令和3年12月28日
(県政記者クラブ主催)
【知事】
おはようございます。今日もよろしくお願いいたします。
県北部、彦根、高島を中心に記録的な大雪となっております。被害に遭われた方々にお見舞いを申し上げます。高速道路、国道の通行止め、鉄道の運休、停電などを県民生活に重大な影響をおよぼしております。これらのライフラインの被害に対して、今、関係者一同が除雪作業車等による昼夜を分かたぬ作業もいただきながら、現在、解消しつつございます。各家庭での除雪作業中の負傷の報告も受けております。1人での雪降ろし作業は大変危険です。除雪は必ず2人以上で行っていただきますように呼びかけます。また、今後、日が差し、屋根からの落雪なども起こるということでございますので、十分注意をいただきたいと思います。
年末も雪の予報がございます。帰省など予定されている方、最新の気象情報、交通情報に御注意をいただきたいと思います。なお、道路の復旧等も順次、報告を受けておりますが、名神高速道路、北陸自動車道、特に名神高速道路については、現在、一部まだ復旧できてないところがあるようですが、間もなく復旧見込みで現在準備をされているということです。公共交通、とりわけJRにつきまして、野洲駅以北、また、近江鉄道の八日市駅以北。こういったところで依然運休が続いているということでございます。また、おかげさまで停電も少し減りましたけれども、まだ200軒を超える家屋で停電ということでございまして、今日中の復旧見込みで作業が行われていると承知をしております。
こういう状況下でございますが、新型コロナの感染状況は、依然として各指標は低い状況にございますが、昨日、本県においても、初めて新たな変異株、オミクロン株の感染者が確認されております。以前、新型コロナが陽性ということで、既に療養中の方のゲノム解析による確定が行われたということでございます。
県外で感染されたということでございまして、県内の市中感染ではないという見解で、今、対応しているところでございます。今後の発生動向を注視してまいります。また、このオミクロン株への対策として、すべてのゲノム解析を実施できる体制をとっております。また、オミクロン株に感染された方は疑い患者の方も含めて、全て入院措置を取らせていただくということと、濃厚接触者の方の宿泊療養施設への滞在要請、これらを確実に実施してまいりたいと存じます。
本県でもオミクロン株陽性患者の発生、また、隣接府県で市中感染が確認されておりますので、無症状者の方々含めて希望する方へのPCR無料検査、いわゆる一般検査事業を、国でも実施できるという方針を示されましたので、早ければ明日から本県においても実施する方向で現在、国と協議中でございます。既に御案内していますが、県内16か所で、検査を実施可能だということでございます。
いずれにいたしましてもこの年末年始、旅行、帰省、会食と様々な機会があると思いますので、申し上げております通り、手洗い、換気、マスク、距離と、引き続き、基本的な感染対策を取っていただいて、年末年始をお過ごしいただきますようによろしくお願いいたします。
今年最後の会見ということですので、最後の一句申し上げます。
(俳句)ひとの世に熱届けたし年の暮れ
と読ませていただき、今年の漢字については「熱」ということでございます。
厳しかったことと言えば、新型コロナで発熱される方が増えた。また、本県は豚熱の発生もございました。台風こそ本県への襲来はございませんでしたが、世界各地で熱帯低気圧、サイクロン、竜巻等が起こった。熱海では土石流も起こったということでございます。
そういう中、西川貴教さんをはじめ、今村翔吾さん。滋賀愛の熱さに感動いたしましたし、県民の皆さんの琵琶湖愛の結集としてのMLGsも熱い想いとしてつくられた。また、総選挙が行われ、それぞれ熱量が問われ、試されることもあったと。そういう中スポーツの世界ではびわ湖毎日マラソンで日本新記録。また、高校野球で夏の大会で近江高校がベスト4。さらには、東京オリパラで大橋悠衣選手、木村敬一選手をはじめ、熱戦が繰り広げられ、私たち県民は熱狂したと。大リーグの大谷選手の二刀流にも熱く沸いたというようなこと事々を込めまして「熱」と表現させていただきました。引き続き、情熱を持って県政にあたってまいりたいと考えているところでございます。私からは以上です。
[NHK]
今、PCR検査無料化を国と協議中ということでお話いただきましたけれども、現状16か所ですが、ハードルを下げるというか、さらに無料で受けるとなると、拡大される御検討とかその辺りはいかがでしょうか。
【知事】
まず、16か所でスタートさせていただいて、今後、順次拡大をしていきたいと考えております。
[NHK]
年末年始の帰省についてですけれども、昨日、全国知事会の方で慎重に検討してという方針を示されていますが、改めまして、知事として県民への呼びかけとかありますでしょうか。
【知事】
