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知事定例記者会見(2022年4月1日)

令和4年4月1日
(県政記者クラブ主催)

【知事】

今年度もどうぞよろしくお願いします。

私には夢があります。琵琶湖を真ん中に四季の自然を大切に味わいながら、一人ひとりを大切に、また、みんなで仲良く助け合って支え合って、みんなで「健康しが」をつくること。そして、世界に開かれ、世界から選ばれる滋賀をつくること。この夢の実現に向けて、皆さんと力を合わせて頑張っていきたいというふうに思います。

新年度に新体制になりまして、会見のスタイルが少し変わりました。また、事務的にも紹介があるのかもしれませんが、広報課長がこちらに座り、新たに広報課参事が司会進行をやるというスタイルになりましたので、よろしく御指導また御協力をいただきますようにお願いいたします。

それでは、まず、昨日は近江高校が春の選抜高校野球大会で準優勝という快挙を成し遂げてくれました。試合の後、部長や監督に電話で話す機会があったのですけれども、素晴らしい快進撃に感謝の言葉を申し上げたところです。急遽の出場だったのですけれども、しっかりと準備をして力を遺憾なく発揮してくれました。接戦、熱戦を制して、決勝まで進むという、なかなかできることではないですね。この快進撃で、感動した人がたくさんいらっしゃると思います。皆で応援をいたしました。こういう機会をいただいたことに感謝したいと思います。

また、もう1つは、ウクライナから避難されてこられた2名の方とお会いする機会を昨日にいただきました。途中、避難してこられる道程のことを私が尋ねてしまった折に、その時のことを思い出して、言葉が出てこなかったということがございました。1日も早いウクライナでの平和の訪れをお祈りしたいと思いますし、滋賀県は滋賀県としてできる取組を着実に積み重ねてまいりたいと存じます。

さて、今日から民法の改正で成年年齢が18歳になるということでございます。この成年年齢の引き下げは、18歳、19歳の若者の自己決定権を尊重するものということでございまして、約140年ぶりに見直しが行われたということでございます。新成人の皆さん、お祝いを申し上げたいし、期待もしたいと思います。

この成年に達することによりまして、大きく変わることの1つが、親の同意なく契約を行えるということです。例えば、携帯電話を契約することでありますとか、一人暮らしの部屋を借りること、クレジットカードをつくる、ローンを組むといったことが可能になるということでございます。

一方で、安易に契約を交わしてしまうとトラブルに巻き込まれるおそれがあるということもございます。そこで、前の画面に掲示しておりますように「若者消費者トラブル110番」を設置しております。県の消費生活センターに設置しておりまして、来所また電話、インターネットで相談を受け付けているところでございます。「こんなことの契約を交わしてしまったんだけど、どうしよう」と思ったり、不安に思われたりするようなことがあれば、お一人で悩まずに、まずはお気軽に御相談いただきたいと思います。

さて、こちらは資料としてはないですけれども、先ほど、幹部の職員を一堂に集めまして新年度の訓示を申し上げたところでございます。

引き続き、コロナ対策をしっかりやっていきたいと思いますし、時代認識、卒近代、そして新しい豊かさをつくろうというこの呼びかけ。さらには、コロナ禍で見いだした光。その中で感じた「シガリズム」という、この先人の教えとさらには滋賀らしく取組を進めるこの「シガリズム」で本当の意味での「健康しが」をつくろうという、この柱について、皆さんと共有をいたしました。

「ひとの健康」の面では子どもと次世代、そして「こころの健康」に力点を置くこと。「社会・経済の健康」では、安全、安心、活力をキーワードに社会資本整備、産業振興、交通観光、すべての人に居場所と出番のある共生社会づくり。さらには「自然の健康」の面では琵琶湖の保全活用、植樹祭も行われますので「やまの健康」を保ち高める取組、CO2ネットゼロの取組をしっかりと推進しようということを申し上げました。

全体に貫かれ、重視するテーマとして、人づくり、DX、よりよき自治の追求ということを申し上げた最後に、県庁の仕事の進め方として人を大切にしよう。特に、コロナ対策でマスクで(顔が)覆われておりますので、私自身も目と声、また、言葉を大事にすること。夢と愛というものを大事にする知事であることを皆さんに約したところでございます。

契約に関する条例が定められました。会計事務、また、契約事務など、この事務の取扱をしっかりと行っていこうと。法令、条例、方針をしっかりと確認して業務にあたってほしいということを申し上げたところでございます。

ぜひ、報道機関各位とも、しっかりと議論しながら切磋琢磨しながら、よりよい県政をつくっていきたいと思いますので、どうぞよろしくお願いいたします。私からは以上です。

[京都新聞]

