【知事】
おはようございます。今日もよろしくお願いいたします。
まず、新型コロナウイルス感染症の状況でございますけれども、昨日現在、陽性患者は累計740人になっています。現在、入院・療養されている方は92人、確保病床数は213床、県内の宿泊療養施設は271部屋を確保しておりますが、今後の増加に向けて病床ならびに宿泊療養施設等についても、次の療養施設の確保に向けて現在準備をしているところでございます。
全国的に感染が拡大しております。3連休の状況等がどうであったのか、しっかりと見極める必要もあると考えております。モニターに示されているように、NTTドコモモバイル空間統計で感染拡大前の今年の1月18日から2月14日の休日の人出との比較におきまして、この3連休の草津駅西口の人出は、21日がマイナス5.7%、22日がマイナス8.9%、23日がマイナス19%ということでございますので、外出を控えていただく動きも一定あったのではないかと推察しております。
先週末、11月20日政府主催の知事会議が官邸で、そして23日には全国知事会新型コロナウイルス緊急対策本部がWEBで、それぞれ開催されました。内容等につきましては、御承知のとおりでございます。私からは、国の予算に係る対応、ワクチンの課題、雇用の課題等についてなど大きく3点、発言をさせていただきました。11月定例会議が今週末から行われます。さらなる医療提供体制の充実強化、また経済雇用、生活支援等を推進する補正予算案等々をお諮りしていきたいと考えております。
これから、さらなる感染拡大という中、年末年始ということでございますので、改めて基本的な感染対策の徹底、そして咳エチケット、換気と加湿、感染リスクを下げて会食を楽しむなど、改めて県民の皆さんにお願いをしたいと思っております。
また、政府からも先週、通達・事務連絡等がいくつか出ているようでございますので、検査体制について改めて強化すると同時に、対応を充実させるということとあわせて、季節性インフルエンザのワクチンが現場で足りていないという声もあるようでございますので、そのチェックをしていきたい。さらには先ほど申し上げたように、宿泊療養施設の次なる施設の開設の準備、そして、お店や事業所における感染対策が徹底されるよう、さらに周知を図るとともに、必要な支援策と御利用状況の確認、そして期限の延長等、必要であれば、そういったことも検討するなど対応を指示しているところでございます。今後、さらに注意しながら過ごしていく時期に入りますので、皆さんと力を合わせて対応して参りたいと存じます。
続きまして、私からは資料に基づいて3点、情報提供をさせていただきます。まず1点目は、「幻の安土城」復元プロジェクト・安土城「天主」復元の方向性と方法についてということでございます。
このプロジェクトは、謎に包まれた安土城の実像を解明いたしまして、それを目に見える形で復元することを目的として、令和8年の安土城築城450年祭に向けて、平成31年(2019年)度から実施している事業でございます。7月13日の安土城見える化検討会議において整理いたしました安土城見える化の4つの案について、9月から10月まで意見募集を行いました。
11月2日に、第2回安土城見える化検討会議を開催いたしまして、その結果報告を受けて、意見交換を行ったところでございます。会議終了後、安土城見える化の方向性と方法については、年内、11月議会をめどに決定し、報告したいと申し上げておりましたが、報道等で大きな反響もいただいたことから、できるだけ早く決めて、次のステップに進むのがよいのではないかと考え、本日方向性を公表させていただくこととなりました。
11月2日の会議におきましては、様々な御意見をいただきました。皆様の安土城への熱い思いが伝わって参りました。改めて安土城跡を守り伝えていくことの責任を重く受けとめ、調査研究を進めて、実像を追い求めていくことが大切であると実感したところでございます。
これらをふまえ、安土城見える化につきましては、2つの方向性と方法により取り組んで参ることとしております。第1は「幻の安土城」の復元を目指し、まずは保全を図った上で、安土城の全容解明に向けて、令和の大調査を開始するなど、調査・研究を続けるというものでございます。復元につきましては、将来の夢として追い求めながら、城跡をしっかりと保全し、調査研究に取り組んで参ります。
第2は、来る令和8年(2026年)の安土城築城450年を1つの目標といたしまして、デジタル技術を活用した「幻の安土城」の見える化を進め、安土城の価値と魅力を広く発信していくというものでございます。最先端のデジタル技術を生かし、今わかっている実像等をお示ししながら、次世代を担う子どもたちやファミリーの皆様方とともに楽しみながら学べるものを目指していきたいと考えております。県民の皆様をはじめ、多くの方々からの熱い御支援、御協力をいただきながら、安土城の見える化を進めて参りたいと存じます。
続いて2点目、ワーケーションの推進についてでございます。御案内のとおり、新型コロナウイルスの影響によりテレワーク導入をはじめとした働き方の変化が起きております。
観光におきましても、今後は特定の時期に特定の場所に集中しがちな従来の旅行スタイルから転換し、暮らしの中の営みを共有したり、人と人との交流を大事にするなど、ゆっくり長く楽しむ旅行スタイル、ニューツーリズムが求められるのではないかと考えております。
