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知事定例記者会見(2022年1月18日)

令和4年1月18日
(県政記者クラブ主催)

【知事】

おはようございます。今日もよろしくお願いいたします。

まず、南太平洋のトンガの海底火山で大きな噴火が起こったということでございます。太平洋沿岸の広範な地域に津波も押し寄せたということがございました。現在、トンガに居住する本県出身者は確認されておりませんが、これまでJICA(海外協力隊)として本県から7人が派遣されておられます。私自身も1999年にヌクアロファ(トンガの首都)に行かせていただいたことがございますが、少なからず御縁がございます。

現地では通信インフラが甚大な被害を受けて、状況把握が困難となっておりますが、今後、被害の全容が明らかになってくるものと思われます。被災されたトンガの皆様にお見舞い申し上げますとともに、1日も早い復旧をお祈りしたいと存じます。また、こうした海底火山の噴火の影響等が日本ならびに本県の産業等にどのような影響が出てくるのか、今後、注視してまいりたいと存じます。

昨日は1月17日。阪神淡路大震災から27年という日でございました。当時の状況を覚えていらっしゃる方も多いと思いますが、様々な教訓をもたらした大震災であったと存じます。

本県では1月14日に災害対策本部運営訓練を実施いたしました。一部、シナリオはございましたけれども、私自身はシナリオレスで、本番に臨ませていただき、講評者の方から様々な御指導いただいたところでございます。今後もこうしたいつ起こるかわからない災害に対する対応能力の強化・向上に向けて取り組んでまいりたいと存じます。報道機関各位の御指導を賜ればと存じます。

新型コロナの状況でございますが、御案内のとおり感染急拡大の途にあるという状況です。1月10日から16日の新規感染者が1,407名ということでございまして、その前の週54人と比較いたしますと、2週間で26倍と急増している状況がございます。感染者の急増を受けまして、先週14日には本部員会議(滋賀県新型コロナウイルス感染症対策本部)を開催いたしまして、「医療体制非常事態」を宣言したところでございます。

また、昨日1月17日には新型コロナウイルス感染症対策協議会を開催いたしまして、命を守るために、医療提供体制を維持するための臨時的な取り扱いについて、関係機関の了承をいただき本格運用を開始したところでございます。

ワクチンにつきましては、追加配分の予定等も示されまして、4月上旬までに、合計約91万回分の配分が行われることが決定されました。半分はモデルナ社製のワクチンということでございます。1回目、2回目にファイザー社製ワクチンを接種された方で追加接種を希望される方につきましては、交互接種を積極的に御検討いただきたいと存じます。

引き続き、これ以上感染拡大させないために、今一度、お手洗、会話時のマスク、換気、人と人との距離など、密の回避も含めた基本的な感染対策の徹底をお願いしたいと存じます。特に普段、会っている方以外との面会、会食、会議等の対策が緩まないように御注意いただきたいと存じます。

それでは資料に基づきまして今日は1点、御紹介させていただきます。

「サステナビリティ・リンク・ボンド」を発行いたしますということでございます。今般、環境(Environment)、社会(Social)、ガバナンス(Gavernance)の要素を加味したいわゆるESG債の1種でございます「サステナビリティ・リンク・ボンド」を発行することといたしました。6月の定例会議の提案説明でESG投資の手法を活用した県債の発行について検討する旨、申し上げておったところでございます。

これまでどのようなタイプのESG債が良いのか、発行可能かといったようなことなどについて検討を行ってまいりました。今般、発行可能性について、一定のめどが立ちましたことから本日の公表とさせていただきます。なお、発行の詳細等につきましては、まだまだこれから詰めていかなければならないことがたくさんありますので、未定のことも多くございます。詳細が固まった時点で改めて皆様に御案内をさせていただきます。

