令和4年1月25日
(県政記者クラブ主催)
【知事】
今日もよろしくお願いいたします。
まず、うれしいニュースとしては、今村翔吾さんが第166回の直木三十五賞を受賞されたということでございます。これ(モニター画面の表示)はBBC(びわ湖放送)で撮影された新年番組の時の写真だと思いますが、受賞作となった『塞王の楯』は御案内のとおり、穴太衆と国友衆を題材に書かれたというものでございまして、滋賀・近江の歴史や文化を知っていただく、大変すばらしい作品。僕たちにとっては、うれしい作品の受賞でした。文化財や観光等でどのように盛り上げていくのか、現在、検討しているところでございますので、ぜひ、皆様方のいろいろな御意見等をお寄せいただければ幸いでございます。
新型コロナの感染の状況でございますが、御案内のとおり、まだまだ急拡大中という状況です。この日曜日(1月23日)までの1週間の(新規陽性患者の)合計が3,260人ということで、大きく増え続けているということでございます。倍、倍(と増える陽性患者)の状況だけをみていると、8倍、3倍、2倍とこのまま増えるスピードが鈍化していけばいいということをみながら、状況を注視しているところでございます。
既に「医療提供体制非常事態」を宣言させていただき、医療提供体制を維持するための臨時緊急的な取扱いをさせていただいております。入院される方につきましても中等症以上という対応させていただいております。伴って、自宅療養者が増えておりまして、昨日現在で2,700人を超えているという状況です。
このため、自宅で御利用いただく際のパルスオキシメーターの必要台数の確保、また、それらをしっかりと届ける態勢をつくることと、自宅療養者の症状に応じてスマホ等で健康状態を確認すること、訪問看護ステーション・かかりつけの医者さん等と連携した健康観察を実施すること。また、いざという時には見守り観察ステーションも活用しながら入院等につなげているところでございます。
先週から今週にかけて、課題ということで、今、対応しておりますのは食料の配給です。これを、今、民間事業者の御協力もいただきながら対応しているところでございます。県庁でも、さらなるBCP(業務継続計画)をかけてこれから2月末まで全庁的な応援体制を作り、保健所の体制をバックアップすることとしております。まだまだ感染が広がる可能性が懸念されますので、基本的な感染対策の徹底を皆さんとともに心がけていきたいと思います。特に寒くなる時期、大寒から節分まで立春までというのは、とても寒くなる時期でございますので、換気等をしっかりと行っていただくということに取り組んでいきたいと思います。
また、事業所等でクラスターを起こさせない、起こさない環境づくり、また、多くの陽性者が出るということを想定した業務継続計画(BCP)をしっかりと立てながら、みんなで分担し合い、また、休むことも想定した業務を行っていくということに取り組んでいきたいと思います。
それでは資料に基づきまして、私からは2点申し上げます。
まず1つ目は、「しがジョブフェスティバル」の開催というものでございまして、このコロナの感染拡大の影響が長引いている状況ではございますが、県内企業の新規大学等卒業予定者向けの求人数は、令和3年7月末時点で1,558人と前年から7.0%増加と、1,500人を上回るのは2年ぶりとなっております。相当、雇用ニーズ、人を雇いたいという需要が旺盛であるという状況がございます。ただ、再拡大の影響もありますので、雇用情勢は予断を許さないという状況でございます。
こういう中、企業の新卒予定者の採用活動の広報が解禁されるのが3月ということでございまして、求職者・職を求める方が、県内の様々な企業の情報を入手できる機会といたしまして、お手元にチラシをお配りしておりますが、県内企業の150社が参加されます合同企業説明会「しがジョブフェスティバル」を開催いたしまして、求職者と人を雇いたい県内企業とのマッチングを促進したいと考えております。3月8日の火曜日には京都テルサで40社、3月18日の金曜日には文化産業交流会館で40社、3月24日の木曜日には草津YMIT(ワイミット)アリーナで70社の企業に御出展いただくということになっております。