特に、体調がすぐれない方でありますとか、御心配の方々は慎重に検討していただきたいと思いますが、基本的な感染対策を取っていただいたうえで、帰省、御旅行等も御検討される方もいらっしゃるでしょうから、対策を取ったうえで楽しくお過ごしいただきたいというふうに思います。
[読売新聞]
無料PCRの件に戻らせていただきます。皆さん、ぜひ受けてくださいみたいな感じのコメントをいただけたら嬉しいのと、あとは、この無料PCRを行うことによって期待できる効果みたいなものをお伺いしたいです。
【知事】
まず、感染拡大傾向時のPCR無料検査については、御不安のある方等が受けていただくということですので、法律に基づく要請として受けていただくものでございます。まず、第1弾の態勢を整えますが、まだまだ個所数等、不十分なこともあるかと思いますので、今後、順次、個所数も増やしてまいりますが、民間の事業者の御協力もいただいて、御不安のある方については受けていただきたいと思います。
ただ、その時々の陰性、陽性というのは確認されますが、そのことでもって感染しないということではございませんので、やはり基本的な感染対策をしっかりと取っていただくということについては、改めて御確認をいただきたいというふうに思っています。
[京都新聞]
確認ですけれども、国の要請で近隣府県でも知事の要請によって、一般検査が行われるということでしたけれども、滋賀県さんの方も京都の近隣府県にあたるということで、無料の検査に近隣府県の住民を加えるという理解でよろしいのでしょうか。
【知事】
本県においても、感染拡大傾向時のPCR無料検査について国と協議する準備をするように、先週来、指示をして準備してきました。そういう中、隣接府県、具体的に言えば京都府などにおいても市中感染の確認が報告されております。そういう中、今般、国から市中感染が確認された都道府県の隣接県でも、希望する無症状の方の無料検査、これらを実施できる方針が示されたことも受けまして、本県も昨日来、検討してまいりまして、できるだけ早くその検査の実施をしようということで、早ければ明日からその検査ができるということでございます。
[京都新聞]
検査の対象は県民に限るのでしょうか。今回の無料検査が早ければ明日から可能になるということで、滋賀県さんの16か所で行う検査の対象者は、県民の方という理解でいいのでしょうか。
【知事】
基本的には県民の方が対象ということになると思いますが、そのあたり行き交われる、例えば、帰ってこられた方の検査ですとか、途中通られる方の検査ですとか、その辺りをどのように選別できるのかといったようなことは現在調整中です。基本的には県民の方を対象にしますが、場合によっては県外から来られた方、行き来される方の検査というものも対象に加わってくる可能性もあるのかもしれません。
[京都新聞]
この一般検査事業ですけど、そもそも建付けとしては、当初、言われていたのは、感染拡大期にコロナ特措法に基づいて知事が要請をして、それに応じた人に対して無料化するという建付けであったと思うのですけれども、この建付け自体は維持されるということですか。
【知事】
変わっていないと思います。
[京都新聞]
となると、今日の段階とか明日の段階で、知事自身は「感染不安のお持ちの方は検査を受けてください」という要請を法に基づいて行うということになるのでしょうか。
【知事】
おっしゃる通りです。
[京都新聞]
それは、いつにされますか。
【知事】
国との協議が整い次第、要請を行います。
[京都新聞]
それは本日中ということですか。
【知事】
この時点でまだ要請していませんし、早ければ明日から検査を開始いたしますので、今日から明日までの間に正式に要請することになります。
[京都新聞]
国との協議は基本的には滋賀県としてはやりますと言って、国がダメというようなことは、通知が出ている以上は考えにくいというふうに思っておいていいのでしょうか。
【知事】
基本的には考えにくいと思います。
[京都新聞]
そうなると、当初は感染拡大期に入ってから、レベル2相当になってからこの態勢を発動させるということだったと思うのですけれども、想定より早くなったわけですね。
【知事】
私どもはレベル2になって、国と協議ということを想定していましたが、PCR等検査無料化の事業にもあるように不安を感じる無症状者はどうかということがございました。この不安を感じるということがありましたので、私はおそらくレベル1の段階から、そういったことを準備する必要があるだろうと。しかももうレベル1に入る直前にいますので、そういう意味では、準備をして、いつでも国と協議できるようにしておこうと。これは早ければ年内に、こういった事業を実施することになるということを想定し、事務的には準備をしてまいりました。国からも、いくつかの県で、市中感染の報告があったことを受けて隣接府県でもそういったことが可能だという方針を示されたのだと理解しています。このことには滋賀県としても即応をしていきたいと思います。
