令和3年11月22日
(県政記者クラブ主催)
【知事】
今日もよろしくお願いいたします。
恵みの雨になればいいのですが、琵琶湖の水位は今朝でマイナス68cmということで、先週から水位低下連絡調整会議を設置しています。庁内で連携しながら、情報を把握のうえ、県民の皆さんにもお知らせしていきます。長浜城の井戸の跡とか、坂本城の石垣とかが、いろいろと出てくることはいいのかもしれませんが、それにとどまらない影響等を注視するように、国立環境研究所の知見なども得ながら、新たな情報収集しようということを今朝の経営会議で指示したところでございます。
また、高病原性鳥インフルエンザが近隣府県で発生しております。滋賀県でも(滋賀県特定家畜伝染病対策会議)幹事会を開催いたしまして、関係部局の連携強化と情報共有を図っています。昨年も県内で(発生が)ございましたので、かつ、北に南に近隣に(発生)ということで、かなり広がっているようでございますので、養鶏業者を中心に改めての注意喚起と、また、先週から緊急消毒を行っておりますし、特に餌の業者等と情報をよく収集し、共有するようにということを指示しております。
新型コロナの状況はおかげさまで落ち着いた状況にあります。ワクチンの接種状況は御覧の通りでございます。何とか今月末までに目標としておりました、希望する全ての県民がほぼ接種を終えられる状況となりました。御協力をいただいた皆さんに感謝申し上げたいと思います。11月26日には、本県の広域ワクチン接種センターを一旦、閉鎖いたします。次の波の対策をしっかりと行っていくということで、現在、国のレベル指標に基づく本県の新たなステージレベルについて検討中でございます。近く、県の対策本部を開催したうえで決定しお知らせをしていきたいと思います。
週末は全国知事会(第30回新型コロナウイルス緊急対策本部)が開催されました。御案内のとおりでございますが、本県からもワクチン接種について、ファイザー社製のワクチンが確実に配布されるように、また、含めて長期的な計画を早期に示すようにということと、医療確保のための予算措置、地方創生臨時交付金の措置について、柔軟な対応や、総額の確保等を求めたところでございます。
それでは資料に基づきまして2点申し上げたいと思います。
まず、1点目は全国植樹祭200日前イベントを開催しますということでございます。11月27日です。来年の6月5日の開催まで200日となったことを記念する。また持って、県民の皆様方の機運を醸成するために行います。御覧のとおりのトークセッションを行う予定でございますが、若干、開始時間が変更になっておりますので、御注意いただきたいと思います。
その他にも遊べる広場ですとか、植樹の体験ですとか、様々なイベントも用意されておりますので、御参加いただければと存じます。また、地元の方々による「こうかマルシェ」も開催されるということでございます。トークイベントのみ事前申し込み制となっているということでございますので、御周知方よろしくお願いいたします。
それでは、もう1つの資料もございます。カラー刷りのパンフレットでございます。県内の大学に通う学生を対象に「きづいてつなぐ20歳からの健康づくり事業」を今日からスタートいたします。県内大学の御協力もいただいて実施いたします。学生の皆さんがスマートフォンやパソコンからアンケートに答えて、自分自身の生活習慣等を振り返りながら健康意識していただく、コロナに負けない大学生活を応援していこうということでございます。やはり、皆さんの学生生活を思い出していただいてもおわかりの通りだと思いますが、いろいろと不摂生もあるのではないかと思います。また、コロナ禍の影響もあるのではないかと。オンライン事業による目や肩の疲れというものもあるのではないかと。そういった事々に気づいていただく、早めに改善していただくということのために、事業を行うこととしております。
また、大学生自身が私の健康の秘訣を特設サイトに投稿することなどにより、気づいて周囲につなぐ行動変容も期待したいということでございます。それぞれの大学の御協力もいただきながら、メールの送信、ポスターの掲示等を行って、来年2月28日まで実施してみようというものでございます。学生の皆さんの健康づくりもしっかりと応援していきたいと思います。私からは以上でございます。
