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知事定例記者会見(2021年12月22日)

令和3年12月22日
(県政記者クラブ主催)

【知事】

今日もよろしくお願いいたします。遅参して申し訳ございません。

大阪で市中感染の可能性のあるオミクロン株の感染情報も入りましたので、内容、最新情報を確認していたところでございます。

まず、一昨日に急逝された夏原 平和(なつはら ひらかず)様の御冥福をお祈り申し上げたいと思います。御本業の傍ら、滋賀県政においても幅広い分野にお力添えをいただいておりました。急なことなので、御家族を含め、会社の悲しみも大変深いと思いますが、おいといいただきますように、お祈り申し上げたいと存じます。

そういう状況下でございますが、オミクロン株の対応も現在、行っているところでございます。まず、県内で、まだ感染情報は出ておりませんが、すでに濃厚接触者の方々につきましては、県内の宿泊療養施設で御滞在をいただいているところでございます。現在、約30名の方が県内で滞在中です。既に国内に入られ、空港近くの検疫施設等で御滞在されている方もいらっしゃるということですので、今後、送迎を含めて対応を調整しているということでございます。

また、いろいろな御事情等で自宅に滞在していらっしゃる方も一部いらっしゃいます。コントロールセンターならびに保健所と緊密に連携を取りながら、対応をしてまいります。このことも含めて、基本的な感染対策を取っていただきますようにお願いをしたいと思います。改めての発信、取り決めは明後日12月24日の午前に行います県の新型コロナの対策本部で決定し、発信させていただきます。

手洗い、マスク、換気といった基本的な感染対策をしっかりと徹底していただくということ。また、この期間中、クリスマス・年末年始・成人式と、移動ですとか、会食、多くの方々との会合もございますし、普段会わない方との会食等もあることと思います。今の状況では、特に制限はお願いをいたしませんが、改めて基本的な感染対策の徹底を呼びかけてまいりたいと思います。報道機関の御協力を賜れば幸いでございます。

ただ、全体としては現在の状況が落ち着いた状況にございますので、こういった今後の対応を、この期間にしっかりと取ってまいります。例えば、医療提供体制の強化、ならびに昨日にお認めいただきましたPCR検査等の無料化の実務的な対応、さらにはワクチン3回目接種の推進。こういったことをしっかりと進めてまいりたいと思います。

また、少し話題が変わりますが、琵琶湖の水位につきましては今朝の6時時点でマイナス44cmということで、少し回復傾向でございますが、今後の状況を注視していきたいと思います。雪の関係も寒波の襲来が予想されます。今日は冬至ということで、今日以降、日が1日1日長くなるということでございますが、やはり冬の寒さの本格化はこれからということでございますので、各地の雪寒対応を含め、万全を期してまいりたいと存じます。

今日は資料に基づきまして私から2点申し上げます。まず1点目は、死生懇話会関連企画ということでございます。誰も避けられない「死」というものと、どのように向き合い、おかげさまである、限りあるこの「生」「命」というものをどのように大事にするのかという、こういう根源的なテーマを真正面から捉えようということで、昨年、死生懇話会というものを立ち上げて、これまで3回開催を行ってきました。

この死生懇話会の開催以外にも、関連企画というものを実施してまいります。これらは庁内に作っておりますワーキンググループの中で、参加する職員から出された様々な意見等をもとに企画しているものでございます。まず1つ目は、「漫画で語ろう死生観」オンライントークイベントというものでございまして、漫画の中にも「死」ですとか「生」がたくさん描かれております。そこを切り口にしながら、いろいろなものがあるのですけれども、「死」や「生」について語ることができないかということを論ずるものでございまして、ゲストとして京都精華大学マンガ学部の吉村 和真(よしむら かずま)先生をお招きして一緒に語っていこうということでございます。ウェブでも視聴することができ、申し込みの締め切りが1月7日になっております。

