【知事】
どうぞよろしくお願いいたします。まず県内の新型コロナウイルス感染症の状況でございますが、昨日現在、入院・療養されている方が406名という状況です。この状況は確保病床の占有率にして90%、重症者用病床についても37.5%と逼迫した状況にございます。医療体制は「非常事態」にあると言わざるを得ないと思います。医療体制の非常事態を、皆様方とともに共有をしなければなりません。
宿泊療養施設は、現在県内2つのホテルで実施しておりますが、こちらについては占有率が50%を超えてきています。まだ半分じゃないかという見方がないわけではないんですけども、看護師等の医療スタッフは、この宿泊療養施設においても大変厳しい状況にございますので、必ずしもこの数どおりに受け入れられる状況にはございません。
現場に御協力いただきながら、鋭意、病床の増床に努めているところですし、宿泊療養施設についても、第3のホテルの開設に向けて準備をしておりますが、この状況が続くようであれば、また、さらなる感染拡大が、まさに今日、明日、今週中に見られるようであれば、滋賀県としてもステージ4への移行並びに緊急事態宣言の対象地域に加えていただく要請をしなければならない状況にあると考えております。
入院等の体制につきましては、65歳未満の低リスクの方、無症状・軽症者の方には、原則として宿泊療養施設で御療養いただくこととして参りましたが、今後は医師の判断により自宅療養をお願いする場合がございます。
もちろん、自宅での療養にあたりましては、丁寧な健康観察を行って参ります。
食料品の配達など市町とも連携しながら、必要な生活支援を行っていくことといたしますが、こういうこともやっていかなければならないという「医療体制非常事態」であるということを、ぜひ皆様方には、御理解、共有していただいた上で、御協力をお願いしたいと思います。
また県外に目を向けますと、大阪府、京都府、兵庫県が、国に緊急事態宣言の対象とするよう要請を行っておられ、今日、明日にでも決定されると承っておりますし、隣の岐阜県また愛知県などにおいても、国への要請を検討されているということでございます。
そういう意味で、まさに緊急事態宣言対象エリアに挟まれる形の本県でございますので、緊張感を持って対応しなければならないと考えております。したがって、関西エリアもそうですし、隣接する県等に緊急事態宣言が再発令されれば、対象地域との往来自粛について遅滞なく要請することといたします。
今は、感染拡大地域に出かけられることを控えてくださいという言い方ですが、今後はそういった地域から本県に来られることについても御遠慮いただくというメッセージを発せざるを得ないと考えております。
こうした状況をふまえまして、県民の皆様には基本的な感染対策の徹底、緊急事態宣言が発出されている地域などへの不要不急の外出の自粛、会食を控えるなど、強くお願いをしたいと思います。
特に後段申し上げた、対象地域との往来自粛ということで申し上げれば、この年末年始に陽性となられた方、これはクラスター以外の方々についてですが、例えば帰省してこられた方かどうかを見ますと、帰省をしてきたという方が約半数、年明け以降の孤発例でも約半数いらっしゃるという状況です。
また、年末年始の飲食を、どこで取っておられたかという質問に対しては、年末は約半分が県内だったんですけれども、年明け以降は、県内での比率が大きく減少して4割以下となり、6割以上が県外で、その県外の中には今回緊急事態宣言の対象エリアとなります京都、大阪、1都3県の割合も非常に高いという状況が、この積極的疫学調査の中でも明らかになっております。これは答えていただいた方の中の割合ということでございますが、こういった形で、特に年明け以降、(グラフの)こちらが県内なんですけれども、地域別飲食の場所の割合は12月22日~28日、12月29日~1月4日、そして1月5日~1月11日と段階を追って県外の割合が大きくなっていると、京都、大阪1都3県といった地域の比率が高くなっているということもございますので、緊急事態宣言に加えられることを契機として、これまでの、そういった地域に出かけることを控えてくださいというメッセージから、そういった地域との往来を自粛していただくよう要請することといたします。
引き続き、今週が非常に重要な時期になって参りますので、県民の皆さん、現場の皆様方と力を合わせて乗り越えて参りたいと思います。それではそれ以外の話題提供について、3点申し上げます。
まず1点目は、押印省略および電子メール等による請求書等の提出についてでございます。資料もお手元にあると思います。行政サービスのデジタルファーストを実現して、県民の皆さんの幸せと、より豊かな暮らしを実現していこうと、今DX(デジタル・トランスフォーメーション)を強力に推進して、その中で押印の見直しを進めてきております。