「サステナビリティ・リンク・ボンド」とは、発行にあたり定めた目標の達成・未達成に応じて、追加的な対応を行うことをあらかじめ条件として設定をされる県債でございます。例えば、民間では、CO2排出量を何%削減といった目標を立て、達成できなかった場合、カーボンクレジット購入されるでありますとか、環境関連団体に寄付を行うといったものなどがあると承知をしております。発行の概要は資料記載のとおりでございます。詳細につきましては、後程、担当者からレクさせていただきたいと思いますので、お尋ね等いただければと存じます。

このESG債につきましては、これまで様々な地方公共団体が既に発行されてきたということがございます。ESG債として代表的な「グリーンボンド」。資料の裏面にその種類のことを記載しておりますが、東京都、長野県、神奈川県、三重県、川崎市、福岡市が「グリーンボンド」として発行をもしくは発行を表明されておられると思います。しかしながら、「サステナビリティ・リンク・ボンド」につきましては、確認したところでは、地方公共団体としてはこれまで発行実績がなく、世界で初めてということになるのではないかと考えております。

このボンドの発行を通じまして、CO2ネットゼロ推進に向けた本県の決意でありますとか、覚悟を示すとともに、CO2ネットゼロに向けた取組の機運を盛り上げながら着実に進めてまいりたいと考えているところでございます。

私からは以上でございます。

[NHK]

まん延防止等重点措置の件ですけれども、また状況が若干変わってきまして、御承知のように隣接する岐阜県、三重県で適用される見通しとなりましたし、片や関西でも大阪府、兵庫県、京都府の知事が近く要請に向けて協議されるという報道もございます。改めまして知事のお考えをお願いいたします。

 

【知事】

本県も、まん延防止等重点措置の対象とするのかどうか、直近ぎりぎりの状況を見極めて、よく考えてまいりたいと存じます。また、必要に応じて隣府県等とも協議をしていきたいと思います。

朝も協議をいたしましたし、今日の状況をみて、夕方もう一度協議をしようということにしておりますので、今回の適用対象決定にのるのか、のらないのかも含めてぎりぎりまで、よく判断していきたいと思います。

 

[NHK]

以前に示されました最大確保病床使用率70%という数字ですが、特にそこにはこだわらずに、状況に応じて臨機応変に判断されるということでしょうか。

【知事】

あくまでレベル判断とセットになってくると思います。そのレベルにどのような勢いで達しようとしているのか、達してきているのかということはみたいと思います。病床使用率もレベル判断の指標になっておりますので、当然それらを踏まえながら、検討していくことになると思います。

 

[読売新聞]

話題提供いただいたサステナビリティ・リンク・ボンドですけれども、機関投資家の間でESG投資というのがかなり広がっているかと思うのですが、地方自治体がこういったことを発行する意義ですとか、あるいはその効果ということをどのように考えていらっしゃるのでしょうか。

 

【知事】

御案内のとおり、環境を考え、社会のことを考えてガバナンスをしっかりと行いながら投資を行う。そのための資金を集める。こういったことは大変重要な手法として、注目もされておりますし、関心も集まっていると思います。

当然、国レベル、企業レベルで行われるところもあるのですけれども、今般このCO2ネットゼロの取組、国の目標に合わせて地方公共団体がどのように取り組んでいくのかということも、大変重要な要素として注目もされているし、期待もされているのではないかと思います。

とりわけ本県は、琵琶湖を真ん中にお預かりしながら、環境先進県として様々な取組を先導してきたという自負もございます。そういった観点で、このESG投資にどのように入っていくのか、関わっていくのかということについて、今年度、検討を重ねてまいりました。

今般、このサステナビリティ・リンク・ボンドとして、発行ができるのではないかというめどが立ちました。今後、さらに詳細を詰めていきたいし、このことに注目される機関投資家等の関心も集めながら、しっかりと資金造成をできればと考えているところでございます。

 

[読売新聞]

調達した資金ですけれども、どういった施策に使おうと考えていらっしゃるのでしょうか。

 