[中日新聞]
まず、琵琶湖の水位ですけれど、11月24日までに今、県内で既に出ている影響を取りまとめる予定というふうに聞いているのですが、現時点で何か把握されていることがあるかと、今後、マイナス75cmはいつぐらいになりそうか、見通しを分かっている範囲で教えていただきたいのですが。
【知事】
後段にお尋ねいただいた、水位がどこまでいきそうかというのは、全くわかりません。この雨がどれぐらい降り、また大津はこれぐらいですけれど、北部、東部、山間部にどれぐらい降り、若干、遅れて増水も減水も起こりますので、その影響が出てくるのかなどは、実測値に基づいて把握していきたいと考えております。
また、前段にお尋ねいただいた影響等は、まだ報道等で御紹介いただいているものを超えた影響等は報告されておりません。現在、その取りまとめを行おうとしているところでございます。ただ、広くいろいろな影響を把握しようということで、現在、情報収集等にあたってくれていると承知をしています。
[中日新聞]
あと、政府の55兆円の経済対策についてですけれど、いろいろ個人や事業者への給付金とか、コロナ対策、感染対策を含めていろいろな内容が出ていますけれども、まず一旦、受けとめを教えていただけますか。
【知事】
コロナ対策を含む経済対策というのは、一定必要だと思いますので、そういったものについて、全体取りまとめをされたということについては、私は賛同もするし、期待したいと思います。次の臨時国会で諮られるということですので、早期に結論を出していただいて、地方に、それぞれの方々に、人々にしっかりとその影響効果が及ぶようにしていただきたい。
特に、私どもは地方創生臨時交付金などについても、事業者支援分にしっかり充てられるようにとか、病床確保分の交付金が少し国から遅れてきていますので、県の持ち出しが生じる可能性が60億円に上っているというようなことがありますので、そういったところの早期交付等については、強く求めていきたいし、今回の55兆円の中でどこまで措置をされるのかというのをしっかりとみていきたいというふうに思います。
[中日新聞]
55兆円という規模感とか、例えば、事業者への上限250万円の支給というのも、ちょっと多すぎるのではないかという意見などもあるようですけれど、そのあたりは何かお考えは。
【知事】
55兆円という規模感がどうかというのは、私には計りかねるところがあるのですが、国がやることですから、一定規模感は必要なのかもしれません。
250万円という、そういった事業者支援というものも、どれぐらいの方が対象になるのかということは確認していきたいし、やはり私どものいろいろな協力金の交付もそうですが、できるだけ早くお手元に届けるということが、苦境にあられる事業者の皆様方には必要だと思いますので、その辺りのことは確認していきたいと思います。
[中日新聞]
保育士や看護師の一部、介護福祉などの職員の給料を引き上げることで、人材確保を図るというようなことも含まれているようですけれども、県内でもこの辺りの人材というのは、人手不足が課題になっていると思うのですけれども、今回、大体3%くらい引き上げという案で出ているようですけれど、それは十分な効果を発揮しそうかどうか、いかがでしょうか。
【知事】
まず、保育士等、看護師や介護に携わる方々もそうですけれど、特に保育士の皆さんの処遇改善については、全国知事会次世代育成支援対策のプロジェクトチームとしても強く求めてきましたので、その1つとして処遇改善が行われるということについては、歓迎したいし、賛同したいと思います。また、そういった処遇改善が本当に働く方々のお手元に届くものなのか、間に入る事業者の中に入ってしまうものなのか。そういったことなどについては、確認をする必要があるのではないかと思います。
あとはそういった事々が、今回は一過性の措置になるのかもしれませんけれども、継続的に行われ、そして差のある処遇が改善されて、不足する人材の確保に繋がるように期待したいと思います。
[日本経済新聞]