滋賀県は、その一環として大都市圏に隣接し、琵琶湖をはじめ雄大な自然環境を有しているという優位性を生かし、県を挙げてワーケーションを推進していくこととしております。
今般、ワーケーション導入事業を開始いたします。モニタープランを造成し、近隣都市圏や県内の企業、個人事業主等をターゲットに売り込むことといたしまして、例えば宿泊事業者の平日をはじめとした稼働率の向上、また利用者である企業の皆様方の働き方改革や、CSR、SDGs等の企業価値向上、さらには琵琶湖や森林保全活動等の地域活動への貢献、またそのための参加者の確保によりワーケーションを通じた「観光三方よし」の実現を目指していきたいと考えております。
11月20日には、全国の自治体で組織いたします「ワーケーション自治体協議会(WAJ)」に県内13市町と共に加盟をしたところでございます。今後、この枠組みを軸に来年度に向けて、県内の観光関連事業者、各種事業者等を含めた協議会も立ち上げて、県一体となってワーケーションの推進に取り組んでいきたいと考えております。
なお、この事業の第1弾として12月15日から1泊2日でJR西日本関連会社がびわ湖大津プリンスホテルにてワーケーションモデルプランを実施する予定でございます。ぜひ、御取材等いただければと存じます。
最後3点目は、身近でできる防災について、情報交換するプラットフォームとして、facebookグループを活用した「しが防災ベース」を本日開設ということについてでございます。
生活全般の中に浸透し、生活に根差した防災、いわゆる生活防災のアイデアをはじめ、防災に関する取組事例、イベント情報の発信、質問・相談、利用者間での交流などを行うことができるというものでございます。
防災に関する情報収集・情報発信だけではなく、利用者同士のコミュニティですとか、防災関連情報のアーカイブとしても機能するように運用していきたいと考えております。
資料の4頁を御覧いただければと思いますが、「しが防災ベース」の開設に併せまして、生活防災はじめ、「防災を特別なことにせず、日常生活にうまく防災を組み込むアイデア」を子どもから大人まで広く募集したいと考えております。本日から来年令和3年2月1日まで応募を受け付けることとしております。応募がありましたアイデアは「しが防災ベース」上で紹介いたしますとともに、おもしろ防災グッズのプレゼントも予定しておりますので、ふるって御応募いただければと存じます。私からは以上でございます。
[京都新聞]
コロナ関連で何点かお聞きしたいんですけれども、これまでもGoToイート、GoToトラベルの関連で知事は考えを述べておられると思うんですけど、改めて直近の状況を受けて、トラベルの利用、県民の方の出発、県内での利用、GoToイートの人数制限等、現状の考えを改めてお聞かせいただけたらと思います。
【知事】
まず本県の状況は、先般、注意ステージに引き上げました。これは県内での感染者の増加、それがあらゆる年代に広がっているという状況、さらには近隣府県において感染者が急増している状況等をふまえ、ステージ判断を1段引き上げさせていただいております。
これまでも行っていただいておりますが、さらに注意対策を徹底し、5つの場面ですね、マスクを外して会食する機会ですとか、特にお酒を伴う場ですとか、仕事の間は対策しているけれども、更衣室等ついついふっと気を抜く時に、マスクを外してなどなどの、そういった場での対策の強化を皆様方に呼びかけながらその徹底を図って参りたい。
したがって、対策をとりながら注意しながら、経済、社会、文化活動を行っていくということを引き続き呼びかけていきたい。特に年末年始は会食の機会も増えるでしょうから、そういうことを徹底していくということでございます。
GoToトラベル、GoToイートの事業に関して、今、様々な議論が検討が行われているというところでございますが、本県の状況からいたしますれば、今すぐに何か制限を加えるということは考えておりませんし、そのことを政府に要請する予定も現時点ございません。
このGoToトラベル、GoToイート、それぞれ国が行う事業として、感染拡大地域等でどのように対策をするのかということについては、必要な検討が行われるのでしょうけれども、目的地だけではなくて、出発地の取り扱いをどうするのか、またかかるキャンセル料をどうするのか、いずれにしろ、利用者や事業者に、負担や不安、混乱が起こらないように対策をとるということが肝要かと思いますので、この点も併せて注視していく必要があるのではないかと考えております。
[京都新聞]
GoToトラベル等、特に、現時点では制限は必要ないということなんですけれども、大阪など関西でも感染者が増えている地域、急増している地域があるかと思うんですけど、その地域との往来に関して、特に自粛を求めるなど、何かお考えはありますでしょうか。
【知事】
現時点、考えておりません。
[中日新聞]
安土城に関してなんですけれども、先日の会議でも、検討材料をいろいろとお聞かせいただきましたけれども、改めてこのような結論に至った理由というのを教えていただけますでしょうか。
【知事】
まず安土城がどういうお城だったのかということについては、多くの方が興味を持たれる、大変夢のあるテーマだと思います。したがって、本県としても、どのようなお城だったのかというのを見たい、見せたいということで、このプロジェクト始めたところです。