その一環として、本日1月12日以降、県に提出される請求書、見積書、領収書の一部について押印を省略すること、メールにより提出いただくことを可能といたしました。なお、資料に記載しておりますとおり、法令、規則等により押印や書面による提出が定められているものは、今回、取扱の対象といたしません。また、押印の代わりに、県から確認を行うための発行責任者・担当者の氏名・連絡先を記載していただくなど、一定の条件があるということでございます。
県ホームページに詳細を掲載いたしますし、請求書等の提出をお願いする際に、担当部局から御案内させていただきますが、御不明な点がございましたら、担当部局にお気軽にお問い合わせいただきたいと存じます。
続いて2点目は、「マイナンバーカード出張申請及びマイナポイント申込イベントが県内商業施設で開催されます」という御案内でございます。
滋賀県ではマイナポイント事業との連携により、9月から「滋賀県キャッシュレス決済推進事業」を実施しております。
この度1月17日(日)、草津市にございます商業施設「アル・プラザ草津」と守山市にあります商業施設「ピエリ守山」でマイナンバーカードの出張申請窓口の開設やマイナポイントの申込サポートなどを行うイベントが民間事業者の主催によって実施され、本県及び関係市の大津市、草津市、守山市、栗東市もこれらのイベントに協力をするということでございます。
本県におけるマイナンバーカードの交付枚数でございますが、この事業を実施した後、1月1日時点の交付枚数率でございますが26.25%と、事業開始時は全国10位だったものが6位まで上昇しているということでございます。
この度、マイナンバーカードを申請されていない県民の皆様に、さらに、このような機会を設け、気軽に申請していただけるよう、民間事業者と協力して進めていこうということでございます。
本県では、マイナポイント申込者を対象に、各決済事業者から「滋賀応援ポイント」の上乗せ付与を行っていただいております。この上乗せ付与の前提となりますマイナポイントの申込状況でございますが、1月1日時点で本県でマイナンバーカードを交付された約37万人の約3分の2、24万弱もの方が、まだマイナポイントの申込を行っていらっしゃらないと推計されております。
滋賀応援ポイントの付与対象となりますお買い物やチャージの最終日が迫っておりますことから、マイナンバーカードを受け取りながら、まだマイナポイントをお申し込みでない方には、ぜひこの機会にマイナポイントをお申し込みいただき、県内でのお買い物をしていただくよう、イベントを通じて呼びかけていきたいと思います。
資料の最終面4頁に、滋賀応援ポイント付与対象となるお買い物の最終日が記載されていると思います。だんだん締め切りが近づいてきておりますので、ぜひ御確認をよろしくお願いいたします。
最後でございますが、「令和3年度県政モニター募集」について、お知らせをいたします。このことは、昨年12月9日にも資料提供させていただいておりますが、改めて御案内でございます。
県民の皆さんから御意見や御提案をお聞きする県政モニターを募集し、主にインターネットを通じたアンケートへの回答を中心に活動をいただく制度でございまして、お忙しい方でも気軽に御参加いただけるものでございます。
現在、令和3年度に活動いただく300名を募集しておりまして、対象は県政に関心を持ち、令和3年4月1日現在で県内にお住まいの満15才以上の方で、インターネットを利用してサイトの閲覧、メールの送受信及びアンケートへの回答ができる方というのが条件となります。アンケート結果やいただいた御意見等は県の施策を構築する上で参考とさせていただいております。
呼びかけたいのは、ぜひ若い年代の皆さん、また御高齢の方にも、たくさん御応募いただき、幅広い意見や提案を頂戴することで、対話と共感による県政を推進していきたい、ともに豊かな滋賀を作っていきたいと考えております。
なお、直近1月4日現在の応募状況を見ますと、地域的には、甲賀地域・湖北地域の方、また年代的には10代・20代の方、次いで70才以上の方、性別では女性の方の応募が少ない傾向にございます。
滋賀県の推計人口から割り出した、地域・年代・性別の比率に合わせ、バランスのとれたメンバー構成にしたい。もって県民の意向を反映できる制度にしたいと考えておりますので、今申し上げた甲賀地域・湖北地域の方、10代・20代の方、次いで70歳以上の方、性別では女性の方、ぜひこれらの方に積極的な御応募をお願いしたいと考えております。締切は、2月10日(水)午後5時ということでございますので、たくさんの御応募をよろしくお願いいたします。長くなりましたが、私からは以上です。