【知事】

資料の裏面にありますように、ソーシャル・ボンドやグリーン・ボンドが資金の使い道を限定して集めるということに比べまして、このサステナビリティ・リンク・ボンドというのは資金の使い道を限定しないということですが、やはり県としてCO2を削減していく、環境を守っていくための取組を進めようとしておりますので、そういったこと等に充当する、もしくはそのことによって目標達成していく。特に、グリーンオフィス滋賀など、県の行政としても事業者としても使うCO2を削減していくという目標を定めておりますので、そういったものとセットで取組を促す資金として活用させていただければというふうに考えております。

 

[朝日新聞]

まん延防止等重点措置の件ですが、東海3県は足並みをそろえて申請するようですし、繰り返しになりますが、京都府や大阪府も検討に入っているということですけれども、こういう決断は早いほうがいいと思うのですが、この時点でまだ検討するにとどまっているのは、どういう思いで、どういう状況からの御判断でしょうか。

 

【知事】

必要な場合は、当然、そういった措置等を発動するということは、我々常に考えておりますが、一方で、まん延防止等重点措置の適用によってどのようなことが行われるのか。そのことによる影響、副作用等をどのように考えていくのか。これも一方で慎重に考えなければならないと思います。したがって、その両面から、現在、検討をさせていただいているということです。

 

[朝日新聞]

夕方にも、もう一度協議するというのは庁内の協議ですか。それとも隣県と協議するのですか。

 

【知事】

庁内の協議が前提ですけれども、当然、隣府県の情報等を集めたうえで行いたいと思います。

 

[朝日新聞]

今日中に何らかの決断をされる可能性が高いでしょうか。

 

【知事】

必要であれば、必要な判断をしていきたいと思いますけれども、状況をみて判断したいと思います。

[共同通信]

話題が変わりますが、衆議院小選挙区の10増10減のことを伺いたいのですが、1月に入って、区割り審(衆議院議員選挙区画定審議会)の方で議論が始まっています。区割り審は、その方針作成に向けて、全都道府県知事に意見を照会しているというふうに聞いていて、滋賀県の選管に問い合わせたところ、1月20日に総務省からのヒアリングがあるので、それまでには意見をまとめたいというふうにおっしゃっていました。

そのうえで、滋賀県はどのような意見を出される方針なのか、お聞かせいただければと思っております。

 

【知事】

現在、知事意見としてどのような意見を出すべきなのかを最終検討中です。

基本、10増10減には従っていかなければならないと思っておりますし、伴う県内の区割りの変更というのは検討しなければならないと思っておりますが、一定の考えを持って案としてまとめ、関係者の御意見等もお聞きしながら、現在、最終意見として取りまとめ中でございまして、この時点で何か申し上げられることはないです。

 

[共同通信]

他の県では、例えば愛媛県は、独自に「自分のところでこういう区割りはどうだ」というようなことを提案しているところもあるようですけれども、そこまで踏み込んだ提示の予定というのはありますでしょうか。

 

【知事】

何をもって踏み込んでいるのか、踏み込んでいないのかという御評価、御判断は、受け取られる方にお任せしたいと思います。今、県内に4つある衆議院小選挙区の選挙区が3つに減る場合、どのようにそれを割るのかということについては、一定、案として県として持たなければいけないと思っておりますので、現在、それをどのように持って、出すべきなのか検討しているところです。

 

[共同通信]

現行の区割りについても、意見というのは何か伝えられる予定はしていらっしゃいますでしょうか。

 

【知事】

そのことも含めて、現在、考えているところです。例えば、様々な行政の繋がり、まとまり、こういったものを超えて選挙区の区割りが行われている場合、どのように調整が可能なのか。その場合の人口、面積がどのようになるのかなど、現在、最終の検討・調整をしているところです。

 

[滋賀報知新聞]

昨日に行われましたワクチンハラスメント防止の共同メッセージについて伺います。昨日、県と県教育委員会、滋賀弁護士会、滋賀労働局、大津地方法務局、滋賀県人権擁護委員連合会の6者でワクチンハラスメント等のコロナに関する差別の防止に関わる共同メッセージを発出されました。一方、県では現在、ワクチンの追加接種について、重症化予防などには一定の効果があるということですから、予定よりも前倒しをして調整を進めていて、2回接種を完了している人も未接種の人もできる限り接種の検討をしてほしいというふうに呼びかけをしていらっしゃいます。