今日は、まず、選挙のことからお聞きしたいと思っています。7月10日の知事選まで今日で100日ということになるそうです。今回の選挙では、まだ知事お一人しか立候補の表明はされておられませんが、擁立を進めている団体もあるというふうに聞いています。ずばりお聞きしたいのは、今回の選挙で3期目に選ばれる自信はおありでしょうか。そして、県民は、今回どのような観点で新しいリーダーを選ばれると思うか、その2点について教えてください。

 

【知事】

まず、お尋ねいただいた知事選挙についてでございますが、私自身は2期8年、県民の皆様方とともに県政を進めてこられました。まだ、2期目の任期も数か月を残しておりますけれども、全身全霊を傾けて使命を全うしていきたいと思います。

そして、「健康しが」をつくる取組につきましては、様々に進んだ面もございますが、コロナ禍で立ち止まらざるを得ないこと、変更を余儀なくされたことなどもございます。苦境にいらっしゃる方々のために、また、将来のために未来のために夢を持ってつくっていきたいと思う事々などもございますので、そういったことをしっかりとやり遂げるために、3期目、引き続き、県民の皆様方の御負託を得られるのであれば、しっかりと知事としての職責を果たしていきたい旨、表明させていただいたところでございます。

自信はあるかということですけども、1日1日しっかりと務めを果たすことによって、1つ1つの信頼を得られるように努力をしていきたい。その先に、そういった御評価というものがあるのではないかというふうに思います。

また、どういったことを考えて、県民の皆様方がこの選挙に臨まれるのかということは、たくさんあると思います。例えば、もう3年目になりますコロナ対策がどうだったのかということは当然問われるでしょうし、人口減少であるとか、少子化であるとか、長生きできるようになったけれども高齢化の様々な諸問題・諸課題がございますので、こういったことに県がどのように対応しようとしているのか。また、それらを支え合う社会のありよう。将来の活力のための経済産業のありよう。こういったことというのも問われるでしょうし、私たちは琵琶湖をお預かりし、自然環境豊かな県土で暮らしをしておりますけれども、そういった事々にどのような政策を打とうとしているのか。こういったことへの関心は、高いのではないかと考えております。そういったことに知事として県として、しっかりと方向性を御提示できるように、さらに磨きをかけて準備をしていきたいというふうに思っております。

 

[京都新聞]

県民の観点として、1つ目にコロナ対策が3年目を迎えてということがありましたけれども、今回の第6波ではまん延防止等重点措置を国に要請しなかったという点で、県民の意見が分かれるところを知事の考えで進められたところもあったのではないかと思うのですが、その点について、まん延防止等重点措置を要請しなかったことについて、今は、どのようにお感じになっておられるのでしょうか。

 

【知事】

まず、相対的にはまだこの第6波の渦中におりますし、こういった打った施策、打たなかったことに対する御評価というのは、これからの検証に委ねられるところが大きい。ある意味では歴史の法廷に裁かれる思いでおります。

この場でも、当時からいらっしゃる記者の皆様ともさんざんやり取りをしてまいりましたけれども、私ども、昨年の夏の第5波を経験した折に、やはり、新型コロナとも両立する対策を構築していこうと。そのためには、やはり命を守るための医療・保健の仕組みを強化してしっかりと整えておくことだと考えて病床を増やすですとか、早めに兆しをつかんで、その症状に応じた柔軟な対応を取れるようにしようということなどをつくってきました。この医療が回るか回らないかというのをぎりぎりまで重視してみてきたということでございます。

今回のオミクロン株の特徴の1つとして、感染は広がるけれども以前ほど重症化しないということがございましたし、医療もコントロールセンターを中心に、何とかぎりぎり回りましたので、必要以上に時間の短縮・酒類の提供禁止を要請することは、今回は見合わせたところでございます。

ただ、このまん延防止等重点措置の基本的対処方針のあり方なども途中から各府県の知事からも、この対策内容でいいのかという問題提起もされていたこともありますので、ぜひこれ以降の対策については、今後、検討もされ、必要な見直しも行われることを期待しつつ、これまでの経験を生かして県としてはより賢明な対応が取れるようにしていきたいと思います。

今、第7波に向けた対策も、ワクチン接種の推進、また、特に高齢者の療養後に過ごされる場所の確保ですとか、そういったことに注力しているところですので、しっかり進めていきたいと思います。

[中日新聞]

今のコロナに関連しているのですけれど、先日の(新型コロナウイルス感染症対策)本部員会議でも第6波の重症化率が低いという話が、今も言われたようにあったと思います。一方で、重症化していなくても亡くなっている方が第6波で84人出ているということで、その重症化率が0%といわれると確かに少ない感じはするのですが、中等症とか軽症から亡くなっている方も割合が少なくても数としては多いという点についてはどのように捉えていらっしゃるのでしょうか。

