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知事定例記者会見(2021年4月6日)

令和3年4月6日
(県政記者クラブ主催)

【知事】

本日の定例会見から、ライブ配信を本格的に開始するということだそうでございます。YouTubeの滋賀県公式動画チャンネルをぜひ御覧をいただきたい。今後も情報発信の強化を行ってまいりたいと思いますし、御覧になった方からいろいろな御感想等をお寄せいただければと存じます。

水泳の大橋選手は五輪出場、私もライブで見まして感動いたしましたし、池江選手が病気を乗り越えて五輪の出場権を獲得された。その(池江選手の)涙にも涙をいたしました。こうしてひたむきに努力するアスリートの姿というのは、同じように悩まれている方々にも夢と感動、また、様々なエールを与えることになると思いますので、そういう面でも応援をしていきたいと考えております。

また、国においては、子ども庁の設置というようなことも言われるようになってきました。従前から本県では子ども・青少年局を設置し、子ども行政を一元的にやろうということを追求しております。全国知事会次世代支援対策プロジェクトチームのリーダー県といたしまして、この国の動きをしっかりととらえながら、ぜひ、地方から子ども行政充実のための提言を積極的に行ってまいりたいと考えております。担当者にはその旨、指示をさせていただきました。

コロナの状況でございますが、御案内のとおり7日連続で新規陽性患者が2桁ということでございます。再び感染が拡大傾向にあるという状況です。(感染状況の)スライドを映していただきますと、昨年の12月の状況から見ますと、赤と青ラインは昨年の年末からの動きということだそうでございますが、12月の20日ごろが(スライドの)このあたり、そして1月の10日がここということでございます。病床の占有率が9割。そして、直近1週間あたりの新規陽性者が20人ということでございまして、いろいろと比べますと、ちょうど現在の状況が昨年の12月の20日前後と近似しているということでございます。

前回のことと照らし合わせて考えると、20日でここに到達するということでございますが、繰り返し先月末から皆さんに申し上げているとおり、今度の変異株を含む第4波は、前回よりも早い波、そして高い波になることが全国各地で出ておりますので、20日間の時間がもらえるかどうかという、そういう危機感、緊張感を持って現在、対応しているところでございます。基本的な感染予防を含めて、これから申し上げる様々な対策等をしっかりと形にしてまいりたいと思っております。ちなみに、その変異株は、累計で34件でございます。うち、27件が今月に入ってからの確認ということでございます。

当面の対応といたしましては、病床の確保について、現行の計画に基づきまして350床を目標にさらなる増床を目指し、医療機関に要請を行います。また、入院の必要のない変異株患者については、宿泊療養施設において療養いただけるよう、例えば、その検査の体制、陰性確認に2回というそういったことも含めて対応できるように、人的・物的体制を今週中に整備いたします。また、今、申し上げた病床確保のことを含めまして、4月下旬までにできるだけ早く新型コロナウイルス感染症対策協議会を開催いたしまして、医療提供体制ならびに療養体制の強化の状況等、それぞれの組織と確認をしたいと考えております。

また、去る4月2日の金曜日、彦根市の袋町の飲食店の感染防止対策の確認とアドバイスを行いました。今回の取組で様々なことも学んでまいりました。今後、県内の飲食店等の感染対策支援をいたしまして、確認というよりも支援をし、そして、事業者の対策を促し、またお客様に御案内する、そういう仕組みをつくろうということで、滋賀県独自の新たな認証制度、これは具体的には山梨県の認証制度を参考に早急に作るよう、担当者に指示をし、現在、準備を進めているところでございます。ぜひ、長引くコロナとのつき合い、また、闘いを両立させながら乗り越えてまいりたいと考えておりますので、御協力方よろしくお願いいたします。

今日は2点。資料に基づいて、御案内をさせていただきます。まず、1点目は彦根城の世界遺産登録推薦書原案を文化庁に提出いたしたというお知らせでございます。資料に概要版をつけておりますが、3月31日に彦根城の世界遺産登録推薦書原案を提出いたしました。これがその原案の本冊ということになります。推薦書原案の提出は昨年に続き2回目ということでございまして、昨年度に提出したものの課題を解決した上で、よりわかりやすく、そして、より魅力的な内容に仕上げました。ぜひ、皆様方も一度、御一読また御熟読いただいて、彦根城はこういう意味があったのかということについて御確認をいただければと思います。

