令和4年2月8日
(県政記者クラブ主催)
【知事】
今日もよろしくお願いします。連日、お疲れ様です。
先週末は滋賀県も大雪に見舞われました。今なお、雪かきや様々な対応いただいている方々にお見舞い申し上げたいと思います。
米原市では日曜日の23時の積雪量が2001年の統計開始以降、観測史上1位の91cmを記録ということでございます。高速道路、一般道路の一時通行止めもございましたし、鉄道の遅れなど、交通障害も発生しております。県民生活にも影響をおよぼしておりましたが、国やNEXCOとも連携いたしまして、幹線道路の除雪作業に、概ねスムーズに対応できたのではないかと思っております。
ただ、除雪作業中の負傷の報告も受けているところでございます。1人での雪下ろし作業は大変危険でございますので、除雪は必ず2人以上で、また、スマートフォンを身につけるとか、様々な御案内もさせていただいておりますので、十分に御注意をいただきたいと思います。先週2月4日に立春を迎えましたが、まだ余寒の季節。なお残る寒さに、皆様、それぞれお気をつけていただきたいと存じます。
さて、コロナの状況でございますが、昨日も第57回の新型コロナウイルス感染症対策本部員会議を開催いたしました。先週の新規の感染者は5,847人ということでございまして、先々週の1月末までの4,927人の約1.2倍という状況でございます。増加率は若干、低下傾向にあるのではないか。ただ、毎日1,000人近くの新規陽性の報告を行っているという状況です。
昨日の本部員会議では、新型コロナ重点対策といたしまして3つ。1つは学校、保育所、高齢者福祉施設、事業所などで、クラスター対策として感染対策の徹底を改めてお願いをいたしました。そして2点目は、長引くコロナ禍で、事業者の皆様方が大変厳しい状況にいらっしゃいますので、事業継続支援ならびに感染回避のための宿泊支援、そして資金繰り支援。この3本柱で行うことを2つ目の柱のワクチン接種加速とともに、昨日に決定し、御案内したところでございます。なお、それぞれの事業者支援等、金額その他詳細につきましては現在最終調整中でございまして、近くの皆様方にもお知らせできると思います。議会でも予算案とともに、おそらく補正になると思いますが、お諮りすることになりますので、できるだけ早くお届けできるように対応してまいります。
また、先週末、新聞折込みで、お手元に配っておりますカラーのチラシを入れさせていただきました。約46万世帯でございます。この情報等は県のホームページでも御確認いただけます。ワンストップ相談窓口も設置しておりますので、お気軽に御相談いただければと存じます。
感染拡大が続いております。伸び率は鈍化傾向ということでございますが、依然として医療の状況は厳しい、また、ぎりぎりの状態でございますので、それぞれの方々のより一層の御対応・御協力お願いをいたします。
それでは資料に基づきまして2点、私の方から申し上げます。1点目は、今年が県政150周年にあたります。明治5年(1872年)9月29日に滋賀県が当時の犬上県と合併し、現在の滋賀県域になったと。ここから150年の節目と。したがって、全庁を挙げて県政150周年記念事業に取り組もうとしているところでございます。
まず、第1弾といたしまして、公文書館におきまして、今月末から令和5年1月にかけて、県政150周年記念展を開催いたしますという紹介でございます。この記念展示では様々な切り口から150年の県政の歩みを振り返りまして、その歴史を紐解く、そういう契機にしていきたい。また、例えば、卒近代でありますとか、未来にどういう歩みをするのか。こういったことをともに考えることを目的としております。
記念展示は3回にわたり開催いたしますが、その1回目として2月28日から5月26日まで「滋賀県はいつ誕生したのか-歴史公文書は語る-」と題して開催いたします。明治5年9月29日の滋賀県誕生の日がいつどのように定められたのか。公文書館所蔵の歴史公文書をもとに明らかにしていくという内容でございます。滋賀県の統合過程をわかりやすく図示した資料なども展示します。普段、意識することのない滋賀県誕生の日について、当時の資料を基に、その制定経緯を紐解いていく記念展示となっております。
