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知事定例記者会見(2022年2月1日)

令和4年2月1日
(県政記者クラブ主催)

【知事】

今日もよろしくお願いいたします。少しずつ春に近づいてまいりました。

先月26日に琵琶湖北湖で全層循環を確認できたという情報が入っております。琵琶湖環境科学研究センターが定期的に琵琶湖の水質調査をしてくれておりますが、御覧のこのメカニズム、これが確認できたということでございます。御案内のとおり、今年の冬は年末に大雪が降りまして、冷たい雪解け水も入ったのではないか。琵琶湖の水自体が十分に冷やされたのではないかということでございまして、概ね例年並みのこの時期に全層循環が確認できたということでございます。

その2日後の1月28日の調査で水深90mの地点でイサザ、ホンモロコ、スジエビなどの生物の確認できていると。死んだ生物の個体というものはみられなかったということでございますので、何とか底層部の酸素量というのは、現時点確保できているのではないかと考えられます。引き続き、注意深く調査をしてまいりたい。また、その結果を発信していきたいと考えております。

続いて、新型コロナウイルス感染症の状況でございますが、(モニターの)グラフにありますとおり、先週1月24日から1月30日も4,928人と1週間あたりの確認された新規陽性者が最多を更新しております。その前の週に比べまして約1.5倍ということでございます。この赤い矢印が前週比、青い棒グラフが陽性者の合計数でございます。

この新規の感染者が増えることに伴いまして、昨日夜の時点での確保病床の使用率が72.3%となり重症化する方も出ております。ただ、当面は必要な方に医療が提供できるとの体制は維持できる見込みでございます。最も重視しております命を守るための病床の確保がしっかりと提供される。こういう状況は維持できるということでございます。したがって、この時点で、レベル3への引き出し引き上げ、また、まん延防止等重点措置の要請は行いません。

大きく基になる状況等をお知らせいたしますと、1つは先ほどのグラフにもありますように、増加傾向、増加率というものが、7.8倍、3倍、2倍、1.5倍ということで、陽性者の数は大きく増えてきていますけど、増え具合が少し鈍化してきたのではないかとみられることがあります。だからといって安心はしていません。引き続き、注意・警戒します。あと、もう1つは、先月来、病床をさらに最大確保すると申し上げておりまして、今日からさらに8床が上乗せされるということで、今日の新規陽性の確認、また重症度合の如何によりますが、昨日よりは、病床使用率が低下する見込みではないかという状況を受けております。また、重症者病床の使用率も現時点、以前の0%よりは少し御利用いただいておりますが、低い状況で維持することができております。

また、県内の人流についても、ずっとみていますが、第5波でまん延防止等重点措置から緊急事態宣言の発出が行われた時よりも、人の流れ・動きというものが抑えられているという状況がございます。ただ、今日も午前中でもう既に500件を超えているということでございますので、感染者の増加傾向が続きますと、医療提供体制の負荷がさらに高まってまいります。

県では、イベント・ベース・サーベイランス事業(EBS事業)の検査範囲を拡大して、今、実施しているところです。直近、85施設、2,866人に対し、お申し込みいただき御利用いただいているところでございます。高齢者施設、また学校など、感染者が出たときに、迅速にその全体像を掴んでいただく、こういう検査を今後とも活用していきたいと思っております。若干、時間がかかって、陽性の判明に4日、5日かかるようでございます。ここがちょっとネックですが、繰り返し受検していただくこともできるということでございますので、最大限活用していきたいというふうに思っております。

また、事業復活支援金が昨日から申請が始まりました。御覧のとおりの制度内容でございますが、これは業種を問わず、売り上げ減少が30%から、それぞれ規模によってではございますが最大250万円までお受けいただける制度が用意されておりますので、これをしっかりと御案内し、また、わからないことをしっかりと御支援申し上げて、できるだけ早く受けていただけるように我々も努力してまいりたいと思います。引き続き、厳しい状況が続きますが、今後ともよろしく御協力お願いいたします。