 

【知事】

おっしゃった通り、この年明け以降、80名を超える方がお亡くなりになっていらっしゃいます。その内訳をみますと、80名近くの方が70歳代以上ということでございますので、やはり御高齢の方がかかられると、基礎疾患をお持ちであったりしますので、よりリスクが高まるということがあるのだと思います。この点は、しっかりと注意警戒を緩めずに、例えば施設での感染対策の徹底でありますとか、そういった方の入院治療のあり方、こういうものはしっかりと体制がとれるように備えていきたいと思います。

 

[中日新聞]

これまで重症化が少ないという点を強調されている印象もあるのですが、全体数が増えれば高齢者の方も一定数が感染すると思うので、リスクもあるのかなという気もするのですが、その辺りはどのように意識されているのでしょうか。

 

【知事】

御指摘は受けとめたいと思います。そこはなかなか難しいですね。特徴として、以前のウイルスの株に比べると、数は増えましたけれども、数に比べて重症化する方の割合が、それほど多くなかった。これは事実としてあると思います。

そこをどれぐらいの強調をもって言うか言わないのかということだと思いますし、あくまで事実に則って、データに基づいてお伝えしていくという、こういう姿勢は大事だと思います。

 

[NHK]

昨年度に、知事が成果を上げることができたと御自分でお感じになることを挙げていただいて、その上で今年度の意気込みというのを改めてお聞かせ願えますでしょうか。

 

【知事】

淀川水系の河川整備計画などは、大きな変更が行われました。こういうことが大きかったと思います。大戸川ダムを位置づける形で、大きな見直しが行われた。これも1つ大きなことだったと思いますし、CO2ネットゼロの条例改正ができたということですね。それに基づく推進計画を定めて本格的なスタートを切れた。これも大きいことだったと思います。関連しますと、マザーレイクゴールズというものも、昨年度だけで形づくられたものではないにしろ、「びわ湖の日」40周年を機に、琵琶湖版SDGsとして発信することができたということです。美術館のリニューアルオープン等も懸案課題、まだ全てではないですけど、一部を乗り越える形でオープンすると同時に、文化館につきましても方向性を一定示すことができたということもあったのではないでしょうか。もっとお時間いただければ探しますけど。

 

 

[NHK]

改めて今年度の意気込みというのは。

 

【知事】

その意味で、今年度、このコロナ禍の中で見出した光をしっかりとみんなが確認して照らしながら、「シガリズム」で滋賀らしく、「シガリズム」で本当の意味での「健康しが」をつくろう。コロナに負けずに「健康しが」をつくる取組を充実させていきたい。特に、子ども子ども子ども。次世代の部分と、「こころの健康」をしっかりと寄り添いながら、困った人に寄り添いながら対応すると同時に、公園、文化芸術、スポーツ、こういったことでワクワク感を皆さんに味わっていただけるような取組を強化していきたいと考えているところです。

[NHK]

ウクライナのことですけれども、昨日、知事も表敬でお二人に会われて、まだ影響が長期化しておりますけれども、今後どのような姿勢で支援というか、県として進めていきたいとお考えでしょうか。

 

【知事】

まず、昨日、短い時間でしたけれども、お二人の方と時間・空間を共有いたしまして、言葉の壁はあったのですが、言葉では表せない情感に包まれたといいますか。お住まいになっていらっしゃったところが爆撃を受け、街が壊されて、命からがら長距離を乗り継いでこの日本の地に辿りつかれたということを感じますと、そのことを思い、言葉に詰まったようなことがありました。

私どもでは、想像もつかないことが現地で起こっているのではないかと思います。映像を見るだけでも、事実であれば、惨状が広がっています。実際、今の世の中で、戦車が走り、砲弾が飛び、人が殺されているという状況というのを私たちはどのように考えたらいいのかということですね。

できることを一人ひとり、また、知事ができることは小さいのかもしれませんが、やはりできることを積み重ねていきたいという思いで避難民の受け入れというものを皆でやっているところでございまして、長期化することに伴い、また2組目、3組目、今後来られることも想定されます。いろいろなニーズがあるでしょう。国でも政府でも、省庁横断の会議なども行われているようですので、しっかりと情報を取って、来られた方に寄り添った対応をできるようにしていきたいと思います。

 

[京都新聞]

コロナの死者が第6波は多かったということですけども、日々の発表などでも聞いていても、コロナが直接的な原因になったのか、コロナの死亡との因果関係が県としてもあまり把握されていないようにお聞きするのですが、そのあたりやはり県民としてはかなり気になるところなのかなと思います。