[京都新聞]
当初に示されておられたよりも、腹づもりとしては早い段階からということで、今、お持ちになっておられたということですが、当初の想定よりもだいぶ早い段階から一般検査事業の無料化ということが行われることについての御所感はどうお持ちですか。
【知事】
もともと感染拡大傾向時の一般検査事業が不安に感じる無症状者はということがありましたので、私はこのことは想定していました。ただ、レベル2だとかもっと後でもいいのではないかという観測もあった中ですので、そういうふうに想定していたよりも早いのではないかと受けとめられることは、あるのではないかと思います。
[京都新聞]
知事として、無料で検査ができるという、この取組の効果についてはどのような御期待をかけていらっしゃるか。今の話だと、県民の感染不安が解消できるという効果を見込んでおられるのか、それ以上に、例えば、早期の隔離であるとか、具体的に市中感染のリスクを下げられるというような効果も知事としては見込んでおられるのかどうか。その辺り、どうでしょうか。
【知事】
あくまでPCR検査の場合は陰性と出れば、その時点での陰性が確認されるのですが、陽性と出た場合は医療機関での診断を受けていただいて、そして必要な措置等をお願いすることになります。
そういったことをきちんと結びつけて対応することが肝要だと思いますので、この検査を行ったから、また、無料で広くやるからということだけを持って、感染が抑えられるということではないと思います。
[時事通信社]
コロナの関係ですけれども、飲み薬のモルヌピラビルについて滋賀県では医療機関の方にもう配備されたとか、配備される予定というのはございますか。
【知事】
12月24日に経口抗ウイルス薬「ラゲブリオ」が承認されたということでございまして、現在、国のそういった通知を受けて、順次、登録されていると聞いています。県内でも、12月25日15時現在で3か所が登録されています。
[時事通信社]
これもまた、引き続き、準備拡大されていくような形にはなるのでしょうか。
【知事】
はい。それぞれの御判断で使われ、必要に応じて投与される。経口されるということだと思います。
[時事通信社]
前の話になるのですが、JR西日本が来年3月のダイヤ改正で大幅に運行本数を減らすというような発表をされたのですけれども、これについて市町の方では反発の声も上がっているようですが、県知事としての御所見をお伺いします。
【知事】
まず、この大雪時にも公共交通を維持しようということで、JRはじめとする公共交通機関の皆さんが懸命に頑張っていらっしゃいます。そのことには思いを寄せたいと思います。
そういう中、先般、春のダイヤ改正で以前削減されたことに加えて、新たなダイヤの削減、列車の運行本数の削減というものが発表されました。コロナ禍の経営状況の厳しさについて、以前から説明を受けておりましたが、やはり住民の皆様方からすると来訪される方の御不便も含めて、その影響たるや小さくないということですので、このことは重く受けとめているところでございます。既に市長会からも、緊急要望が出されておりますし、県でも以前の発表を受けて、プロジェクトチームを作ってどのように利用を促していくのかという検討もしておりますので、関係者とも協議のうえ、今後の対応をしっかりと作ってまいりたい、考えてまいりたいと存じます。
[時事通信社]
申入れされたり、要望されたりという予定はあるのでしょうか。
【知事】
既に6団体で要望はさせていただいておりますし、経営状況のやりとりもさせていただいております。また、コロナ禍が落ち着き、利用が回復してきた場合のダイヤの回復というようなものも既に要望しておりますので、今回の発表を受けて現時点で何か行うということは考えておりません。
しかし、市長会等で、そういった声も上げられておりますのでこういったことを受けてどのように対応していくのかというのは、引き続き、論じ考えていかなければいけないと思っております。
[時事通信社]
新型コロナの関係に戻って申し訳ないのですが、アベノマスクが廃棄されるということになりまして、希望される場合は無償で配布されるということですけれども、滋賀県としてなのか市町に呼びかけるのかわかりませんが、その辺り、どうお考えなのかお伺いしたい。
【知事】
何も考えていません。
[時事通信社]
もう仕方ないということですか。
【知事】
それぞれの方がもう既に希望も調査されて、必要な方は取り入れられているでしょうし、現時点、県として何か事を動かすということは考えておりません。
[時事通信社]
県の方の担当になるかわからないですけども、10万円の給付ですけれども、その9月の児童手当を受け取っている方に送られるということで、それ以降に離婚されて1人家庭の方に10万円が渡らないというような問題がありまして、国の方では臨時交付金を使えばできますというようなことを出されているようですけれども、何か考えがありましたら教えていただければと思うのですが。