それでは、資料に基づきまして私から2点申し上げます。

まず1点目は、「マザーレイクゴールズ広報大使」に元フリースタイルスキー・モーグル日本代表、現在「しがスポーツ大使」にもなっていただいております伊藤みきさんに御就任いただくこととなりました。この「マザーレイクゴールズ広報大使」は御活躍されている方、著名な方に私どもが今年度定めました「MLGs(マザーレイクゴールズ)」達成の一翼を担っていただく、いろいろな発信をしていただく。こういうことを目的として、昨年末12月に創設をしたものでございます。

よく御存じのとおり、伊藤みきさんは日本モーグル会のエースでいらっしゃいましたし、3度、オリンピック代表に選出され、滋賀県を代表するアスリートでもいらっしゃいます。伊藤さんは海外を転戦されている時に、世界中から年々雪が少なくなっているのではないかということに不安を感じられ、自分にできることはないのかと、ずっと考えていらっしゃったと伺っております。その真摯な思いを私ども知りまして、マザーレイクゴールズ推進委員会が新たに創設いたしました、この「マザーレイクゴールズ広報大使」の第1号として御就任いただくことをお願いいたしまして、御快諾いただいたということでございます。

このマザーレイクゴールズの考え方の1つに「Think Globally, Act Locally(世界レベルで考え、地域レベルで行動する)」というものがございます。まさに世界レベルでの幅広い御経験から環境問題に真摯に取り組まれようとされている伊藤さんはこの「マザーレイクゴール広報大使」の第1号にふさわしいと私も思います。御就任いただけることを、とてもうれしく心強く思います。マザーレイクゴールズの詳細は、また後程、担当にお聞きいただければと思います。

伊藤さんは大変お忙しい、また北京五輪を前にいろいろな解説も予定されているようでございますが、この後、来庁いただけるということで14時10分からは、マザーレイクコールズ推進委員長でもある琵琶湖環境部長から広報大使の委嘱を受けていただきます。その後、知事室にもお越しいただけるということですので、また、御取材等いただければ幸いでございます。

もう1点は、こちらも資料が配られていると思いますが、生理の貧困にかかる支援のための生理用品の御寄付についてでございます。御案内のとおり経済的な理由などで生理用品を購入できない女性がいるという生理の貧困の問題がコロナ禍で顕在化いたしました。この生理の貧困の問題は女性の健康や尊厳に関わる重要な問題でありますことから、この生理用品の入手に困っている多くの女性に支援が行き届くように、昨年10月29日から生理用品の御寄附をお願いいたしましたところ、140名を超える大変多くの皆様から御寄附をお寄せいただきました。この場をお借りいたしまして、県を代表し、厚く御礼申し上げたいと思います。

寄せられた御寄附には、この生理用品のみならず「全ての女性が安心して生活できる公平な世の中になりますように」などと、心温まる数多くのメッセージが寄せられていたということでございます。このメッセージに込められた思いのように生理の貧困にかかる、こういった支援がジェンダー平等に向けて、社会課題をみんなで解決していく契機となることを期待しているところでございます。

皆様からいただきました貴重な御寄附は現在、まず、男女共同参画センターで無料配布させていただいております。困っておられる方が少しでも安心して過ごしていただけるよう、有効に活用させていただきます。こうした皆さんの力を賜ります御寄附のお願いは今後も続けていきたいと思います。御寄附の方法につきましては、滋賀県立男女共同参画センター「G-NETしが」のホームページを御覧いただき、ぜひ皆様方、少しずつでも結構ですので、お力添えいただければ幸いでございます。

女性にやさしい、女性の生理にやさしい社会はみんなにとってやさしい社会にもなるでしょう。ぜひ、この事業への御理解、御協力をお願い申し上げて簡単でございますが、御礼を込めた私からのメッセージとさせていただきます。私からは以上です。

[NHK]

まず、まん延防止等重点措置についてですけれども、レベル3への引き上げと措置の要請はしないということですが、元々の御説明では(病床使用率)70%を目安に(レベルの引き上げやまん延防止等重点措置の要請を検討する)ということだったと思います。それ以外に重症者病床の割合だったりとか増加率だったりとか、それ以外に指標を示して、こうなったら適用を考えますとかそういった点をお考えはどうでしょうか。

 