[毎日新聞]
先ほどのお話の中で、さらなる感染拡大が続けば、緊急事態宣言の要請も視野に考えるというお話でしたけれども、現状で病床占有率などは、国の指標のステージ4の基準を超えているところもありますけれども、具体的にどのような数値になりましたら、政府の方に緊急事態宣言を要請するとお考えでしょうか。
【知事】
かねてから申し上げておりますのは、医療体制、特に重症者用病床でございまして、ステージ3の指標が20%、ステージ4の指標が50%で、本県の直近の状況は30%ということでございますので、この数字の動向は絶えず見ておりますし、御高齢の方の入院が増えると、どうしても病床を使用される傾向が高いということがございますので、この数値の動向はしっかりと見なければならないと考えておりますし、例えば順次退院をなさる方と新たに入院なさる方との数のバランスで、逼迫度合いが進むのか緩和されるのかということもございますので、この数日はこの状況をしっかりと見なければならないと思っております。
[毎日新聞]
冒頭にもありましたけれども、年末年始の感染者の増加は、どのように分析されてますでしょうか。先ほどと重なる部分があるかと思いますが、改めて分析の結果をお願いします。
【知事】
年末年始は、多くの方々に様々な御協力をいただく形で過ごして参りましたが、この例にもありますように、例えば1月4日以降、陽性となられた孤発例でクラスター以外の方、これは母集団88人ですけれども、この孤発例の88人の方だけを見ても約45%、5割近い方々が帰省というものをなさって来た方々ということでございますので、比率としてそれをどう見るかという尺度の問題はあるのでしょうけれども、一定そういう影響、原因なども見られるのではないか。
また、先ほどグラフをお見せしましたように、飲食ですね。この飲食で見ると、年末の陽性の方は、半分、半分以上が、飲食をなさっていたとしても、まだ県内にとどまっていたものが、県外の比率が6割を超える形で増えてきたという状況は、やはり一定、県外から来られた方の影響というものも県内に見られるのではないかということですので、いろんな協力をしていただいている中ではございますが、年末年始のそういった生活や動き等が現在の感染動向に影響を与えているという面は否めないのではないかと思います。
[毎日新聞]
病床の逼迫率からして、場合によっては自宅療養も考えるというお話が新たに出たかと思うんですけれども、基準と申しますか、自治体によっては点数をつけて、選別されていると聞いたことがありますが、県ではその辺どのように考えてますでしょうか。
【知事】
まずは医師の判断によります。特に65歳未満の方で低リスクの方、様々な症状・御病気のない方ですね。このコロナの無症状・軽症者を中心に宿泊療養施設で療養いただくと、何か症状が出ていたり、重篤な場合は医療施設に入院ということで進めてきたんですが、この宿泊療養施設もかなり切迫しつつございますので、自宅等で療養していただくというものも新たに選択肢に加えていきたいと思います。
何かポイントで判断するというよりは、それぞれ診ていただく医師の判断を尊重したいと思います。ただ、どういう場合に、それを言っていいのかというようなことについては、今担当部局をして、基準を作り、現場で運用できるように、準備を進めているところです。
[毎日新聞]
9日に近江神宮でありました競技かるたの大会を視察されていたと思うんですけれども、毎年やっている中で、今年初めて行かれた目的とですね、見られた感想をお願いできますでしょうか。
【知事】
9日に近江神宮で開催された「競技かるた名人位・クィーン位決定戦」の2回戦から私は現場で観戦をさせていただきました。初めての経験でした。この時期に行われていることは承知しておりましたけれども、この間、他の公務との兼ね合いで、なかなか伺うことができなかったんですが、今回は時間も取れましたし、コロナ禍でどのような形で行われているのかというようなことに関心もございましたので、現場で見させていただきました。
なんていうんでしょうか。間近で見るのは初めてだったんですが、こんなに競技性の高いものなのかと。また、こんなに取るの取られるのが紙一重なのかということに魅せられたというのが率直な印象でしょうか。
そういう素晴らしい大会が、かるたの聖地として近江神宮で開催されるということに大きな誇りを持ちました。大変、競技人口も裾野が広く、全国で行われているということもお聞きいたしましたので、今後、大津市とも連携しながら、こういったことに、どう我々PRに取り組んでいくのか、さらに考えていきたいなと思った次第でございます。現場で詠んだ歌です。