また、第2弾は、「美術作品から見る死生観」トークイベントでございまして、こちらはリニューアルオープンいたしました県立美術館で開催いたします。やはり、この美術というもので、人間の「死」ですとか「生」というものを表現することも多々ありますので、こういったものからどのように考えていけばいいのかということを議論してみたいと思います。当日は美術館で3種類の展示というものもありますので、ぜひ、この機会に美術館に来ていただければということでございます。こちらのトークイベントの締め切りは、1月25日となっております。特に何か考えを押し付けるとか、こうあるべきという価値観を何か持ってもらおうというものではございませんので、お気軽に御参加いただければというふうに思います。

続いては、今月のイチオシということで、それぞれの年度にテーマを定めて、イチオシ企画として御紹介しております。今回のイチオシは、草津市ゼロカーボンに関する取組ということでございまして、今日は草津市の方にもお越しいただいております。草津市は12月17日に、草津市議会と共同で草津市気候非常事態を宣言され、「ゼロカーボンシティ」を表明されたということでございます。気候非常事態宣言は県内では2例目、ゼロカーボンシティの表明は4例目となりますが、議会との共同宣言の発出というのは西日本初と伺っております。宣言文につきましては、草津市独自のこれまでの取組を振り返られながら、脱炭素社会の実現に向けて、さらに取組を進めていこうということを協力してやっていこうということを誓い合われたユニークな内容だということでございます。

宣言後の取組を推進するにあたりまして、草津市の地球温暖化対策実行計画、区域施策編にあたります「草津市地球冷やしたいプロジェクト」を一層推進していこうということですとか、事務事業編を今年度中に改定され、1排出事業者としての取組を進められる予定と伺っております。

今日は草津市から2名のゲストにお越しいただきました。環境経済部副部長の高岡 良秀(たかおか よしひで)さんと環境経済部くさつエコスタイルプラザ副係長の津田 久美子(つだ くみこ)さんでございます。せっかくの機会ですので、何か一言、お話しいただけますか。

[草津市環境経済部副部長高岡 良秀さん]

草津市でございます。本日はお時間いただきましてありがとうございます。

着席させていただいて説明させていただきます。

前方の(モニター)画面の方ですけれども、草津市ゼロカーボンに関する取組についてということで、2050年カーボンニュートラルの実現を目指して草津市の気候非常事態宣言や宣言後の取組予定について御紹介させていただきます。

先ほど知事から御紹介いただきましたように、草津市では、先週12月17日の金曜日に草津市議会と共同で気候非常事態宣言を行い、ゼロカーボンシティを表明いたしました。次のスライドでございますが、スライドの左の方が議場で行われた共同宣言式で、議長と市長が宣言文を掲げている写真と、右側が宣言文そのものでございます。宣言文の詳細は配付資料を御覧いただければと思います。本市の宣言は気候危機への認識を市民の皆様と共有する気候非常事態宣言と2050年カーボンニュートラルを目指すゼロカーボンシティ宣言の両方を兼ねたものとなります。広く市民の皆様に行動変容を促すため、市と市議会が共同宣言いたしましたが、これについては西日本で初めてということになります。

次のスライドでございます。気候非常事態宣言後の取組としましては、本市の温室効果ガス削減目標についてです。グラフの通り、国・県の削減目標の達成に寄与することを目標としておりまして、2030年度に2013年度比で滋賀県さんと同じように50%削減を目指してやっていきたいと思っております。

次のスライドですが、また、施策の方針としては2050年カーボンニュートラル実現に向けた町づくりを進めるにあたり、市域の温暖化対策については、地球温暖化対策実行計画区域施策編でございます「草津市地球冷やしたいプロジェクト」に基づく施策の積極的な展開などを図ります。冷やしたいプロジェクトの重点アクションなど詳細につきましては、お配りしておりますパンフレットを御覧ください。簡単でございますが、草津市からの説明を終わらせていただきます。どうぞよろしくお願いいたします。

 