政府の経済対策に関連して、特に観光支援について伺います。今、コロナの感染状況にもよると思うのですが、早ければ1月中旬にもGo To トラベルの再開を目指すと言われています。隣の京都では、紅葉シーズンということもあって、そういったGo To トラベル等の補助がなくても、かなりの人が出ているようです。そもそもGo To トラベルの再開自体について、知事はどのようなお考えをお持ちでしょうか。
【知事】
おっしゃったように、こういった支援措置がなくても、この感染状況の落ち着きをみて、御旅行、行楽、御移動される方もいらっしゃるということはあると思いますが、この間のマイナスを少しでも取り戻すために、観光需要を喚起させる策というのは、私は必要だと思います。ただ、全国レベルの喚起策というものについては、もう少し感染状況をみる必要もあるだろうということから、国は年末年始をみてから、来年に再開を検討するということですので、本県としては、県民が県内を動いていただく「今こそ滋賀を旅しよう!」、そして、近々隣県と調整合意のうえ、少し広げることができるというようなことも考えられていますので、そういったものを積極的に活用して、全国のGo To トラベルが再開されるまでの繋ぎを、しっかりやっていきたいというふうに思います。
[日本経済新聞]
今、おっしゃった都道府県独自の「県民割」に関して、隣接県も対象に加えるということについて、滋賀県の場合、特に何かこれから仕掛けていくというようなことはお考えの中にあるでしょうか。
例えば、滋賀県の県民が隣接県に出かけていくだけでは、さっきおっしゃったような県内の観光業者の支援には直接結びつきません。隣の府県から滋賀県にお客さんに来てもらうための何か仕掛けというのはお考えでしょうか。
【知事】
仕掛けといいますか、今、お尋ねいただいた府県民対象の、県内域の御旅行割引というようなものを、少し近隣府県まで広げることができる。その際には、両府県の知事の合意といいますか、一方的にお客様が行かれる、来られるだけではなくて、相互に行き来ができるという合意のもと、広げていかれると理解をしています。そのことはもちろん滋賀県民が外に御旅行に行かれるということもあるでしょうけれど、琵琶湖をお預かりして、今であれば紅葉が綺麗で、サイクリングができて、というような他の府県にない観光・ツーリズムを楽しみに来られるチャンスになるのではないかと思っておりますので、そういう観点で滋賀県に来られるであろうエリアを中心に、働きかけや協議等していければというふうに思います。
[日本経済新聞]
県内企業の新規上場について伺います。昨年のオーケーエムに続いて、来月、湖北工業が、2年連続で県内の製造業の企業が東証2部に上場することについて、まずは受けとめをお願いします。
【知事】
もう既に報道等でも出ておりますけれども、県内に本社を持たれる湖北工業株式会社様。これは電子部品製造で大変強いお力をお持ちの企業様が、上場をされるということでございまして、私は、このことは率直に嬉しいことだし、心強いことだと思います。より広くそういった資金等を求められて、事業を力強く、幅広く展開されるということについては、今後も期待をしたいと思いますし、そのことで集まる人材とか、そのことで広げられる取引とか、そういうものもあるのではないかと思います。県内でこれまで11社、今回の湖北工業株式会社様を入れて12社。
[日本経済新聞]
去年のオーケーエムは確かに11社だったのですけれども、今年に1社が上場廃止になった会社がありまして、再び11社目と。湖北工業株式会社で、再び11社目ということになります。
【知事】
さすが日本経済新聞さんで、その上場を取り消されたという情報は、私どもに全て入っているわけではないのですけれど、辞められた方、再度上場された方はカウントしないとすれば、今まで上場された方々が11社、今回、湖北工業株式会社様が上場されれば12社目ということですので、そのことは大変喜ばしいことだと思います。
[時事通信]
先週末に政府のコロナの分科会が開かれまして、基本的対処方針が決まったのですけれども、ステージの考え方など、その辺りが示されたわけですが、それについて受けとめと、対応がありましたらお伺いしたいのですけどれも。