本県が海に面していた5年間でありますとか、県都の彦根への移転騒動など、滋賀県誕生に関する様々なエピソードも併せて紹介されるということでございます。ぜひ、こういった記念展示を機に、滋賀県は当時どうだったのか。また、歴史公文書を身近に感じていただければということでございます。
今1つは、少し趣を異にいたしまして「おうみ肉の日」キャンペーンの開催についてでございます。新型コロナウイルス感染症の感染拡大が多くの事業者に影響を与えておりますが、近江牛(おうみうし)を生産される方々にも影響を与えております。様々な御努力をされておりますので、その1つを御紹介いたします。
近江牛の認知度を上げるために、平成23年度に3月29日を「おうみにくの日」と定められているそうでございます。近江牛(おうみうし)関係者はこれまで3月末のこの時期の1週間に、販売店の店頭でスクラッチくじなどの抽選を実施され、近江牛(おうみうし)のPRに努めてこられました。
また、平成29年12月には、近江牛(おうみぎゅう)が地理的表示(GI)保護制度に登録されたところでございます。GIに登録された牛肉は、ブランド牛が全国に300以上もある中、近江牛(おうみぎゅう)を含めてたったの10銘柄ということでございます。
これらの努力を踏まえまして、一般社団法人滋賀県畜産振興協会と「近江牛(おうみうし)」生産・流通推進協議会と近江肉牛協会が協力いたしまして「おうみ肉の日」キャンペーンを今年から装いも新たに内容をパワーアップして実施されるとのことでございます。
今回、新たな取組としてキャンペーンに応募いただいた方100名に総額100万円の近江牛(おうみぎゅう)引換券を抽選でプレゼントするということでございます。応募期間は令和4年2月1日の火曜日から3月31日の木曜日までの2か月間。県内外のキャンペーン参加指定店で近江牛(おうみぎゅう)を1,000円分買うごとに1枚もらえる応募シールをお手元のチラシの裏面に貼っていただき応募するということでございます。参加店舗や応募条件などの詳細につきましては、一般社団法人滋賀県畜産振興協会のホームページを御覧いただきたいということでございます。
この取組を通じまして、3月29日が「おうみ肉の日」として全国的に認知されますよう、また、地理的表示保護制度ですとかGIマークを広く消費者にPRすることにより、近江牛(おうみうし)のさらなるブランド力の向上、消費拡大が図られることを願っております。
私は「近江牛(おうみうし)」生産・流通推進協議会と近江肉牛協会の名誉会長も務めております。関係者の皆様とともに、この本県を代表する産品である近江牛(おうみうし)をPRいたしまして、滋賀県の魅力をより一層全国に発信していきたいと思います。
「おうみうし」と「おうみぎゅう」を分けて発音いたしましたのは、牛を指す場合は「おうみうし」というそうです。肉を指す場合は「おうみぎゅう」と読むように言われておりますので、活字体はあまり関係ないのかもしれませんが、放送等で流される場合には御留意いただければ幸いでございます。私からは以上です。
[読売新聞]
先ほど、近江牛を生産される人にもコロナの影響が出ているというお話があったと思いますが、どんな影響がどれぐらい出ているのか、御存じの範囲で教えてください。
【知事】
詳細な数字は担当課に御確認いただければと思いますが、やはり外食等も減っています。観光需要も減っています。そういった事々が、出荷先として減少している。以て、生産業者にも減収として影響が出ているということでございます。
一昨年ですか、緊急の販売促進キャンペーンなども開催いたしました。西川貴教さんにも、テレビショッピングなどで、販売促進に一役買っていただいたということもございます。事程左様に、そういった需要の減退が大きく影響をしていると思われます。しかも、それが長引いておりますので、一部、通信販売等でカバーされている方々、また家で食べられる需要等でカバーされている方もいらっしゃるようでございますが、大きく影響が出ているということもございますので、少しこのキャンペーンも強化してやろうということでございます。
[共同通信]