【知事】
給付金は、それぞれの市町で手当をされるということだと思いますが、巷間、そういった対象になるにもかかわらず、様々な要件によって届かないのではないかと言われる親子世帯、子どもたちがいるということを承知しております。
こういったことにどう手当していくのかということについても、国や関係市町で検討されることになると思いますが、県として対応しなければならないことがあるとするならば、そういったことにはしっかりと対応していきたいと思います。いずれにしても必要とされる、また、対象となる方にできるだけ早く漏れることなく支給されるという状況が望ましいのではないかと思います。
[読売新聞]
新型コロナについてですけれども、県として約2年間対応されてこられたと思うのですが、良かったところ、悪かったところを改めて教えてください。
【知事】
1時間ぐらいお時間いただいていいですか。いろいろな課題等あると思います。その時々検証や振り返りもさせていただいておりますが、見えない相手、わからない感染症と向き合い、闘っていくというのはなかなか難しい。したがって、できるだけわかりやすく「見える化」をしたり、その時々、わかっていること、対応していただきたいことを肉声でわかりやすくお伝えしたり、お願いするということを心がけてきたつもりでございますが、遅かった面ですとか十分ではなかったことは多々あると思います。このあたりは、真摯に受けとめて、それらの経験を生かして、次なる「波」に立ち向かっていきたいと考えております。
ただ、おかげさまで県民の皆様方は私ども知事や行政が発する情報に、耳を傾けていただいて御協力いただきました。ワクチン接種等につきましても、市町、関係機関の御努力によって進めることができましたので、感染状況が高くなった時期がございますが、おかげさまで早く抑えたり重症化を防いだりということに繋がったのではないかと考えております。
また、事業者の皆様方に対しても、私どもはできる限り抑制的にお願いをしたつもりでございますが、夏の時期のまん延防止等重点措置、また緊急事態宣言の発令等もございましたので、これまでにない形で、営業時間の短縮要請・酒類の提供禁止等、要請をさせていただき、御協力をいただいたところでございます。そのことには感謝したいと思いますが、そういったことに伴う協力金の支給を急いだつもりでございますが、早くお手元に届けられなかったことなどについては反省事項として残っているのではないかと思います。
また、医療提供体制につきましては、コントロールセンターを中心に、全県で全ての医療機関対象に治療が必要な方、療養が必要な方の手配をさせていただいたところです。陽性が判明してその日、もしくはその翌日には療養先等を決定する。そういった体制を取らせていただいたことについては、一定効果があったのではないかと思いますが、感染急拡大時に御自宅で療養中に不安な思いをされた方々も大勢いらっしゃいましたので、また6波、7波と来た際には、自宅で療養される方の見守り観察をしっかりと行う体制構築を行いましたので、そのことがしっかりと機能するようにしてまいりたいと思います。
いずれにいたしましても、これまでの経験を生かし、次の「波」、今後の感染症対策にもしっかりと臨んでまいりたいと考えているところでございます。
[読売新聞]
加えてですけれども、先ほどお話にあったように、第6波対策は医療界と行政との連携が肝だと思いますが、医療界とどのような良好な関係を現在、築いていらっしゃるのか。また、オール滋賀で頑張っていくなどの意気込みをいただければと思います。
【知事】
良好かどうかということよりも、丁寧に細かく協議をさせていただいて、それぞれの地域の医療機関の皆さん、これは診療所も含め、また病院も含め、メディカルスタッフの方々を含めて、協議に基づいて、本当に昼夜もなく、自らの感染リスクと闘いながら御対応いただいております。このことには感謝したいと思います。
ただ、また次の「波」、また次の変異株と新たな課題に対応していく。以前よりもより厳しい状況に対応していかなければならないということもございますので、こういった対話と協議のチャンネルは常に持ちながら、こちらからお願いしないといけないこと、また、現場の様々な課題を聞かせていただくことなどのキャッチボールを細かくやらせていただいて、今後の対応を行ってまいりたいと思います。この対応の中で得られた信頼関係ですとか、この対応の中でわかった課題などについて、今後の社会づくりや医療体制づくりにしっかりと生かしていきたいと考えております。
[読売新聞]
今までコロナの体制を強化していた中で残っている医療的課題等があれば教えてください。あと、最後に一つ。コロナとは関係なく改めて来年はどんな1年にしたいか。何かチャレンジしたいことなどがあれば教えてください。