この合同企業説明会の特徴といたしましては、職を求める方が参加しやすい雰囲気をつくろうと、求職者と企業の距離を近づける仕組みを準備している点にあるそうでございます。例えば、企業と求職者・職を求める方が気軽に話せるよう、ノースーツ・スーツを着ずに来ようという呼びかけでありますとか、先入観を持たずに企業と出会える企業名のない、お楽しみ企業ブースの設置などの企画を準備しているということでございます。また、多くの求職者に企業の魅力を伝えられるよう2月10日、14日、17日に司会と参加企業の担当者による10分間の対談動画を各日10社ずつYouTubeにて生配信するとともに、アーカイブとしてYouTubeに掲載いたしますので、いつでも御覧いただき企業を知るきっかけとしてほしいということでございます。
学生の方、一般求職者の方を問わず、現在、就職活動に不安を感じていらっしゃる方にも、ぜひ、お気軽に参加をしていただければと存じます。また、併せまして、しがジョブパークでも就職に関する相談を受け付けておりますので、こちらも御利用をいただければと思います。
続いては、みんなでアクション「やまの健康」実績報告でございます。
現在、「健康しが」を進める中で、特に「やまの健康」に力を入れて取り組んでいるところです。それを、みんなの力を生かして一緒にやりましょうということで、様々な取組を動かしているところです。農山村の価値や魅力、地域資源を生かしたモノやサービスを使って、県民の皆さんが自然と共生する。健康で幸せな暮らしを実現していこうと取り組んでいるところです。こうした取組をさらに進めていくために、事業者の皆さんの「やまの健康」普及啓発に資する取組への補助事業をつくりまして、昨年7月に募集をいたしまして、8つの事業を選定して取組を進めています。
選定した事業者のこれまでの取組実績をいくつか御紹介いたします。資料をお配りしておりますように、木育、山の魅力を紹介するガイドの育成、山の恵みを生かした食品や出版物、体験イベントなど、各事業者とも創意工夫して事業展開を行っていただいております。これまでの取組で5種類の商品開発、4回のイベントを開催することができまして、こうした民間企業の取組を通じて、「やまの健康」づくりを一定進めることができたのではないかと考えております。
それぞれの取組の詳細につきましては、各事業者のホームページやSNS等に掲載されておりますので御覧いただきたいと思いますし、今後、実施される企画につきましても、準備が整い次第、順次、「やまの健康」ホームページ、インスタグラム等で紹介したいと思います。今後も様々な事業者において12のアクションに取り組まれることを期待しています。
県としては、今後も「やまの健康」イメージキャラクター「やまのおっ山(さん)」、ちょっと怖いですけど、なかなか面白いキャラクターがいますので、こういったものを生かしながら普及啓発を行っていきたい。また、木育の取組、森林サービス産業を作る取組を進めていきたいと思っております。
全国植樹祭の開催日が今年の6月5日、「令和よろこび(令和4年6月5日)の日(日曜日)」ということでございまして、あと131日となっております。ぜひ、皆様方もこの「やま」の取組、「やま」の暮らし、「やま」の生業、「やま」での遊び、「やま」での学びに皆さんの興味を持っていただけるよう、報道等いただければと思います。
その中の1つ、このニブンノイチ野帳というものを私も取り寄せて見ているのですが、「琵琶湖がオカンならオトンは『やま』。ほな、やま行こか。ニブンノイチ野帳」ということで、大変ユニークなコクヨ工業滋賀さんならではの、こういったノートなども出ておりますので、ロクブンノイチ琵琶湖野帳と合わせて、ニブンノイチやまの健康野帳もぜひ、御活用いただければと思います。私からは以上です。
[NHK]
まん延防止等重点措置についてお尋ねしますが、御承知のように34都道府県に拡大されましたけども、改めて知事としての現時点でのお考えをお願いします。
【知事】
まず、まん延防止等重点措置には、レベル判断も行いながら必要であれば要請するということを示しております。そのレベル判断は、現在、レベル2でございますが、レベル3になれば、このまん延防止等重点措置が視野に入ってくるということですけれども、その指標・条件として、病床使用率が50%、重症者用病床使用率も50%という指標を持っております。現時点、直近の最大確保の病床使用率が50%以下の48%、そして、重症者用病床使用率は現時点で0%という状況でございますので、現時点、これらを下回る状況にございます。