歌かるた幸せの風紙一重
[読売新聞]
新型コロナの話ですが、病床と第3の宿泊療養施設を確保しているということですが、確保できそうな時期の目途と、その進捗をお聞かせください。
【知事】
まず、現在、病床については240床に近い病床を持っておりますけれども、これを280に乗せるべく現場と調整をしております。ただ、繰り返し申し上げておりますとおり、もともと医療の提供体制がコロナ以外も含めて、相当厳しい状況にあることに加え、現場でコロナ以外の治療や療養にあたられている方々もいらっしゃいますので、そんなに数が簡単に増やせるものではない。何よりこの病床の数だけではなくて、そこに人の手配というものも併せて行う必要がありますので、現在、現場でも御苦労いただいているという状況でございますが、できるだけ早くこの数を280に近づけるべく、まずは今月内を目途にできる限り届けていくということです。順次、空いてきています。この239床から、さらに今週中にも幾つか増やせる状況を報告いただいておりますし、大阪に応援に行っていた看護師も戻ってきて、県内の医療現場で対応するという報告も受けておりますので、こういった事々、総力を挙げて、しっかりと整えていきたいと考えております。
ただ、それを上回る新規陽性の方が出ておりますので、先ほど申し上げた自宅療養等でお願いする場合もあり得るという状況下にございます。また、宿泊療養施設、第3の施設についても、今、鋭意準備を進めておりますが、現時点、今月20日過ぎの予約から順次キャンセルをお願いしている状況だと聞いておりますので、その整い具合によって、早ければ今月下旬から、順調にいけば2月初旬開設という目途で準備を進めているところでございます。
[読売新聞]
緊急事態宣言についてですが、知事は県内の状況で重症病床の使用率を重視されていると、先ほどおっしゃったかと思うんですが、重症病床がステージ4の基準、つまり50%以上になったら滋賀県としても緊急事態宣言の要請をされるということなんでしょうか。
【知事】
1つの大きな指標にはなると思います。ただ、その指標が一瞬超えたからということだけをもって、すぐに緊急事態宣言の要請に結びつけられるのかどうかということについては検討を要すると思います。
[読売新聞]
逆に近隣の大阪、京都、兵庫、岐阜、愛知など、いろいろなところでステージ4に達しているということを仰っている知事さんがいらっしゃるようなんですけれども、滋賀県は宣言を要請することについて、なかなか慎重かなと思うんですが。今、病床が9割を超えていて、重症病床もかなり埋まりつつある中で、あえて今日の時点でまだされないというのは、どういうお考えからなんでしょうか。
【知事】
法律に基づく緊急事態宣言の対象エリアに加えると、その対象エリアに加えることを要請するということは、私は極めて重い判断だと思いますし、緊急事態宣言が発令され、それに伴う基本的対処方針が示され、緊急事態措置が行われるということは、これは多くの私権を制限するものでもございますので、そのことはやはり一定の状況・指標に基づく判断、そしてそれ以外にできることをやった上での措置という面もあると思いますので、隣接県がすべてそうだから滋賀県もそうということだけではないのではないかと思います。
ただ冒頭に申し上げたように、医療の体制は非常に逼迫した状況にございますので、このことはしっかりと県民の皆さんと共有した上で、その状況によっては、ステージ4に引き上げた上で、県としても国に要請をすることも検討しなければならないと考えております。
[中日新聞]
先ほどの「低リスクの人は自宅療養に」というのは、どのタイミングで移行することを考えていらっしゃるんでしょうか。
【知事】
もうすでに現場では一部運用を始めていると聞いておりますし、もちろん、いろいろな事情で病院や宿泊療養施設に入れない方に加えて、今回は医師の判断で、ある意味では宿泊療養施設以外、自宅等で御療養いただく方も改めてお願いするという状況でございます。
[中日新聞]
基準は先ほど作られていると言っていましたけども、出来次第、運用していくということなんですか。
【知事】
出来次第、運用していくことになります。
[中日新聞]
感染者の疫学調査についてなんですが、神奈川県の方では調査の仕方を見直して、高齢者施設やの福祉施設などリスクが高い施設に集中するというような方針も打ち出していますが、滋賀県でも今、介護施設のクラスターなどが増えておりますが、どのようにお考えでしょうか。
【知事】