そうすると、県も推奨しているので、「ワクチンを接種するのは正しいことだ」というふうに思って人に勧めてしまったり、職場で安心して仕事をしていきたいがためにワクチンを接種するよう推奨したりするような動きというのがきっとあると思うのです。

ジレンマももちろんあると思うのですけれども、差別やハラスメントを引き受け起こさないためには、どういうことが必要なのか、県がどのように啓発をされていくのか、御所見を伺わせてください。

 

【知事】

今、おっしゃった2つのことは、いずれも大事なことだと思っていまして、ワクチンの効果をしっかりと御説明しながら、接種いただくことを御検討いただく。我々自治体としては、それが可能になる態勢を市町、関係機関と協力してつくっていく。それらを皆さんにお知らせしていくということが重要だと思っております。

一方で、コロナに罹患された、もしくは濃厚接触者になられたその御家族である、そういった方々がいらっしゃる、職場にいらっしゃる、もしくはワクチンを受けられていない、受けられない体質である、そういうお考えである。そのことが差別に繋がったり、ハラスメントに繋がったりするようなことはあってはならないわけですから、そういったことをきちんと皆様方にお知らせをしていく。ややもすれば、一方が強すぎると、もう一方の方々が阻害されたり、差別されたりするというようなことにも繋がりますので、行政としては、そういったことに意を用いて、しっかりとバランスを取って、このワクチン接種を進めていくということが重要だと思いますし、我々の言葉遣いでありますとか、発するメッセージに改めて気をつけていかなければならないと感じているところです。

[毎日新聞]

まん延防止等重点措置の件ですけれども、オミクロン株の特徴で、まん延防止等重点措置を県内で適用した場合は、どのような効果があるというふうに考えますでしょうか。

 

【知事】

まさにそういったことを今、状況をみながら検討させていただいているところでございます。新規陽性の数だけみると、5波を上回る数で、5波を上回るスピードで増えているという状況がございますが、幸い、現時点、重症化される方、重症者用病床を御使用いただいている方というのは県内では0という状況でございますので、こういう状況をみながら、こういったより厳しくなる措置というものをお願いするのか、しないのか。

当然、全体の病床使用率というものは、他の府県よりも高いレベルで推移しておりますので、状況はやはり緊迫してきていると思います。一番いいタイミングで皆様方に、より強めの措置をお願いするということは、一方で慎重に判断しなければならない。オミクロン株の特性もよくみて判断しなければならないと思っておりますので、そのあたりをぎりぎりまでよく考えていきたいというふうに思います。例えば、隣県との繋がり、経済活動というのは常に意識をしますけれども、隣県で要請されたから本県も、ということだけではない、そういう判断も必要なのではないかと考えております。

 

[京都新聞]

まん延防止等重点措置のことで、先ほどの別の方の質問の中で、どのような影響があるのかというのを考えながら両面から考えているとおっしゃったと思うのですけれども、まん延防止等重点措置を適用することで考えられる影響といいますか、ネガティブ面など、知事はこれまでまん延防止等重点措置に対して抑制的に考えておられたと思うのですけども、どういうところに影響があるとお考えですか。

 

【知事】

いろいろな面があると思います。総じて行政なり公が私権を制限するという措置の発動というのは慎重に検討されるべきだという、基本がございます。そのうえで、必要であれば、やはり法律に求められる者として要請もし、決定をいただき、発動していくということは重要だと思います。

当然、そういった措置がより一段上がって発せられるということは、多くの方々の行動の変容「行くのをやめておこう」「会うのをやめよう」といったことに繋がるでしょう。そういったものの中の1つである飲食店等の営業時間の短縮、これらは事業者の方々にとっては、ある意味での死活問題でございますが、例えば、協力金とセットでお願いをするということであれば、飲食、会食の機会が減る、人と人との接触の機会が減るということに繋がるのであれば、それらは感染拡大を抑えていく効果としても期待できるのではないかと思います。

