令和3年11月16日
(県政記者クラブ主催)
【知事】
今日もよろしくお願いいたします。
先週、出すのを忘れていましたので、今月の一句ということで、
(俳句)シガリズム 冬三日月の 楽譜かな
「冬三日月」というのが冬の季語だそうでございます。いろいろな意味を込めて書きました。
琵琶湖の水位でございますが、直近でマイナス63cmと、1週間前のマイナス59cmからさらに下がってきていまして、引き続き、低下傾向にございます。マイナス65cmになりますと「水位低下連絡調整会議」を設置することとしておりますので、近日中にそういった事態が想定されますので、遅滞なく取り扱うよう土木交通部長に指示をいたしました。近日中に雨が降るような予報等もございませんので、なお下がることも想定されます。関係機関とも連携を密にいたします。
COP26(第26回気候変動枠組条約締結国会議)と世界湖沼会議終わりました。先週末、英国のグラスゴーで開催されたCOP26では気温上昇を1.5℃に抑える努力を追求すること。また、各国の2030年の排出削減目標を来年末までに再検討し、強化するよう求めることなどについて、「グラスゴー気候合意」として採択されたということでございます。例えば、今も米中首脳会談をオンラインでされていますが、気候変動に対する両大国の協力関係が構築されるなど、一定の成果があったということですし、世界全体でCO2ネットゼロに向けた取組が推進されることに期待もし、また、ともに頑張っていきたいと思っております。
また、もう1つはメキシコ・グアナファトで開催された第18回世界湖沼会議。こちらも私も富田議長ともども、ビデオメッセージで参加させていただきました。会議の成果は、水分野での湖沼の主流化ですとか、気候変動などの世界的問題への湖沼分野からのアプローチを推進することなどを提言する「グアナファト宣言」、まだ草案の段階だと聞いておりますが、こちらに結実をしたということでございます。高校生や大学生などの若者の参画もあったようですので、しっかりと今後につなげていきたいと考えております。
なお、コロナの状況は、おかげさまで現在も落ち着いた状況にございますが、次の波に対する備えをしっかりと行いたいと思います。また、国から示されているレベル、基準の変更ですとか、また、さらなる医療検査体制、ワクチン接種につきまして、情報を精査・確認のうえ、準備をして参りたいと思います。また、関連いたしまして、(モニターの)スライドにも出ておりますが、明日11月17日から草津市の淡海医療センター内に入院待機施設「滋賀県安心ケアステーション」を開設いたします。ぜひ、ご取材等いただければと存じます。
それでは資料に基づきまして、今日は3点を御紹介いたします。
まず1点目は、今もCOP26の話題を申し上げましたけれども、本県では2050年のCO2ネットゼロ社会の実現に向けて「しがCO2ネットゼロムーブメント」を推進しているところでございます。(前方モニターのスライド内の)皆様方から向かって左上のロゴマークにつきましても、学生さんに作っていただき、大変好評であると聞いております。その取組の一環といたしまして、今年度、CO2ネットゼロ社会づくりに関する県内の優れた取組を行われた個人、事業者、団体の功績をたたえようと、また、好事例として広く紹介しようということで、表彰制度を創設したところでございます。
3部門において受賞者を決定いたしました。1つ目の「先進導入・実践部門」では、アストラゼネカ株式会社 米原工場様と甲陸ロジスティクス株式会社の取組でございます。具体的な取組をスライドに示して簡単に御紹介をさせていただいております。また「製品・サービス部門」は、川重冷熱工業株式会社 滋賀工場の水素ボイラ、また、HIJ株式会社様の木材乾燥庫。「地域づくり部門」では、近江八幡市桐原学区協働まちづくり協議会の取組を表彰させていただきます。詳細はお手元の資料、ならびに県庁内渡り廊下2階のギャラリーにも展示をしているということでございます。表彰式は12月11日の土曜日に開催いたします「しがCO2ネットゼロシンポジウム」内で行う予定です。
2点目でございますが、プレミアム付きデジタル商品券による小売・サービス事業者応援事業についてでございます。コロナ禍で影響を大変深く受けていらっしゃる事業者を支援しようということで、県独自の取組といたしまして、補正予算をお認めいただき、県内の小売・サービス・飲食業のお店で利用できるデジタル商品券事業を始めます。デジタル商品券の名称は、「湖国のお店応援!ここクーポン」ということで、ぜひ覚えていただき、親しみをもって、読んでいただければ幸いでございます。県庁の女性職員有志がみんなで考えてくれたということでございます。