現時点では、現場で積極的疫学調査を、クラスターも含めて追いかけて行っていただいておりますが、今後、さらに増え続ければ、こういう調査が追いついていかない。したがって、対象を絞らざるを得ないと、そういう状況が近いという報告を週末に受けておりますので、今後の状況によっては、そういうことも検討していかなければならないと考えております。
[京都新聞]
自宅療養についてお伺いしたいんですが、先週末の段階まで自宅での療養というものについては、はっきりした御説明がなかったと思うんですが、今回、自宅療養にも舵を切るとあえて踏み込まれて御発言というか運用を定められた、そこに至る知事の思いというか、どんなお考えのもとに、今日の御発言に至ったのか、運用を始めるという御決断に至ったのか、御説明いただきたいと思うんですが、よろしくお願いします。
【知事】
それは冒頭申し上げたように、やはり医療の体制が非常事態にあるという、こういう状況です。もちろん、現場で懸命に頑張っていただいておりますし、コロナ対応で増やすために、御尽力、御協力いただいているのですが、なおそれを上回る患者の方が出てきているということでございますので、医師の判断により低リスクの方は、無症状・軽症者の方を中心に自宅で療養していただくということに舵を切らざるを得ない状況でございます。
[京都新聞]
今の質疑応答の中で、大阪に応援に出していたナースを戻すというお話があったんですが、他県への医療体制の応援ということで出しているスタッフがどれぐらいいて、この非常事態を受けて、どんな形で呼び戻しているのか。要は病床の確保だけじゃなくて、マンパワーの確保の方について、どんな対応を取っておられるのか、具体的に教えていただきたい。
【知事】
このコロナ対応で滋賀県以外に応援に行っているスタッフは、現時点、この大阪府の新たにつくられた大阪コロナ重症センターに派遣をした6名のみだと思います。正確に申し上げれば、その看護師の皆さんも12月の中旬から1月の上旬までをワンクールとして、順次、現場で勤務にあたっていただいた。そのクールを更新せずに戻ってきていただくという体制になっておりますので、大阪での勤務のクールが終了次第、滋賀県の現場に戻ってきていただく、再度更新して引き続き大阪ということではなくて、滋賀県の病床体制も厳しいので、滋賀県の病床のためにあたっていただくという、こういう対応をしようというものでございます。
[京都新聞]
このステージ4への引き上げと緊急事態宣言の発出要請についての兼ね合いというか、プロセスとしてはステージ4に引き上げると同時に宣言の発出を要請するというような流れをお考えになっておられるんでしょうか。
【知事】
まず、県としてできることについては、県が持っております基準にしたがって指標をみながら、県のステージ判断を3から4に引き上げるか引き上げないか。引き上げた際に、どういうことを県民の皆さんにメッセージとして、お願いとしていくのかということがまずあります。
特措法上の緊急事態宣言のエリアに含めていただくよう要請することについては、実は法律で定められておりませんので、法律に基づく手続きということよりは、それに至るまでに県の窮状事態をどのように国に伝えていくのかということだと思います。ただ、それには様々な権限も伴うし、いろいろな制限も制約もお願いすることになりますので、慎重な検討と判断がいるということです。
おそらく、これだけ首都圏以外に広がってくるとすれば、国としても何らかの検討を、どのように広げていくのか広げないのかということについても判断をしていただくよう求めていく必要があるのではないかと思います。
[京都新聞]
病床が9割を超えているということなんですが、他府県もいずれも病床が逼迫しているかと思うんですけれども、おそらく最も逼迫しているのが滋賀県になってくるのかなと思うんです。例えば、病床が100%になった折とか、あるいは、もう100%間近という段階になって、他県に患者さんの受け入れを要請するとか、振り分けていくというところまでお考えになっておられたり、青写真を描いておられたりするんでしょうか。
【知事】
現時点、考えておりません。やはり、その患者の方の移送というのは、大きなリスクを伴うものでございますので、県内の患者さんは県内で御療養・治療いただくというのが原則だと思います。
どうしても一部、小児用のエクモ等で専門医療機関の助けを借りなければいけないものについては、救急搬送するということも想定しておりますけれども、それ以外については基本県内で治療いただくことを原則としております。
[日本経済新聞]