したがって、本県は現時点でレベル3にならない。以て、まん延防止等重点措置を要請する段階ではないと考えております。ただ、周辺にまん延防止等重点措置が広がってきて、滋賀県は地理的に挟まれている。そういったことを不安に思われる方々ですとか、また、本県はまん延防止等重点措置の対象にはならなくても既にお客様の移動等が少なくなったり、雪の影響であったりして営業が厳しくなられる、子どもたちの感染が広がっているということで保育園・学校等の休園や休校等が広がっている。こうした御不安等にしっかり寄り添って対応することが必要だと思っておりますので、この点、しっかりと対応してまいりたいと存じます。
[NHK]
先ほどの政策協議会の中でも議論が出ましたけれども、こうした周辺で重点的に適用地域が増える中で、第5波では、その条件も加味されての行政の御判断をされたと思うのですが、改めまして、今の時点で、近隣府県がほとんど適用される中で滋賀として(要請を)なされない理由についてお願いいたします。
【知事】
滋賀県も必要であれば、しっかりと判断し、(まん延防止等重点措置の)適用をお願いし、その措置をかけていくということも重要だと思っていますが、現時点、おかげさまで幸いにして、その状況に至っていないということです。
条件がそういう状況であるならば、必要以上に一部の事業者等に負担をかける措置をお願いするのではなくて、経済、社会、文化活動等を両立させながら感染対策を取っていくということだと思います。
第5波と違いますのは、やはり重症化される方の数や割合。こういったものが今回のオミクロン株の1つの特徴でしょうか。まだ、十分に定まっているわけではございませんが、こういった特徴も踏まえて、最大限、命をしっかりと守るという体制を維持できるかどうかが1つの重要なポイントになってきますので、ここをみながら、機敏に対応していきたいと思います。
[NHK]
県のシミュレーションでも今月末には1,100人の新規感染者を予測されていらっしゃいますし、実際。その3日前には700人を超える新規感染者が出ておりますが、それでも県内の医療提供体制は十分に回せるという御判断のもとで、現時点での判断ということでしょうか。
【知事】
まず、医療の現場はもちろん、今は寒い時期ですので、例えばヒートショックですとか、雪の中で転倒されて怪我をされるですとか、コロナ以外の病気やお怪我等で入院また搬送される方もいらっしゃいますので、コロナに加えて相当大変な状況の中で頑張っていただいております。
ただ、このコロナの病床対応ということで申し上げれば、現時点、コントロールセンターの調整で何とか陽性となられた方、中等症以上の方、こういった方の宿泊療養や入院治療の状況は何とか対応できているという状況です。
今、お尋ねいただいたように、専門家チームが今後増えていく想定、最大で1,100人という、こういう想定を持って、それを右にみながら、現在、対応しております。この曲線の通り推移したとしても、その前までに分かっている前提で考えれば、医療は何とか機能をするであろうというスタッフの見解ももらっています。現時点で(感染者の動向を)みますと、この曲線よりも少し低いところで、推移をしている。こういう状況もありますので、この時点で、まん延防止等重点措置を本県から要請するという段階にはないのではないかと考えています。
[読売新聞]
(衆議院の)小選挙区の1減についてですけれども、知事意見のポイントや改変への思いなどを改めて教えてください。
【知事】
この後、総務省に出した知事意見の説明、報告をさせていただく予定と聞いております。まず、以前から申し上げているように、最高裁判所の判決、これは平成23年に出ています。1人別枠方式の廃止、アダムズ方式の導入、こういったものがなされました。
したがって、投票価値の平等を実現する。こういうことは、私は立法政策上、必要な措置であると認識しておりますので、基本はそれに沿った対応というものが必要なのではないかと思っております。他方、今回の区割り見直しをそのままを行うことによって、従来から指摘されているとおり、都市部の議員が増えて、地方部の国会議員が減少する。以て、都市部の意見が相対的に大きく反映され、地方部の意見が反映されないのではないかという懸念。こういうことも、この意見をつくるにあたり寄せられているところでございます。