県として主体的に、国のレベルかもしれないですけれども、そのあたり、もう少し県として分析そして情報発信というのが必要かと思うのですが、そのあたり知事はどうお考えでしょうか。

 

【知事】

今、お尋ねいただいたような問題意識もあるのかもしれません。ただ一方で、お亡くなりになる方の状況要因というのは様々あるのも事実ではないでしょうか。そのあたり、少し現場の専門家の見解などを聞いてみたいと思います。

 

[京都新聞]

あと、ワクチン接種の関係で、これだけ重症化率が低いというような話が出ていると、「やはり打たなくてもいいのかな」というように思われる方も多いのではないかと思います。なぜ(ワクチン接種が)必要かとか、もう少し発信の仕方を変えた方がいいのではないかと思いますが、その辺りいかがお考えでしょうか。

 

【知事】

先ほどのお尋ねにも関連するかもしれませんが、オミクロン株の特徴を、例えば重症化する人が以前よりも少ないという情報がどんどん強く、多く出すぎるとおっしゃったような、以前よりもワクチンを打つのをやめようかとか、もう少し先にしようかとか、こういうことに繋がりかねないという面はありますね。

ただ、ワクチンを打っても、かかることはあるでしょうけれども、重症化する割合を下げることができる。そういう効果があるということを、やはり我々がしっかりとお伝えしていく必要があると思います。できる限り積極的に早期に打っていただくよう、機会を確保していきながら、皆様方の予防に資していきたいというふうに思います。今後、また、情報の出し方をしっかり考えていきたいと思います。

 

[京都新聞]

 男性職員の育児休業100%宣言について、育休を希望する男性職員全てが確実に取れるようにするということだと聞いたのですけれども、目標はいつまでに100%ではなくて4月から100%というものです。

取得計画をつくったり、上司との面談を完全実施したりするということですけども、やったけど取れない、やはり取れなかったということも十分あり得るかと思います。そういう時はどうされるのでしょうか。知事の宣言ということなので、知事御自身が何か責任を取られるのでしょうか。

 

【知事】

おっしゃる通り、育休取得100%。(育休を)取れる県庁にしようということを宣言いたしました。以前もお尋ねがあったのですけれども、いつまでにということではなくて、4月からそうしようということで宣言させていただいております。

おっしゃった通り、「子どもさんが生まれておめでとう、ぜひ育休を」「いつ取ろう」「どうやって取ろう」「その仕事を誰と誰が分担してやろうか」などを職場で上司と一緒に考えながら、希望する人が、もしくは希望して取れるように職場環境を改善していくという取組を進めていきます。

まずはやってみて、どれぐらいそういうことがかなっていくのか、かなわないのか。少しみてみたいと思います。そのうえで、さらにどういうてこ入れが必要なのかを、考えたいと思います。まずは希望したら取れるということを皆に周知しながら、どうしても希望する人100%というと、「どうせ取れないし、もうやめとこう」という、表れてこない希望というものがないように努めることも大事というふうに思います。まず、この宣言させてもらうことによって、希望したら取れるということからスタートしていきたいと思います。

 

[京都新聞]

本当に女性の社会進出は男性の家庭進出がないとままならないことなので、ぜひ掛け声だけにしてほしくないなと本当に思っているのですけれども。

先ほどの話であったらこれをきっかけに、本当にみんなが本気で取ってほしいというきっかけにということだったかと思うのですが、やはり取れないという人に対してはどのようにアプローチするのか。

 

【知事】

まず、前提にあるのは、その人の人生とか生活とか考えがベースにありますので、それは大事にしたいと思います。家庭の事情もそれぞれあると思いますので、それは尊重したうえで、ここからは2つあって、1つは県庁の職場での仕事等も大事だけど、ひと時、制度を使って家庭で育児などをして過ごすこと。これもあなたの人生にとって素晴らしいことになのではないかということを一緒に話してみたいと思います。と同時に、どうやれば取れるのか。何が足りないから取れないのか。人が足りないということもあるでしょう。仕事が多いということもあるでしょうし、そういうことも含めて、きちんとお話ししたうえで、改善に向けた一歩をつくっていくということに取り組んでみたいと思います。

以前も話したのですけれど、昨年度末、秘書課で1人休んだ男性職員に、休んでいる間に、周りのお父さん・お母さんと話した結果をレポートにまとめてもらえないかということで、僕のところに届けてくれました。今、それを読みながら、さらにどういうことをやっていけばいいのかというのを考えているところです。

私自身の、一人ひとりの職員、また、子どもが生まれた職員とその上司に対するメッセージも届けながら、何か自分の人生をより豊かにするような一歩を踏み出していけるような、昔からの固定観念ではなくて、何かそういうことを促していけたらいいなと思います。

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