自宅療養について伺います。これまで避けてきた自宅療養をやらざるを得ない状況になったということですが、この自宅療養が今後増えることで、感染対策上、どんなリスクが増えるんでしょうか。また、そのリスクに対してどのような対応をお考えでしょうか。
【知事】
まず、今のお尋ねにストレートに答えるとするならば2つです。1つは、陽性になられた方、自宅で療養されている方の容態をどう診られるのかということがまず一番です。急に重症化された場合、命の危険に近づかれた場合の措置が迅速に行えるのかどうか、健康観察も含めてこれが1つ重要だと思います。
2つ目といたしましては、その方を起点に、さらなる感染拡大に繋がる懸念です。御自宅等で、他の方々との接触、御家族含めて感染予防対策を徹底した上でということは、保健所等からしっかりと御指南申し上げるつもりでございますが、それが十分に医療機関ほど取れないでしょうし、物理的な隔離というのも難しいでしょうから、そういう中で感染拡大が防げるのか防げないのか、これは非常に重要なポイントではないかと思います。
[日本経済新聞]
対策の方どうでしょうか。
【知事】
したがって、この自宅療養をされる場合においても、丁寧かつこまめな健康観察をするということがまず1つ。これには県の保健所を含め、医療資源もさることながら市町と連携しながら対策を講じていくということが1つでございますし、自宅で療養される際にも、さらなる感染拡大に繋がらないよう、当該患者の方々にしっかりと御連絡をするなり、不安なことに御相談応じるなり、しっかりとフォローをしていく必要があると考えております。
[産経新聞]
緊急事態宣言の考え方については、重症者用病床の逼迫具合というのが1つ重要な指標になるということでしたが、その50%を上回ってもすぐにそれがすなわち宣言につながることはないというふうに先ほどおっしゃいましたけれども、逆に言えば50%を超えない限り要請することはないというふうに考えていいんですか。
【知事】
何かの指標をもってすべてが100%決まる、変わる、ということではありませんので、そのものが指標を超えなくても他の指標が全部超えたときにどうするのかとか、そこは状況をみて判断しなければならないと思います。
ただ、県のステージを特別警戒ステージに移行をする際には、移行して何を皆さんに求めていくことになるのか。そういったことも当然、必要になってきますので、そことセットで考えていきたいと思いますが、できる限りそういう事態を避けるために、この感染拡大を食い止めていくということに取り組んでいきたい。また、医療病床等をしっかりと確保するということに努めていきたいと考えております。
[産経新聞]
冒頭の御発言の中で、宿泊療養施設についても厳しい状況が続いていて、数どおりに受け入れられる状況じゃないという表現をされたと思うんですけども、この意味について具体的にどういう状況か教えていただけますか。
【知事】
例えば、部屋は空いても清掃が間に合わずに、次の受け入れ態勢が十分に整わないとか、部屋はあってもそれをフォローする職員態勢が追いつかずに十分機能させることができないとか、現在、大津と彦根の2カ所にありますけれども、それ以外の地域、遠いところにお住まいで感染なさって、そこに移送をすることが迅速に叶わないといったような諸々の事情がございますので、部屋が空いているからすぐにすべてを受け入れられる状況にはないという事情を持っていますので、ぜひ共有したいということで申し上げました。
[産経新聞]
確保している数と実際に運用できる数に少し開きがある状況だと理解したんですけれども、どのくらい乖離があるものなのかというのを教えていただけますか。
【知事】
それは状況によって違います。例えば清掃業者の方がタイムリーに清掃できないという状況は改善すべく、週末に指示をし、今、改善に向けて動いています。県の職員態勢についても、BCP計画(業務継続計画)を準用いたしまして、改めてこの1月、2月、コロナ最優先で感染症対策、宿泊療養施設の運営に職員を充てられるように、今週から切り換えておりますので、それで順次態勢を整えていきたいと考えております。この数だけ、しっかりと運用できるような態勢にしていきたいんですが、ただ、なお残るのは移送の問題です。陽性になった方を病院に入らずに宿泊療養施設に物理的な距離を超えて、どう移送することができるのか、もう入院してもらおうということで調整していくのか、これはコントロールセンターの様々な判断の中で対応されておりますので、できるだけコントロールセンターが、陽性となった患者の方の容態等に応じて命を守るための選択が迅速に取れるように態勢を整えるということが重要ではないかと思っております。
[時事通信]
