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知事定例記者会見(2021年11月9日)

令和3年11月9日
(県政記者クラブ主催)

【知事】

おはようございます。今日もよろしくお願いいたします。

本日、6時時点の琵琶湖の水位がマイナス59cmということでございます。昨夜からの雨で少し回復したのではないかと思っておりますが、平成4年から令和2年までの平均値がマイナス35cmということでそれに比べますと24cmも低い状況にございます。このまま水位が下がり続け、マイナス75cmに達しますと、滋賀県渇水対策本部を設置することとなります。

県民の皆様にも節水の呼びかけ等をお願いする場面もあろうかと思いますが、その際は御協力をいただきたいと存じます。今後とも、関係機関との連携を密にしながら、情報共有に努めて参りたい。また、水位の状況を注視して参りたいと存じます。

もう1つのお話は、今日11月9日から明後日の11月11日まで、メキシコ最大の湖なるチャパラ湖がございますグアナファトにおきまして、オンラインによる第18回世界湖沼会議が開催されるということでございます。

この世界湖沼会議は今から37年前の1984年に滋賀県の提唱により科学者、行政、市民などの枠を超えて話し合うという理念のもと、大津市で第1回会議が開催されました。当時の皇太子殿下御夫妻、今の上皇・上皇后陛下御臨席のもと、開会式では、国連環境計画(UNEP)のトルバ事務局長が湖沼保全に国際的にかつ永続的に取り組むというその必要性を提唱されて以来、世界10カ国で17回開催されて参りました。第18回となります今回におきましても世界50か国から850人が参加され、よりよい社会に向けた湖沼のガバナンス、回復力、持続可能性というテーマで様々な議論が行われる予定でございます。

去る11月7日には、既に報道でも紹介していただいておりますが、高校生会議で彦根東高校と守山高校の生徒が世界に向けて、滋賀県の琵琶湖保全の取組を発信してくれました。私も本日の深夜に開催されます開会式にビデオメッセージで参加いたしまして、気候変動による湖沼環境への影響の懸念や琵琶湖版SDGsであるマザーレイクゴールズ(MLGs)の取組等を発信する予定でございます。今回の世界湖沼会議において活発な議論が行われ、世界の湖沼保全と水問題の解決に向けて、確かな一歩となることを期待しているところでございます。

それでは資料に基づきまして、今日は私からは(県内市町の取組を紹介する)「イチオシ」を含めて2点を御紹介させていただきます。

まず1つは「令和3年度女性の起業家交流会」の開催についてということでございます。カラーのチラシが(お手元に)あると思います。

11月27日の土曜日、近江八幡市にあります県立男女共同参画センターにおきまして、「チャレンジは国境を越えて」をテーマに、女性の起業家交流会を開催いたします。この交流会は起業(業を起こす)という形で活躍する女性の繋がりをつくる場、そして、また起業について関心を持っていただく場として開催するものでございまして、女性起業家や県内で起業を考えておられる方、起業に関心のある方を中心にどなたでも御参加いただけます。

基調講演では、イスラエルとの軍事的緊張が続くパレスチナ自治区ガザの女性たちを、パレスチナ伝統の刺繍製品を仕入れることにより支援しておられるパレスチナ・アマル代表の北村 記世実(きたむら きよみ)さんに「刺繍で繋げる希望と未来」と題しまして、起業(業を起こすこと)と、国際的な社会貢献活動との繋がりを、御自身のこれまでの活動をもとにお話いただく予定でございます。また、パネルディスカッションでは、パレスチナ・アマルの北村さんも交えて4名の滋賀の企業家の女性にも御登壇いただき、国境を越えたチャレンジや壁にぶつかった経験、今後のチャレンジなどについてもお聞かせいただきます。私も参加する予定です。

先輩起業家の経験や思いを聞き、御自身の事業を作ること、また、事業を進める力としていただければと存じます。交流の場も用意しているということでございます。ぜひ、いろいろな繋がりをつくって、刺激を得ていただければと存じます。当日はパレスチナ刺繍品の展示のほか、何点かチャレンジショップも出展される。無料で託児も御利用いただけるということでございますので、ぜひお気軽に出会いを求めて、センターにお出かけいただければと存じます。