【知事】
まず、後段にお尋ねいただいた来年の課題は、来年に話をしたいと思います。
医療の提供体制等で課題が残っているとするならば、やはりベッド数だけではなく、病室だけではなく、そこには療養・治療が必要な人がいて、療養・治療をサポートする人がいる。やはりこの「人」の確保。そして、その方々が持続的に働いていただける環境。こういったことが大変重要であるということがわかりましたので、私どもは、例えば、サポートナースのプロジェクトなども行ってきましたけれども、次の「波」、また、コロナ以外の医療課題・介護課題に対してしっかりとそれに携わる人を確保していくということが大変重要だと思いますので、今持っている計画ですとか、こういったことに基づいて、しっかりと医療人材を確保していく、要請していく。こういったことに取り組んでいきたいと思います。
[毎日新聞]
今年の10大ニュースを出していただきましたが、せっかくなので、選ばれたポイントと特に印象に残っていることがありましたら教えてください。
【知事】
県政10大ニュースということでまとめさせていただきました。詳細は割愛させていただきますが、たくさんいろいろなことがございました。記載のとおり、また、前に写真で紹介しておりますとおり、振り返りをさせていただいているところでございます。
厳しかったこととしては、コロナの状況、特に夏の状況。これは厳しかった。どうなるかわからないというふうに、不安がもちろん県民の皆さんにもありましたし、こうして立って皆様方に呼びかける私自身にもあったことは事実でございます。ただ、その時々、専門家の方々や関係者の皆さんの御協力、こういったものを得ながら何とか乗り越えてこられたのではないかと思っております。
うれしかったことは、やはり東京オリパラで大橋選手や木村選手、宇田選手の笑顔や涙。これは心に強く残っています。特に、コロナで厳しかった時の偉業達成でしたので、生活に、県に光をもたらしてくださったのではないかなと私自身は感じております。その他、たくさんございますが、良かったことは、より良い状態にできるように、厳しかったことは顧みとして生かして、今後の糧とできるようにしてまいりたいと思います。
[京都新聞]
政治資金収支報告書の公開の問題について、お伺いしたいと思います。弊紙にも報道させていただいていたのですけれども、滋賀県においては、政治資金収支報告書のホームページでの原本公開について、本年度までは国会議員関係政治団体に限るという形で公開されておられ、その他の大部分の団体については、ホームページで原本を見られない状態となっています。
これを踏まえたうえで、来年においては、県の選管が管理する政治資金収支報告書のホームページ上での原本公開については、現在どのようなお考えを持っておられるのでしょうか。
【知事】
既に御案内のとおり、政治資金収支報告書のインターネット公表について県選管から聞きますと、収支報告書をスキャンしてPDF化してホームページに掲載する事務負担があるという関係で、国会議員関係政治団体のみ実施されていると聞いています。
原本がインターネット公表されていない政治団体の収支報告書については、現状、県庁においての閲覧、また写しの交付請求による方法をとる必要がありまして、今デジタル社会の実現を試行しているわけですから、利便性をさらに高める必要があると考えております。
聞いていますと県選管からは来年度予算案に必要な経費を計上する予定です。まだ、予算案の確定はこれからですけれど。また、収支報告書公表のための体制整備、こういったものを検討し、来年度からの国会議員関係団体を含む全ての政治団体のインターネット公表について準備をされていると伺っております。
[京都新聞]
そのうえで、ホームページ上で原本が見られるのが国会議員に限られているという、これまでと今の状況について、知事として、どのような御見解をお持ちでしょうか。
【知事】
私どももこういったものを公開させていただき、閲覧に供する側でございますので、こういったものは基本出させていただいているものはすべて公開と。その公開の方法についても、今のこの時代、電子上で確認できるようにするということが必要なことではないかと思います。
[京都新聞]
今、事務量のこともおっしゃっておられましたけれども、全面公開をするうえで具体的にハードルとなってくる部分というのが、どのようなものがあるとお考えでしょうか。
【知事】
私も出す方なので、出されたものを見る側、見せる側ではなかったので、そういったことにどのような事務作業があるのか詳らかではありませんが、先ほど申し上げたように、出したものをコピーしてPDF化し、ネット上に上げていくという作業は少なからずあるのだと思います。それらを更新したりする手間というのも一定あるのだと思います。あと、その時期によって、出されてそれらを一定期間内に公表する繁閑があるのかもしれません。忙しい時期とそうでない時期と。そういったことに、どのように体制として整えられているのかということは確認する必要があるのではないかと思います。