【知事】

はい、ありがとうございました。ぜひ、県で作ったCO2ネットゼロのロゴマークなども入れてもらって、一緒に共同して取り組んでいければと思います。こうして基礎自治体の皆さんがローカルイノベーションとして、このCO2ネットゼロの取組を推進していこう、議会とともにと市民とともに、というのは大変心強い取組だと思いますので、県も積極的に応援していきたい、一緒にやっていきたいというふうに思います。長くなりましたが、私からは以上でございます。

[読売新聞]

先ほどのオミクロン株の濃厚接触者についてですけれども、約30人の方がいらっしゃるということですが、それは大阪の市中感染の濃厚接触者の方とかも含まれた数ということでしょうか。それとも以前の飛行機の中で一緒に乗っていた人とかも含め全員、いろいろなところの濃厚接触者が約30人いるということですか。

 

【知事】

すみません。私の説明が少し悪かったと思いますが、今回、大阪で発表されたものとは関係なく、これまで海外から帰国された方、その機内等で陽性患者が出られて濃厚接触者になられた方々の御滞在ということです。

 

[読売新聞]

この方々は、基本的には宿泊療養施設に入ってもらうという方針でよろしいのでしょうか。

 

【知事】

基本的には、宿泊療養施設で御滞在いただくことになるのですが、もちろん空港近くの検疫所の待機施設にいらっしゃる方もいらっしゃいます。その辺り、やりとりしながら、県内に戻ってきていただくということでございます。

その際、いろいろな事情があると思いますので、御自宅に滞在いただいている方もいらっしゃるということです。基本的には宿泊療養施設で滞在いただくということを基本としています。

 

[NHK]

先ほど冒頭でもございましたが、改めまして、年末年始を迎えるにあたって県民への呼びかけお願いいたします。

 

【知事】

おかげさまで、以前よりも県内感染状況はまだ落ち着いた状況にございますが、こうしてオミクロン株の出現、もしくは市中感染の報告もございます。昨日が4人、そして、今日も4人ということでございますので、以前よりも少し感染者も数として出てきているという状況がございます。改めて、この年末年始、様々なイベントや会合、移動、会食、そういった機会もあろうかと思いますので、基本的な感染対策を徹底して、お互いが気をつけ合いながら、日常生活を送っていくということをして、少しでも感染状況を低くする、もしくは水際対策を徹底するといったことに努めてまいりたいと思います。

 

[NHK]

死生懇話会についてですけれども、まさにこういうことに行政が取り組むのは非常に面白い取組だと思っているのですが、来年度以降の展開と申しますか、どのようにお考えでしょうか。

 

【知事】

現在、来年度以降、どのように取り組んでいくのかということを検討しております。先月までに3回の死生懇話会を開催してきましたが、その中でもたくさんのお話、また、御見解をいただいているところでございます。また、それ以外にもいろいろなインタビュー、今回、御紹介した関連企画なども用意しております。

そういったものを咀嚼しながら、出てきた御意見や寄せられた御意見等をしっかりと踏まえて今後の持ち方・開き方を現在、考えているところです。

 

[NHK]

 今年度限りで終わりということではないですか。

 

【知事】

コロナもありましたので、少し回数が十分に開催できていないこともあるので、今年度で終わりということはないのではないかと思っています。何らかのものを作っていきたいというふうに思っております。

 

[中日新聞]

冒頭に少しお話が出たと思うのですが、ワクチンの3回目接種についてです。ファイザー製とモデルナ製があったと思うのですが、現状、入ってくるのはファイザー6割、モデルナ4割くらいという状況で、2回目まではファイザーを打った人がかなり多くて、交差接種の可能性とかもあると思います。この間のアンケートではファイザー製を打った人は3回目もファイザーがいいという人がかなり多かったというようなデータも県のアンケートであったと思うのですが、そこについての対応というのはどういうふうに考えていらっしゃいますか。

 