したがって、単純に人口に比例した定数配分とするだけではなくて、地方の意見が十分に反映されるよう、抜本的な選挙制度の改革を行っていただくようにということも申し上げているところでございます。県内の市町長、また県議会では意見書も採択されておりますし、県選出の国会議員の皆様などからも、御意見をいただいておりますので、そういったものを反映した知事意見というものを作らせていただいたところでございます。
[中日新聞]
まん延防止等重点措置の関係ですけど、やっぱり飲食店の方からはそのまん延防止等重点措置がなくても、もう既にお客様が本当に減っていて困るという声をたくさん聞くのですが、この現状についてはどのようにお考えでしょうか。
【知事】
先ほど申し上げたとおり、これだけ感染が広がり、周辺また隣接する地域にまん延防止等重点措置適用地域が増えてくる。滋賀県は地理的にそれらの地域に挟まれるという状況、また加えて滋賀の場合は雪がありますので、お客様が、人が動かないという状況が他の地域よりもある部分もございます。
したがって、こういうことならまん延防止等重点措置かけてもらって、営業時間の短縮要請してもらって、酒類の提供停止等をかけてもらって協力するから協力金もらったほうがいいというお声があることも承知をしております。ただ一方で、こういう状況下ではあるけれども、お客様がいらっしゃるので営業を続け、生業をもって糧を得ていきたいとおっしゃっている方もいらっしゃいます。やはり、このまん延防止等重点措置につきましては、本来の趣旨に基づいて、局所的な、また急速なまん延を防ぐための措置として、対応するという原則に立てば、そういった状況に現時点おかげさまで至っていない本県は、こういった制限、要請をかけずにお願いせずに、両立をさせていくということが必要なのではないかと思います。
[中日新聞]
本来の趣旨というまん延を防止するという趣旨という話がありましたけど、飲食店の方とかからすると経済対策として出してほしいなんていう声も聞いたりするのですけど、そこはやはり本来の趣旨と違うということですか。
【知事】
そういったお声、そういった切実なる御要望は受けとめて、寄り添いたいと思います。したがって、このまん延防止等重点措置の協力金ではないですけれども、事業復活支援金という、大きく減収になられた事業者を応援する制度もございますので、こういったものをきちんと受けていただけるようにサポートできるように努めていきたいと思います。
[中日新聞]
滋賀県は「会食自体をしないで」ということは言ってないと思うのですけど、雰囲気として会食を自粛しなければという雰囲気が続いているので、まん延防止等重点措置を出さないなら逆に「対策すれば会食してもいいですよ」というメッセージを出してほしいなんていうようなことも取材中で聞いたりしたのですが、そのメッセージについては、どのようにお考えでしょうか。
【知事】
今後、感染状況の推移に沿ってまん延防止等重点措置にならないなら、ならないなりのメッセージを県民の皆さん・事業者の皆さんに発していくということは重要です。現時点、会食は認証店でマスク会食。そして、少人数、短時間で。目安はと言われたら、同一卓で4人、2時間以内ということをお知らせしております。こういったことなどを、きちんと繰り返し皆様方にお知らせしていきたいと思います。
とはいえ、心理的に「こういう状況ならちょっとやめておこうか」とか「友達とはちょっと延期して、身内だけにしておこうか」ということになるのは一定、致し方のないことだと思います。そうであったとしても、こういった経済活動止めずに動かしていくということも重要なのではないかと思います。
[中日新聞]
午前中の政策協議会でも、あまり県のメッセージが伝わっていないのではないかという指摘があったと思うのですけど、今の状態だと何もしてくれないみたいなそういうふうに思う人も多いという気がするのですが、そのあたりはいかがでしょうか。
【知事】
もちろん、その皆様方の「もっと動いてくれよ」「もっと必要なことについて手を差し伸べてほしい」という御意見や御批判は甘んじて受けとめたいと思います。何より、この感染を抑えていくということが最大の経済対策でもありますし、できるだけ早くこの状況を回避・回復させて、できるだけ気兼ねなく人が動いていける状況をつくり出していく。そういう状況に滋賀が現時点、なっていないとするならば、できる限りの営業活動を続けてもらって、生活も事業も行っていただくということが重要ではないかなと思います。