(衆議院議員総選挙における小選挙区数の)10増10減のことで伺います。国会議員の中に、10増10減を見直した方がいいのではないかということで有志が集まって活動するというような動きが出ているようです。県内だと、うえの議員が、その中にいらっしゃるっていうようなことを聞いています。
知事の受けとめをお聞かせていただきたいと思っております。
【知事】
唯一の立法機関、国権の最高機関である国会に所属される議員の皆様方が現状や今後の方向性に疑問を感じられて、その改善のために行動されるということについては必要なことだと思います。ただ、その前に司法の判断が出て、法律で一定、定めて今回改善がなされようとされており、その改善の内容について知事意見が求められていることからいたしますと、どういう御懸念に基づくものなのかというのは、我々もしっかりみなければいけないなというふうに思っております。
ただ、この知事意見をまとめる際にも様々な御懸念、例えば地方の人口の少ない地域の意見が十分に国政に反映されるのかといった趣旨の御意見等もいただいておりましたので、そういった事々に対応するためではないかと思われますが、その辺りのことは、我々もしっかりとみていかなければいけないなというふうにます。
[共同通信]
それに関してですけれども、知事意見を提出された後、これに関して県内で動きがあったとか、もしくは区割り審(衆議院議員選挙区画定審議会)の方から再度、知事の方に意見照会があったとか、そういう動きはありましたか。
【知事】
私本人が知る限りにおいてはございませんが、実務者がその対応をしてくれているかどうかわかりません。
[毎日新聞]
当初予算について伺います。7月に知事選を控えますけれども、骨格ではなく本格予算で組まれていまして、これについての思いの方を、再度、教えてもらえますか。
【知事】
まず、県政は、例えば基礎自治体である市・町の、また町民の市民の県民の暮らしを守り支えるという意味で大変重要です。様々な大きな変化、課題がある中、また、目下、コロナ禍の対応が求められる中、やはりしっかりとした考え方のもとに、御負託・御期待に応えられる予算を示す必要があるのではないかということをもとに考えてまいりました。
したがって、トータルとして来年度その先も見据えた事業や、施策内容をお示ししたつもりでございますので、そういったことについて、今後、県民の皆様に、それを代表される県議会の皆様方にしっかりと御審議していただける案として取りまとめさせていただいたところでございます。
特に、コロナで様々な事々が変わっている。例えば、傷ついている、狂ってきている、こういうリズムを取り戻すという意味で「健康しが」をより具体的に進める「シガリズム」という形で表現させていただいておりますので、さらにエンジンをかけて様々な取組が展開できるように、しっかりと説明してまいりたいと思います。
[滋賀報知新聞]
先ほどの質問に関連してですけれども、この週末、他社さんの報道で、知事選に向けて、知事が3期目の出馬の御意向を周りにお話になったようだという報道が一部あったようです。先ほど、予算の話もあったのですけれども、改めて夏の知事選に向けて、現時点でのお考えを伺ってもよろしいでしょうか。
【知事】
私の知事としての2期目の任期が7月末に控えているということでございますので、そういった御評価なり、またそれに基づく報道なりが行われるということだと受けとめております。
私自身の思いなどにつきましては、来る議会で、予算をはじめとする議案を提出させていただく折に、きちんと御説明させていただければと思っているところでございます。
[中日新聞]
予算案の関係ですけれど、先日から「シガリズム」という言葉が急に出てきたというか、今回「シガリズム」を掲げられていて、これを象徴する政策というのが少しわかりにくかったのですが、いくつか具体例を挙げていただければと思います。
【知事】
いろいろなところに散りばめさせていただいていると思うのですけれども、私が予算の発表させていただく折に、まず大きな転換期にあるという認識ですね。その転換期というのは、コロナ禍による影響を受けているということもございますし、デジタル化、地方への関心、また自然が持つ価値の再評価、そして気候変動の影響、こういったものがあると思います。