この「ここクーポン」の利用期間は令和4年1月8日から2月28日まででございまして、発行総額は最大で19.5億円ということでございます。5,000円を買っていただいて7,500円分、1万円をお買い求めいただき、1万5,000円分使えるプレミアム率50%の「ここクーポン」として販売をいたします。ぜひ、ワンランク上のお買い物ですとか、ついでに買おうということですとか、こういったことにつなげていきたいということで、1回あたり1,500円以上の支払いを対象としています。ぜひ、県内のお店を一緒に応援する取組につなげていきたいと思います。
県民の皆様に対しましては、12月上旬から「ここクーポン」購入希望について受付を開始いたしまして、12月下旬に抽選により、購入者を決定する予定です。本日から参加店の第1次募集を開始いたします。12月17日の金曜日までにお申し込みいただきますと、先ほど申し上げた1月8日スタートから御参加いただけるようになります。いろいろとシステムの関係もあるようでございますので、ぜひ、早期にお申し込みをいただきたいと存じます。各店舗の御参加にあたりまして、新たな機器等を購入ですとか、導入いただく必要はございません。
また、商品券の集計ですとか、換金作業も不要です。事業者の皆様が簡単に御参加いただけるものとなっております。報道機関の皆様方にも参加店舗の募集開始に関する周知に対し、お力添えいただければ幸いでございます。
それでは最後でございますが、介護の仕事の魅力発信事業として、今年度から「しがけあ」プロジェクトをスタートさせます。そのお知らせでございます。介護現場の人材不足につきましては、皆様、御存じのとおりでございますが、その要因といたしまして、介護の仕事に対してネガティブなイメージが先行しがちであるということ。また、仕事の内容を漠然と理解しているのですが、具体的なイメージがわかないなど、とりわけ、若い方々に介護の仕事の魅力が十分に伝わっていないことがあるのではないかと考えております。こうしたことから、県では一昨年度の令和元年度に「滋賀県介護の魅力等発信部会」を立ち上げ、介護業界の皆さんとともに、介護の仕事の魅力をアピールし、イメージアップを図っていこうということで様々な検討を行って参りまして、今般「しがけあ」プロジェクトとして具体的な取組を進めることといたしました。
今回のターゲットは主に若者でございますが、若者だけでなく、滋賀県民全体が介護について考えるきっかけをつくり出したいと思います。また、介護を他人事ではなく、我が事として身近に感じてもらうことで、介護業界で働くことのイメージアップにつなげていきたいと思います。
初年度の取組は大きく2つです。スライドに表示しております。1つ目は、様々な目線から介護の現場を取材し、介護の仕事や介護職員の今のリアルな姿を特設WEBサイトで発信をしていくと。2つ目は、県民の皆さんが介護事業者や専門職団体の皆さんと直接コミュニケーションを取っていただくことを通じまして、介護の仕事の魅力を発信するイベント、こちらを2月6日にイオンモール草津で開催するということでございます。
今後とも県と県内の介護関係者がタッグを組んで、多くの若者や県民の皆様に「しがけあ」プロジェクトへの参画や協力を呼びかけながら、介護の仕事に対するイメージアップ、介護人材の確保に資する取組を展開していきたいと思います。今日は「滋賀県介護の魅力等発信部会」の中から代表していただき、山岡 健一(やまおか けんいち)部会長にお越しいただいておりますので、寄せる思いなどをお聞かせいただければと思います。
[滋賀県介護の魅力等発信部会 山岡部会長]
皆さん、こんにちは。本プロジェクトの部会長を務めております山岡と申します。これまで、こういった介護の仕事を皆さんに知っていただく取組というのは、各介護団体、福祉団体がそれぞれ何年も前から一生懸命行って参りましたが、今回は、滋賀県内の介護福祉系の主だった6団体、略称で言いますけれども、「滋老協(滋賀県老人福祉施設協議会)」「老健協(滋賀県介護老人保健施設協会)」「介サ連(滋賀県介護サービス事業者協議会連合会)「介護福祉士会(滋賀県介護福祉士会)」「社会福祉士会(滋賀県社会福祉士会)」「ケアマネ協(滋賀県介護支援専門員連絡協議会)」、この主だった6団体が1つになって滋賀県さんと企画から運営まで一緒にプロジェクトを進めていくという大きな事業でございます。この各団体が手を組んで一緒に、この介護の魅力を県民の皆様に発信していくというのは、本当にこれまでなかった取組で新しい事業となっておりますので、引き続き、現場の声をたくさんの魅力を県民の皆さんにたくさん届けていきたいと思いますので、どうぞよろしくお願いいたします。