しかし、飲食店だけ、会食だけがそういうことでいいのかといったような御意見も一方でありますし、やはり医療がある意味でしっかりと機能している段階においては、オミクロン株の特徴なども十分に勘案して、両立をさせていく。社会・経済・文化活動と両立ということは、この間、5波収束以降も我々が繰り返し口にしてきた方針の1つでもございます。これまでの経験を踏まえて、より賢く対応しようということを申し上げてまいりましたので、そういったことはしっかりと考えて、検討し、判断していかなければならないのではないかと思います。

 

[京都新聞]

隣県が今、要請を検討している段階で、隣県との兼ね合いに関して、もう一度おっしゃってもらってもよろしいでしょうか。

 

【知事】

当然、隣り合う県との人の往来というのは、隣り合っているがゆえに、社会・経済・文化圏内でもございますので、やはりそれらを意識した検討と判断というのはあると思います。当然、それぞれの府県ごとに置かれている状況で取る方針、これは必ずしも同じではないというふうに思いますので、そのあたりをよくみながら、考えながら判断をしていきたいと思います。

 

[京都新聞]

確認ですけれども、まん延防止等重点措置を要請するのは、レベル3の判断をして以降になるということですか。

 

【知事】

繰り返し申し上げているように、国でも同じかもしれませんけれども、それぞれの県が持っているレベル判断、これがどのレベルにあるのかというのは、国も当然みられるでしょうし、県も従来からレベル3になったことをもって、より強い措置等をお願いしていくということを申し上げておりましたので、レベル3は1つの判断材料になると思っています。

今、多くの指標で超えていますが、重症病床使用率でまだ保てている状態もございますので、その見極めは、もう少しする必要があるのではないかと思っております。

 

[京都新聞]

明日や明後日のまん延防止等重点措置の要請というのは、知事のお考えとしてはないということでしょうか。

 

【知事】

毎日、まん延防止等重点措置が適用されるわけではなくて、この時点でどこまで適用されるのか。また次の機会にどこまで適用されるのかというタイミングがありますので、今回のタイミングに入るべきなのかどうなのかということの見極めを、今日いっぱいぎりぎりまで最新の状況等をみて、判断しようとしているところです。

 

[日経新聞]

サステナビリティ・リンク・ボンドについて伺います。先ほど、狙いの中の1つとして、調達先の拡大に触れられたと思うのですけれども、これは機関投資家だけではなくて、小口に割って個人向けにも発行する用意というのはあるのでしょうか。

 

【知事】

今回は市場公募債で行われ、基本、機関投資家への販売を予定しているということですけれども、こうした形でアナウンスをすることによって、効果等を期待できるのではないかと思いますので、そういったことは発現できるように努力していきたいと思います。

[日経新聞]

狙いの1つとして、環境先進県としてのイメージアップというのもあると思うのですけれども、SLB(サステナビリティ・リンク・ボンド)の発行がどういうふうにイメージアップに繋がっていくというお考えでしょうか。

 

【知事】

それはむしろ皆様方の方が詳しく、さらに御知見もあるのではないかと思いますが、投資先として、野心的な目標を掲げる自治体の債権発行に、どれぐらいの規模で、どのように関与するのか。それはもちろん受ける側の自治体の評価にも繋がるでしょうけれども、出す側の、投資をされる側の評価や今後の取引拡大に繋がっていくこともあるでしょう。そういうものが相まって、県では目標を立てて、そのためにサステナビリティ・リンク・ボンドをはるのだから、目標達成しようということで、さらに努力のエンジンがかかるでしょうし、投資された方々はそのことを注視しながら、当然、投資される前の評価も含めて関与されるでしょうから、これは双方にとって取組を促すというメリットがあるのではないかと思います。