【知事】

おっしゃったとおり、これまでレベル2からレベル3に上げる時には、確保病床の使用率を注視しておりました。その際、重症者用病床がどうなのか。これはレベル基準としては50%ですけれども、おかげさまで、なかなか上がらないということであるならば、この全体の病床数をみようと。そのラインを70%にしようということを申し上げておりました。

そういう意味で、昨日、また一昨日ぐらいから、これを上回る数字というのが出ているということについては、レベル2からレベル3の基準にも入りつつあるという状況はあるのだと思います。ただ。私どもが要請しております最大病床の確保に、さらに上積みして487床に近づく形で出来てきたときに、それがどのように推移するのか。また、病床のコントロールも、より良い入院が必要な方々にしっかりと行っていく。具体的に言うと、宿泊療養施設の最大活用なども現在、コントロールセンターで行っていただいているようでございますので、もう少し様子をみたいということでございます。したがって、私はその判断を尊重し、この時点でレベル3への引き上げ、まん延防止等重点措置への要請は行わないとさせていただいております。

 

[NHK]

先ほど、冒頭でも言及がありましたけれども、例えば増加率がだんだんと落ち着いてきているですとか、そういった点ももちろん考慮に入れて今後の病床使用率というか、そういったところもある程度、推計できているのでしょうか。

 

【知事】

1月末から2月上旬にかけて、最大で陽性者が1,100人まで上がるであろう、(モニターに示したグラフの)こちらです。この推定グラフに対してどういう推移しているのかというのを絶えずみています。

いよいよこのピーク、もしくはピークアウトするのではないかという時期まで来ましたけど、もう一度、これを実効再生産数ですとか、こういうものに基づいて、もう1回、シミュレーションの更新を、今、チームにお願いしているところでございます。この(ピークの)最大がどうなるのか、そして時期がどのようになっているのか。これを推定した時よりも時間が経っていますし、オミクロン株の特性の知見も出てきていますので、そういうものに基づくこのシミュレーションの更新を、近々私どもも共有し、皆さんとも共有させていただいて、今後の病床の推移を確認したいと思います。

いずれにしても、これまでの5波まで経験してきて、やはりこの命を守るためには、重症化される方に対応する病床をしっかりと機能させることが重要だということがございましたので、それらをよくみながら、最大限、社会、経済、文化活動の両立をさせていくとこういう取組を今、行っているところです。ぎりぎりの状態で、今、こういう状態を保てているのではないかと思います。

ただ、ここにきて、コロナ以外の一般病棟がかなり厳しくなってきているということですとか、病院内のクラスター等も発生してきておりますので、こういう状況は注視していかなければならないと思っております。

 

[NHK]

人流が第5波並みまで減っているというお話があり、現場からも届いている声ですけど、飲食店に行く人も当然少なくなっていると聞いております。その中で、まん延防止等重点措置の適用を望む飲食店の声も聞こえてきております。

周辺地域はその適用がされる中で、これについての知事のお考えは。どう支援していくということですとか、そういったところの考えはどうでしょうか。

 

【知事】

おっしゃったように、人流、人の動き・流れというのは、この周辺地域、日本全国で感染急拡大、まん延防止等重点措置が次々、どんどんと適用されているという状況を受けて、少なくなってきているという状況がございます。

これを受けて、今、御質問あったように飲食店等が大変厳しい状況になられているというお声を私どものところに届いてきております。したがって、まん延防止等重点措置というのは、また少し別の話だと思っておりまして、私ども最も重視しております医療の病床をよくみながら判断していくことが必要ですし、一方で、この状況下で厳しい状況に追いやられていらっしゃる事業者様は、何も飲食店業界に限ったわけでありませんので、業種を問わず広く支援するという意味でもこの事業復活支援金をできる限り早く、スムーズにお届けするということが肝要なのではないかと思っております。

 

[NHK]

濃厚接触者の待機期間の短縮についてですけれども、政府が1月28日に基準を見直して、滋賀県でも10日から7日に短縮したということですけど、現場の運用とかを見つつ、この時期に7日が適正なのかについてですとか、さらに見直す必要があるとか、そういったところの考え方はどういうふうに知事として考えてらっしゃいますか。

 