必要な資料といたしまして、彦根城とその周辺環境を保全するための包括的保存管理計画の原案を合わせて提出をいたしました。こちらの方は初めての提出ということでございます。今後、文化庁の文化審議会で審査され、それに対する課題が明らかにされるということでございます。今回の推薦書の大きな改善点は、彦根城の価値。お手元の概要版にも記載されているのですが、17世紀から19世紀半ば、いわゆる江戸時代の日本の独特の政治体制を物語る証拠としたところでございまして、その中で彦根城が最も保存状態が良く、典型例かつ代表例であると証明したところでございます。

価値の主眼を東アジアにおける江戸時代としたことで、例えば、朝鮮半島の平和外交に尽力した雨森芳洲先生、江戸時代を代表する中江藤樹先生の思想、近江商人の三方よしの哲学など、滋賀の誇るべき人物、歴史、文化にまで視野を広げることができると考えております。ちなみに、朝鮮通信使については1607年に国交を回復して12回通信使が来日されておられますが、うち10回彦根に宿泊をされているという、こういったことも紹介をされております。

こうした彦根城の価値を世界に発信することで、滋賀県全体の一層の魅力向上につながる。県民の皆様にも彦根城の世界遺産をより身近なものとして、感じていただけると考えておりますし、我々県民も学びを広げ深めていきたいと存じます。令和4年の国内推薦決定がまず一つのハードルです。そして、令和6年の世界遺産登録を実現していくためには、今回の原案の提出は大きなステップ、また、ステップアップでございます。今年度はさらに提示されます課題を確実に解決いたしまして、推薦書原案を完成させてまいりたいと考えておりますので、よろしく御指導のほどお願いをいたします。

この推薦書原案にも書いてありますが、明治時代になったときに、当時のお城がほとんど取り壊されていったという歴史があったそうです。しかし、住民の皆さんの強い願いによって例外的に保存された。明治天皇が巡行されたおりに同行されていた大隈重信、後の首相による御進言もあり、明治天皇から保存の命令がくだされたということがあったそうでございます。その後も戦災ですとか、開発などで失われることなく、現在の姿を残しているという歴史的にみても、その建物そのものとしても顕著な普遍的な価値を有していると結論づけ原案をまとめているところでございますので、ぜひ御参照いただければと思います。

私、「御覧ください」といろいろ言っていましたけど、すみません。資料を見ますと、(資料の中の)※印にありますように「審議の対象でありますことから公開は差し控えさせていただきます」ということでございまして、申し訳ございません、皆さんが今見られるものではなく、概要版だけ御参照いただくということでございました。お詫び申し上げ、訂正させていただきます。

続いての話題は、イクボス宣言についてでございます。こちらも資料がついていると思いますが、毎年度、この県庁において健康経営、ダイバーシティの推進、多様な人材の活躍推進ということで取組を進めております。

私が知事になり、平成27年度からこのイクボス宣言というのを実施しております。今年度につきましては、基本の定型スタイルに私自身の重点取組項目を入れさせていただきました。人間を、人間であることを大切にします。年度初の職員への訓示メッセージでも申し上げたことでもございます。一言声かけ、お手紙、場の雰囲気づくりに努めます。二つ目は人づくり元年。三つの「き」。「期待する」「機会を与える」「気づきを支援し鍛える」ということについて書かせていただきました。ぜひ、県民の皆さんの負託に応えられるような県庁をつくれるよう、さらに意を用いてまいりたいと存じます。

特にハラスメントゼロ。また、係長の支援、業務の見直し、男性職員の家事参加と育休取得の促進。このことには全庁的に、かつ、重点的に取り組んでいきたいと思います。今年度の新しい取組といたしまして、地方機関も含めて、広く部下職員にトップ層の決意を伝えられるよう、各部局長のイクボス宣言ですとか、その決意・思いなどを動画で職員向けに配信をするということでございます。