[時事通信]
先ほどの自民党との政策協議会の中でも出ていたのですが、厚生労働大臣の方から、一定で受診をしなくても療養できるというような方針が示されているのですが、自治体の判断に委ねられているようですが、もし現時点で何か対応がお決まりでしたら、お伺いさせていただきたいのですけれども。
【知事】
確認しますと、昨夜、厚生労働省から新型コロナウイルス感染症感染急拡大時の外来診療の対応についてということで、大きく2項目の書面がきているということでございます。現時点、この通達に沿った中身で何か県が決めて、これまでのやり方を大きく変えてやらなければいけないことがあるというようなことは聞いておりません。ただ、状況の推移見てですね、必要なことがあるとするならば、迅速に対応していきたいと思います。
[時事通信]
最近、保育園ですとか学校の、一時休園というのでしょうか、休校、学校・学級閉鎖というような事態が増えてきておりまして、保護者の方々ですとか、あるいは、今はそれほどではないですが、保育士の方々あるいは学校の教職員の方々への影響というのも考えられるかと思うのですけれども、このあたりの対応について何かお考えはありますでしょうか。
【知事】
発熱等の症状があり検査の結果、陽性となられる、身近にそういった方々がいらっしゃることによって濃厚接触者になられ検査が行われる。そういった方が増えることで、休園、休校、学級閉鎖等が行われるということが増えているという状況は聞いております。これらも、インフルエンザの時もそうですけれども、インフルエンザの時よりも広く多くこういう状況が発生しているのですけれども、だからといって休まずにやればいいということでもありませんので、みんなで対応していくしかないと思います。
ただ、現場の対応は、よくみて、できうる限りの対応しようということで、例えば学校等、保育所もそうですけれども、症状が出て検査が必要だと、一斉検査が必要だという場合には、保健所と連携してEBS(イベントベースサーベランス)ということで、一気に全体の検査を行うことによって感染状況を把握して、迅速な対応が取れるように先週来から取組を進めています。こういったことで補完しながら、何とかこの時期を乗り越えていきたいと考えているところです。
[時事通信]
尾身さんが、オミクロン対策として、人流より人数という趣旨の発言をされたのですが、これについて何か御所見はありますでしょうか。
【知事】
特にありません。前後の文脈でどのようにおっしゃったのかとか、どう問われて答えられたのかとか、いろいろあるのかもしれません。ただ、1点あるとするならば、専門家である尾身さんがそうおっしゃったということであるならば、オミクロン株の1つの特徴を短い表現で言い表されているのかもしれません。
ただ、これまで取ってきた対応とまん延防止等重点措置で取っている対応と食い違うところもありますので、そのまま報じられ受けとめるとするならば、一体どうしたらいいのだと思われる方は私どもも含めて、大変多いということは現実としてあるおだと思います。
国もいろいろわかる知見、積み重ねられる情報等によって方針もどんどん動き変わってきているところもあります。県としては、そういう状況に対応しながらも、やっぱり目の前の感染状況をみながら、その症状の推移数もみながら、こういう状況下にあっても、重症化された方の命もきちんと守れる態勢をつくり、また、それを機能させていくということが重要なのではないかと思います。
[時事通信]
話題が変わって申し訳ないのですが、ひとり親家庭に10万円を給付するというようなことで、これまで離婚された家庭にはいかないというようなことだったのですが、国の方も、総理もこれを認めるというような発言をされたのですが、これについて何か御所見はありますでしょうか。
【知事】
今週に行われている予算委員会で、そのやりとりの中で与野党からそういった指摘があり、総理がこれまでの方針から踏み込んで対応される旨を答弁されたと私も承知をしております。
そのことは必要な方に必要なものがお届けできるということで、私はいいことだと思いますが、問題は中身とスケジュールでして、やりとりの中では「国の責任でやるべきだ」というようなこととか、「できるだけ早く届けるべきだ」ということが指摘もされておりますので、こういったことが整えられるよう担保されるよう確認していきたいと思います。
