令和3年5月11日
(県政記者クラブ主催)
【知事】
まず、新型コロナウイルス感染症の状況は昨日も本部員会議を開催いたしましたとおり、特別警戒ステージの直前、一歩手前という状況でございます。
医療病床の占有率は4分の3を超えている。また、重症者用病床の占有率も3割を超えているということですので、本県独自に緊急事態宣言の発出を、現在、検討をしているところでございます。内容等については、状況をみながら検討していきたいと存じます。
医療提供体制もやはりそういう意味では非常事態の状態にあると言わざるを得ません。引き続き、基本的な感染対策含め、ふだん一緒にいる人と県内で過ごしてほしいという、こういう状況について御協力をよろしくお願いしたいと存じます。
ワクチン接種につきましては、ゴールデンウィーク期間中から様々な配布等、スケジュールの提示等が行われているところでございますが、本県においても、各市町において、今、鋭意、進められているところでございます。国が目標とする7月末に高齢者の打ち終え、これを1つの念頭に置きながら、全ての市町において希望する高齢者ができるだけ早く2回の接種を終えることができるように、課題をしっかりと共有しながら対応を行っていきたいと存じます。この点では明日12日の午前中に、市町長とのウェブでの意見交換会を開催させていただきます。公開で実施する予定でございますので、その場で、いろいろな課題をしっかりと議論していきたいと存じます。
また、長引くこのコロナ禍で、非常に厳しい状況にある事業者の皆様方が多いという認識のもと、スライドでも出しておりますけれども、新型コロナウイルス感染症対策経営力強化支援事業、これを補正予算等でお認めいただいて、先月末までの第1募集期間、この期間中に当初の見込みを大きく上回る1,700件超の申請をいただいたところでございます。この補助制度は、例えば、アクリル版ですとか、CO2センサー等、感染症対策用資機材の購入にも御活用いただける。最大で50万円。補助率は10分の9ということでございますので、例えば、既に御案内しております「みんなでつくる滋賀県安心・安全店舗認証」の取得を後押しできるようにも御案内をしていきたいと考えておりますし、第2期の設定をいたしました追加募集をいたします。今月末まで申請を受け付けているところでございますので、飲食店のみならず広く、多くの事業者の皆さんに御利用いただける制度ですので、ぜひ、積極的な御活用を御検討いただきたい。御不明な点等あれば、お気軽にお尋ね、御相談をいただければと存じます。
また、御手元に、この支援制度を含め、今はちょうど自動車税の納付通知、御案内を差し上げているところでございますし、その他様々なお困り事等、ニーズに応じてどのような制度が現時点であるのかということについても資料をお配りしておりますので、ぜひ、報道機関各位で、様々な御案内、御報道等お力添えをいただければ幸いでございます。
それでは、今日は2点、御案内申し上げます。
まず1点目は、姉妹州・米国ミシガン州からメッセージ動画が届きましたという御案内でございます。
ずっと続けてきている、1968年以降続けてきているこの交流ですけども、昨年度は新型コロナウイルス感染症の影響で、いろいろなことが出来なくなった。
例えば、使節団の派遣、高校生の交流、全てストップということがございましたけれども、例えば、やれることをやろうということで、昨年7月、本県からミシガン州にマスクの寄贈。また、11月にはメッセージ動画をつくって、こちらからミシガン州にお届けをしたということがございました。その際には、県内の各市町、国際交流団体、ホストファミリー経験者、県内企業など多くの方々に御協力をいただいて、つくりました。まさに、オール滋賀で、つくったということでございました。また、今年の2月にはウェブで、ウィットマー米国ミシガン州知事との交流をさせていただきました。
このたび、そういった事々を受けたお返しとしてミシガン州からメッセージ動画をいただきました。全部で10分ちょっとの大作ですが、少し短縮バージョンで御紹介をするということです。
(動画の放映)
ダイジェスト版ですので短かったですけれども、ぜひYouTubeで見ていただける。私自身も昨夜見ましたけど、とても心が温まる内容になっております。ぜひ、御覧いただいて、滋賀県とミシガン州が紡ぐ絆を御確認いただければと思います。
