、改めてになりますが、12月中にもこの方針を県として決定するということにされていますが、諮問から約半年での決定が少し早いのではないか、急ぐべきではないのではないかという声が寄せられていますが、知事としてのお考えをお聞かせください。
【知事】
県立病院は、私たち県民にとって大切な施設です。コロナ禍においても中心的な役割を果たしていただいております。難病でありますとか、高度な治療、また小児保健医療センター、精神医療センターなどで様々な困難を抱える子どもたちや人たちにも寄り添った医療を提供させていただいております。いわゆる不採算の医療といわれることについても、県立だからやるということでございます。この点は大事にする必要があると思っています。
一方で、資金不足ゆえ、経営という観点での持続可能性というものに不安や懸念がありましたので、検討会を設けて、どのような対応を取るべきなのかということを検討させていただいております。一定、これまで検討を重ねてきていただいている状況がございますので、それらを取りまとめいただいて、必要なことは来年度の予算などにも反映する必要がありますので、一定、やはり今年、年末までというのは1つのタームになると思います。
ただ、この間、寄せられた御意見、またいろいろな御提案を十分踏まえた上で方向性を出していきたいというふうに思っています。そういう意味で、短いのではないかと言われれば、その御指摘を受け止めなければなりませんが、あまり時間をかけてやる暇もありませんので、一定の結論をもって、次の段階に進んでいく準備をしたいと思います。
[中日新聞]
重複になるかもしれないのですが、今、この半年で方向が決まろうとしているところに、障害のある方の御家族とかから不安の声が寄せられているのですけれども、知事としてそういう不安の声とどういうふうに向き合っていこうとお考えになられているのかを教えていただければと思います。
【知事】
報道でも承知をしておりますし、現に知事公室や秘書課などに届けられている御意見、議会の場で県民を代表する議員の皆様方から寄せられる御意見などをいただいておりますので、しっかりと受け止めて、方向性を考えていかなければならないと思っております。
[毎日放送]
今日、発表のありました「公共交通の現状および意向に関するアンケート」に関連してお伺いします。発表にありましたとおり、来年度の「滋賀地域交通ビジョン」の策定に向けて、今、一連のプロセスが進んでいると考えておりまして、今年4月には税制審議会から地域公共交通を支えるための税制に関連して答申が出されたかと思います。全国的にも注目を集めておりまして、まだ流動的な部分も多いとは思うのですが、今年の知事選挙では三日月知事も再選されたように、県民の間にそこまで否定的な感じにはなってないのかなというふうに推察しております。
改めて、総花的な質問になってしまって恐縮ですが、一連のその策定過程を通して改めて県民の方にどういう議論を喚起していきたいかと、滋賀県のこの地域公共交通の未来について、三日月知事御自身がどのようなビジョンを描いているか、総花的な質問で恐縮ですがお答えいただけたらと思います。
【知事】
まず、どのようなビジョンを持つのか、具体全体像はこれからですけど、よく私が申し上げるのは「誰でも、いつでも、どんな状況になっても、行きたいところに行ける交通手段というものを滋賀県内で整備しませんか」ということを問いかけています。そのために誰がどんなことをしなければならないのか、どれだけお金がかかるのかというのはこれからです。ただ、自分で車の運転ができなくなっても行きたいところに行ける滋賀にしようということを申し上げてきましたので、そういうことは土台になると思います。
どんな議論(を喚起していきたい)かということについて、申し上げると、今いみじくも、「知事選挙でそんなに大きな反対はなかったかもしれませんが」とおっしゃいましたが、私はそう思ってなくて、やっぱり負担をする、税を払う、以前よりも負担が重くなるということはみんな良くないです。嫌です。負担は大きいより高いより、低い方がいい、小さい方がいい。また、「公共交通、俺乗らないけど」「私、普段利用しませんから」という方も大勢いらっしゃいますので、そういった負担・分担をどのようにみんなで分かち合えるのかということと、「こういう公共交通だったら少しずつ負担するって理解できるよね」という、滋賀県のみんなで実現する公共交通のビジョンを共有できるかということとか、今乗らない人も、私は乗らないという人も「みんなのために、ここまでだったら負担してもいいね」と思えるような理解の醸成という、この3つが大事な議論のテーマになってくるのかなと思います。いずれにしても公共交通ビジョンをつくるということが出発点になると思いますので、この議論を丁寧にしたい。そのためのアンケートでもあるので、ぜひ御協力いただきたいと思います。