【知事】
ありがとうございました。私も(しが介護の職場合同)入職式へ激励等に行かせていただくのですが、人と人とがぬくもりを伝え合って仕事をするということの喜びですとか、このコロナ禍においても、いろいろと御苦労いただいているのですけど「ありがとう」と言ってもらえる、直接言ってもらえる。そういうことにものすごく自分の存在価値を見出しているというようなお話を聞いております。リアルな現場取材等も行われ、発信されるようですので、ぜひ、皆様方も御注目して御覧いただければと存じます。私からは以上でございます。
[中日新聞]
3回目のワクチン接種ですけれども、県として、今、どのような準備をされていて、国では12月から医療従事者を始めるという話もあったのですが、改めて具体的なスケジュールを今の段階でわかっていることを教えていただきたいです。
【知事】
まず、昨日の国の審議会で、接種対象者は2回目の接種完了から概ね8か月以上経過した18才以上の人ということですし、接種間隔として初回接種から6か月以上の間隔をおいて、標準的には8か月以上の間隔をおいて1回接種することとされたということで、接種の開始時期(追加接種の開始時期)は今年の12月を予定されているということでございますが、また、昨年度末に優先接種をされた医療従事者等から順次接種が実施される予定と聞いております。そういう情報を受けて市町でも、そういう体制が取れるように準備をいただいているのですが、まだ、そのワクチンの具体的な配分見通しなどが示されていないということですので、今申し上げたような情報を元に準備をしつつ、今後、具体・詳細な情報が入り次第、そういったことに対応できる体制をつくっていきたいと思います。
[中日新聞]
厚生労働省の専門会議でも、ワクチン接種の2回目から3回目の間隔を6か月に自体体の判断で早めるという話が今日の朝刊等に載っているのですが、その辺りは、どのようにお考えでしょうか。
【知事】
そういう情報が飛び交うのですが、その情報なり、その方針が可能になるように、ワクチンをいつ何箱届けるというようなことなどがまだ具体に示されておりません。そういう情報は一応、念頭に置いています。ただ、具体・詳細を詰めたうえで体制を作っていきたいと思います。
[中日新聞]
ワクチン・検査パッケージについてお伺いしたいのですが、昨日、びわ湖大津プリンスホテルで始まったかと思うのですが、知事としてどのように活用していきたいとお考えでしょうか。
【知事】
まず、ワクチン・検査パッケージの技術検証は、私どもも積極的に進めていきたいと考えておりましたし、そういった趣旨・方針等に御賛同のうえ、準備が進み、昨日から県内のホテル様で始まったということは歓迎したいと思います。そこでわかったことなどを踏まえて、当然、国でも最終、次の「波」の対策等が議論されるでしょうから、そういう情報等がしっかりと生かされるように県としても努めていきたいと思います。また、今後、お店や、プロのバスケットボールの試合で行われることなども予定されているようでございますので、そういった動向等もあわせて確認をしていきたいと思います。
[中日新聞]
健康上の理由等でワクチンを打てなかったり、陰性証明の自費発行とかは大変だったりするという声もあるのですが、そういうことを知事としてどのようにお考えですか。
【知事】
おっしゃるとおり、ワクチンを打てない方、打たれない方、そういった方もいらっしゃいます。そういった方々に対しては、ワクチンの接種履歴だけではなくて、陰性・陽性の確認をさせていただくなど、補完措置・代替措置等で技術実証が行われると聞いておりますので、ワクチン接種だけが条件ではないと、また、条件にすべきではないのではないかと思います。そういったことにも十分配慮して行っていきたいと思います。
[日本経済新聞]
知事からのお話もありましたが、COP26について、また伺いたいと思います。先ほど、世界全体の取組の進展に期待というお話でした。ただ、今回の合意内容に関しては様々な評価があります。特に、日本に関係するところで、石炭火力発電所の部分が、段階的な削減に表現が弱められたということもあります。合意内容について、知事御自身はどのように評価されているのでしょうか。
【知事】
十分、不十分、高い、低いということよりも、CO2削減に向かって、例えば、その具体の取組として、下げる温度の努力・方向性が合意されたこととか、1つとして石炭火力の削減、こういったことが合意されたこの1歩は、大変重要な1歩だと思います。その意味で歓迎したいし、期待もしたい。かつ、我々としてはそういう具体、世界レベルの合意形成を力として、いろいろな事業者が、また、多くの県民の皆様ができるだけ多く御参加いただく形で、このムーブメントをつくっていくということに取り組んでいきたいと考えております。