[時事通信社]
昨日、会見室で滋賀県社会福祉協議会の方が記者会見されまして、「抱え上げない介護」というものを推進するということで2つの事業所を推奨するということ発表されました。高知県の方では県をあげてこの取組を進めているそうです。知事の御所見がありましたらお伺いします。
【知事】
その内容を承知、把握しておりませんので確認して、また必要があればコメントしたいと思います。
ただ、現場の介護労働者の皆さんが大変重労働で御自身の、例えば腰痛ですとか、体の不調・変調を訴えられるようなことも多いと聞いておりますので、こういったことが進められるとするならば、より良いことだと思いますので、確認、把握して対応したいと思います。
[滋賀報知新聞]
大きく3つ伺いたいと思います。
まず、コロナに関してですが、先ほどお話の中でもありました保健所が、現在、業務が非常にひっ迫しているというお声を聞いているのですけれども、先ほど県庁職員からもスタッフを派遣するという話があったのですが、具体的にどのような指示を出されたなどがありましたら教えてください。
【知事】
まずは、保健所の業務、連日連夜、県民の皆様方のために、県のスタッフもそうですし、手伝いいただく方も含めて、今頑張ってくれています。そのことに御協力いただく方々にも感謝したいと思いますし、そういったものを見守りいただいて、様々な御支援等もいただいているところです。御礼申し上げたいと思います。
やはり、まず、陽性とわかった最初の連絡、ファーストタッチというものをできるだけ早く行うということを頑張っていただいているのですが、どうしても(陽性患者の)数が多いこともあって、翌日以降になってしまう例があることですとか、それまでやっていた積極的疫学調査が十分まわらず、まわそうとすると、なお人がひっ迫して時間が足りない、朝にまでなる、泊まってしまわないといけない状況があると聞いております。
したがって、前段のファーストタッチ、最初の連絡の対応には、応援職員を倍増させながら、現在、鋭意対応をしているところです。後段の疫学調査につきましては、これまでやってきたことを全てやるのではなくて、例えば感染リスクが高い家族内の濃厚接触者でありますとか、医療機関や高齢者施設、これは重症化リスクのある方が大勢いらっしゃる場所、あと先ほど申し上げた学校や保育施設、こういったところの疫学調査に重点化してやるように現在しているところでございます。
[滋賀報知新聞]
先週20日の県の公式ツイッターアカウントで「滋賀県にまん延防止等措置を講じるべきかどうか意見を」ということでアンケートをお取りになったかと思うのですけれども、その現在の結果で「取るべき」「取らないべき」でみると、「取るべき」とした方が過半数の56%、「取らない方がいい」が44%だったのです。項目別でみると「効果が期待できないため要請すべきではない」というのが37%、「効果が期待できないが要請すべき」が32%、「取るべき」をざっくりみると半分を超えているのですけれど、「取らなくてもいい」が項目別では1番多かったという結果が出ているのですけれども、御所見があれば教えてください。
【知事】
速報ベースでは私の手元にも来ましたが、まだ詳細を分析しておりません。また、その時点での1つの結果ですので、その後、感染が増えてきているとか、他の地域にも広がってきているということからすると、その結果だけではない面もあるのだと思います。
その結果から言える事は、まん延防止等重点措置には、いろいろな評価が入り混じる。まだまだその効果や影響等が定まっていない。こういう措置なのかもしれません。
ただ、先ほど来、御質問があったように、周りの状況、お店の状況をみて、これだったらかけてもらった方が対応しやすい、少しでもプラスになるとおっしゃる方もいらっしゃるのも事実ですので、こういったお声にどう対応していくのかということについては、よくよく考えていきたいと思います。考えない時間はありません。
[滋賀報知新聞]
話題を変えさせていただきまして、幻の安土城復元プロジェクトにつきまして、先週、知事は東京でイタリア大使館を御訪問なさって、大使と安土山図屏風の情報提供についてのお話をされたということで、ツイッターですとか報道などでもあったのですけれども、実際大使とお話をされて、知事の感触といいますか、情報が今後どういう展開を迎えそうだとか、何か展望がありましたらお聞かせください。