まず、緊急事態宣言について伺います。緊急事態宣言を要請される場合に奈良県とか和歌山県といった他の自治体との連携、これについてはどのようなお考えでしょうか。
【知事】
ぎりぎりまで、どのような御意向をお持ちなのか、状況であられるのかを見た上で、必要な相談はした上で、対応していきたいと考えております。
[時事通信]
緊急事態宣言を待たずに、緊急事態宣言でやるようなことを県独自でも先にやってしまうとか、そのようなことはお考えでしょうか。
【知事】
理論的にはあり得ますし、選択肢として排除しているわけではありませんけれども、法律に基づく宣言に基づく措置が取れるのか取れないのか。それは裏付け、法的根拠の有無、これが強制力にも影響してきますし、財政的な裏付けにも繋がってきますので、そこは慎重にならざるを得ないのではないかと考えます。
[時事通信]
自宅療養の話ですけれども、この場合、例えば子どもさんをお持ちの場合でしたら、家庭内で感染すると、子どもさんも感染するという可能性もないことはないと思うんですが、学校の対応はいかがお考えでしょうか。
【知事】
学校の対応については、緊急事態宣言下にあっても、その地域においても、感染症予防対策を行った上で、教育活動を継続するという方針が出されていると承知をしておりますし、この時期行われる受験・試験等も予定どおり行われると承知しておりますので、本県においても、そういったことがしっかりと行われるように、必要な対策を講じて参りたいと思います。
ただ、仰ったように、例えば御家族の方、親御さんなどが感染されて、それが子どもさんにうつる可能性というのは、これは従来からもございました。両面あって、だから隔離して医療機関に行きたいという方と、だけども家にいて子どもたちと一緒に過ごしたいという方とがいらっしゃいますので、これは症状に応じて事情に応じて柔軟に対応していくということも必要なのではないかと考えます。
[時事通信]
先ほど自宅療養において、市町と連携して対策を講じるということですが、市町には具体的にはどのような呼びかけをして、どのような対応を講じようとお考えでしょうか。
【知事】
すでに一部事務的には調整をしているところでございますが、例えば保健所が行う疫学調査とは別に、生活に必要な支援がございますね。例えば買い物を行うだとか、細かい話で言えば、ゴミを出されるとか、こういった事々については、ぜひ身近な地域で、御支援願いたいというようなこともございますので、その辺りの情報共有、連絡相談など市町とさせていただいているところです。
[中日新聞]
やはり自宅での療養となりますと、特に無症状の方ということもあって、無断外出したりとかですね、様々のモラルハザードとかも懸念されると思うんですが、そういったことがないように、具体的にどのような対策をしていくのか、またそういう人がどう行動していくのか、ということをどうトレースしていくのかということをお願いします。
【知事】
大変難しい御質問だと思います。ただ大事なことだと思いますので、ここは、私は県民の良識を信じたいと思います。
そして、保健所をして担当職員をして、丁寧にその旨を御説明申し上げた上で御協力をお願いするということだと思いますし、これ以上、制約のある不便な生活を続けていくのか、それとも1日も早くこの状況を改善して、それぞれが従来どおりとはいかないまでも、そういった制約のない、少ない生活に戻していけるのかということを丁寧にお話した上で、御協力をいただくということだと思います。
何か監視をして、トレースをしてというようなことまでは考えておりません。ただ、一部、国会をして感染症法や特措法の改正の審議も予定されているようでございますので、この感染症対策を実効たらしめる法律改正については期待をしたいと考えております。
[中日新聞]
その法改正の話で、無断外出した場合に入院要請して、従わなければ罰則という刑事罰というのも検討されていますけれども、そういうことになった場合のその取り締まりとかいう話になるかならないか分かりませんが、そういった体制づくりについてはどのようにお考えでしょうか。
【知事】
週末に行われました全国知事会のオンライン会議でも、特措法の改正について、私は申し上げましたけれども、そういった御協力していただいているのか、していただいてないのか、その措置の実効性を持たすためにおいても、私はその罰則については慎重な議論と検討をお願いしております。
どの方が従って、どの方が従っていらっしゃらないのかというようなことを取り締まるマンパワーというのは申し訳ないけれども行政には今、割ける状況にはないところでもございますし、どうしてもその監視、取り締まりが十分できないということであれば、公平性というものが担保できないという、そういう課題もございますので、そこは現場の話として分かるんですが、慎重に議論する必要があるのではないかと考えます。