「こうやって言ってくれてはる」と、「こうやって言ってはる」ということについて、お互いが確認できるようにする。当然、私のメッセージもしかりです。さらに若い職員にとりましては係長が直近の上司にもなりますことから、係長という職にある職員にも全員イクボス宣言をしてもらうということといたします。ぜひ、私含めて管理職員また係長の一人ひとりが日々この宣言文を胸に刻みながら実践し、お互いに尊重し合う。みんなが活躍できる県庁をつくっていきたいと存じますので、この点もメディア、また、県民の皆様方の御指導・御鞭撻を賜れば幸いでございます。

長くなりましたが、私からは以上でございます。

[時事通信]

冒頭の発言でもございました新型コロナの病床確保ですけれども、改めてどのようなスケジュールで、いくつ増やすのかというところを、改めて教えていただけないでしょうか。

 

【知事】

現在、322床。そして、それを350床まで増床するということでございます。以前に申し上げていた少し落ち着いているときの減床、病床を減らす減床については一部行っていただきましたが、一部はとどまっていただき、現在322床を確保しているところですので、それをさらなる(陽性患者の)増加を想定し350床まで引き上げる。これはできるだけ早くやりたいと思います。

現場の状況もありますし、他の病床との兼ね合い、また、病床だけではなくて人の手配等もありますので、そういったことを確認しながら丁寧にやりますが、できるだけ早く整えられるように努力いたします。

 

[時事通信]

宿泊療養施設の方はどのように対応されるのでしょうか。

 

【知事】

宿泊療養施設は現在、3つの施設を持っておりますし、室数は350室を確保しておりますので、それらが機動的に運用できるように、こちらも人の手配。ならびに変異株の出現増加により出てきましたのは医師等の体制。また、日数だけではなくて、陰性確認をした状態で療養を終えていただくという、そういったことなど、当然のことながら、その急変時の対応も含めてですけれども、その体制を改めて確認した上で、今後の増加に備えていきたいと考えております。

 

[時事通信]

5つの方針の中でも示されていました変異株のスクリーニング検査ですけれども、40%への引き上げというのはいつごろをめどに考えでしょうか。

 

【知事】

これはもう順次、検体を確保し、その検体確保できるものについてはすべてスクリーニング検査をし、変異株であるかどうかの確認ができるようにするということを目指してやっております。ただ、最初の既存ウイルスの陰陽確認が、必ずしも検体を残すことを主眼に置いてやっているわけではありませんので、少しまだ時間を要するところもございますが、この点は鋭意、割合を高めていけるように努めてまいりたいと思います。

 

[朝日新聞]

今週、いよいよワクチンが各市町に届くと思うんですけれども、現状の課題をどうとらえていらっしゃるかを教えてください。例えば、医療従事者が足りているかとか、あるいは京都新聞によると野洲市はあっという間に予約枠がすべて埋まってしまったとか、あるいは東京の八王子の報道によると1時間とか1時間半とかでストップしてしまったというような状況ですけれども、そのあたりの体制にどういう課題があるか、お考えを教えてください。

 

【知事】

まず、大きな課題は、対象となる方に必要なワクチンが速やかに届くという、そして、いつどのぐらい届くのかという計画が示されるということ。これに尽きると思います。現在はその数が十分に届かないがゆえに、対象者が絞られ、その絞られた対象者をめがけて、希望者が殺到するという、こういう状況が起こってますし、具体的なスケジュールが明示されないがゆえに、自治体等も混乱をしているという、こういう状況だと思いますので、過日の知事会においても、そのスケジュールを早期に示すように、できるだけ早く対象者が接種できるようにすべきだということについて国に強く申し入れをさせていただきました。

現時点そういった課題がございますが、その課題も含めて、できる限り住民の皆様方に混乱なく対応できるように、それぞれの市町、また県も協力しながら、体制を整え、医療従事者、高齢者の接種を始めている、また、始めていくという、こういう状況です。現時点で何か大きな混乱が県内において生じているという報告は受けておりません。

 

[朝日新聞]

 国がスケジュールをきちんと示すべきだというお考えだということですけれども、例えば、今週の何曜日に届くとか、そういうこともまだ聞いていらっしゃらないということでしょうか。

 

【知事】

今月分については、いつどれだけというのは入ってきていますけれども、全然数が足りているわけではありませんので、例えば、医療従事者のみならず、対象となる高齢者の接種分のワクチンが、いつどれだけ入ってくるのかという全体像を示してほしいということを申し上げております。

 

[朝日新聞]