[日本経済新聞]
CO2ネットゼロというのは、御存じのように世界規模で取り組むべき壮大なプロジェクトだと思うのですが、そうした中で、都道府県ができることというのは、どういうことでしょうか。またその中で、滋賀県が果たすべき役割についてどのようにお考えでしょうか。
【知事】
おっしゃる通りで、地球レベル、人類規模、世界的な枠組・合意、こういう壮大な取組だと思います。同時に琵琶湖をお預かりする滋賀県としては、地球環境を映し出す窓、私たちの生活を映す鏡、この琵琶湖の異変から発せられる情報をしっかりと全国に、世界に届けながら行動変容を促していくということがあるでしょう。やはり、環境教育含め、次世代、子ども・若者と一緒に、この取組が進められるように「うみのこ」を始めとする、それぞれの地域での環境学習とさらに充実させていくということが重要だと思います。
滋賀県内には日本を代表するグローバル企業もたくさん立地しています。それぞれの事業者がCO2をできるだけ出さないように、出してもネットで相殺できるように取組を進められておりますので、そういった取組を応援すると同時に、水平展開・横展開していく。また、個社の取組にとどまらせず、連携した取組につなげていければというふうに思います。
また、最後に、消費者としてできることというのがあると思います。これはやはり石けん運動をはじめとして、こういった環境の異変に気づく消費者が「買うものを考えよう」とか「自分の行動を変えよう」とかいったことは伝統的にも私たち滋賀県民は非常に敏感であり、俊敏でもございますので、こういったことで、様々な取組をリードする存在になっていければというふうに思っております。
[読売新聞]
琵琶湖の水位の話ですけれど、改めてですが、マイナス60cm代は14年ぶりの低水準だということなのですが、現状の受けとめと、危機感含めどのように捉えていらっしゃるかお願いします。
【知事】
毎日、私も琵琶湖を眺めるのですけれど、確実に小さくなっていっている印象を持ちます。そういう意味で、これからあまり多くの降雨が期待できない、雪解けにもまだ早いこの時期に、この水位低下ということですので少し心配しています。どのレベルにまで行くのか、また、さらにどういう影響が出てくるのか。こういったこともよく注視していきたいし、こういう状況をやはり多くの皆様方に知っていただいて、できることから取り組んでいこうという取組につなげていく必要があるのではないかと考えています。
[読売新聞]
今後、懸念される悪影響は、どういったことが考えられるとみておられますか。
【知事】
まずは、大切な水資源が必要なときに、必要なだけ使えるかどうか。これがまず一番だと思います。そして、水位が下がり、普段は水の中にある部分が、水の外に出てくることによる生態系に対する影響、また、水質に与える影響などがあるとすれば、そういったものをどうみるのかというようなこともあるのかもしれません。それほど、私もこの事態を何度も経験しているわけではありませんので、専門家などからいただく情報などもよく踏まえて、今後の対応に臨んで参りたいと思います。
[読売新聞]
あと2cmで連絡調整会議、あと12cmで渇水対策本部ということで、早晩そういうふうになる恐れも高まっているわけですが、そうなった場合、直近だと20年弱前くらいに取水制限が行われているのですが、そういった下流府県を含めた取水制限の呼びかけについてのお考えはどうでしょうか。
【知事】
当然、それぞれ定められた水位、それに基づく対応というのは、しっかり取っていきたいと思います。必要であればそういった取水制限ですとか、節水の呼びかけといったこともやっていかなければならないと思います。
[読売新聞]
下流府県も含めてということですね。
【知事】
そうです。琵琶湖の水を使われている方、そのために琵琶湖の洗堰で流すことの操作をされている国ともよく連携したうえで、下流府県にもそういった状態は伝えていきたいと思います。
[読売新聞]
新型コロナですけれど、先週の金曜日に政府が第6波に向けた総合対策というのを決定なさって、幾つか挙げると、入院病床を第5波と比べて3割増やしましょうということ、あと自宅療養者がすごく増えたことに対応して、陽性になった当日ないしは翌日には必ずファーストコンタクトをとれる体制を整えましょうというところが軸かなと思っています。今、申し上げた2点に対して、県として必要となってくるのが人材確保かと思うのですけれども、どのような取組をしているのか、それについて課題は何か。ありましたら、お聞かせください。