もう1つは、今月の「イチオシ」ということで、地域におけるCO2ネットゼロの取組を御紹介させていただきます。今月の「イチオシ」はSDGs未来都市でもあります湖南市で行われております「こなんソーラーシェアリングによる農福連携プロジェクト」でございます。

湖南市では、平成28年5月に市および湖南市商工会等、8者の皆様が地域新電力事業を行う「こなんウルトラパワー株式会社」を設立され、市公共施設や市内企業等に電力の供給や市内中学校体育館へのLED照明化等の省エネルギーサービス事業、PPAモデルによる太陽光発電設備等再エネ設備設置事業を展開していらっしゃいます。こなんウルトラパワー株式会社様は、平成31年度に県の補助事業「滋賀県エネルギー活用型地域活性化プロジェクト支援事業」を活用されて、設置した太陽光発電設備のもとで、福祉事業者等で組織されます「こなんイモ・夢づくり協議会」など福祉事業者等が土地を活用し、農福連携によるサツマイモ植え付けや6次産業化に取り組んでいらっしゃいます。このプロジェクトによりまして、新たなエネルギーの創出と持続可能な農福連携の取り組みによる障害者等の社会参画が可能になるという、こういうモデルをお作りいただいているところです。

本日は、湖南市から2名のゲストにお越しいただきました。湖南市環境政策課地域エネルギー室 主任主事の寺村 憲人(てらむら のりひと)さんと「こなんイモ・夢づくり協議会」会長の溝口 広(みぞぐち ひろし)さんでございます。それでは、せっかくの機会ですので、プロジェクトにかける思いや内容についてPRをいただけますでしょうか。

[こなんイモ・夢づくり協議会 溝口会長]

紹介いただきました溝口です。よろしくお願いします。

紹介がありましたソーラーシェアリングのもとで、サツマイモの空中栽培を行っています。廃棄予定だった農家さんの肥料袋を活用して、その中に同じく廃棄予定だった道路等の刈り草や選定の枝葉からできた腐葉土を入れまして、それにイモの苗を差し、さらに、これも廃棄予定だった住宅用の木材で作った2~3段の棚の上に(苗が入った)袋を並べて、サツマイモを栽培しています。空中栽培というのは、上に並べていくという意味で空中栽培という名前が付けられています。下に土がなくても、アスファルトの上でも栽培できますし、もちろん、ソーラーパネルの下でも栽培ができるというところでございます。

先ほど、知事から紹介ありましたように、この腐葉土づくりには知的障害のある人たちが参加をしてくれています。参加というよりも働いてくれていますし、イモの苗植えやイモの収穫には介護事業所のお年寄り、特に認知症があるようなお年寄りも大変喜んで参加をしてくれています。「90歳にもなって、この歳になって土に触れるのはとっても嬉しい」と言って、喜んでくれています。

そういう取組をソーラーシェアリングのもとだけではなくて、市内のいろいろなところで展開をしているというところでございます。この取組は、そういう意味では、市民による地球温暖化防止の活動という側面と同時に、これまで福祉の受け手と言われていた障害のある人や認知症を抱えるお年寄りの人たちの就労、役割づくりにも大きく貢献をしているというところでございます。広く言えば、地域での支え合いの活動でもありますし、これまた知事が紹介しましたように、SDGsの17のゴールのうち10のゴールにわたった活動でもありますので、しっかりと今後も、その取組を広げていきたいということを思っています。

 

【知事】

ありがとうございました、溝口さん。今、おっしゃったようにCO2ネットゼロにもSDGs達成にも繋がる先駆的な取組だと思いますので、ぜひ、皆様方の御取材等もいただければと存じます。御両名は後程も残っていただけるということですので、また、後程、御取材等あれば、お受けいただくことといたします。長くなりましたが、私からは以上でございます。

[中日新聞]

最初に説明があった琵琶湖の水位の関係です。これは台風の時期などに備えて水位を下げているところにあまり雨が降らなくて、今、かなり下がってきているという話で、これまでの平均に比べてもかなり今年は低い状態ということですが、その辺りをもう少し詳しく教えてください。

 