【知事】

これもオミクロン株の特性に応じて、いつ発症し、いつ感染が広がり、濃厚接触だと言われた方が、どのように陽性になられるのか・なられないのかなどの知見に基づいて判断していくことが重要だと思います。今後、さらに縮めることができるのか。また、今、ステルスオミクロンですか、次の派生株の出現とまん延が懸念されておりますので、その際にどのように、そういったものが変わってくるのか。これは、都度、最新の情報・知見に基づいて判断するものだと思います。

ただ、できるだけ早く、そういう状況に応じた判断・決定、そして周知というものが必要ではないかと思います。

 

[NHK]

濃厚接触者への連絡について、先月27日から全ての保健所で濃厚接触に感染者自身が連絡するという態勢にしていると思います。そのうえで、高齢者施設、保育施設などで保健所が調査するという重点化を行っていると思うのですが、一方で取材していますと疫学調査の連絡がしばらく来ないですとか、それに戸惑っている現場の声も聞かれている状況です。これをさらに態勢を見直して、例えば重点化する場所をさらに絞り込むですとか、そういった態勢の見直し等を検討していることがあれば教えてください。

 

【知事】

現時点で、県が所管している6保健所、大津市の大津保健所も含めて、フル稼働まさに不眠不休の状態で対応してくれております。県でも200人を超える職員を動員いたしまして、延べ人数で500人以上の態勢増強を1月から行って、鋭意、対応しているところでございますが、この感染急拡大になかなか追いついていない。だんだん解消されておりますが、まだまだ厳しい状況があるということです。

したがって、今、お尋ねいただいた濃厚接触者に対する連絡をそれぞれ陽性者御自身で御連絡いただく。また、連絡があった濃厚接触者御自身で検査を行っていただく。こういう運用も始めているところでございます。以て、保健所業務の重点化を図っていこうとしております。聞いていますと、1月26日から昨日までの申込件数が2,300件を超えているということでございます。また、これらの方への対応は、本庁で一括して対応しておりますので、現場の業務を幾分なりとも軽減できているのではないかと思います。

今、お尋ねいただいたように、まだまだ御存知いただいてない方々ですとか、そのことに戸惑いを覚えていらっしゃる方々、またネットの申し込みが難しい方々などいらっしゃると思いますので、この辺り、丁寧に情報がお届けできるように、アクセスしていただけるように努めていきたいというふうに思います。

[NHK]

今の1月26日から昨日までの申込件数が2,300件を超えていたのは、イベント・ベース・サーベイランス(EBS)の話ですか。

 

【知事】

濃厚接触者の検査申し込みです。それぞれ、御自身で濃厚接触だという連絡を受けて検査をされる方です。保健所が探しに行って検査をするのではない。

 

[NHK]

これは大津保健所を含めてですか。

 

【知事】

大津保健所も含めてということでございます。

 

[読売新聞]

オミクロン株の重症化リスクの低さを踏まえて、医療関係者の方々でも枠組みを2類から5類にしたらどうだというふうな意見が最近出てきていると思います。知事の御意見を聞かせていただければと思うのですが。

 

 

【知事】

まず、大きな考え方として、私は感染症、ウイルスの状況に応じて、この感染症法上の取り扱いを見直すということは必要だと思います。また、これが一時期、落ち着いた折にもこの新型コロナウイルス感染症のその時までの知見を基に、それ以降の対応も2類の取り扱いのままでいくのかということを全国知事会に問うて提起したことがあります。したがって、厚生労働省をはじめとする専門機関で、また、政府機関でしっかりと検討してほしいということを申し上げたことがございます。

したがって、それは引き続き行われると思いますが、現時点、この猖獗(しょうけつ)を極めている時に、6波でオミクロン(株の感染者)がずっと増えている時、まだその鈍化なり、ピークアウトが全国的にもみられない時に「検査もしなくていいよね」「隔離もしなくてもいいよね」というようなことというのは、国民の皆様方、県民の皆さんに御理解をいただくっていうのも難しいのではないかと思います。少しこれが落ち着いた状況で、知見を集めて検討されるべき課題ではないかなと考えております。

 

[京都新聞]