これをそれぞれの自治体がやる、それぞれの投資家がやるという、いろいろなところで動くこと、進むこと、規模が広がることによって、CO2ネットゼロを始めとする地球的な環境課題に対しての取組がさらに強化されていくのではないかと思います。県はそれを率先したいと思います。

 

[日経新聞]

庁内にとっても目標達成に向けた意識が高まるという効果があるということでしょうか。

 

【知事】

意識も高まりますし、条件として設定される以上、単に庁内が、もちろん県として知事として「目標を定めました」「頑張ります」ということだけではない推進力も、ボンドの発行によって得られるのではないかと思います。

当然、税金をお預かりしている自治体ですから、そのことのペナルティを税金の追加でお支払いする、すなわち金利を高くお支払いするということは、なかなかやりにくいので、だからこそ制度設計に苦労してきたということもあるのですけれども、他の目標が達成できなかった場合の様々な取組も当然付与されるわけですので、そういうものを回避するための努力というのは、さらに強化されていくと思います。私自身もそのことはしっかりと行っていきたいと思っています。

 

[日経新聞]

万一、達成できなかった場合のペナルティというのは金利でないならば、どういうことがあるのでしょうか。

 

【知事】

まだ検討中のところはあるのですけれども、おっしゃったように、国際市場では追加的な対応として金利変動が主なものになっているのですけれども、やはりこういった公共自治体で発行する場合にはなかなかそういったものも難しいということも前提としながら、例えばカーボンクレジットの購入というものや、環境関連団体への寄付等を設定するものも出てきていると聞いておりますので、そういったものは選択肢になっていくのではないかと思います。

 

[読売新聞]

コロナの話に戻りまして、学校への影響についてお伺いします。学級閉鎖だったり、学校閉鎖だったりが増えてきました。知事としては学校での感染拡大に対してどのような危機感を持っていらっしゃるのか教えてください。

 

【知事】

感染急拡大、また、この寒い時期ということもございまして、学校等での感染が広がってきている、クラスターも発生しているという状況を注視しているところです。緊張感を持って対応していこうということで、教育委員会とも常に情報交換をさせていただいております。

必要な措置として学級閉鎖、学年閉鎖等も行いながら、今、教育委員会では学校の活動レベル2ということで、部活動についても県外は控えよう、また、宿泊を伴わないものにしようということの制限をお願いしております。教育活動というのは極めて重要な部分ですので、こういったものをしっかりと運用をしていきながら、最大限こういったものが継続できるように一緒に努力をしていきたいと思います。

ただ、受験シーズンでもありますので、こういった対策等は常に生徒の皆さんや御家族の御不安にも寄り添って、例えば、検査のあり方ですとか、追加試験の設定でありますとか、そういったことは最大限の配慮できるように努めていこうとしているところです。

 

[読売新聞]

学級だったり学校だったりが閉鎖されることで、親も子どもをみるために仕事に行きづらいような事態も想定されますが、こういった状況に対する御意見や何か対策やサポートなどを考えていらっしゃったら教えてください。

 

【知事】

この点は、今回の新型コロナ、とりわけオミクロン株の1つの課題として浮き彫りになってきていると思います。重症者は前のデルタ株ほど多くないとはいえ、今の決まりによれば、感染された場合には濃厚接触者になられた場合には、一定、お休みにしていただかなければならないという状況がございます。

これに伴い、業務継続が不可能になるような事例も出てきつつございますので、改めて何を優先し業務を行い継続するのかというBCP(Business Continuity Planning、事業継続計画)をしっかりと改めて立てて、立てたものを確認して、それが運用できるようにしていくということの呼びかけをさせていただいております。どんなに小さな事業所等においても、もちろん県庁のそれぞれの職場もそうですけれども、どの業務を最優先で取り組むのかということについては、この1月は特によく考えていこうということを、今日の県政経営会議でも確認をさせていただきましたので、県民の皆さんにもしっかりと呼びかけていきたいというふうに思います。

[毎日放送]