【知事】

まず、琵琶湖の水位は、現在は夏期の制限水位はもう終わっているので、通常水位に戻す状態ですけれども、10月15日まではマイナス30cmで保ってもらっていますが、それ以降は、そういう制限水位というのは取っておりませんが、その後の雨の降り具合によって下がってきているという状況です。当然、自然のものですので、こういった雨の多寡によって、また、使用量も一定あることによって下がってくるということですので、危険水位になれば、そういうアラームを発していくということになります。

 

[中日新聞]

今、政府の方で給付金の関係が議論されていると思うのですが、18歳以下に配るという話で、低所得者に限るべきか、所得制限をどうするかとかいう話もあると思うのですが、そのあたりの御意見はあるのでしょうか。

 

【知事】

このコロナの影響は多くの方が受けていらっしゃいますし、とりわけ若い世代への影響というものを懸念する声もございます。これは私自身も大変心配して注意深くみているところでございますので、そういった方々に対して、特に、若い世代を支援しようという取組は、私は歓迎したいと思います。

ただ、具体的な制度設計がどうなるのか、所得の制限等をどのようにかけていくのかといったようなことがまだ協議されるようでございますので、この辺りをしっかりみていきたい。実施されるのであればできるだけ早く、また、早く広く配っていただきたいという希望はありますが、どういう状況になるのかみていきたいと思います。

 

[中日新聞]

所得制限に関しては設けた方がいいということなのか、その辺りは御意見ありますか。

 

【知事】

これは両論あると思います。そもそも18歳以下に所得制限というのを、どのようにみるのか。一人ひとりということであれば一律給付というのが望ましいのかもしれませんし、一律一様に困っていらっしゃる状況というのをみられるのか、みられないのかということもあるかと思います。制限をかけるとすれば、どこで制限をかけるのか。制限をどのようにみて審査するのか。また、少し給付時間がかかるということもあろうかと思いますので、この辺りの議論が必要ではないかと思います。

 

[中日新聞]

18歳以下となると、例えば、子どもとかがいない単身で貧困世帯というのもかなり多いと思うのですけど、そういう方は対象にならないかと思うのですが、その辺りの子ども以外の部分での給付ということについては。

 

【知事】

冒頭に申し上げたようにコロナの影響というのは広く多くの方が受けているわけで、全体に対してどのような支援を行っていくのかというのは重要な観点だと思います。総選挙の中で、また、その後に議論されている若い世代への給付というのは、その中でも若い世代、子どもたちに対する影響をどのように支援していくのかという議論の中で検討されているものだと承知しておりますので、御自身に子どもがいらっしゃらないから、自身がその年代ではないからということで、何かこの議論が阻害されるものではないのではないかと思います。

 

[中日新聞]

マイナンバーカードを持っている人に3万円という話もあると思うのですけど、マイナンバーカードの普及も進めるねらいがあるということも言われているかと思うのですが、こういう方法での給付だとかマイナンバーカードの普及のさせ方ということについては、いかがでしょうか。

 

【知事】

まず、前提としてマイナンバーカードを広く普及させるべきだと私も思いますし、県としても市町と連携しながらその取組を進めています。マイナポイントを利用して、この交付を促進させようという取組については、昨年度に本県でも同様の取組を実施いたしました。昨年から現在にかけてやっている国の事業においても、マイナポイントを付けることによって、交付枚数が非常に上がるという効果もあるようでございますので、一定の効果はあると思います。

今、例に出された事業が、どなたに対してどういうことをなされようとされているのかというのが、一部の政党の公約段階のものですので、まだ詳細が明らかではないので、コメントは差し控えたいと思います。

[中日新聞]

知事としては、どういう方を対象に、優先的に、例えば、給付する方向性がいいとか、そういう御見解は何かお持ちでしょうか。今、実際に(案として)出ているものとは別に、こういう対象・こういう所得の方がいいのではないかとか、全体がいいのではないかとか。

 

【知事】

まず、繰り返しになりますけど、コロナの影響というのは、広く多くの方々に出ておりますので、その方々に対する支援策を継続的に考えていくというのは大変重要なことだと思います。

とはいえ、一部、現金支給的なものは、その方々にとって一瞬何か効果があるようにみえますけれども、消費喚起効果等で十分ではないのではないかという指摘もありますので、そういったところをどうみるのかという議論があります。かつ、財源もすべて潤沢に整っているわけではありませんので、その辺りの優先順位を付けていく必要があるのだと思います。したがって、若い世代より困窮した方々に(給付する)という考え方というのは、一部、理屈が通っているのではないかというふうに思います。