マスク会食というのを大阪府は強く進めているようで、知事も先日の会見で「マスク会食をぜひ」ということをおっしゃっておられましたけれども、専門家の意見は分かれているようで、非現実的であって机上の論理だとおっしゃる方もおられれば、有効なのでぜひマスク会食に励んでほしいと呼びかけられている専門家もおられます。ちょっと私も混乱しているんですけども、正直に言ってちょっと非現実的だと私は思っていて、私も酒飲みなので、マスクをしたり外したりしながら食事をするというのは、できるのかな、無理じゃないのかなと思っているのですが、大阪府の取組とか、滋賀県はどうされるのかとか、お考えをお示しいただけますでしょうか。

 

【知事】

まず、滋賀県でこれから示す独自のガイドラインですとか、またチェック項目については、今後、仔細検討した上でお示ししたいと思います。

総じて申し上げれば、私はマスク会食というのは、一定の効果があると考えております。確かに食べる時、飲む時に、外したり着けたり、外したり着けたりというのは、以前の動作になかった作業ですので、面倒といえば面倒ですが、感染リスクを下げるために私は必要な動作でないかなと思いますし、実は食べたり飲んだりするとき以外に、話すときというのも会食にはそれなりの時間、それなりの機会がございますので、そういったときに飛沫の飛散を防ぐマスクというのは、私は一定の効果があるのではないかなと思います。

ただ、それを行政だけ、もしくは専門家だけが申し上げるのではなくて、しっかりと現場において、いかに皆さんに御協力いただけるのかということが必要だと思いますので、そういったことをこれからどう進めていけるのかというのが課題になってくるのではないかと思います。

[朝日新聞]

つまり、大阪府のように滋賀県でもマスク会食を今後呼びかけていくというお考えであるということでよろしいでしょうか。

 

【知事】

大阪府のようにというのをどのようなことを想定されておっしゃっているのかわかりませんけど、我々はマスクを話すときに着けよう、会食のときにもできるだけ着けようということは、従来から申し上げておりますし、そのことは大阪府というよりも専門家の皆さんがおっしゃっているので、そこは広めていくべきではないかと考えております。

 

[読売新聞]

先ほど、おっしゃった飲食店の独自の基準、山梨県を参考にということですが、山梨県のを見ると飲食店で、A4で5枚にわたってかなりの分量が書いてあるのですが、滋賀県ではどのような基準を考えでしょうか。

 

【知事】

今後、詳細を検討します。

 

[読売新聞]

山梨県を参考になされる理由は何かあるのですか。

 

【知事】

時短ですとか営業自粛、もしくはそれに伴う協力金だけに頼るやり方ではない、持続可能な仕組みとして、1つの可能性を見出し得るのではないかと考えますので、参考にしようと申し上げております。

 

[読売新聞]

詳細はいいですけど、例えば、どういうところを飲食店に求めていこうと、それを認証しようとお考えなんでしょうか。

 

【知事】

基本的な感染対策がしっかり取れているかどうか。先週、(彦根市の)袋町に担当者が行ってくれましたけれども、例えば、アクリル板の設置、ふきんの使い方一つ、換気一つ、分かっているようで分かっていない、やれているようでやれていない。こういう対策でいいですかというようなことを、その場でお気付きになるようなことが多々あったと聞いておりますので、そういったことなどを一定取りまとめた上で、その対策実施を推奨しながら、むしろ、できているところを応援する、そういう仕組みを、そして、やれる店舗を増やしていく、やる店舗を増やしていくという、こういう方式で進めることができないだろうかと考えているところです。

 

[読売新聞]

休業要請とか、それに対する支援金とかでない形でとおっしゃったんですけれども、コロナの影響が長引いていますが、いつまでも例えば金銭的な支援をするというやり方では、行政の支援も原資が無限ではないので続かないかと思うんですけども、そういうところからの発想でしょうか、今回の対策は。

 

【知事】

そういったところからだけではないですけども、そういったことも含めて、やはりこのコロナとのつき合いは、長くかかる。また、波によって、また収まって、また広がってという状況が1年以上続いていますけれど、この先もそういったことを想定しなければならないということですので、「営業時間を短くしてください。協力金はこれだけですよ。しかし、その対象は狭められ、その期間も限られる」ということではない、一定感染リスクがありながらも営業をどう続けていくのかということを思考する方が持続可能ではないかと考えましたので、新たな仕組みをさらにつくっていくべきだと考えております。