【知事】
駐日イタリア大使、現在のベネデッティ大使にお会いしたのは初めてだったのですけれども、大使公邸で大変丁重にお招きを賜りまして、光栄に存じました。
安土山図屏風の探索事業についてもお願いいたしましたところ、まず大変興味を示していただきました。やはり、とても貴重なものだったのだろうというような受けとめを大使にしていただき、例えば大使自身もバチカン関係者と連絡を取り合って対応を考えてみたいということでありますとか、大使が御存じの日本在住のイタリア人研究者の御紹介もいただいたところでございまして、このイタリア人研究者は、本県の専門スタッフも十分に知っていなかった方でもいらっしゃいますので、早速、連絡を取って、知見・情報を集めようとしているところでございます。
[びわ湖放送]
話題が冒頭に戻るのですが、直木賞のことについて聞きたいのですけれども、当日、知事もコメントを出していただきましたけれども、改めて今村さんは3回目のノミネートで直木賞受賞。それも滋賀県の職人の技を題材にして、大津城を舞台にという、この本での受賞をお聞きになったとき、どのように思われたでしょうか。
【知事】
候補にノミネートされた時から、また御社の新年番組の収録で、年末にお会いした時から何となく今年はやってくれそうな気がしていました。といいますのも、『塞王の楯』以外にも、今年の執筆の依頼も大変多くあって、とても忙しいのだというようなお話もされていましたので、今年はやってくれそうだなと思っていたら、今回の快挙でした。
僕はとても嬉しかったし、去年のオリンピックの大橋選手などのコロナ禍の光明のように、現在もまたコロナが広がっているときに、こうして大津市在住で、滋賀の穴太衆や国友衆を大事にしてくれている、この今村さんの作品が素晴らしい賞の受賞を決められたというのは、とても嬉しく思いました。
知っている方だけに、あれは何年前だったか、今村さんにお手紙を書いて、返事ももらって、滋賀に住んでいるけれど滋賀の作家だと思われていないかのような御自身の述懐に対して「いや滋賀の作家さんだと思っている」というようなことを書いて励まし合った、そういうやりとりがありました。
僕も筆ペンを使うのですが、そのようなものがあるのか知らなかった「金色の筆ペン」を今村さんからもらって、今、宝物です。まだ使ってないですけれど。「これ、今村さんからもらった」と大事に使おうと思っているのですが。私が買った『塞王の楯』も、御自身の自署でサインをしてくださいまして、そういう意味で、大変、人と人との御縁を大事にされる方なのだなという印象を持っています。また、本屋の事業承継に取り組まれたり、ダンススクールの講師の経験を生かして、若い人たちとの交流を大事にされたりとか、これからの将来、さらに活躍が期待できる作家さんだと思って、大いに注目していきたいと思っています。
[びわ湖放送]
先ほどのお話の中で、観光などの盛り上げの部分で、検討中ということですけれども、大津城は幻の安土城と違いまして、街中あって、ほとんど遺構が残ってない状況で、これを知事の中ではどう観光につなげていこうとお考えでしょうか。
【知事】
正直に申し上げて、大津城は置いています。それよりも、穴太衆や国友衆はやはり、いろいろ生かせることがあるのではないかと思っていまして、今村さんの受賞の後、すぐに穴太衆ゆかりの方からも私のところに連絡があって、嬉しいし、ぜひ協力したいというようなお話もございました。
これは観光の面、文化財の面、大いに生かせる可能性があるのではないかということで、現在、予算案の査定の最終局面ですけれど、何かできることを考えようということで発破をかけているところです。部局は、てんやわんやになっていますけれど、頑張ってくれています。
[京都新聞]
まん延防止等重点措置の件ですけれども、今日、知事が病床の使用率が50%になった時点でレベル3を考えて、その時点でまん延防止等重点措置の要請も考えるとおっしゃいましたけれども、以前には70%(でまん延防止等重点措置の要請を考える)というふうにおっしゃっていました。中等症以上など、病床の使用の制限をかけたことで方針が変わったということですか。
【知事】