ただ、あまりその支給に時間がかかって遅くなって審査に手間がかかってということでは本末転倒ですので、その辺りのことをどうみていくのかということが必要なのではないでしょうか。

 

[日本経済新聞]

話題提供のあった起業家交流会に関連して伺います。女性の起業家に対する知事への期待というのは、どんなものがあるのでしょうか。

 

【知事】

まず、女性も男性も若い人もシニアも、新たに業を起こすという、このチャレンジはとても大事なことだと思っております。例えば、社会課題をどうビジネスで解決していくのか。新たな商品サービスをどう生み出していくのか。技術を用いて、シーズとニーズをいかに結びつけていくのかということは、とても可能性のあることだと思いますし、既存の事業に加えて、これからの飯の種を作るという意味においても大変重要だと考えております。県も様々な機関と連携して、例えば、金融機関や商工会、商工会議所などと連携して、もちろん大学等もございますが、今積極的に起業を進めているところです。

とりわけ、女性の起業は、これまでになかった視点でサービスや商品を見出すということからも、さらに期待の強いところだと思いますので、こういった御紹介した事業等を通じて「私もやってみようかな」という方をしっかりと応援していければと考えているところです。

 

[日本経済新聞]

そうした人たちに対する支援策ですが、今、いろいろなところと連携してというのがありましたが、県の起業支援策というのは具体的にどういうものがあって、今後、どういうふうに拡充していこうとお考えでしょうか。

 

【知事】

まずは、例えば、既存の事業としては「テックプランター」というのがあります。大学発、もしくは企業の研究所発のシーズを社会のニーズと結びつけ得るためのプランター事業を、これまで6回開催してきております。株式会社リバネスという事業者の方々と展開して企業の皆様にも御参画いただいて、審査しながら伴走型の支援を行っているということがございます。テストマーケティング、1回作ってみたものを市場に出してみて、どの程度の反応があるのかといったような取組を「創業応援隊による起業準備者育成支援事業」というので実施しているところです。

ちなみに、この事業の採択数は令和元年が9件、令和2年が10件、令和3年が17件と増えているところですし、現にこういった採択を受けて創業されている方々もいらっしゃいます。先ほど申し上げたテックプランターは、これまで7社が法人化をされているということでございます。

 

[日本経済新聞]

今、そういったスタートアップ企業を生み出す県内の資源として大学というお話がありました。滋賀大学からは大学発のスタートアップ企業が2社、生まれていますし、知事も代表者のお二人と今年に面会されたと思います。立命館大学のBKC(びわこ・くさつキャンパス)には中小機構が運営するインキュベーション施設もあります。そうした大学の起業への期待、起業への関与の期待というので、特に知事がお持ちの考えがあれば伺いたいと思います。

 

【知事】

大学という施設がこういった起業のために果たす役割というのは、無限大ではないでしょうか。これは理系・文系に限らず、今ある企業等に就職するために学ぶ・研究するということだけではなくて、ないならその業を新たに起こすといったことを、スタートアップを、それぞれの大学においても試行されていますので、さらに取組を進めていただきたい。県が果たす役割としてはやはりそういった方々をいろいろな方々と一緒にしっかりと支援していくということができるのではないか、支援の枠組みをつくっていくということができるのではないかと思いますので、こういう取り組みを積極的に進めていきたい。特に、今、出された大学の皆様方のみならず、それぞれの大学が、そういったスタートアップ、学生による起業というものもしっかりと応援していこうということを目指されていますので、さらに期待をしていきたいと思います。

 

[NHK]

昨日、政府が新たなレベル、コロナの感染状況の判断指標をステージからレベルの5段階にすると決めたと思います。それについての御見解をいただけますでしょうか。

 

【知事】

この新たなレベルの考え方が示されたことを受けて、本県としてどのような対応が必要なのか検討したいと思います。今回のレベル設定、レベル分類の考え方は、この間の波の経験、例えば、ワクチン接種の推進、促進ということも踏まえてだと思いますが、新規陽性者になられても軽症者の割合が多いという状況を受けた今後の新しいレベル分類の考え方ということだと思います。現在、私どもが持っているステージとどのように整合するのかしないのか。今回、示されたことを受けて、検討していきたいと思います。