【知事】

あとも関連して御質問があるかもしれませんけど、明後日、厚生労働省で追加接種に関する自治体説明会が開催されるということですので、その時点での最新の情報が出されると思います。そういったものを受けて対応を考えていきたいと思っていますが、基本的には有効性も認められている交差接種、これはやっぱり前提にしていくということですし、8か月を原則に3回目の接種に入っていく。また、それぞれの基礎自治体において、もうすでに医療従事者は医療機関等で始めていますが、高齢者等については、年明け以降、自治体で接種を行っていくということが基本原則としてあると思います。おっしゃったように、1回目と2回目にファイザー社製を打たれた方は交差接種といっても、3回目もファイザー社製を希望されることというのは容易に想像されます。そういったことが可能になるワクチンというものを十分に確保して、市町に配布をするということはもうすでに求めておりますので、その辺りの配給見通し等も確認させていただいて、今後の体制づくりを行っていきたいと思います。

 

[中日新聞]

ファイザー社製を打った人もモデル社製を打たなくてはいけないということもあると思うのですが、それについて何か県として御説明する場とか、どういったふうに説明していくと。

 

【知事】

基本的には薬事行政の中で、交差接種の有効性等が認められた、もしくは薬事承認された。こういった情報は国からも出されますが、県からもしっかりと出して、皆様方の御判断に供するようにしていきたいと思います。1にも2にもそのワクチンがどれぐらい届くのか。十分にファイザー社製が市町摂取の段階でファイザー社製の接種を希望される方の分が届けば、そういったことは叶っていくでしょうし、十分に確保されず届かなかった場合はモデル社製との併用、交差ということになってくると思います。

それを了とされる方の予約、それを了とされない方の予約の状況があると思いますので、そういったものをみながら、その後の対応というものを考えていく必要があるのではないかと考えております。

[朝日新聞]

今の件ですが、(3回目接種までの)間を6か月空けるのか8か月空けるのか、今現在の滋賀県の方針としては8か月だと思っているのですが、これが明後日、何らかもう少しきちんとした方針が示されるのでしょうか。

 

【知事】

基本的には、私どもは2回目からの間隔を8か月空けたうえで、3回目を接種していくということを原則としていますが、明後日にどういう情報なり指示が厚生労働省から示されるのかというのは承知しておりません。今回のいろいろな感染状況や、国民の皆様方からの意見を踏まえて、何らかのものが示されるとするならば、そういったものにどう対応するのかというのは検討していかなければならないと思います。

 

[朝日新聞]

今現在は、8か月空けて3回目を打ちましょうという方針は変わってないということでいいですね。

 

【知事】

はい、変わっていません。

 

[朝日新聞]

別件ですが、国土交通省の統計情報の書き換え問題ですけれど、私も取材いたしましたが、滋賀県でも国の指示通りに粛々と書き換えをされていたやに聞いておりますけれども、まずこの件の御感想、受けとめをお願いします。

 

 

【知事】

まず、国土交通省の建設工事受注動態統計で、調査票が修正されて、結果として数値が2重に計上されていたと報じられる案件がございました。こういったものは基幹統計で、やはり統計というのは施策を論じ決めていく基礎資料でございますので、こういったものに疑念が生じる事態というのは大変遺憾に思います。国では第三者委員会設置されて原因究明し、再発防止策を取っていくということですので、その動向をしっかりとみていきたいと思います。

県も、おっしゃった通り、国の手引きに従って調査票の修正作業を行っておりましたので、結果として実態と異なる統計というものが作られていた可能性というものがあると思います。したがって、こういった事態をしっかりと調べて、国の調査の状況をしっかりと踏まえて、今後、必要な対応をとっていきたいというふうに思います。

 

[朝日新聞]

知事はこの書き換えが、いつからいつまで県でやっていたのかというのは、報告を受けていらっしゃいますでしょうか。

 

【知事】

担当課から、平成25年度から令和3年度の担当者に確認した状況といたしまして、平成30年度まで国の調査票審査の手引きに従って調査票の修正作業を行っていたということが、まず1つ。2つ目として、令和元年度の手引きからは、こうした修正作業の記載が無くなっていたそうでございまして、令和元年度以降は調査票の修正は行っていないということでございます。

ただ、平成30年度まではあって、元年度からなぜ無くなったのかとか、そのことがこの2重計上処理にどのように寄与したのか、していなかったのかという仔細は把握しておりません。