また、こういう状況ではございますけれども、例えば、教育の交流、ウェブ等を使った子供たちの学習交流、こういったものをオンラインでつくりながらアフターコロナにつなげる。そういう取組もやっていきたいと考えておりますし、企業の商談のミーティング、こういったことについても、この時期にできることとしてしっかり積み重ねていきたいと考えているところでございます。
もう1つは、これも御手元に資料がございますが、令和3年度に行います滋賀県職員等採用試験の実施計画でございまして、今年度の特徴は大きく2つでございます。
まず1つは5月10日に受験申込みを開始いたしました上級試験において、昨年度同様、行政アピール試験型を日時、場所を分けて実施することをしております。この行政アピール試験型につきましては、令和元年度から民間企業等の採用選考でも広く利用されているSPIを採用いたしまして、民間企業志望者も、すなわち、公務員試験だけを勉強してきた方々以外についても、受験しやすい内容となっております。
上級試験の採用予定人員は全体で119人と、昨年度比で6人の増。これで8年連続して採用予定人員が100名超ということになっております。なお、総合土木職につきましては、近年の自然災害の頻発化等に対応するため、最終合格者に意向を確認したうえで、年度途中の前倒し採用も予定しているということでございます。
もう1つ、2点目の特徴といたしましては、就職氷河期世代を対象とした採用試験を今年度も実施するということでございます。昨年度は408名の方に御受験いただいており、最終合格者は4人ということでございました。最終競争倍率が102倍という高倍率でございました。このほか、上級試験とあわせて、新型コロナウイルス感染症対策に必要な保健師でありますとか、昨年度から新設しておりますEBPMをさらに推進するための「行政データサイエンス職」についても選考試験を実施することといたします。
できる限り、性別や年齢などを問わずに、誰もが安心して働き続けることができる多様性に満ちた活力ある職場づくりに、これからも努めていきたいと考えておりますので、ぜひ1人でも多くの方のお申込みを。こういう感染症対策をするときは、県行政の出番だということで、ぜひ、御志願いただけるように御案内をしていきたいと思います。なお、申し上げるまでもなく、採用試験の実施にあたりましては、感染症の対策に万全を期しておりますので、安心して御受験をいただければと思います。
私からは以上でございます。
[時事通信社]
先日、政府が緊急事態宣言を拡大しまして、さらに延長ということをしたのですが、それに関する政府の対策を含めまして、御所見をお伺いできればと思います。
【知事】
法律に基づく緊急事態宣言の発出ですとか、延長。また、まん延防止等重点措置の発令、継続ですとか、その(継続の)発令というのは、広がり、また、続く感染症対策として行われるものでございますので、やむを得ない。そういう措置ではないかというふうに思います。問題はそういう措置の効果が、しっかりと発現できるように取り組んでいくということだと思います。
ただ、昨日も申し上げましたが、例えば、まん延防止等、手間暇かかる割に、その効果というものが疑問視されるようなことでありますとか、緊急事態宣言の発令につきましても、発令されているところと発令されていないところとの差でありますとか、その間の人の移動とか、そういうものによる感染拡大というものに対する懸念というものもございますので、短期に感染を抑えていくためには、全国一斉の緊急事態宣言の発令というものも、今次においては検討すべきではないかということを提起させていただいたところでございます。そういったこと等についても、政府をして、ぜひ、御検討いただければと存じます。
[時事通信]
先日、近江牛の方がふるさと納税の地域資源認定というのを受けたことに対しまして、近江八幡市から国に審査を求める申立てというのをされたのですが、これについての受け止めをお願いします。
【知事】
まず、総務省告示に基づいて、今年の4月1日付けで本県が行った地域資源および市町の認定行為について、4月30日付けで近江八幡市長が総務大臣に対して自治紛争処理の審査の申出をされたと承知しております。