 

[NHK]

今、検討してどこが整合性とれるのかとか、逆に取れないのかというところはまだ検討段階であると。

 

【知事】

昨日に示されたばかりですので。

 

[NHK]

まだ、これから検討するということですね、わかりました。

Go To トラベルの再開についてですけれども、もし考えがあれば教えてください。

 

【知事】

今の県の考え方は「今こそ滋賀を旅しよう」、県民の皆様の県内観光促進ということをまず大重点に据えていきたいと思います。Go Toにつきましては、国が最終判断されることでございますが、それの再開はそろそろだとは思いますけれども、まずは自分たちができることをやろうということで取り組んでいければと存じます。

あとは、これから年末年始を迎えますので、多くの方が、そういうものがなくても移動される時期というのではなくて、少し閑散期のてこ入れとして、新たな枠組みを作って実施するという知恵もあっていいのではないかと思います。

[NHK]

今、おっしゃった点についてですけれども、その閑散期のてこ入れというところは具体的には何か考えているものはありますでしょうか。

 

【知事】

私どもが考えているというよりも、巷間で伝えられているところで言えば、そういった年末年始に多くの方が、そういったサービスがなくても移動される時期を外して旅行を促進させていくというような取組にシフトをしていくことも必要なのではないかと思っております。

 

[京都新聞]

先ほどの政府の分科会の新しい指標の関係で、追加でお聞きしたいです。以前は、新規感染者数ですとか、療養者数の目安のような具体的な指標を政府の方も示していたと思うのですけれども、今回、それを設けていないように報道では出ています。その辺り都道府県の判断に委ねられるというのが、実態・実情に合わせてというようなことかと思うのですけれども、感染症対策を県として取り組むにあたっては前向きに評価できることなのか、やはり国の方がしっかり責任をもって数値・目安を示してもらった方がいいというのか、その辺りお考えはありますでしょうか。

 

【知事】

まずは、今回、示されたレベル分類の考え方を吟味して、県のステージ指標をどのように持つのか、変えるのかを考えたいと思います。

その際に今おっしゃった新規陽性者の数、人口割合、一定期間内のこういったものをどういるのかということ。また、人口比に対して療養されている方がどれぐらいの数いらっしゃるのか。それが、私どもが持っている、用意できている医療資源をどのように占有、使われているのかといったようなこと。また、これまでの波、特に直近の5波を経験して重要だったのは、命を守るため、重症者がどの程度出て、それが持っている医療資源に対してどれぐらい逼迫しているのかということは、多くの方が関心持たれましたし、私どもも重視した。そういった指標でもありますので、こういうものをどう持つのかということは重要ではないかと思います。

 

[京都新聞]

その一方で、政府が病床使用率の50%超というのを、レベルを判断する指標として具体的に挙げていますが、滋賀県の例で言いますと、第5波などみていますと、病床使用率が他府県と比べて比較的上がりやすい傾向がみえたかと思います。政府が50%という具体的な数字を示したことについて、病床使用率だけ数値を設定しているということに対して都道府県の実情と合わない部分も出てくるのかなと思うのですが、その辺りについてお考えはありますでしょうか。

 

【知事】

まずは、今、お尋ねいただいたことも含めてどのように取り扱うのかということを考えたいと思います。おっしゃったように本県はこれまでの「波」の対策において、とりわけ5波においても、御協力いただき用意している病床に対して、占有率が高い割合で推移することが多かったです。

これは、その波の高さの見積もりが大体この程度だろうというようなこととある意味整合する部分もあったでしょうし、またコントロールセンターがそれをうまく差配しながら調整したということですとか、コロナ禍だけではない他の傷病に対する治療・医療ともしっかり両立させながらやろうとしてくださっていることもあると思います。こういった経験を踏まえていきたいと思いますが、おっしゃったその病床と、その占有率の指標をどのように扱わなければならないのかということについては、よく考えていきたいと思います。

 

[時事通信]