[朝日新聞]

結果的に、国の不正に県が加担したということになると思うのですけれども、難しいかもしれませんが、消しゴムで消して書き直せと言われて、はいそうですかと疑問を持たずに、何でこんなことをさせるのですかと国に物申すとか、そういうことはやはり難しいのでしょうか。

 

【知事】

どういう状況下でこれらのものが事務処理されていたのかというのは、私は知らないことも多いのですが、通常、決められた手引きがあって、決められたスケジュールの中で処理されていた案件だと思います。それに従ってやったことが、結果として全体の統計をまとめる段になって、正確ではなかったということなのだと思います。

1つ1つの作業の中で、疑問を持って国にも正すべきではないかという、このことは、御指摘としてしっかり受けとめたいと思うのですけれども、なかなか実務上は難しい面もあるのではないかなというふうに思います。

 

[共同通信]

コロナの県内滞在のことでもう1回だけ確認をさせてほしいのですけれども、今、県内に約30人滞在していらっしゃる方というのは、県内の方ですか。京都府等の人だけれども、飛行機に乗っていて、京都府で受け入れられないから、滋賀県で受け入れているという状況なのか。元々、県内の方で家に帰らず待機をしてもらっている。どちらでしょうか。

 

【知事】

県内の方です。元々、県内の方で、帰って来ていただいて御滞在いただいているということです。

 

[共同通信]

全て飛行機内で一緒に乗って外国から帰ってこられた方で、乗っていた飛行機でコロナ感染が確認された人の濃厚接触者という認識でいいですか。

 

【知事】

基本的には飛行機由来、空港で分かった人ということです。

 

 

[共同通信]

その方たちの検査というのは既にされているのでしょうか。

 

【知事】

繰り返し、定期的にしていただいています。

 

[共同通信]

あと、オミクロン株に関してですけれども、県内で今日も4人感染確認があったということですけれども、そういう方たちというのは、オミクロンかどうかわかる検査はしていらっしゃるのでしょうか。

 

【知事】

既に県内では、オミクロン株を含む検査体制というのは、今月に確立しておりまして、通常のPCRを実施して、そして変異株のPCRを実施して、その後ゲノム解析でオミクロン株を特定するという、この一連のスケジュールをしっかりと持って、対応させていただいております。

 

[共同通信]

そこまでやられている中で、今のところはまだオミクロン株の感染確認はされていないという状況ということでしょうか。

 

【知事】

 今のところはありません。

 

[読売新聞]

2021年がもうすぐ終わるということで、経済への影響という観点で質問ですけれども、1次産業もこのコロナで影響を受けたと言われていて、現状その辺の影響をどうみていらっしゃるのかというのが1点。

それから県の方で1次産業の競争力を高めるために、6次産業化に取り組んでいらっしゃると思うのですけれども、こういう状況下で、その辺の手ごたえですとか、あるいは今後の戦略等について教えていただけますでしょうか。

 

【知事】

まず、1次産業への影響ということですけれども、全てがコロナ禍の影響ではないのかもしれませんが、まず米価などの生産物価格の低迷、これが生産者の所得に直撃しますので、こういったことを憂慮しています。したがって、もちろんそういったことに、その時々に必要な支援をいただくと同時に、こういう変動の大きい産業だということから、例えば、規模拡大ですとか、生産コストを減らすということによってさらなる所得向上を図っていこうということと合わせて、農産物の付加価値を高める取組というものを展開していこうとしております。

特に本県は、中京圏もそうですし、京阪神も比較的近くて、新鮮なまま持っていける。そして、来ていただいて、買っていただける。こういう地理的条件もございますので、そういう意味でマーケットインの視点から、6次産業化、農商工連携、これを有効だということで進めてきております。

例えば、量はまだ限られていますが、オーガニック近江米の取組はその1つでございますし、6次産業ということで申し上げれば、様々な1次産品を、2次加工、そして3次、サービス向上ということで、様々な商品開発等もしていただいております。この10月に策定した「滋賀県農業・水産業基本計画」の中でも、この6次産業で、農業者の経営を発展させよう、地域活力を向上させよう、また雇用を拡大させようという取組を現在展開しておりますので、それを軌道に乗せていきたいと考えているところです。