今回、審査申出の対象とされた滋賀県の認定にあたりましては、令和元年の6月以降、県内市町からの御提案を踏まえ、また、反対する市町、いろいろな御懸念を示される市や町の御意見等も丁寧に聞きながら、その御懸念の点を払拭するための条件なども整えながら慎重に進めてきましたけれども、最終的にこういった自治紛争処理の審査の申出に至ったことについては、県民の皆様にも御心配をかけることにもなりますので、結果的には、今、残念な状況になっていると言わざるを得ないと思います。
本県としては、法令を所管する総務省が地域資源の認定に際して留意すべき事項を示した技術的助言を踏まえて、市町の意見集約を図る努力を続けてきたと思っているのですけれども、最後まで、残念ながら近江八幡市の御理解を得ることができなかったという状況がございます。今後は、こうやって自治紛争処理の審査の申出をされたわけですから、自治紛争処理委員の審査の手続きにしっかりと協力をしていきます。
反対される市や町が、近江牛の地域資源認定に関して懸念を示されてきた、例えば、ブランド力の低下でありますとか品質管理の徹底につきましては、引き続き、近江牛をふるさと納税の返礼品として取り扱う市町とともに、適切に対応していきたいと考えております。
また、聞いておりますと近江八幡市の方から、他の市町が近江牛を取り扱うにあたって追加で示されている条件があるということでございまして、引き続き、その内容について、関係する他の市町の御理解を得られるよう精査する必要があると考えておりまして、近江八幡市と協議を続けてまいりたいと考えております。
今回の審査の申出、これはこういうことがなく円滑にいくのが、私は目指す姿だと思っていますが、現時点、こうなっていることを、ある意味では前向きにとらえて、よりよき自治の創造でありますとか、近江牛の振興の契機となるように、しっかりと連携して取り組もうということを担当部局に申しているところでございまして、引き続き、丁寧に対応していきたいと存じます。
[毎日新聞]
ワクチン接種についてですが、国が7月末の完了を目指すと掲げておりますが、県内では実際は7月末という期日について完了できそうでしょうか。
【知事】
まず、大きく言うと、感染症ですので、ワクチン接種が感染拡大を抑えていくということについて大変有効であるという認識は共有したいと思います。
ただ、ワクチン配布のスケジュールや人材確保・場所の確保等の課題がございますので、できる限り、この7月末に希望する方の接種完了というスケジュールは念頭に置きたいと思います。ただ、事情はそれぞれあるので、そこは丁寧にやりたいと思います。
[読売新聞]
県全体の特産品としての地域資源に近江牛を認定するということについて、知事はメリットとしてどのようにお考えでしょうか。
【知事】
メリットというか、このふるさと納税の決められた制度の中で、その返礼品の対象に滋賀を代表する特産品である近江牛を含めることは、広い意味で、近江牛の認知度を上げるということにもつながるでしょうし、実際、御賞味いただいて、おいしさとか、そういったこと触れていただければ、さらなる購買、取引拡大等にもつながる可能性があると思っております。そういう意味で、振興の一助になりうるのではないかと考えております。
[読売新聞]
近江八幡市は追加で条件を出されているということでしたが、それをクリアすれば理解を得られるとお考えでしょうか。
近江八幡市は圧倒的に牛の飼育の数としては多いのかなと思うのですが、そこが反対していると、なかなか(難しい)というところもあると思うのですけれども。
【知事】
おっしゃったとおり、肥育・生産地において、長年、様々な御努力をされてきていることについては、敬意を表したいと思いますし、こういったふるさと納税で活用することが、そういった方々の応援にもつながるように、間違ってもブランド低下につながるということがないようにしていきたいと考えております。
現在、県のと畜場も近江八幡市内にあるわけで、県内市町とも力を合わせて、この事業運営を行っているという歴史もございますので、そういったことなどを通じて、できる限り近江八幡市が現時点でお持ちになっている御懸念等についても、これまでも丁寧に対応してきたつもりですけれど、なお残る課題や、できることがどういったところにあるのかというのは探りたいと思います。