まず、70%問題(確保病床使用率が70%になった時点でレベルの引き上げ等を検討すること)について、もう一度お伺いしたいのですけれども。

まず、知事の御認識として、冒頭の発言でもありましたが、当面、必要な方に医療を提供できる体制は維持できるという見通しを示しておられるのですが、維持できるとされる理由について、もう一度改めて詳しくお聞きしたいと思います。理由としては、中等症の方から数が絶対数として増えてきている。あるいは、介護施設のクラスターなんかも、どんどん広がってきていると。病床を押し上げてくる要素というのは、いろいろ生じているのかなと思えるのですが、その中で、当面、維持できるというふうな見通しを持っておられる理由についてもう一度詳しくお聞きしたいというところがあります。

 

【知事】

今、お尋ねいただいたように、増加率は、その前よりは下がってきているとはいえ、依然、増加し続けている状況ですし、これまでみたことのない新規陽性報告があがってきている。おっしゃったように、高齢者ですとかその施設であるとか、そういった方々への感染もまん延してきているという状況下ですので、それはこの病床圧迫要因としてあると思います。

一方で、最大の確保病床に近づきつつある病床の確保が1月の調整努力で一定最大に近づけている。今まで持っていた病床よりもさらに上乗せができるということです。あとはそのベットコントロール。聞いてみますと、必ずしも軽快された方がすぐに御退院されている状況ではなくて、入院されている状況ですとかいろいろな事情があります。その事情にはしっかりと寄り添いたいと思います。また、中等症以下の方、入院まで至らない方が宿泊療養施設に御療養いただくという措置などもまだまだできることがあるのではないかということも現場から聞いておりますので、そういうこともあると思います。

また、今後の推移はわかりませんけれども、増加のスピードが、今後、この流れに沿って鈍化していくのであるならば、何とか今の病床回しの基準の見直し、さらには確保している病床のキャパの中で、今は回していけるのではないかという状況を聞いております。これまでずっと注目してきた7割というのは、一瞬超えていますけれども、例えば今日の状況なども直近で聞いていますと、もう7割を切ってきているというような状況もあるようでございます。ここは何もレベルを変えないために、何か無理やり7割を切らそうということではなくて、これまで取ってきた対応等がここに来て、功を奏し、何とか回る状況がつくれているということから、この時点で私は回せるのではないかという判断をさせていただいております。

[京都新聞]

1月中旬に入院基準を厳格化されて現有の症状に着目して、原則、中等症か重症の方を入れるという運用に変えられたと思うのですけれども、そこの効果というのはどれぐらい出ていたのか、あるいは出てなかったのか、あるいは変えた後も運用の仕方をちょっときつくしているというか、絞ったりしていたりするのか。どんなコントロールを、今、やってらっしゃるのかなと思います。

 

【知事】

すみません。私もこの状況はいつもみていますけども細かいところまでは、すべてを把握しているわけではありません。入院基準の見直しが機能していなかったとは言いません。やはり、一定、寄与していると思います。

ただ、徐々に高齢の方への感染が増えてきている、広がってきているということなどを受けて、必ずしも宿泊療養施設、御自宅で療養ということが症状だけで判断できないという事例もあるのかもしれません。治ったからといってすぐに退院、すぐに転院ということができない方もいらっしゃるのかもしれません。こういう状況は一定、数字の中で加味して判断するということは必要だと思います。

ただ、今後、さらにこの感染者が増えてきたときにも、このオミクロン株の特性に応じてしっかりと命を守るための療養・入院ができる体制を維持させていく必要があると。さらに数が増えて、相対的に入院される方、重症者の方が増えたとしても、この数字を維持するための基準の見直しを、さらに厳格に行っているところですので、この推移をみながら判断することも必要なのではないかと思います。

 

[京都新聞]

以前は今月末に(感染者が)最大1,100人という数字を出しておられて、そこに結局達しなかったわけです。となると、地域の中では、一定、ピークアウトというものがみえてきたというような見通しを持っていらっしゃるのか。いやいや、まだまだどうなるかわからないというような感じなのか。1,100人と現状の数字との評価をどう持っていらっしゃるのか詳しく聞きたいところです。

 

【知事】

これは私どもで示した推計で、(モニターに映したグラフの)この丸印が毎日のプロットですので、現時点でピークアウトしたと考えられるような材料を私は持ち合わせていません。まだ、この状況を注視しなければならないと思っております。