[時事通信]

先ほどのワクチン3回目の接種に関しては、現段階では前倒しについては検討されていないということでしょうか。

 

【知事】

まず、基本的には8か月の原則で打つ準備を今進めています。国もいろいろな物の言い方をしてきていますし、明後日に説明会等もあるようですので、その状況を確認いたします。前倒しということがあった場合にどのような対応がいるのかということは、これはもう常に考えながら対応しておりますが、基本原則は8か月で打っていただくように現在準備を進めているところです。

 

[時事通信]

昨日、議会で議論がありましたPCR検査の無料化についてですけれども、先ほどオミクロン株の話もありましたけれども、何か現時点で準備されている部分がありましたら教えてください。

 

【知事】

まず、PCR等検査無料化事業は2つあって、1つはワクチン・検査パッケージ等の定着促進をするものと、もう1つは感染拡大傾向時の一般検査事業ということでございます。この後段の感染拡大傾向時の一般検査事業というのは、レベル2を前提に行っていくこととしておりますので、昨日お認めいただいた予算をしっかりと活用してこの体制を取っていくということです。

新たな変異株による感染状況というのは、感染のスピードがデルタ株よりも早いという世界からの情報も得ておりますので、少し体制づくりを急がせたいと思います。レベル2になる前には、そういった体制が整えられるようにしていきたいというふうに思います。

 

[時事通信]

時期的なものというのは、お考えはありますでしょうか。できるだけ早くということなのかもしれませんが。

 

【知事】

全療養者数と、直近1週間の新規陽性者数というのがレベル判断の1つの指標になっていますが、できるだけ早く整えたい。

検査していただく事業者は、補正予算を認めいただいたということもあるので、今週中にも募集を開始して、年内にもこういう検査を必要な場合に始められる体制を整えられればというスケジュールで進めているというところでございます。

 

[時事通信]

 国会議員の10増10減についてですけれども、自民党内でも議論があるようです。地方が減って、都会が増えるという形になりますけれども、また意見照会があるかと思いますが、もし御所見がありましたらお伺いします。

 

【知事】

まず、最高裁判決を受けた国の法律改正に基づく対応だと思っております。そういったものに対応するための衆議院小選挙区の区割りを増やすところと減らすところである、10増10減。これらにどのように対応していくのか。基本的には、そういった方針に従って対応すべきものと。これを原則にしながら、現在、知事意見を取りまとめるべく検討をさせていただいているところです。

その場合に、県内をどのように分けていけばいいのかということも焦点になってまいりますので、これには経過もあり、県内の市町の様々な御意見等もございますので、これらを丁寧に集めて、紡いでいきたいというふうに思います。

 

[時事通信]

現時点では、その通りやった方がよいということでしょうか。

 

【知事】

個人的には、地方の意見がどのように反映されていくのか、相対的に少なくなることに対する懸念等もないわけではありませんけれども、ただ今回の措置は、判決等、法律改正に基づくものなので、それはやはり一定踏まえて対応していくことが必要だと思います。

衆議院の今回の区割りだけではなくて、参議院との関係、もしくは今後のこういった衆議院選挙区の区割りなどを論ずる際に、私だけではなくて、他の方々からも、一部、国会議員の方々も出されているような御見解に、どのように対応していくのかというのは検討されるべきものではないかと思います。

[時事通信]

最後に「こども家庭庁」についてですけれども、基本方針が閣議決定をされまして、いよいよ法案も出てという形で具体化されようとしているのですけれども、現在の評価についてお伺いします。

 

【知事】

まず、全国知事会としても、これは国よりも先に、この子ども施策を充実する観点から、こういった省庁間の所管を束ねた組織化を提言してきたという経緯がございますので、今般、その基本方針が閣議決定されたことについては歓迎したいし、賛成する立場でございます。