ただ一方で、圧倒的に多くの頭数を肥育される生産地の御意向だけを全て聞き入れることになると、それ以外の市町との関係があるようでございますので、このあたりの調整もしっかりと念頭に置きながら対応していく必要があるのではないかと存じます。
[京都新聞]
昨日、県独自の緊急事態の発出も検討し、それにあたっては時短営業の要請も視野に入れるという御趣旨だったかと思うのですけれども、これまで知事が示してこられたコロナ対応の姿勢から考えると、私としては大きな転換があったのではないかというふうに思っております。私権の制限にあたっては慎重な立場を取られておられたこともありましたし、湖岸の閉鎖のときにも苦渋の決断だったというような御発言もありました。
この中で、昨日のタイミングで、時短営業の要請というところを視野に入れるというところに踏み込んで姿勢を示された。そこにあたって、知事の中でどのような変化というか転換があったのか、それがきっかけとなったことはどういうことなのか、そうした政策判断の理由についてお話をお聞かせいただけたらと思います。
【知事】
まず、大きく言うと、これまで経験したことのない新型コロナウイルス感染症に、昨年来、様々な対応をしてきております。1波、2波、3波、4波。今まで経験した波を越える形で、ずっと対応せざるを得ない状況が続いているということでございますので、そういう状況をみながら、どういう対応をしなければならないのかということが常に念頭にあります。
ただ、原則として、私は、また、私たちは、人を信じて、お互いを思いやって、公的権限は抑制的に行使させていただきながら必要な感染症対策を行っていくということが重要、肝要かと思います。様々、取る措置、発するメッセージについては、やはり共感を持って受け止めていただいて、行動変容につながるような形で効果として出てくるということが望まれますので、間違っても濫用だとか濫発だとか、そういったことがないように努めていこうと。
また、発するメッセージについても、使い古された言葉だけを横流しして出すのではなくて、しっかり私たちが受け止める側に立った時にどのように感じるのかということを常に考えながら、語りかけていこう、発信していこうということを心がけているつもりでございます。
そういう観点に立って現時点の状況、また、今後考えうる状況等を想定しながら、現在の滋賀県の状況は特別警戒ステージの一歩手前で、本県としても緊急事態宣言を独自に宣言せざるを得ない状況の直前にいるということを共有しながら、医療現場については、もう長い期間、またこの波の中にあっても懸命に頑張っていただいているのですが、増床であるとか、稼働であるとか、それをさらに効率よく行っていく必要があるでしょう。何より、これ以上感染を広げない対策をしっかりと進めていくということを、ぜひ県民の皆さんに呼びかけていきたいと考えております。
[京都新聞]
あえて1点、もう一歩踏み込んだお答えがいただきたいのですけれども。そういう変化の中で、昨日、打ち出された中で、聞く側からすると、発信しておられる内容が一歩踏み込んで強い形で感染の抑制、あるいは、行動変容を強く求める、あるいは、経済活動の制約を強く求めていくというスタンスに、やや軸足を移されたのではないかなというふうにお察しする内容だったわけですけれども、知事御自身、そうしたところに軸足を移していると御認識されておられるのであれば、何がそうさせたのか。軸足を移すきっかけ、タイミング、お考えの変化をもたらしたものの原因みたいなものが何なのか。そこのターニングポイントが知りたいところですが。
【知事】
常々、ステージ判断もそうです。そのステージ判断に伴うより厳しいお願い、また、行動制約を要請するメッセージについてもそうですけど、やはり感染状況が、そうさせているのだと思います。その感染状況を受けて、私たちが有している医療資源の中で、軽症、中等症、重症、もちろんその他の病気やケガなどとの対応状況も含めて、それがしっかりとお守りできる状況であるのか、ないのか。