 

[読売新聞]

大体、いつごろから運用しようとお考えでしょうか。

 

【知事】

できるだけ早く試験的な運用も含めて、進めていきたいと思っております。

 

[読売新聞]

 できるだけというと、例えば。

 

【知事】

4月中には何らかのものが示せるように、まずはガイドラインをお示しし、お店等に対策を実施していただいた上で、それを助言なり支援するべく見に行かせてもらうというような、そういう体制を動かしていきたいと考えております。

 

[産経新聞]

引き続き、この認証制度についてお聞きしたいと思います。既に滋賀県では、もしサポ滋賀の導入店舗に、同時に感染対策実施店舗という宣言書を交付して「安全ですよ」というアピールをする手助けは既にされているわけですけども、そういった制度との違いというのを改めて教えていただけますか。

 

【知事】

違いといいますか、その制度を補完していきたいと思っています。もちろん、「もしサポ滋賀」の導入、そして「もしサポ滋賀」導入時に関連する感染予防対策の実施を行っていただいているのですが、お店に聞けば「これでいいのかな」というようなお悩みや、また迷いなどもあるようでございますし、そういったことなどを、一定の基準を県として持ちながら、示しながら、対策を行っていただく。そして、それを見させていただいて、応援させていただいて、県では収入確保のための補助金なども用意していますので、そういったものと組み合わせて、対策を実施していただいて、そして実施できたお店については「実施できていますよ」という、お知らせをすることによって、お客様と一緒にさらに確認をしていく。こういう仕組みを作りたいと考えております。

 

[産経新聞]

Go To Eatなんかと抱き合わせる、他の支援策だったり対策だったりと連動するというのは、どういう形を考えておられますか。

 

【知事】

どういう連動ができるかも含めて検討していきたいと思うのですが、当然、Go To Eatの販売、特に御利用の際にはそういったお店を中心にお選びいただくことを推奨するということになると思いますし、そういった広報、告知なども積極的に行うことによって、取り組む事業者の御理解を得ていくという形が望ましいのではないかと考えます。

 

[産経新聞]

「もしサポ滋賀」も同様に、一種の条件にするということも検討されているということいいんですか。

 

【知事】

条件とかいう言い方もいいのかもしれませんが、どういう言い方にするのかというのは今後考えますけれども、むしろできたお店を応援する。取り組むお店を皆で利用するという、そういう仕組みに仕立て上げられないかと思っております。

 

[産経新聞]

医療提供体制についてお伺いしたいのですけれども、350床という数字を挙げていただきましたけれども、これはどういった想定に基づいて出された数字なのか教えていただけますでしょうか。

 

【知事】

前回の波を経験しているときに、つくった数字。協議会等で一定確認した病床数ですので、その病床数の数を申し上げて紹介しました。

 

 

[産経新聞]

前回の波の倍の勢いで増えたときにも対応できるように、確かマックスで1日57人、倍の勢いなので約120人が1日に新規で患者として発生した場合にも対応できるようにというような趣旨だったと思うんですけれども、この350床というのはそれに対応し得る体制だというように認識されているのでしょうか。

 

【知事】

まだ350床だけで、以前申し上げた前回の波の倍の120人が出続けたときに対応できるかどうかというと対応できないと思っています。

だから、まず、第一段階、前回確認した最大の病床を確保するということが、まず必要じゃないかと考えております。ただ、コロナだけではありませんので、必要な病床は。したがって、このバランスはよく現場と確認、すり合わせをしたいと思います。

[中日新聞]

認証制度についてですが、(彦根市の)袋町で感染対策の支援がより必要だというふうに感じられて、こういう動きにつながっているのかと思うんですけれど、現状だとどのような支援が不足しているというふうに認識されているのでしょうか。

 

【知事】

まず、(彦根市の)袋町の現場での確認作業もその一環でしたけど、その前から飲食・会食どのようにすればできるのか、続けられるのかという対策を考えようということを申し上げてきました。そして、一斉検査をした上で、陰陽確認し、かつ、現場での感染予防対策の確認をさせていただいているということです。もちろん、一定エビデンスに基づいて迷いなく感染症対策を様々な機材とともにしていただく。換気ですとか、アクリル板ですとか、そういったことがまず必要になってくると思いますし、その確認は必須になるのではないかと思います。