ただ、やはり問題は単なる組織づくりではなくて、それに伴って、権限を強化したり、人員を増強したり、また予算をしっかりと拡充していくということが重要だと思いますので、こういったこととセットで子どもに関する政策がより充実していくことを我々は求めているし、今後も引き続き求めたいし、そういったことを知事会としても確認していくということが重要ではないかと思います。

 

[京都新聞]

 また、オミクロン株の話に戻るのですけれども、この前、県としてはレベル分類の判断の仕方を示されたわけですけれども、従来のデルタ株よりも感染力が強いという指摘もあるオミクロン株がこうして出てきている中、レベルの判断のあり方について何らかの影響が出てくるようなことがあるのでしょうか。

感染の「山(感染者数のグラフ)」がぐっと上がる角度が高いことが想定される中で、今、示されている分類の仕方、あるいは判断の仕方に何らかの影響が出てきそうなのかどうか。どのようなお考えをお持ちなのか、まずお聞きしたいところです。

 

【知事】

まず、基本的には現時点で何かレベル分類の指標を変えなければいけないということは、考えておりません。

あくまでこの指標、このレベル分類に則って、次の波にも対応をしていきたいと思っておりますが、今、御指摘のとおり、デルタよりも感染スピードが速いという報告もございます。実際、国内でも、様々な感染者が出始めていますので、そういった状況等をみたうえで、今後に必要な対応を考えていく必要があるのではないかと思います。

 

 

[京都新聞]

関連してですが、今、県の状況としては感染が判明しても、入院の基準というのは従来どおりだと思うのですが、確か京都府下においては、とりあえずオミクロン株かどうかわからないけれども、PCRが陽性となった段階で、入院してもらうというような強い隔離の方向に振れるような形で運用がされているかと思います。そのオミクロン株が流行ってくるかもしれない中で、オミクロン株かどうかまだわからない段階の陽性者の扱いみたいなものについて、どうしていこうと考えていらっしゃるのか。そこのところを教えていただけたらありがたいです。

 

【知事】

先ほども申し上げたように、まず、感染者の前に、濃厚接触の方を含め、宿泊療養施設、検疫施設等に滞在していただく措置を国と一緒に取っております。そういう意味で広めの水際対策を現在、取っています。定期的に検査をしながら、オミクロン株になった場合でも対応できる医療施設、また専用のホテルも確保したうえで、現在、県としては構えているという状況です。

随時、検査も行っておりますので、そういったものの結果をみながら迅速に対応していくということだと思います。全ての方が入院かどうかというのは、基本、症状があって入院が必要な方については入院していただくという方針を持ったうえで、コントロールセンターの判断で対応していくことになると思います。

 

[京都新聞]

数日前に、(国が)オミクロン株に対しての対応方針のようなものを示されておられるかと思うのですけれども、今の状況に至るまで、新しくオミクロン株対応で新たな運用の方針みたいなものを立てておられるとか、この先、オミクロン・シフトとして何らかの対応を追加していくというようなお考えは、現段階でお持ちでしょうか。

 

【知事】

基本的には、5波が終わった後、先月の下旬に取りまとめた医療提供体制の確保計画、また検査体制、そして今般議会でお認めいただいた、より広く検査をする仕組みなど、こういった方針に基づく準備を、今、鋭意進めているところです。基本的にはこれに則ってやりますが、これまで国の水際対策で感染の出現、その拡大等、後ろに一定ずらすことができたのかもしれませんが、いよいよ国内、また近畿圏内においても、市中感染の可能性というものも出ております。この日に出たということは、ゲノム検査とか検体検査でいうと、その前に、発症等が出ている可能性がございますので、そういう意味で言うと、市中感染というのは、その場所以外にも広がっている可能性というものを持って対応しなければならない。

また、世界ではデルタ株よりもより速い感染力を持っているのではないかということも言われておりますので、そういう意味で持っている計画をいつでも稼働できるように、そして、既にオミクロン株も出てくるということを念頭に置いた、いわゆるオミクロン・シフトというものは、関係機関でしっかりと持って対応していきたいと思います。その辺りのことも、今週末の対策本部でしっかりと確認できるようにしていきたいと思います。