やはり、重症者病床の占有率が3割を超えてきて、確保している病床の4分の3が埋まってきている。しかも、家族で感染されたり、若くても重症化されたりという状況が引き続き続いていると。一時、4月の下旬から5月のかかりにかけて、少し伸びも収まりつつあるかなという状況があって、県としてさらに踏み込んだ対策を取る必要も、もう少し見極めようという状況がありましたけれども、そこからさらにまた伸びる状況もございました。かつ、ゴールデンウィークの影響がどこまで出るのかということをしっかり見極めないといけない状況もあると指摘されておりますので、こういうことを踏まえて、申し上げているメッセージです。
[京都新聞]
先ほどの続きで、コロナの政策判断に絡んでですけれども、やはり政策判断にあたって、県民の民意というのか、意見というのを一定考慮されているかと思うのですけれども、それの意見の把握の仕方というか、どういうふうに県民がコロナ対応を求めているかですとか、コロナの状況を感じているかなど、その辺り、どのように知事として情報収集、把握をされているかというのをお聞かせください。
【知事】
いろいろな形で把握できるように努めているつもりです。本当のことを言えば、365日24時間、常に全ての県民とのチャンネルをオープンにというのが望ましい姿でしょうけれども、なかなかそういうことも叶わないということであるならば、できる限りいろいろなチャンネルを通じて、届くお声だとか、お気持ちというものをどのように酌み取ればいいのか。そういうことを、考えない日はない。考えないときはない。そういう毎日です。
例えば、知事への手紙もそうですし、様々なチャンネルを通じていただく県民のお声、そういったものから考えるということもありますし、どちらかというとそういうお声というのは、取っている対応に対する批判的な御見解も多いので、そういうものを踏まえてどうするのか。また、私自身が街に出て、こういう時期ですので減りますけれど、日常、最低限の活動するために街に出たときに、マスクをする、サングラスをする、帽子をかぶるけれども、三日月と分かるのですね。そうすると、いろいろなお声を賜ります。そういう中から受け止めるお気持ちというものがございます。
ただ、報道等をみておりますと、何となく、いろいろな情報も入りますけれども、判断のために有益なものもあれば、そうじゃないものもあるようでございますので、できるだけ明鏡止水、平常心で、澄んだ心で、物事の判断ができるようにしようと努めているところでございます。そういうバイアスのかかった情報等は、できるだけ平らな状態にして、判断に資するようにしようと心掛けているところでございます。
ただ、結果的にそういった判断の一つひとつが、それでよかったのかどうかという、その御評価は県民の皆様方であるとか、その審判の機会に甘んじて受けていくということでありますし、歴史がそれを評価するということになると思いますので、その土台の上にいるということではないかと思います。
[京都新聞]
声を挙げられる方は、批判的な意見が多いというふうなこともおっしゃっていたのですけれども、特に感染状況が厳しくなればなるほど、さらにそういう批判的な声というのは大きくなるのかなというふうに思うのですけれども、例えば、湖岸の駐車場閉鎖ですとか、あと飲食店の私権制限などを求める声も大きくなっているのかなというふうに思うのですけれども、その辺が、この直近の政策判断にあたって与えている影響というのですかね、ボリュームとして全体的に大きくなっているように感じるのですけれど、その辺りが影響しているというのはありますでしょうか。
【知事】
表現が適切ではなかったかもしれません。多く賜る批判的な声というよりも、切なるお声です。切なるお声がたくさん届くと。これはどうしても感染状況に比例して届くお声も多くなる。また、時に厳しくなるという傾向がみてとれるようです。そういったお声に、今、広報課を中心に、できる限りお聞き取りをして、こういう声が届いていると。傾向はこうだと。そして数はこうだというのを、できる限りタイムリーに私のもとに届けてくれる努力をしてくれていますので、それを私も目を通して、例えば、週ごとに月ごとにどういう傾向があるのか。また、テーマごとにどういうお声が多いのか、少ないのかということをみるようにしております。