【知事】
特にありません。本県は、国からあらかじめ示されたレベル指標に基づいて、現在検討中です。
[時事通信]
あと、こども庁ですけれども、やや方向性がみえ辛くなっているというか、みえにくくなっているのですが、その辺りどのようにみていらっしゃるのか。
【知事】
ちょっとトーンダウンしたような、ペースダウンした感が報じられています。確認したいと思います。今週、東京にも参りますし、政府主催の全国知事会もありますし、野田大臣にも面会を申し入れています。次世代育成支援対策のPT長(プロジェクトリーダー)として確認したいと思います。
[時事通信]
記者会見がしばらくないということでお伺いさせていただきたいのですが、知事選挙のことですけれども、先だって就任8年目のときには、来年度の県政を説明する際には、態度を申し上げないといけないというような趣旨のお話をされていたように思うのですが、その辺りどういうふうにお考えなのか改めてお聞きかせください。
【知事】
まず、知事として、現在の知事として、1分、1時間、1日、ひと月、しっかりと過ごしていくと。着実に県民の皆様方とともに、県民の皆様方のための仕事を果たしていきたい。その一心でございます。ただ、任期は来年の7月までですので、そのときにどうするのか。その後にどうするのかということについても、当然、問われることもあるでしょうから、その際にどのように考えるべきなのかということについて、自分自身もしっかりと考えていきたい。多くの方々の御意見も聞きながら、考えていきたいというふうに思います。
当然、年明けには来年度の予算、組織の改編なども行っていく時期になりますので、その際に、私自身の任期を超えて、どのように過ごすのか、考えるのかというようなことについても問われるであろうということを想定して、そういう時期というものをみながら考えていきたいというふうに思います。
[時事通信]
先ほど言及のありました、Go To トラベルの隣接県のお話ですけれども、具体的に京都府でしょうか、奈良なのか、三重なのか、福井、岐阜になるのかわかりませんが、何か具体的に、どこと、いつまでに協議をしていこうとか、何かお考えはあるのでしょうか。
【知事】
早急に検討させます。まだ、今の時点で、何かここ、このように、というものがあるわけではありません。現在、検討しているところです。
[産経新聞]
県が情報提供を呼びかけております安土山図屏風に関してですが、知事御自身が各国の大使館などに協力を依頼するということで、御訪問されるというふうに伺っているのですけれども、そのスケジュールは今年度中のいつ頃になりそうでしょうか。
【知事】
ありがとうございます。まだ、現時点で、どこにいつ訪問させていただくというのが決まっているわけではありません。年度内には訪問すべく、現在、準備調整をしているところでございます。
[滋賀報知新聞]
彦根城世界遺産登録についてと、もう1つは近江牛ついて、別々に伺いたいと思うのですけれども。
まず、彦根城世界遺産登録につきまして、去る11月17日に湖北地域・湖東地域・東近江地域の経済団体、観光団体など23団体が集まって、「世界遺産でつながるまちづくりコンソーシアム」というのを設立されたということで、知事は以前この定例の会見で、こういった経済団体の方々の協議会が新しく発足されることに対して期待しているとコメントしていただいたのですけれども、改めて、具体的に今後どのような活動に期待を寄せられているのかと、県として、このコンソーシアムと今後連携を取っていくことについて、何かお考えがあれば教えてください。
【知事】
私もこの「世界遺産でつながるまちづくりコンソーシアム」が、彦根商工会議所が中心となられて、23の経済観光団体で11月17日に作られたという情報に接して、私はこの民間主導の、こういった団体が立ち上がったことは、大変喜ばしく、また心強いことだと思っています。