 

[読売新聞]

改めて、コロナについて第5波での対応の反省と、第6波に対する意気込みをお願いします。

 

【知事】

第5波は、我々の想定を超える感染拡大がございましたし、2,000名近くの自宅で御療養いただく方が出ました。したがって、そのことを踏まえて、安心ケアステーションとか、見守り観察ステーションをしっかりと県内にも整備して、一時的に入院されない方々についても、健康観察ができる体制というものを取っています。保健所の体制も5波を教訓に、市町や関係機関と連携してしっかりと対応できるネットワークを今、つくっておりますので、あとはそういったものが、次の波が来たときにきちんと実際に動くよう、さらにその感覚を高めて準備していきたいというふうに思います。

だからこそ、行政やその医療機関の努力だけではなくて、やはり私たち1人1人の対策の徹底というのが求められる。そういったものが効果を生むと思いますので、それをしっかりと呼びかけていきたいというふうに思います。

[読売新聞]

今年開催中止となったイナズマロックフェスのことですけれども、改めて県にとってフェスはどんな存在かということと、中止についての御感想、再開後に期待することなどがあればお聞かせください。

 

【知事】

この場で西川貴教さんとの会見、まさに断腸の思いで、2人で会見に臨み、中止の報告・発表をさせていただきました。

イナズマロックフェスは滋賀県にとっても、また多くのロックファン、西川さんファンにとっても「水の未来に、声を上げろ。」という非常に象徴的なイベントですし、みんなが楽しみにする。そして、その中から得られた収益を琵琶湖環境保全にも役立てさせていただいているという意味で、大変、大事なイベントです。

ただ、感染拡大が続いていたという状況を受けて中止という、ある意味での御英断をされたというふうに思っております。今後、感染状況をしっかりとみたうえで、また、ワクチン・検査パッケージなどでどうやったらできるのかということも模索・追求されていることもございますので、そういった情報を共有しながら、来年に備えていきたいというふうに思っています。

 

[京都新聞]

本日付けで厚生労働省から事務連絡でオミクロン株に備えた対応の強化という通知がありましたが、それを受けて新たに変更、対応を見直すところや、強化するところはありますでしょうか。

 

【知事】

先ほどもお答えいたしましたように、5波を受けて次の波が来ることを前提に、体制・確保計画を持っています。自宅療養される方をしっかりとケアするネットワークもつくっています。加えて、オミクロン株濃厚接触者の方々の滞在・搬送など、御滞在中の健康観察なども行っておりますので、これらをしっかりと機能させていくということに努めていきたいと思います。

ただ、この年末年始も含めて、少しピークなり波の拡大というのが早く来ることを前提に、年明けまででいいかということではなくて、年内から動かしていくような、そういう喚起をより強化していきたいというふうに思います。

 

[京都新聞]

通知の中で、経口薬の供給について薬事承認後に速やかに提供できる体制をというようなことがあったのですけれども、そこの体制というのはいかがでしょうか。

 

【知事】

我々の力が及ばないところは、その方々の御担当に任せたいと思うのですが、当然、経口薬の承認やその後の処方等も今後予想されますので、どういうことが必要なのか、情報を確認し体制整備に努めていきたいと思います。

 

[京都新聞]

最後に1点。無料のPCR検査の適用ですけれども、レベル2に上がれば同時にというような形になるのでしょうか。

 

【知事】

そうではありません。当然、国との協議もございますので、どのレベルでどの範囲で検査をしていくのかという協議をしたうえで、発動ということになると思います。

 

[京都新聞]

その際、判断にあたって県内でオミクロン株の市中感染が確認されているような段階になっていれば、その判断には影響してくるのでしょうか。

 

【知事】

その出てくるものが、どれぐらいの規模でどれぐらいのスピードで出てきているのかということは当然踏まえないといけないと思いますので、その時々の状況をしっかりと確認して国と協議したいと思います。

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