ただ、一方で、私権の制限ですとか、公共空間である自然に対する制限・制約というものは、これは一定、抑制的にかけていかなければならないということであると思いますし、(制限を)かける以上は、一定の効果をもって発現させていかなければならないということもあると思います。
滋賀県の皆さんは、私がこういう場で述べること、そして、メディアを通じて伝えていただくことに、ものすごく敏感に協力的に御対応いただいております。だからこそ、いつもすべて述べることだけではなく、述べなければならないときに述べるべきことをしっかりと述べていくということに努めていかなければならないと考えております。そういう意味で、いろいろな判断を、その時々にさせていただいているということです。
[滋賀報知新聞]
コロナ対策に関連してですけれども、ゴールデンウィーク中の県内の人出等について3点お伺いさせていただきます。昨年のことを振り返りますと、昨年、湖岸の駐車場の閉鎖というのと、県立施設の休業というのを合わせてされて、道の駅にも協力をいただいて、道の駅も閉めていたかと思うのです。今年は琵琶湖の湖岸の駐車場と、琵琶湖博物館の休館という対策を取られて、昨日の本部員会議でもお示しいただいたのですけども、4月と5月時点の人出の行き来をみてみると、今年は県外から県内へお越しになった人が増えているのではないかという数字がありました。それと直結させるわけではないのですけれども、ゴールデンウィークが明けました先週末、県内で過去最多の1日の陽性者というのが出まして、日曜日も日曜日としては最多の数というのが更新されたというので、不安を感じる県民の方もいらっしゃるかなとは思うのですが、県として、そのゴールデンウィークの動向というのは総括をされると思うのですけれども、今、現時点でこの結果に対する知事の率直な受け止めというのを伺いたいのが1つ。
2つ目ですけれども、全国でいろいろと宣言ですとか要請ですとか、出ているのですけれども、全国的に国民、県民が宣言に慣れてしまっているとか、宣言疲れがあって、なかなか我慢が難しくなってきているというふうな指摘をする声もあるのですけれども、その宣言を出す、要請を出すことに対して国民の反応が鈍くなっているのかなと。そういう意見に対する知事の御所見があれば伺いたいというのが2点目。
3点目ですけれども、県外から県内にお越しになる方が増えたとする場合、今後、県境を越えた移動を控えてほしいというのを、県外に訴えていく御予定はあるか、この3つについて伺いたいです。
【知事】
まず、昨日もお示ししましたこの状況です。4月の休日平均との比較、あくまでその比較でございますけど、特に京阪神を中心に、県内から行かれる県外への移動については、大きく減っていますけれども、県外から県内に来られる御移動については、逆に大きく増えてしまっているという状況がございます。
こういうものに対する受け止めということについて言うと、やはり、比較的、総体的に、緊急事態宣言が発出されているエリアよりも滋賀は大丈夫という印象やイメージ。また、琵琶湖をはじめとする自然の空間で、憩いたい、安らぎたい、くつろぎたいという本質的欲求の発露もあるのではないかと受け止めております。また、そのことに対する県民の皆様方の御不安等も、これは知事への手紙、県民のお声などでも寄せられているところでございますので、そういうものは受け止めたうえで、対応を考えていかなければならないということだと思います。
2つ目にいただいた、おっしゃるとおり長くなってきて、宣言であれ、いろいろなメッセージであれ、少し慣れてきて、また、疲れも出てきて、お尋ねでは、鈍くというお話がございましたけれども、ある意味私たちは、賢くなってきているところもあって、いろいろなことがわかってきて、どうやれば感染が防げるのか、というようなこともわかってきた面もあると思います。
したがって、だからこそ、我々は、何でもかんでも全てを、すぐに発すればいいということではなくて、発すべきタイミングに、1つずつメッセージを発しながら、対策を講じながら、その時々に必要な行動を取っていく。また、これまで取ってきた行動を変えていくという、こういうことがより必要だろうというふうに思います。だからこそ、さっきの御質問とも関連しますけれども、できる限り抑制的に、私どもはメッセージを出させていただいているということがございます。