私の言い方がまずかったかもしれませんが、まず指標からいうと、最大確保病床の使用率も、重症者用の病床も50%以上がレベル3です。このレベル3になったら、まん延防止等重点措置が視野に入ってくると。ただ、このオミクロン株の特徴として重症化される方が増えない。依然として0%という状況がございます。
でも、片方の最大確保病床の使用率が5割を超えて、一時期6割近くになっていた時期もありました。この状況で今後推移したときにどうするのかということが話題になっていまして、片方がゼロ・低くても、最大確保病床率が7割を超えるとまん延防止等重点措置の要請というものを検討しなければならないかもしれませんと申し上げていました。その状況は変わっていません。それは変えていません。
[京都新聞]
今でもレベル3の病床の使用率の基準は50%だし、レベル3にする基準は50%のままなので、入院の基準を見直したことで、今としてはその50%でレベル推移を判断するという当初の状況に戻ったということですよね。
【知事】
この基準(病床使用率50%以上でレベル3を検討)は変えていません。これはあくまで、(指標として)持って対応いたします。ところが、依然として重症者用病床の使用率は0%と低く推移しています。すぐに50%を超える状況にはならない。しかし、最大確保病床の使用率については50%をもうひたひたですし、これを超えて大きく進んでいくことが想定されます。
その場合は、7割70%超えてくると、こちら(重症者用病床使用率)は50%を超えてなくても、レベル3に上げることも検討しなければならないし、レベル3に上げれば、まん延防止等重点措置のお願いをせざるを得ない。こういう状況も起こり得る。これは変わっていません。依然、指標は持って、そういう基準を持って現在、注視しています
[毎日新聞]
コロナの件で、自宅療養者の支援で食料配布が課題であると冒頭に発言がありましたけれども、具体的にどういう課題がありますでしょうか。
【知事】
自宅療養される方が3,000人近くになられて、家を出て買い物に行くことができない。したがって、食料を「しがネット受付サービス」でニーズを受付けてお届けするという事業をやっております。
県内の平和堂さんにも御協力いただいて、一部、民間企業の配送を物流事業者さんにも御協力いただいて契約して、現在、届けています。食べるものをまとめて物流事業者さんに委ねることですとか、かなり数が増えていますので、少し現場で滞っていまして、人手が足りないという状況が出ています。
したがって、先週から今週にかけて、特に今週に、ここのテコ入れをさせていただいて、現在、人員を増強して、できるだけ早く必要な食料物品が届く態勢を構築しているところです。
[毎日新聞]
やり方としては第5波の時と同じやり方をされているのでしょうか。
【知事】
第5波のときもよく似た形でしたけれど、第5波以前や第5波のピークのときは、県庁職員などが届けていました。
平和堂さんなどのスーパーマーケットの御協力をいただき、食料を用意して、それを届ける部分は、協力事業者などが多かったと思いますが、今回は物流事業者さんにお願いをしてやっているっていうことと、一部、県や市、町の職員さんや、市や町が契約をされる事業者さんにお願いをしてお届けするということも組み合わせてやっていこうということで対応しています。
[毎日新聞]
安心ケアステーションが、淡海医療センターで1月21日に運用を開始されましたけれども、利用状況はどんな感じでしょうか。
【知事】
いつでも受け入れられる態勢ですけれど、(実績は)ゼロということです。
[中日新聞]
先ほどのレベルの話に戻ってしまうのですけれど、午前中の政策協議会でも、医療・病床だけではなくて、やっぱり保健所とか、検査とかそっちの方がかなりひっ迫してきて混乱も起きているという指摘があったと思うのですけれど、このレベル判断において病床以外のひっ迫度合いを考慮されるお考えはあるでしょうか。
【知事】
現時点、先ほども御説明したこのレベル指標に基づくレベル判断と、レベル判断を基礎としたまん延防止等重点措置の要請というものを大事にしたいと思います。ただ、ここに来て、こういった検査の状況がひっ迫しているとか、キットが足りないとか、時間がかかるとか、こういう状況をどうみるかという総合的な判断というものも、場合によっては必要だと思います。そういうものはきちんとみたうえで判断していきたいと思います。