[京都新聞]
65歳未満の方で軽症・無症状の方を自宅療養にという方針だと思うんですけれども、一方でそれは宿泊療養施設の方の逼迫の改善にはなるかと思うんですけど、病床の方は、その部分ではあまり減る要素にはなってこないのかなと思います。そもそも宿泊療養から自宅療養移行ということで、病床の逼迫改善についても、他に何か手立てというのを考えておられますでしょうか。
【知事】
まず病床の逼迫状況の改善ということで言えば2つあって、1つは物理的に数字としての数を増やすと。これはもう鋭意行っています。ただ、それを大きく上回る状態で、連日、新規陽性の方が出ておりますし、出ることを想定した対応がいるという中で、やむを得ず宿泊療養施設や自宅療養についても、症状や状況に応じて医師の判断でお願いをしていくということです。
自宅療養をお願いすることをもって病床の逼迫状況改善に繋がらないのではないかということでいうと、有効な改善策として繋がらない面もございますが、一方で、先ほど申し上げたように、宿泊療養施設は県内2か所ですので、非常に遠い方等については本来であれば宿泊療養施設に入っていただいてよい方も、念のために入院していただくということも現場では起こっているようでございますので、そういった方々に対する新たな選択肢として、自宅療養というものが使えるのであれば、それは医療逼迫状況を一部改善する要因になるのではないかと思います。
ただ、その際にも安易にそういったことが使われることがないように対策を講じていくということも重要ではないかと思います。
[京都新聞]
一方で介護施設でのクラスター発生などで、高齢者の方の入院というのがかなり増えているように思うんですけれども、その辺りが病床が埋まってくる状況をつくっていると思うんですけど、そのあたりの対策というのはありますでしょうか。
【知事】
これも週末の全国知事会のオンライン会議で申し上げたんですが、仰るとおり、入院される方には必要な治療、加療をしっかりと行っていくことが大事なんですが、同時に、コロナで陽性から陰性になった場合、できれば速やかに退院ですとか、速やかにコロナ病床以外に転院していただくことが必要になってくるのですが、次の病院、病床の手当ができない場合、どうしても長く入院せざるを得ない状況にとめ置くことも出てしまうということがございますので、そういったコロナは陰性となられて、次の療養が必要な方のための病床を空けていく、確保していく。そこには現在行っていただいている治療以外の措置として、診療報酬等で加点をするなど、インセンティブを持たせる必要があるのではないかということを要望しておりますので、こういった措置を整えることによって、必要な病床が確保されるように努めていきたいと思います。
[京都新聞]
高齢者の入院基準というんですかね、今の入院基準の全般的な見直しというのは特に考えてらっしゃるんでしょうか。
【知事】
御高齢の方にも、いろんな御事情・症状があるかと思いますけれども、一般的に御高齢の方は重症化しやすいという状況がございますので、何か御高齢の方の入院の基準を変えて、現在の状況を打開しようという考えは現時点持っておりません。
[時事通信]
病床の確保の件ですけれども、これまでコロナの患者を受け入れなかった病院にもお願いするというような話をされていますけれども、それは、増えそうな見通しなんでしょうか。
【知事】
一定、御協力いただけそうな見通しは、立てられつつあります。ただ、これも繰り返し、この場で申し上げているように、そこには感染症予防のための対策がいるということが1つと、そういった病床にコロナの方に入っていただくと、今申し上げたように、コロナが陰性になって、しかし療養が必要な方の転院先としての病床が埋まってくることにも繋がるので、なかなか悩ましい課題が地域ごとにはあるという事情も聞いております。
ただ、御質問にストレートに答えるとすれば、一定御協力を得られつつある状況にございます、おかげさまで。
[時事通信]
最後に、県民の受診というのは、これまでどおり対応できるのか、その点についてはいかがでしょうか。
【知事】
例えば救急ですとか、出産ですとか、その他の御病気など、必要な医療はしっかりと行える体制、これは維持しております。
ただその医療現場は増え続けるコロナとの対応で相当逼迫した状況が続いておりますし、この状況が続けば、やはりオーバーフローする、パンクする、そういうぎりぎりの状態に来ているということを、ぜひ皆様方と共有した上で、行動変容ですとか、様々な御協力をお願いしたいと呼びかけているところです。