オミクロン株の濃厚接触者の待機期間が短縮された件について、6日間・7日間になるのはエッセンシャルワーカーと定義されているわけですけれども、エッセンシャルワーカーの定義は国の定義に則ってされていくのかというのと、国の定義に則るならば、何々「等」とか、かなりざっくりしていて、エッセンシャルワーカーはどの業種であって誰なのかという判断はどのようにしていくのかお伺いできますでしょうか。

 

【知事】

エッセンシャルワーカーという括りは大変広いものがあると思っております。県でもこの事態を受けて、どの方々にそういった条件を適用していくのか、よく検討していきたいと思います。

 

[毎日放送]

運用は始まっているわけですけれども、まだその中身というのは具体的には決まっていないですか。

 

【知事】

現時点は医療従事者の方々を中心に運用しておりますが、今後、それらをどの程度まで広げる必要があるのか考えていく必要があると思っています。

 

[毎日放送]

例えば、今、もしそういう国の指針で出ているものに該当する人が濃厚接触であった場合は、待機期間の判断というのはどのようにして行われているのでしょうか。

 

【知事】

自治体の判断でどこまでを対象にするのかというのは決まっているのですけれども、6日目・7日目の検査の陰性確認というものもありますので、10日間ではなくて、その短縮された期間の陰性確認というのをどの職種に広げていく必要があるのかというのは、しっかり考えていかないといけないと思っております。

 

[毎日放送]

そのあたり、今のところは、適宜状況をみながら、1つに決めるのではなくてその個々の事例をみて判断していくことになるのでしょうか。

 

【知事】

現時点、医療従事者以外に広げているわけではありませんけれども、今般の感染拡大を受けて、さらにどこまで広げていく必要があるのかということについては検討していきたいと思っています。

 

[時事通信社]

まん延防止等重点措置の関係ですけれども、もし適用された場合に、例えば、「今こそ滋賀を旅しよう」の扱いですとか、「Go To イート」の関係ですとか、そのあたりはどういうふうにしようとお考えでしょうか。

 

【知事】

当然、今よりもレベルが上がり、今よりも強い措置を発動させていただく場合、現在取っている需要喚起策をどのようにさせていただくのかというのは、個別に検討し判断し、お知らせしていくことになると思います。

今の時点で何を止めて何をこうしようという考えを持っているわけではありません。

 

[時事通信社]

時短要請をする場合に、認証店舗の扱いをどうするのかというところについては何かお考えはありますでしょうか。

 

【知事】

認証店舗は対策等を認証させていただいて持っている制度ですので、当然、認証店舗とそれ以外の店舗との対応の違い、お願いする措置の違いというのはありうると思っております。

一方で、「ワクチン・検査パッケージ」の停止の方針なども報道で言われておりまして、まだ詳細は出てきておりませんので内容を確認しなければなりませんけれども、そういったものとの兼ね合いで、どのように運用していくのかというのは検討したいと思います。

 

 

[京都新聞]

衆院選の区割りの関係、10増10減の関係で確認したいのですけれども、先ほどの御発言ですと、総論で滋賀が1減というのは容認で、各論としてその他意見を伝えていくというような感じで考えておられるということでしょうか。

 

【知事】

最終的には知事意見として取りまとめた時点で公表させていただくことになると思います。司法の要請、そして定められた法律に基づく措置として、これは受容していかなければならない。そういうお話だと思っていますが、その際に検討すべきことなどについてはしっかりと付記し、お知らせしていきたいというふうに思います。

当然、もし仮に4選挙区が3選挙区に減る場合、どのような区割りというものが望ましいのかという知事としての意見は、しっかりと申し上げていきたいと思います。

 

[京都新聞]

 10増10減で都市部に議員が集中して地方の声が届かなくなるというような懸念の声があるかと思うのですけれども、その点について知事はどのようにお考えでしょうか。

 

【知事】

そういった要素も多くの方が御意見として持たれるというのは理解をいたします。ただ一方で、それ以外の指標で区割り等を行えるものが、現時点、国内に知見としてあるのかというと、なかなか難しいのも厳然たる事実でございます。そういった問題提起は検討のうえ、させていただく必要があるのではないかと思っておりますが、人口以外の様々な指標のあり方等については今後もみんなで考えていかなければならない課題ではないかと思っています。