そして、こういった情報がまだまだ現場に十分に届いてないのかもしれません。したがって、改めてガイドラインを作った上で、現場にお届けし、現場の取組を促すお願いをするということが必要だと思います。

 

[中日新聞]

そうすると、前回の感染対策実施店舗のポスターのときは、特別何か確認作業とかはなかったかと思うのですが、今回のものは実地調査というか、何かしら確認というのをされる予定でしょうか。

 

【知事】

どういう体制かはまだ検討中ですけど、一定の確認作業、助言なりをしにいく作業というのは必要だと思っております。できないことを見るというよりも、やっていただいたことを応援する、助言するという、そういうスタンスで臨んでいきたいと思っております。

 

[中日新聞]

最初に子ども庁に言及されたと思うんですが、具体的な情報があまり分からない状況ですけれど、知事としては子どもに関する行政がいくつかの省庁に分かれていることでの弊害というか、どのようなことを認識されているか教えてください。

 

【知事】

私どもが全国の要望を取りまとめて、子ども政策の充実の要望に行く際にも、同じように、幼児教育の無償化と1つ言っても、文部科学省にも行き、そして内閣府にも行き、厚生労働省にも行きというようなことがございます。当然、それぞれの省庁をして、一定所管をし、権限を持って対応されているということでございますが、例えば、出生率の問題、そしてコロナ禍で子どもにいろいろな影響が及んでいるという課題等に向き合うときに、やはり子ども政策を一元化するという、こういう必要性というのは、以前よりも強まっている、高まっているのではないかと思いますので、その発露として与党でそういった検討がなされていると承知をしております。以前、それぞれの政党で、それぞれの政権で検討されたことがあるということも承知をしておりますので、この機に、現在、知事会としても緊急提言をまとめていこうと。これは子ども庁だけではないですけれども、子ども政策の緊急提言をまとめようということで、現在、準備をしておりますので、その取組と絡めて、主体的な動きをつくっていければというふうに考えております。

 

[中日新聞]

先ほど、お話がありましたけれども、既存の感染予防対策実施宣言書というのがあるわけですので、これは旧宣言書でこれは新宣言書ですとか、同時並列になるとすごくわかりにくくなってしまうかなと思うのですが、既に出しているお店に対しては、全店再認証するような、そういう方法は考えていらっしゃるんでしょうか。

 

【知事】

その辺りも含めて、どのように取り扱うのかということは検討したいと思います。

 

[中日新聞]

山梨県を参考にされるということですけれども、山梨県の方だと、飲食店に限らず、他に宿泊とか、あるいは酒蔵とか、もろもろあるわけですけれども、以前のものは飲食店対象だったと思うのですが、対象店舗の業種とかも広げるお考えはあるのでしょうか。

 

【知事】

一定の広がりは必要ではないかと思っておりますが、どこを対象にするのかも現在検討しております。

 

[中日新聞]

あと、山梨県の方ですと、この認証を受けていると、休業要請の際に、個別に解除していくというような運用方法もあるということですけれども、そういった運用法とかはいかがでしょうか。

 

【知事】

認証されたお店等で、どのような運用をすべきなのか、できるのかということについても検討したいと思います。

 

[中日新聞]

彦根城ですけれど、変更点は先ほど概略の方でおっしゃっていただきましたけれども、具体的に昨年度に出したものを、どういう指摘を受けて、そういう変更に至ったということなのでしょうか。

 

【知事】

昨年度に出したものに対する指摘は、後程、細川と鈴木が、彦根城の専門家がおりますので、お答えさせていただきます。

 

[京都新聞]

病床数のことで何点か確認させてほしいのですけれども、350床まで上げるという期限的なめどについては、できるだけ早くというお話が出ていたのですが、もう少し具体的に4月中とか、あるいはもう少し具体的なめどがみえたらありがたいのですが。

 

【知事】

すみません、勘弁してください。現場の状況も確認させてください。行政だけが、知事だけがいつまでにと言ってもなかなか難しい面もあると思います。そこは丁寧にやりたいと思います。

[京都新聞]

明言できる状況にないということなのですね。

 