と言いますのも、この世界遺産登録というのは、そこがゴールではなく、そこからさらにどのように資源を活用して、町を発展させていくのかということに繋げていかなければならないことだと思いますので、そういった事々も、どのように周遊プランを作るのか、どのように教育プランを作るのかといったことの発展も期待できるのではないかと思います。やはり、県外から、世界からお客様を呼び込もう、もてなそうということからすると、その発信力も求められます。そういったことなど、ぜひこういったコンソーシアムと県とが連携して、やれればいいなというふうに思っております。
[滋賀報知新聞]
話題を変えて近江牛についてですけれども、今年が近江牛の振興発展に取り組んでこられた「近江肉牛協会」さんの創立70周年ということでして、知事は名誉会長をなさっておられるかと思うのですけれども、この70周年に関するコメントをいただけたらと思います。
【知事】
たくさんの団体の名誉会長になっていますけれども、県民の誇る、滋賀県が誇る近江牛の振興に取り組んでこられた、中心的に取り組んでこられた団体が、節目の喜寿の70周年を迎えられるということは、憧憬の念というか、大変うれしく思います。喜ばしいことだと思います。この節目を機に、コロナもあって、売れないといった課題もあるようでございますし、そういったものをどう乗り越えていくのか、一緒に力を合わせていきたいし、肉産地の競争も激化しており、こういったことに勝てるブランドなり内容を、皆さんと力を合わせてつくっていきたいというふうに思っております。
[京都新聞]
先ほど冒頭で、今月末でワクチン接種を希望者する方はほぼ接種が終える見通しであるというようなことをおっしゃっていたと思います。1、2回目のワクチン接種に係る県内の状況について、接種率や運営が上手くいったかどうかなど、御所見ありますでしょうか。
【知事】
最終、担当者等と情報を共有、確認したいと思うのですけれど、おかげさまで、この11月下旬までに接種対象者の8割を超えて接種していただくことができました。この結果をつくり出せたことについては、町民、市民、県民の皆様方の御理解、御協力、また中心的に御担当いただいた市町関係者の御尽力、また、県でも広域接種センター等で対応をしていただいた方々の御協力によるものと感謝したいと思います。
当初はいろいろ打とうと思ってもワクチンが来ないとか、なかなか予約が取れないというようなことがございましたが、そういったものも乗り越えながら、概ねこの間、今年度に入ってからのこの事業というのは、おかげさまでスムーズに進行できたのではないかと思いますが、この間にあった様々な課題等をしっかりと検証しながら、次の3回目の追加接種等に向かっていきたいというふうに思います。
[京都新聞]
県民の方もかなりの割合が接種されて、一方で打てない方ですとか、自らの意思で打たないという方もいらっしゃると思います。その辺り、ワクチン・検査パッケージですとか、一定ワクチン接種している人とかが活動しやすい状況になりつつあるのかなと思うのですけど、打たない方、打てない方の置かれている状況について、何か感じられるところはありますでしょうか。
【知事】
打てない方、打たない方への配慮ですとか、そういったことがしっかりと行われる。間違っても差別や偏見等が行われないという対策をしっかりと取っていきたいと思います。同時に、打った方が打っていない方と同じように、リスクコントロールされなければならないという状況もいかに脱していくのかということも合わせて考えていくということだと思いますので、そこは両にらみで丁寧にやっていけたらなというふうに思います。
[京都新聞]
最後に、3回目の接種について、現状で言える範囲でどのような対応を考えておられるでしょうか。県の大規模接種での対応ですとか、その辺りどうされるかというのは、ありますでしょうか。
【知事】
まず3回目の追加接種については、県内で、市町・医療機関を中心に、まず先行して打っていただくということと合わせて、そのためのワクチンを確保してしっかりと配分・供給するということと、少し国から来る情報がわかりづらくなっている面もあります。6か月なのか8か月なのか。ファイザーなのかモデルナなのか。このあたりを早期に確認・収集したうえでしっかりと県民の皆さんにお知らせ・お伝えするということだと思います。そういった市町、医療機関の接種を補完するための県の大規模接種センターについても、今年度中に準備をする必要があるだろうということで、来たる議会に予算の補正も一部お願いしながら、(大規模接種会場の接種開始から)8か月ですので、おそらく開設は来年度初ぐらいになるのではないかと思います。準備は今年度からしっかりと行えるようにしていきたいというふうに思います。