 

[京都新聞]

現状では滋賀2区と4区で市域を跨いだ選挙区割りがされているかと思うのですけれど、現状でも県内の選挙区における問題点というのは、どのように御認識でしょうか。

 

【知事】

おっしゃったように、行政区域・市域を選挙区で分けてしまう。そういう区割りが現状においてございます。そのことに懸念を示される、解消・改善を求められる御意見というのもあるのは事実でございます。そういったことが今度の4選挙区から3選挙区への区割りでどうやれば可能になるのかということを現在、検討しているところです。

[京都新聞]

その他、改善すべきような状況というか、区割りに関して行政区のまとまりという以外で何かありますでしょうか。

 

【知事】

私もその選挙区割りに沿って選挙に出てきた1人ですので、あまり多くを語るつもりはないのですけれど、選挙区によって広い選挙区、広くない選挙区があります。人口で割るとどうしても仕方ないところもあるのですけれども、そういったことがどのように公平性、平等性の観点で評価されるのかという視点は、あるのかもしれません。ただ、それも人口という基準で分ける場合、一定、甘受しなければならないこともあろうかと思いますので、テーマとしてはあるのではないかと思っています。

[京都新聞]

総論としては1減を受容せねばならないという御意向だという理解しているのですが、その理由として司法の要請があって、それに基づいて定められた措置があるからという理由付けをされておられるのですけれども、知事として主体的に1減を受容せねばならないとお考えになられた理由について、もう少し詳しく御説明いただけるとありがたいです。

【知事】

先ほど申し上げたこと以上でも以下でもないのですけれど、司法の判決があって、国の法律で定められた措置がございますので、そういったことはやはり踏まえて対応するというのが原則になると思います。

その際にはアダムズ方式という、その人口によってどのように分けていくのか、区切っていくのかということが今の命題になっていますので、そういったものに沿って、本県は現行4選挙区ある選挙区を3つにしていく。その場合にどのように分けるのかという知事意見を出していくということだと思います。

そのことに知事としてどうかと言われれば、それ以上でもそれ以下でもなくて、それに対してしっかりと粛々と対応するということだと思います。

[滋賀報知新聞]

「ワクチン・検査パッケージ」について伺います。他社さんの報道で恐縮なのですけれども、国の方で「ワクチン・検査パッケージ」で現行のものを一時休止しようかという検討が進められていて、19日の分科会で正式発表があるのではという報道が昨日からあったのですけれども、県の方でどのように対応されるのか。「今こそ滋賀を旅しよう」などにも影響が出てくるかと思うのですけれども、現時点で県の方で何か考えておられることがあれば教えてください。

 

【知事】

状況を注視しています。その方針を最終確認させていただいたうえで、県としてどうするのかということを検討したいと思います。

ただ、今の「ワクチン・検査パッケージ」はワクチンを打っている、2回目接種されている、もしくは、検査で陰性が確認された場合に、様々な制限緩和等が行われるという趣旨だと理解しております。そういったものが、例えばワクチン接種後の、2回目接種後の感染拡大なので、接種効果の減衰というものと照らし合わせてどうなのかという中で、今回の国での検討が行われていると承知しております。例えば、それを検査というもので、その時の陰性で補完することができるのか、できないのかといったようなことも合わせて考えていく必要があるのではないかと思っております。

 

[時事通信]

サステナビリティ・リンク・ボンドですけれども、具体例として、滋賀県としてこういう目標を掲げるのだという何かがありましたら教えていただきたいのですけれども。

 

【知事】

基本的には、現在、CO2ネットゼロ社会づくりの条例の改正ですとか、推進計画をつくろうとしています。そういう中に入ってくるものが主になると思います。国よりも高い野心的な目標を掲げておりますので、そういったことを達成するというのが1つの重要なテーマになってくると思います。

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