オミクロン株の情報などもこの推計をした時以降にわかったこともありますので、さらに最新のものに変えて、こういう実績がある中で今後どうなっていくのかということをしっかりと推計しようとしてくれていますので、その数字も持って、私どもで用意している病床と重症化の想定と比べて、回るのか回らないのかみたいと思います。

 

[滋賀報知新聞]

昨日ですけれども、ホームページにオミクロン株の対策についてというメッセージをあげられたかと思うのですけれども、その中の知事の言葉で「一部の人に負担を押し付け、必要以上に活動を止めて対応することなく、滋賀県らしく乗り越えていきたいと思います」とあったのですが、その「滋賀県らしく」という部分について具体的にどのようなことを思っていらっしゃるのかお考えを聞かせください。

 

【知事】

そこは以前から申し上げ、今の御紹介いただいた動画メッセージでも配信しておりますように感染状況は刻々と変わります。波や株によって、その特性がございますので、その特性は十分に踏まえて対応しようではないかと。そして、これまで経験してきた波。この波に基づいて、我々10月以降、例えば病床の運用ですとか、保健所の態勢ですとか、この1月以降の急拡大で間に合わなかったところは多々あるのですが、整えてまいりました。

もって、「社会・経済・文化活動と両立させていこう」「より賢い対応を取ろう」ということを繰り返し申し上げてまいりましたので、やはり人が人であるために、滋賀が滋賀であるために、こういった人との交流や社会活動というのは重要な面もあると思います。そういう意味で申し上げているところです。

 

[中日新聞]

今の関連ですけれど、最初に見せていただいた人流のデータだと、第5波の緊急事態宣言並みに減っているということで、そうすると社会・経済活動との両立というのが難しいのかなという気もするのですけれど、両立と言われつつ、外にあまり出ないほうが良いのかなという雰囲気も、多分皆さんが感じていて、どういったイメージを描いていらっしゃるのでしょうか。

 

【知事】

今、お尋ねいただいたように、とはいえ減っているではないかなというのは、多くの方がこの感染状況をみられて、そして報道等で繰り返し報じられる状況、県から発するメッセージ等を御覧いただいて、こういう行動をとっていただいているのだと思います。

ただ、私どもが何か必要以上に強めのメッセージを出して、何かを止めてください、辞めてくださいということは、今回は言っておりませんので、いろいろな行事等も規模縮小もしくは対策を講じてというような形で継続もされております。そういう意味で、私は社会・経済・文化活動が両立される、継続される、こういう状況をできる限り維持したいと申し上げているところです。

とはいえ、このことによる影響を、深く痛く受けていらっしゃる事業者さんもいらっしゃいますので、こういった方々への寄り添いというのはしっかりと行っていきたいと思います。

[日経新聞]

先週の県議会の各会派との政策協議会で、知事が「卒近代」というテーマを強調して説明されていたと思います。「卒近代」という言葉自体は以前からおっしゃっていますが、あくまでそれは大きなビジョンであって、それを県政に落とし込む段階まで来ているのかなというような印象を勝手ながら思いました。

具体的に、県政のどのような施策に、この「卒近代」というテーマが結びつくのか、ご説明いただけないでしょうか。

 

【知事】

まず、今、支局長が御評価いただいたほど、県政の事業分野に落とし込めているようには、まだ私も認識を持ってないのですが、ただ私自身の時代・社会認識として、この2年あまり、ウィズコロナ、ポストコロナの社会・時代・世の中・国の有り様を考えている時に、その場でも申し上げましたけれども、人口が減っている、少子化・長寿化している、危機ともいわれる気候変動が起こっている、そして、財政悪化。そういった避けられない変化の状況下で受けているこのコロナ禍、感染症禍。これを受けて、生まれてくる子どもの数はさらに減り、そして、心の健康を損なわれる方々が増え、さらには繋がりが薄くなって社会が分断されるという状況が起きているのではないかと。これは、いろいろなことがあるのでしょうけれど、人間が自分たちの生活をより豊かに便利にするためにやってきた行動がそういった原因をつくってしまっている、作用させているのではないかということを投げかけ始めています。