先ほど質問のありました件ですけれども、この新たなレベルというものが示されたうえで、県が考える指標というのは、どういったものを考えていこうとされているのか。現在、(モニターの)画面に挙げられているような指標がありますが、そのようなものを継続的に使用されていかれて考え方を変えるのか。また、別のものを設定していこうという考えなのか。どういう考え方で新たな設定をされようとしているのか、お考えがありましたらお伺いしたいのですけども。

 

【知事】

先ほどから申し上げているように、私どもはこういったステージ判断の指標を現在持っています。今般、国の方から新たなレベル分類の考え方が示されましたので、それらと私どものステージ判断の指標が、どのように整合しているのか、していないのか。私どもは4つで持っていますけど。4つのステージでやっていますけど、国は今度、5つのレベルでみようと言ってきていますので、そういった合わせ方をどうすればいいのか。しっかり考えていきたいと思います。その考える中で、何を持つのか、持たないのか。持つ場合の指標をどの程度のレベルで、レベル判断・ステージ判断していくのかということだと思います。

ワクチン接種も一定進んできましたし、これまでの5波の中でわかってきたことなどもございますし、軽症者の方々であれば、自宅療養等で、宿泊療養等で御療養いただく場合の対応等もございますので、そういったことも踏まえて、こういったレベル指標というのを設定していく必要があるのではないかと思います。

 

[時事通信]

手続き的なことになって恐縮ですけれど、その新しいレベルを設定する際には、また本部員会議を開いて決定されるのでしょうか。「現在、こういう状況にあります」というようなことを決定されるということでしょうか。

 

【知事】

ものにもよりますが、本部員会議で確認することは必要なのではないかと思います。その本部員会議でレベル・ステージを決めますので、そのステージのレベルの指標をどう置くかということは、本部員会議でも一定確認しておく必要があるのではないかと思います。そのことも含めて検討します。

 

[時事通信]

レベル設定の時期は、何かお考えになっているところはありますでしょうか。

 

【知事】

昨日に示されて、来年やりますというわけにいきませんから。できるだけ早くこの落ち着いた時期にやっておくことが肝要ではないかと思います。そういう趣旨で考えたいと思います。

[滋賀報知新聞]

彦根城世界遺産登録について伺いたいと思います。

彦根城の世界遺産登録を県と(彦根)市で推進をされておられまして、今年3月には文化庁に推薦書と包括的保存計画の原案を提出されました。8月にはオンラインで世界遺産登録に向けた国際会議が開催されて、国内外の専門家から一定の評価を得たというふうに伺っています。

2024年の世界遺産登録目標という計画があったと思うのですけども、それが徐々に具体化して見えてきているのかなというふうに思うのですけれども、改めましてこれまでの取組・推進の動きなどに対する知事の思いと、今後の期待や、世界遺産登録に向けた意気込み等を伺いたいと思います。

 

【知事】

まず、彦根城は5つしかない国宝天守の1つでございますし、顕著な普遍的価値「アウトスタンディング・ユニバーサル・バリュー」として17世紀から19世紀の統治のあり方を示しています。別の言い方をすれば、平和な時代の政治・行政拠点としての「城」という意味で、大変歴史的価値も高いものではないかと言われておりますし、私どももそう確信しております。

そういった事ごとを学術的にもしっかりと御確認いただくと同時に、そのことを市民・町民・私たち県民がしっかりと知る取組・学ぶ取組が必要だということで、この間、様々な取組を進めてきているところです。この秋だけでも、のぼりを作ったり、ポスターを作ったり、「出張!お城EXPO in 滋賀・びわ湖」でPRさせていただいたり、東京でシンポジウムを開催いたしまして、オンラインの同時配信なども行ったりしているところです。この11月からは京都駅でデジタルサイネージも放映中でございます。また、東京講座というものは、この11月の13日、27日にも開催されるということでございますし、これ以外にも公民館とか、大学・小学校での出前授業などを行っているということでございます。彦根商工会議所でも新たな協議会を立ち上げられる予定だと伺っておりまして、こういった経済界の動きにも、期待をしているところでございます。

ぜひ、この世界遺産認定を皆さんと力を合わせて、勝ち取らせていただいて、彦根城を中心とした観光ですとか、その隣を主会場とした2025年の国スポ・障スポ大会ですとか、こういったものをさらに盛り上げていきたいと考えております。

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