【知事】

できるだけ早く350床には近づけていきたいと思っています。

 

[京都新聞]

御認識としては、想定する1日最大の新規感染者数が120人のオーダーになるという想定を持っておられるということなのですけれど、それを踏まえた上で、確保病床数として350床ではなお足りないと。さらに350床以上を積んでいくことを考えておられるというふうに理解したらいいのでしょうか。

 

【知事】

そういったことも考えております。具体的にどの県域の病床をどれだけ増やせるのか。また、増ふやさなければならないのか。この点も含めて今月、検討した上で協議会に諮っていきたいと思います。

 

[京都新聞]

マックスで大体350床を上回って、360床、370床、あるいは400床ぐらいになるのか。どれぐらいの数字を想定されておられるのですか。

 

【知事】

感染状況によります。

 

[京都新聞]

それと、第3波の時は病床確保にあたって、ちょうどコロナ以外の医療需要が膨らむ期間でもあったというところで、病床確保の難しさのようなことを知事がお話しになっておられたかと思うのです。今の4月の頭、あるいは5月に差しかかる中で、病床をどんどん積んでいかないといけないという難しさと、一方で第3波に比べてのやり易さみたいなものがあれば、今の状況を教えてもらえたらありがたいと思うのですけど。

 

【知事】

現場の状況のすべてをつまびらかに把握しているわけではございませんが、気温は以前の寒い時期よりも暖かくなったということはあるにせよ、医療現場が数多ある医療ニーズに懸命に御対応いただいているという状況は変わらず、その中で、コロナに対応、またコロナの病床を増床というのは、容易なことではない。大変厳しいことをお願いすることになるのだと理解をしております。

ましてや3月、4月で体制が様々入れ替わったところなどもあろうかと思いますので、この点は丁寧に現場の医療機関と調整をしたいと思います。ただ、この間、1波、2波、3波、それぞれの現場で御経験いただいておりますので、どういったことをやれば、感染リスクを伴わず、(感染リスクを)下げて対応できるのかという一定のノウハウは蓄積されていると思いますので、そういったものは糧にしながら、一緒に臨んでまいりたいと思います。

 

[滋賀報知新聞]

変異株について伺いたいのですが、今週末の土曜日に21例、日曜日に4例と、県内で新たに変異株だったというのが判明したという報告もあったんですけれども。今月に入って27例が出ていることの、知事の率直な受け止めを伺えたらというのと、あと、変異株が全国的に増えてきているというのも含めて、今後の県の対応方針であったり、スケジュール感というのが、何か変異株対応であれば教えていただければと思います。

 

【知事】

今週の日曜日、4日に全国知事会をしたときも40人近い知事、そのほとんどがこの変異株の出現と急増、そして対応の難しさ、皆が口にしていたということからいたしましても、大変脅威だと思っています。

十分につかみ切れていないが、分かっているだけでも感染力が早く、そして、ある意味で強いということが報告されておりますので、そういう意味で、この間の3月下旬から4月上旬にかけてのこの広がり具合をみていただいても、おわかりのとおり、相当、県内においても広がりつつあるということを認識しなければならないと思います。

それに比して、この変異株の検査の試薬が十分に整っていないということであるとか、入院、特に退院基準が、以前の1年前の既存のウイルス対応と同じであるがゆえに、入院治療が必要となり医療資源を圧迫するという状況ですとか、監視体制がまだ十分に整えられてないというようなこともございますので、こういったことを早急に整えていく必要があるというのが課題だと思います。

 

[滋賀報知新聞]

続けて、現在、まん延防止措置がとられているような地域では病床のひっ迫なんかも声が聞こえてくるのですけれども、その地域などではもう第4波に入ったなという声も聞こえてきます。昨日までの時点の状況、2桁を行ったり来たりしているようなところで、4波に入っているのか。例えば(4波の)入口にあるとか、知事の今のお考えとしてはどんな感じでしょうか。

 

【知事】

「波」の認識というのは、専門家ほどを詳しくウォッチしているわけではございませんが、確実に現在の状況からすると4波の中に入っていると言っても差し支えないのではないかと思います。

 

[びわ湖放送]