具体的に言うと、例えば、行き過ぎた合理化ですとか、またグローバル化、さらには画一化、そして中央集権化、都市化。こういったことによって、主に明治以降に追求してきた経済的な豊かさというのが、少し曲がり角と評していいような、こういう状況にあるのではないですかと、今投げかけております。これを、私どもは「卒近代」という曲がり角にいるのではないかということで、今、提起しておりまして、これらを例えば県政の中に落とし込んで考えるとするならば、現在、都市計画の基本方針の見直しをやっています。拠点をつくり、それらをネットワークで結ぼうとしています。例えば、こういうところに生かすことができないのか、また関係交流人口を増やすことで、都市部にいらっしゃった方が少し生き方・暮らし方を見直そうということを試行され始めています。こういうものをしっかりと繋ぎとめる、掴みとる、こういう県の施策をやろうじゃないかというところにも繋げていけるかもしれません。

折しも、明治以降、つくってきた県政150周年の節目です。昭和史以降だけではなくて、大正や明治から、滋賀県がどう歩んできたのだろうかということを県史編纂で紐解いていきたいと思っています。そういう中で、よかったことと、少し厳しかったことを見直していく、そういうきっかけにもなるのではないかと思いますので、そういう面で、落とし込んでいければいいなと思っているところです。

 

[日経新聞]

こうした施策を、責任を持って進めていくためには、さらなる時間が必要だというふうにお考えでしょうか。

 

【知事】

今、申し上げたことを県庁全体で、県民全体でやっていこうということでいうと、やはり何か一瞬、1年で済む話ではないというふうに思っています。

 

[日経新聞]

2月議会が近づいていますが、現時点で知事御自身の気持ちというのは固まっているのでしょうか。

 

【知事】

コロナ対策をはじめ、目下の様々な県政課題に1日1日、全身全霊をかけて対応しなければならない。その一心一念でありますので、倒れないように、しっかりと仕事を遂行しなければいけないという、そういう思いです。

 

[日経新聞]

まだ気持ちは固まっていないということですか。

 

【知事】

今、知事であることの責任をしっかりと果たそうという、こういう思いで過ごしております。

 

[読売新聞]

改めて、コロナについてですけれども、感染者数の伸びとしては大分落ち着いてきていると思うのですが、感染状況や医療提供体制としては予断を許さない状況というふうに言えるでしょうか。

改めて、強く県民に伝えたいことがあればお願いします。

 

【知事】

まず、今、お尋ねいただいたように、「感染状況が落ち着いているといえるのでしょうか」とおっしゃいましたけれど、まだそのことが確認できる状況にはないと思います。ただ、だんだん増加率が鈍化してきていることは、少し希望の光が見出せつつあるのではないかという状況だと思います。

今、おっしゃったように、検査の現場、医療の現場、療養の現場はこれだけ陽性者数が増えていますので、相当大変です。もちろん、何より感染された方、濃厚接触等で不安になっていらっしゃる方、仕事を休まざるを得ない方、人が減ることで営業や事業に支障が出ている方々。この方々も、もっと大変ですので、そういう意味で、あらゆることに寄り添い、できる限りこの状況を早く脱却できるように、それぞれが今、お願いしている感染対策をもう1回徹底するということと、少しずつ基準の見直しをさせていただいておりますので、必要以上に止めて休んでとどまってということではなくて、自分の健康をしっかりと保ちながら、免疫力も保ちながら、この時期を過ごしていかなければなりません。

まだまだ寒い時期ですので、少し乾燥するとか、換気が十分にできないとか、そういった今の時期に合った感染症対策というのも必要だと思います。特に受験生などはこの2月、3月に相当神経を尖らせて、周りの方々含めて対応されていると思いますので、そういった方々への寄り添いも教育委員会ともしっかりとやっていきたいというふうに思います。

[時事通信]

ワクチンの接種が市町で一般高齢者を対象に始まりつつあります。完了の見通しですとか、あるいはワクチン接種の加速化に向けた取組ですとか、もしございましたらお伺いしたいのですけれども。

 

【知事】

まず、今までいろいろと御努力・御案内いただくことによって、3回目の接種は県内で今、4万2千人を超える方々がもう既に接種されています。順次、増えていると聞いております。