[京都新聞]
選管側としては、来年度予算で実施したいという意向を示しておられるようですけれども、知事としてはその方針については了として、予算をつけてやっていくという御考えと理解してよろしいでしょうか。
【知事】
内容をみさせていただいて、検討し、必要な判断を行ってまいります。
[京都新聞]
知事御自身はそれが必要だという御見解に立っておられますか。
【知事】
先ほど申し上げたように、私は出す方、公開させていただく方でありますので、そういう出させていただいているものが、多くの方々にきちんと見ていただける環境を整備するということが必要だと思っております。
[京都新聞]
すなわち、ホームページ上での原本公開が必要だと。
【知事】
基本的には必要だという立場に立っています。ただ、それを行うのにどのような事務作業や体制整備が必要なのかという検討は予算をつけさせていただいたり提案させていただいたりする責任者として確認させていただく必要があるのではないかと思います。
[京都新聞]
これまでの運用については、政治資金規制法では言わずもがなですけれども、政治活動を国民の不断の監視下に置くという趣旨で行われているのですけれども、今までの、今年度までの滋賀県の状況というのは、そうした法の趣旨に適っていた状況であったと御考えか、適っていない状況であったというふうに御考えか、どのような御見解をお持ちですか。
【知事】
一部、電子で公開させていただき、あとは電子で公開できないものは原本というものを閲覧に供するという対応を取っていましたので、私は一定、必要な体制は整えられていたのではないかと思いますが、この御時世、居ながらにして見られる状態、デジタル媒体等で確認できる状況というのは必要だと思います。当然、そういった指摘を受けるというのは至極当然のことではないかと思います。そういったことにどのように対応していくのかという課題があるのではないかと思います。
[京都新聞]
ホームページ上での原本全面公開については、今、ほぼ大半の40都府県で全面公開がされていて、むしろ滋賀のような極一部を公開というような運用はほぼ少数派になっていると。だいぶ情報公開のあり方としては立ち遅れているという印象が拭えないのですけれども、どのような御見解を持っておられるのでしょうか。
【知事】
御指摘は甘んじて受けとめて、今後の対応を選管(選挙管理委員会)と協議していきたいと思います。
[日経新聞]
知事は年末年始、どのように過ごされる予定でしょうか。
【知事】
生きていたいと思います。
[日経新聞]
来年の選挙、知事選について、以前に年内は考えるというふうにおっしゃっていました。もう12月28日になっていますが、現時点でのお考えはどうでしょうか。
【知事】
知事として、雪の対応、コロナ対応をまず年末年始もしっかりと役割を果たしていきたいと思います。今日もこうして仕事がありますし、まだまだやらなければならないこともあるので、自身のことを考える時間をどのように作るのかという課題が残っていると思っています。
[日経新聞]
意思決定や表明の時期については、どのようにお考えでしょうか。
【知事】
当然、任期というものがございますし、その任期までにはしかるべき判断をしなければなりません。また、従来から申し上げているように、年が明けますと、来年度の予算案の編成、またそれらを執行する執行体制の提示。こういったこともありますので、その際に、私自身の去就についてお尋ねいただくことに、どう備えていくのかということについては、よく考えていかなければならないと思います。
[日経新聞]
コロナのワクチンや治療薬というのはものすごい速さで開発されましたが、感染の終息というのは見えていません。経済の再生まで含めると、まだまだコロナとの闘いというのは続くと思うのですが、御自身も今後、最後までコロナ対策をやり遂げたいというような思いはありますか。
【知事】
知事として、コロナ対策をはじめ、その県政課題にしっかりと責任持つということについては、皆様方にお約束していることですので、これはやっていきたいと思います。ただ、任期もありますので、その任期をまたいでどのように行っていくのかということについては、よく考えて、しかるべき時に、皆様方にお諮りをしたいと思います。
それでは私の方から一言、今年もいろいろありましたけれども、記者・報道機関の皆様方には御厚情賜り、また御指導・御鞭撻いただいたことに、高席からではございますが、感謝申し上げます。
まだまだ雪もあり、コロナ、オミクロンもありで、報道機関・記者の皆様方それぞれお忙しいと思いますが、時にはおいといいただきまして、どうか良いお年をお迎えになられますようお祈り申し上げ、一言感謝の言葉とさせていただきます。ありがとうございました。