3つ目でございますけれども、県内への流入を防ぐために、まずは、例えば、今日から延長させていただいております湖岸の公園等の駐車場の閉鎖の継続。こういったことはぜひさせていただきながら、どういう動きになるのかというのを注視していきたいし、関西広域連合ですとか、中部圏知事会議ですとか、そういった場で、いろいろな場を活用して、また、できる限りメディア等の告知なども有効に活用しながら、メッセージを発していくということにも努めていきたいと思います。
だからこそ、昨日も申し上げました、こういう感染を一気に抑えなければならないフェーズにおいては、県内外の移動を防ぐ意味においても、全国的な緊急事態宣言の発令というようなものも検討すべきではないかという問題提起をさせていただいているところでございます。
[NHK]
昨日も知事はおっしゃられましたが、ワクチンの大規模接種会場の確保についてですが、検討の状況と、もしスケジュール的なものも決まっておりましたらお願いいたします。
【知事】
モデルナ製で大規模接種会場を、というお話が、国からも示されておりまして、本県としても検討をしたいと思っております。ただ、明日、市町の御意見を伺う機会もございますので、そこでもよく御意見聞いたうえで、検討し判断をしていきたいと思います。
まず、高齢者65歳以上の接種が中心ということでありますので、仮に大規模会場を設置したとしても。そうであれば市町で行われているものと、どのように整合をとっていくのかという課題もあるようでございますので、いずれにしても、県としても、しっかり考えていきたいと思いますが、市町の御意見を聞いたうえで、検討する必要があると思います。
[中日新聞]
今のことに関連してですけれど、県としての大規模接種というのは、例えば1日何人ぐらいで大規模と言っているのかなと。大体の規模のイメージがあれば。
【知事】
数だとか広さについては、ノーアイデアです。ただ、県という主体が、乗り出す、担うということでありますので、こういう大規模という表現をなさっているのかなと思います。例えば、これまでにない方々に御協力いただいたり、これまで提供されていなかった会場を提供したりしての接種ということなのかと理解をしておりますけれども。ただ、医療人材も、それ以外で潤沢にいらっしゃるわけではありませんので、可能性はそんなに大きくないのではないかと思いますが、ただ、なおできることが、どういったことにあるのかということについては、しっかりと検討していきたいと思います。
[中日新聞]
大阪府に設置される大規模接種会場で、滋賀県民も対象になるのではないかというような、一部そういう情報も出ているかと思うのですが、その辺り、国から何か説明があるのかという点はいかがでしょうか。
【知事】
私も報道でみて、そうなのかと思ったところで、何か具体的な連絡ですとか通知が国からあったわけではありません。ただ、いろいろと、テレワークですとか、出勤抑制などもお考えいただいておりますが、どうしても京阪神との仕事での御移動等、関わり合いもあるでしょうから、大規模接種会場で府県民を超えた接種というのも1案ではないかと思います。
ただ、具体的にどなたを対象に、どのように管理してやるのかということについては、課題もあると思いますので、その整理が必要かと思います。
[中日新聞]
県民が少しでも早く接種ができる機会があるのであれば、知事としてなるべく積極的に働きかけていきたいなど、その辺りはいかがでしょうか。県民が対象になるように何か働きかけるとか、お考えがありましたら。
【知事】
むしろ、高齢者は、県内で市町中心に打っていくということの方がいいと思います。そのあと、広げていかなければならない、例えば、現役世代の接種でありますとか、そういったときになってくると、県域を越えた移動で、いろいろな場所で接種できるということが、接種促進に寄与するでしょうから、そういう可能性というのが広がってくるのではないかと思います。次の段階で、より検討すべき可能性のある方策ではないかと思います。ただ、いずれにしろ、どのようなことを考えてそういう報道が出ているのというのを承知しておりませんので、その内容を把握したうえで考えていかなければいけないのではないかと思います。