国の調査では、県内19市町のうち18市町で2月末までには希望する高齢者への接種が完了するであろうということでございます。残る1つの市町につきましても、ワクチンの確保のことを懸念されていると聞いておりますので、こういったことには県もしっかりと間に入って調整の役割を果たしていきたいというふうに思っております。

ただ、厳然とその交差接種に対する御不安ですとか、あとはこれから子どもの接種も始まっていきますので、こういった態勢をしっかりと整えていくということが必要だと思います。

県の広域接種センターも4月から3月に前倒しをして(実施したい)と言っておりましたが、この2か所あるうちの南部会場は3月4日に開設するということが今日、この直後に広報させていただく予定でございます。これでしっかりと市町の接種を補完していきたいと思っています。

今日、閣議後の厚労大臣の会見で少し職域接種の基準などもさらに見直すという報道が出ていましたので、おそらくそれを受けて事業者の皆さんのいろいろな御対応も出てくるでしょう。しっかりと相談に応じていきたいと思います。

 

[時事通信]

話が変わるのですが、先ほど「卒近代」の話でもありましたが、総務省が発表した人口移動報告というものでは、東京の転入超過が過去最小となりまして、転入超過となったのが滋賀県も含めて10都府県だそうです。受けとめと、これを踏まえてどういうことをお考えなのかお伺いしたいのですけれども。

 

【知事】

これは、先週に発表された住民基本台帳人口移動報告2021年分ということで、去年1年間の国内の移動者。これは日本人および外国人の集計として発表された結果として、滋賀県は転入超過。この転入超過・社会増になったのは、10都府県。滋賀県は8番目ということでございますし、少し中身をみてみますと、これまで外国人を含むと転入超過だったのですが、今回は日本人のみでも転入超過になった。これは7年ぶりということでございます。

年齢別ですとか、市町別でそれぞれの特徴や違いはありますものの、総体・全体として、社会増になったということについては、とても心強い。一緒に住む人が増えるというのは、ありがたいというふうに思っています。

さらに、「選ばれる滋賀」「琵琶湖を真ん中にみんな仲良く」「健康しがを目指そう・創ろう」というということは、皆さんと一緒につくっていけたらいいなというふうに思っております。

 

[時事通信]

滋賀県が増えたという理由というのでしょうか。特別な理由があったのでしょうか。

 

【知事】

まず、社会増になっている10都府県を見てみますと、もちろん東京都とか大阪府、福岡県という圧倒的な人口吸収力を持った大都市は除けると、その周辺都市・周辺地域が増える傾向があるのではないか。かつ、私どもが手前味噌で言わせていただくとするならば、そういった大都市にはない自然ですとか、その近さと自然の資源の豊かさというのはあるのではないかと思いますが、もう少しこのあたり、詳しく分析をして、良いところは今後伸ばしていきたいし、課題になるところは今後乗り越えていけるように努めていきたいと思います。

 

[NHK]

70%という病床使用率の基準についてですけれども、これは基本的にこれ以降も70%をある程度目安としながら、レベル3に上げるかどうかの判断をしていくということでよろしいですか。

 

【知事】

引き続き、みますし、この70%というのは(引き続き基準として)持ちます。

 

[NHK]

今回(70%を)超えたけど、今日の時点で70%を切るかもしれないというお話の中で、70%を大きく超えるような要素とかがみえてきたらレベル3の引き上げだとか、まん延防止等重点措置というような検討に入る段階という認識でしょうか。

 

【知事】

前も申し上げたと思うのですけど、また一方で、こういう基準を設けて発信している以上、超えたら「はい、自動的にレベル3」とか「超えたらすぐ要請」というのはある意味わかりやすいと思うのですが、この基準をどういう確度で超えていくのかというのも、みたいというのは申し上げたと思います。

急激に超えて、あっという間に戻らない勢いで上昇し続けているのか。少し病床との兼ね合い、また重症化の度合い等で、もう1回行きつ戻りつ、下がるのか。こういった周辺の状況などもみて、総合的に判断したいというふうに思っていましたので、引き続きこの水準は持ちますが、また注目いたしますが、この時点で、まん延防止等重点措置の要請をするというのは妥当ではないのではないかと考えているところです。

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