【知事】
まず、病床の確保については、基本的にはこの間、10月以降この11月にかけて各都道府県と調整した結果として示されているのではないかと思いますので、本県も、十分にそういった趣旨に対応できるのではないかと思います。
また、ファーストコンタクトの問題も、本県でもこの第5波までにおいて、かなり早い段階でファーストコンタクトが取れていたと思いますので、今後、さらに感染が拡大した場合においても、そういった対応が貫徹できるように確認していきたいと思います。
[読売新聞]
病床の方で、先ほど臨時の医療施設をつくりますというお話もございました。あれは協力してくれる病院の人材がいらっしゃると思うのですが、そのようなことをするにあたって看護師さん等の人材が必要になってくると思いますが、その確保という面での現状と課題はございますか。
【知事】
基本的には臨時の医療施設をつくっていただく医療施設において、人材を確保していただくということになると思いますが、それ以外の医療施設等においても、急速に患者が増えた場合、また、前回の波以上に患者が増えた場合には、臨時の人材等が必要になるということでございますので、そういった場合には、サポートナースの取組も含めて機動的に対応していきたいと思います。
[京都新聞]
琵琶湖の水位の問題については、次のフェーズがマイナス65cmということなのですが、見立てとしては今週内にも庁内の会議を設置するというような方向にあるという見立てを持っておられるという感じでしょうか。
【知事】
マイナス65cmになったら設置します。この波(モニターに示したグラフ)を見ていれば下がり続けています。私はあと1cm、2cmであれば、もう開こうかと言ったのですが、マイナス65cmになったら開きますということでしたので、ではそうしようということにしています。
ただ、5地点の平均です。風などで水位も揺れているみたいなので誤差は出るようですが、いずれにしろ近いと思います。
[京都新聞]
その会議でもって何か打ち出すとすれば、どのようなタイミングで、知事としては県民に対しての打ち出しを考えていらっしゃいますでしょうか。
【知事】
まずは連絡調整ですので、先ほどもお尋ねのあったような、どういう影響が今後に出てき得るのか、またこれ以上の水位低下に至った場合にどのような対応が想定されるのか。こういったことなどをまずは県内もしくは庁内でしっかりと確認をするということが主になると思います。
ただ、当然、今からそれほど大きな雨が、降雨がでてきませんので、雪解けにもしばらく時間がかかりますので、やはりこれ以下の、マイナス75cmになることも十分想定しなければいけないのではないかと私は思っています。したがって、早めの対策が取れるように、関係部局と連携を強化したいと思います。
[京都新聞]
県民に対しての、取水制限まではいかずとも、節水を呼びかけていくというようなことも、当然、視野に入ってくるかと思うのですが、知事としては大体どれぐらいのタイミングで節水の呼びかけというのをしていこうというようなお考えにあられますでしょうか。
【知事】
必要なタイミングでかけていきたいと思います。そういう意味でマイナス75cmというのは、1つのメルクマール(指標)になってくるのだと思います。
[京都新聞]
コロナのことですけれども、先ほど読売新聞社が2点対応を挙げて問われておられたのですが、もう1点、今回の第6波の総合対策の中で、それぞれの病院がどれぐらいコロナ病床を動かしているかという見える化を図っていくという方針も示されています。県内でコロナ対応をしている病院について、各病院の病床がどのように稼動しているかということを可視化するということは、病院の名前を公開して、どれぐらい動かしているかということを県民に見せていくということになるかと思うのですが、そうしたことを、どのような形で、いつぐらいから実施していこうとお考えなのか。あるいは、しないでおこうという御意見なのか、どのような立ち位置なのか教えていただきたいと思います。
【知事】
本県ではコントロールセンターによる調整によって、それぞれの病院がしっかりと対応いただいていると思っています。そういった見える化については、その必要性、その方法を含めて検討していきたいと思います。まだ、現時点でどのようなことというのは持ち合わせておりません。
[NHK]
先ほどの政策協議会の中で知事は、国のレベル見直しについて、滋賀県の基準についても、今、御検討を進めていらっしゃって、早ければ来週中にもということをおっしゃられましたが、そのあたりについて詳しくお願いします。