今日、4月6日は城の日ですけれども、安土城も今日、博物館の(入館者の)方が150万人になるとお聞きしていまして、彦根城も世界遺産登録に向けて推薦書原案が出されたということですが、改めて数ある滋賀県のお城がいっぱいある中でこの彦根城世界遺産に向けて進んでいこうという知事の決意をお聞かせいただきたいと思うのですが。

 

【知事】

お城とお城跡で1,300が滋賀県にあります。それだけ古くから要所であったということでしょうし、水路を含め、農作物含め、地の利があったということですので、まさに近江を制する者が天下を制すという、こういう状況であったのだと思います。お城中心に自治が築かれ、またいろいろな群雄が割拠したということは、ある意味でのドラマでもあり、観光にもつながる素材だと思います。

そういうお城とお城跡にまつわることをしっかりと調査して、そして勉強して発信していくということに、さらに力を入れて取り組んでいきたい。その一環が幻の安土城復元プロジェクトでもございますし、今日、御紹介申し上げた国宝・彦根城を世界遺産にするという、こういうプロジェクトでもございます。

とりわけ彦根城はそういった戦国時代の混乱期を鎮めて、収めて、例えば、領民の皆さんが武器を持って、自らの安全を守るという必要なく、農業や商工業に勤しむことができ、安定した戦乱のない、安定した世の中を200年以上つくることができた。そのモデルになった政治の中心拠点であったといわれておりますし、関ヶ原の戦い以降につくられた幕府において、東西の結節点に位置し、1604年からですか、幕府直営の天下普請として、近隣の大名を動員して、この彦根城の築城にあたられたということからしても、当時の大事なお城を幕府をあげて作ったというようなこともあるのでしょう。

その後、大名・井伊家は江戸時代の全期間を通じて徳川将軍家を支える筆頭の地位にあった。ゆえに、様々な儀礼が発達したり、様々な文化が作られたりということがございましたので、こういったことをしっかりとまとめて、世界の皆さんにお伝えしていきたい。そして、むしろこういった平和な世の中をつくるヒントは、彦根にあり滋賀にありというようなことを打ち出していければと考えております。

米蔵跡なども17棟が当時あったそうでございますが、これは戦に備えるということではなくて、飢饉などの非常時に備える備蓄米を幕府から言われ求められて作っていたということからしても、相当な民を思い、そして、社会を安定させるためのお城だったのではないかと思いますので、こういったことをしっかりと表現していければと思っております。

 

 

[びわ湖放送]

なかなか世界遺産登録は難しいと思うのですが、その壁を乗り越える、ゴールに向けて進んでいく、その知事の思いというのは。

 

【知事】

確かに世界遺産というのはハードルが高いと思います。しかし、彦根城の持つ、そして、彦根地域の持つ、それを育んできた滋賀の持つ力というのは、世界遺産の名にふさわしい歴史があると思っておりますので、自信と確信を持って世界遺産登録に向けて進んでいきたい。

また、一部の担当者、行政、知事だけが、市町だけが旗を振るということではなくて、多くの市民町民県民がこの世界遺産登録に向けて一緒に努力をする。また、全県にその効果が及ぶ、そういう取り組みをつくっていければと考えておりますので、ぜひ、頑張っていきたいと思います。BBC様の格段のお力添えをお願い申し上げ、私の決意表明とさせていただきたいと思います。

 

[時事通信]

先だっての記者会見で、県内旅行の支援事業を活用されるというようなことをお話しされまして4月中旬をめどにというようなことをおっしゃっていたのですけども、この再拡大もありまして、どうなのかなということ。あと、Go To Eatの食事券も5月からですけど、また入るのですが、このあたりは変更なくいくような形なのか、お考えがありましたらお伺いします。

 

【知事】

後段、お尋ねいただいたGo To Eatについては、先々月の2月26日に利用自粛の要請解除を行い、3月1日から食事券の販売を再開しております。現時点、御利用もお買い求めいただけるという状況です。感染予防に気をつけていただきながら、またマスク会食等、換気等に気を使っていただきながら、御利用いただくということでございますし、冒頭にお尋ねいただいた国の支援を活用した「今こそ滋賀を旅しよう」のさらなる継続。この仕組みを生かしながら、新たな支援策をつくる、この検討作業については現在、鋭意進めているところでございまして、4月中旬にもお知らせできるように努めていきたいと思います。

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