[中日新聞]
まだニュースが入ってきたばかりですが、比叡山の森川座主が亡くなられたということで、昼前の12時前くらいに出たばかりですが、知事との関わりや、思い出深いことがあればコメントいただきたいと思うのですが。
【知事】
そうですか、私存じ上げずにおりました。前の半田座主もそうですし、特に森川座主になられて以降も、それほど数多くお会いしたことはないのですけれども、お会いした折には、特に森川座主は、山の木に対する、森林に対する御造詣も大変深くいらっしゃいましたので、滋賀の山を頼むというようなことはよく私におっしゃっていただきました。「やまの健康」ですとか、植樹祭の取組ですとか、その際には、いつも座主からいただいたお言葉というのは、胸に持ちながら、対応をして参りました。そういったこともあって、全国知事会の記念植樹を比叡山にお願いするということもございました。
そういう意味で、多くの方が慕っていらっしゃる方だと思います。謹んでご冥福をお祈り申し上げたいというふうに思います。
[読売新聞]
今後の県政運営と令和4年度の予算編成等についてお伺いします。私事で恐縮ですけれど、人事異動なので、今回が定例会見で最後の質問となりますので、一歩踏み込んだ御回答を期待して質問させていただきます。
まず、予算編成ですが、今年度の令和3年度当初予算について知事は編成時、「未来を変えるみんなの一歩」というふうな予算とおっしゃったと思います。まだ年度途中ですが、今のところ、その思いは実現できそうでしょうか。
【知事】
未来を変える一歩を踏み出す1年にしようということでスタートした1年です。それが果たしてできているのか、できていないのか。できていることもあれば、まだまだというようなこともあるのかもしれません。また、コロナへの対応がやはり4波、5波が来たことで、随分予定どおりに事業が動かせなかったというようなこともあるのかもしれませんので、そのあたりはもう少し総括したうえで、次の予算編成につなげたいなと思うのですけれど。
[読売新聞]
今のところで積み残している、できていないなという課題は何かありますでしょうか。
【知事】
今、にわかにこの事業というので思い出せるものはないですけれど、観光などは十分ではなかったと思います。そういう取組が十分でなかったと思う一方で、やまの取組だとか、農業の取組、農業振興の取組等については、一定前進させることができたこともあるのではないかと思います。今年度の予算、事業に比べてどうなのかというのは、ちょっと今つまびらかでありません。
[読売新聞]
来年度の令和4年度予算編成についてどのような予算にしたいか、何を実現させたいか、今のところのお考えをお願いします。
【知事】
まずは、「健康しが」を標榜していますので、コロナでいろいろと揺らいでいますので、ポストコロナを展望しながら、この「健康しが」づくりをさらに進化させていく必要があるだろう。
人の健康、とりわけ「こころの健康」です。こういったところにはしっかりと力を入れていきたい。また、子ども・次世代に対して力を入れる予算をつくろうじゃないかということ。さらにはCO2の問題もございますので、自然の健康の面で、さらに皆で行動変容するための一歩を踏み出せる事業をつくろうじゃないかということを申し上げています。
また、ひとづくりの面で、例えば、物を作る人材、食べる物を作る人材等、福祉・命を守る人材。こういったひとづくり・人材育成の面で、次なる一歩をうっていく。また、今、進みだした一歩を進めていくという事業などを行っていきたいと考えているところです。
[読売新聞]
ひとづくりは、これから令和4年度以降にかけて取り組んでいきたいところということでしょうか。
【知事】
1年だけではなかなかできませんので、一歩を踏み出していく。また、踏み出し始めた一歩を進めていくということが必要ではないかと思います。
[読売新聞]