【知事】
国から新たなレベルという表現で、指標の見直しなどが提示されております。本県の今持っているステージ、ならびにその指標に照らして、どのようなことを変えていくべきなのか、変えなくてよいのか、その精査を行っているところでございます。できるだけ早く、遅くとも月内に、早ければ来週にも本部員会議を開いたうえで、決定していきたいと思います。
[NHK]
その際にどのようなところがポイントになるのでしょうか。
【知事】
新規陽性だけではなくて、病床がどの程度使われているのか、使われていないのか。また、どれぐらいの方が重症になっていらっしゃるのか。そういったことなどはポイントになってくるのではないかと思いますが、具体を検討中でございます。
[朝日新聞]
琵琶湖の水位についてですけれど、1994年の渇水のときの記事を読み直していたのですけれど、そのときに滋賀県は、下流域への取水制限強化を国に求めたり、あるいは下流への放流制限なども要請を検討していたりというような記事が出てきまして、上流と下流とのせめぎ合いがあったような感じです。下流に対して、今の段階からこういう要請を検討されていますでしょうか。
【知事】
今の時点で、具体に、どうなった場合に何を言うというところまで、今ここで皆様にお伝えできるレベルで検討しているわけではありません。当然、過去において、当時はマイナス90cmを下回った段階で、国や関係府県、関係機関等に取水制限が申し合わされたというようなことを聞いております。当時は、最終的にはマイナス123cmまで下がりましたけれども。こういったことが起こった場合にどういう対応を取っていかなければいけないのかということについても、これは当然、想定はしておきたいというふうに思います。
[時事通信]
水位の関係の確認で恐縮なのですが、節水の呼びかけはマイナス75cmということですが、取水制限についてもマイナス75cmということで理解してよろしいでしょうか。
【知事】
取水制限はマイナス90cmで、10%の取水制限です。本県は5%です。
[時事通信]
あと、COP26の関係ですけれども、新たなエネルギー源として、水素やアンモニアの活用について、何か御所見がありましたらお伺いしたいのですけども。
【知事】
当然、CO2削減、CO2ネットゼロをエネルギー面で担保していくために、水素やアンモニアというのは重要なツール、資源、可能性だと思います。ただ、一口に水素と言っても、ブルーなのかグレーなのかという、この水素が何によって生み出されるのかということまで遡った取組等も求められていると承知をしております。やはり、石炭火力のこともそうですけれど、このエネルギーの由来にもしっかりと目を向けた対策というものが必要なのだと思います。条例や計画にできる限り書けるところまでを書いて、長期にわたる取組ですので、まず始めて、そして必要に応じてリバイスしていくという取組を行っていく必要があるのではないかと思います。
[関西テレビ]
琵琶湖の水位ですけれども、やはり琵琶湖の水というのは、大阪府も兵庫県も京都府も関係のある話かと思って皆さん心配していると思うのですが、やはり天候を待つしかないというか、影響を受けている人たちが、何かこうしていただきたいといった知事からの呼びかけというのは、今の時点であるのでしょうか。
【知事】
まずは、今、私たちが使わせていただいている、多くの方に使っていただいている水を大切に使っていただく。琵琶湖由来の水を、不必要な流し方をされずに大切に使っていただくということが、まず第1だと思います。
それと同時に、確かに降雨・降雪は、天候によるところ、天によるところが大ですので、私どもではいかんともしがたいことがあると思うのですけれど、やはり使うというその意識を少し変える。そのためにも我々はこういった過去にないレベルの水位低下が起こっていますという、この情報発信をしっかりやっていきたいと考えています。
[関西テレビ]
14年ぶりの低水準ということですが、冗談でよく言われるのですけれど「琵琶湖の水を止めるぞ」という冗談も、もしかしたら現実になるような事態まで知事は危惧されているのでしょうか。
【知事】
この水資源は、滋賀県民だけのものではありませんので、国民、また、多くの府県民の皆様方の生命のためのものでもありますので、そういったことを軽々に言うつもりはありませんが、この時期のこの低下というのは、大きな降雨ですとか、また降雪の時期ともずれますので、どこまで下がるのかという不安はあります。絶えずこういう情報を、やはり使っていただいている流域の皆さんとしっかりと共有をして、皆の意識や行動を変えていく努力を行っていきたいと思います。