ただ、いろいろと厳しいこのコロナ禍でございますが、その中で見出した光というものがあります。一部、重複いたしますが、やはり琵琶湖をはじめとする豊かな自然、そして長い誇るべき歴史。さらには、数は減っていますが、それぞれ生まれてきて育ってくれている子ども。また、歴史や自然を大切にしようとする実践。人と人、人と生き物との繋がりや支え合い。こういうものを光として見出させていただいたところでもございます。
こういう大きな転換期にありながらも、見出した光というものを磨き、また、よりよいものとして実感できるような取組をしようと。これを私は滋賀のリズムと、そしてイズムという形で表現させていただいて「シガリズム」ということで、皆さんに表現しております。折しも卒近代というパラダイムシフトで誰も犠牲にならない、価値に重きを置こうではないか、よりよき自治、よりよき祖先を目指そうという、この新しい豊かさを目指すということも提起させていただいておりますので、そういう文脈でこの「シガリズム」というのを語らせていただいております。
具体的には、県政150周年の県史編纂ということもございますし、「こころの健康」の面での公園の魅力の向上といったようなこともございます。観光に向けては、今すぐインバウンド、今すぐ多くの方が御移動ということは叶わないまでも、コンテンツを磨き作る。そういった取組を実施することでありますとか、CO2と子ども対策については基金を設置いたしまして、単年度では難しい事業を計画的に、継続的に行う取組についても予算立てをさせていただいたところでございます。こういった事々をぜひ皆様方に共感を持って、御理解いただけるように説明に努めてまいりたいと思います。
[朝日新聞]
まん延防止等重点措置をどう評価されているかということを、もう一度お聞きしたいのですけれど。あまり効果がないというような趣旨のことをおっしゃられる一方で、必要であれば遅滞なく要請するという発言もあって、どちらなのかと思っているのですけれど、まん延防止等重点措置をどう評価されていらっしゃるのでしょうか。
【知事】
なかなか難しい御質問だと思いますけれど、法律に基づく措置として、まん延防止等重点措置が必要であれば、遅滞なく判断し、要請もしていきたいと思っております。
ただ、それぞれの局面がありますし、それぞれのコロナウイルス感染症、株による感染の特質といったことにもよると思います。何より私どもは命を守るために必要な医療の提供体制の状況を注視しながら、指標そしてレベルを定め、そういった指標やレベルに基づく要請の基準・考え方というものを持ちながら、この波に対応してきております。そういうものもみながら、必要以上に負担や制約を一部の方々にお願いするというやり方ではない対応というものを追求していきたいというふうに考えているところです。
[朝日新聞]
昨日、明らかにされた県独自の、学校や高齢者施設に対する対策を見て思ったのですけれど、例えば「園児に発熱があったら登園をするな」というのは、当たり前ではないかと思います。これが県民に伝わるのかどうかというと、私は首をかしげておりまして、大変な事態なのであるということをアピールするためには、例えばまん延防止等重点措置というのは非常にわかりやすいメッセージではないかと思うのですけれども、そのあたりどう評価されていらっしゃいますでしょうか。
【知事】
おっしゃる通り、まん延防止等重点措置のメッセージ効果というものは一定あると思います。ただ、それに伴う措置というものが、飲食店の営業時間の短縮ですとか、酒類提供の制限ですとか、どうしても限定的な内容になっておりますので、むしろこの局面で感染を防ぐためには、こういった現に感染者が増え、クラスター等も多く発生している施設等での対策を改めて呼びかけていくということが必要ではないかと思います。
御指摘のように、もう既にやっていることもあるのではないか、今さら言うことでもないのではないかという御指摘がある一方で、いろいろと感染状況を調べてみますと、そういう基本的なことができていないまま感染が広がっているという事例も散見されますので、改めて皆様方に対策をお願いしているところでございます。