それを御自身の手で担っていくかどうかという話になってくるのですが、来年の2月までには態度表明せよと自民党さんもおっしゃっていたと思うのですけれども、その辺のお考えはいかがでしょうか。
【知事】
県政は知事だけが進めるものではありませんので、皆で進めていくということだと思います。
[読売新聞]
私、2019年6月に着任しまして2年半あまりここでお世話になりました。これまでいろいろ質問してきたなと自負はしているのですけれど、今になって心残りが1つだけなのですが、3期目を目指されるかどうかお考えは。
【知事】
今、与えていただいている2期目のこの知事の任期をしっかりと全うするということが第一です。
[読売新聞]
もう一声。
【知事】
矢野さんには大変お世話になりました。いつも鋭くえぐるような質問をいただきましたので、私のみならず、職員もハラハラ、ドキドキだったと思います。でも根底に矜持を保ちつつ、県政とか県に対する愛情を持って、いろいろなことをえぐっていただいている、聞いていただいている、というのはよくわかりましたので、そういうことはとても私も敬服しています。そういう滋賀県政をつくっていきたいと思います。その滋賀県政づくりは、まだまだ道半ばのところもあるなと思うので、任期中しっかりと役割を果たしていきたいと思います。
[時事通信]
別の選挙の話ですけど、立憲民主党の代表選挙についてはどういうふうに見ていらっしゃるのかお伺いしたいのですけれども。
【知事】
今、立候補している4人は、同僚、同士でしたし、今も繋がっているメンバーもたくさんいますけれども、誰がやっても大変な野党第1党の代表を、よくぞ勇躍果敢に我こそが担うと手を上げたと思って、私は敬意を表しています。
こうやって出たからには、こういう機会が得られたからには、大いに将来ビジョン、夢を語り、また、政策論争して1つの方向性を見出して、みんなが結束する代表選挙になればいいのではないかと思います。
[時事通信]
どなたが相応しいとか。
【知事】
皆、相応しいと思います。
[京都新聞]
先ほど、知事のお話の中で、コロナ病床の補償について60億円ぐらい県が持ち出す可能性があるとおっしゃったと思うのですが、どういう状況なのか具体的に教えてもらえますか。
【知事】
新型コロナの患者に対応していただくために、それぞれの医療機関に病床を空けていただいています。使われていない「休床」も、しっかりとその分の補償をさせていただいているということでございまして、それらを私どもは医療機関には9月末までの実績ベースで支払いたいと考えています。この財源が75億円不足しています。先週、国で示された緊急包括支援交付金。こちらで一定措置されたのですが、こちらでは15億円しか措置できませんでしたので、60億円が不足をしているということでございます。
我々は9月末ベースでお支払いしたいですけれども、国では少しそれよりも前の実績ベースでしか下りてきてないということではないかと聞いていますが、いずれにしろ、国のそういった措置が遅い、一定確認のために時間はかかるのかもしれませんけれども、その分、持ち出しで県がキャッシュを支出しなければならないという状況にあるので、できるだけ早く欲しいということです。
[京都新聞]
それに対して、県としては国に対して早く出すようにアクションを起こされたのですか。
【知事】
昨日の全国知事会ウェブ会議でも、そのことを3項目の1つに入れて、お願いをいたしました。今、まとめられた経済対策等でも一定そういったものも入っているのかもしれませんが、これから年末年度末迎えてきますので、できるだけ早く、そういった見通しをしっかりと立てたうえで、次の波にも対応しなければなりません。我々は、現場に対しては御不便かけないように、しっかりとそういった措置、財源的にもしますが、ずっとその状態が続けば、その次、その次というのがなかなか難しくなってきます。キャッシュの用意も含めて。そういったことはできるだけ国からもしっかりと交付していただくように、引き続き、求め続けていきたいというふうに思います。
[京都新聞]
国からその不足分がいつ支払われるというめど、通達はあるのですか。
【知事】
今、まだ聞いてないです。早く聞けるように言い続けたいと思います。