ただ現状では、資料が十分にそろっていないということですので、忠実な復元を行うのは困難な状況ということでございます。この状況で、実物がどうだったのかというのはわかってないので、いわゆる復元というものを行うことは、かえって今ある遺構を破壊することにも繋がりかねないと。そういう意味で夢は追い求めつつ、デジタルであれば、遺構に影響を与えることなく、現時点わかっていることを今の技術でお知らせすることができるということでございますので、そういったことをまず、しっかりと実現しながら、今後、並行して行う調査研究の進展によりまして、新しい情報・知見等が出てきた際には、さらにこのデジタルであれば、次の対策というのも柔軟に可能なのではないかと考えましたし、そういったことも含めて考えれば、この案が最良なのではないかなということで、方向性と方法ということで、お示しをさせていただいているということです。
[中日新聞]
デジタルでの検討というところで、具体案はこれからだと思うんですが、こちらの資料には、タブレットやスマートフォン、VR・MRにより復元というところが書いてありますけれども、すでに近江八幡市では、VRでの復元というのはやっていると思います。
その上で、どういうところで新しさを出していきたいのかというのと、また450年ということなので、どんな新しさを出すと盛り上げていけると考えていらっしゃるのか、お願いします。
【知事】
近江八幡市さんがなさっている取組とは、しっかり連携したいと思います。そして、デジタル技術も日進月歩、どんどん進化して参りますので、お見せするのに一番いい方法をとっていきたいと思います。
また安土城の1つの特徴は、お城だけが立派だったということではなくて、すぐ近くまで迫っていた琵琶湖の水運ですとか楽市楽座を含めたまちの作り方ですとか、イエズス会の宣教師を入れられて多文化共生のまちがつくられていたのではないかといったことなども見ていただくのがいいんじゃないかという御意見等もございますので、検討材料に入れながら、どのような方法をとるのか、どのような見せ方をするのかということについては今後さらに検討していきたいと思います。
併せて、これまで昭和、平成と調査してきましたけれども、まだ2割ほどしかわかっていないと、残り8割はまだ未解明だと、特に、天主が倒壊したと言われている北側がまだ調査できていないということでございますので、そういった調査等をできるだけ早く着手していきたい。そのことによって、またわかってくることなど、お知らせするという可能性もあるのではないかと考えています。
[びわ湖放送]
安土城ですが、知事の思いとして天主の再建は断念したわけではないんですね。
【知事】
断念していません。
[びわ湖放送]
時期が来ればということでしょうか。
【知事】
時期だけではなくて、どういう天主であったかが、しっかり解明されることが重要だと思います。ですから、現時点わかっていることを、遺構を大切にしながらお見せできるという手段としてデジタルで表現させていただきます。と同時に、さらなる調査をすることによって、またこういった取組をすることで、さらに世界中からいろいろな知見情報がもたらされるかもしれない。そういったことを積み重ねながら、実像の解明にさらに迫っていきたい。そのことによって、また次の夢を追いかけていく。そういうきっかけにしていきたいと思っています。
[産経新聞]
安土城の令和の調査ですね、主に天主が倒壊したとされる部分を中心にされていくというお話でしたけれども、平成だと20年間続いた、かなり大規模な調査だったと聞いています。規模感としては同程度、それはやっぱり数十年単位で続くようなものを想定されているのか、それとも8年までに一定の結果を出すようなものを想定されているのか教えていただけますか。
【知事】
わかりません、今後検討します。その辺りも含めて、よく文化庁含め関係者と協議する必要があると思います。特別史跡の遺構の調査というのは、そんなに容易なことではないと思います。大切に掘り進めないといけない部分もあるでしょうし、何せ所有者のある話で、大切な特別史跡を調べさせていただくということだと思いますので、丁寧にやると。丁寧にやらせていただくとすれば、やっぱり一定時間がかかると思います。したがって、1つのターゲットイヤーとして令和8年を定めていますので、その時点でわかっていることをデジタル技術での表現も含めてお知らせするということになるのではないかと思います。
[産経新聞]
今回、デジタルでの復元ということで、また後日というか、追って新しい事実がわかったときに修正可能ということで、今回選ばれたということですけれども、やはり県として出すからには、いわゆる公式見解といったようなものになるわけじゃないですか。なので、そこについても一定、建物同様に正しいのかという議論がやっぱりあると思うんですが、そういった難しさについて認識はどうですか。
【知事】
そのあたりのクレジットといいますか、しっかりとした説明、これは重要なことだと思います。デジタルで出すにしろ、どういう知見に基づく、どなたの研究に基づくお示しの仕方をしているのかということについては、きちんとお示しする必要があると思いますので、これは天主のみならず、まちの情景等も含めて、そういったことは重要だと思います。したがって、市とも連携しながら、しっかりと対策を講じた上で、お示しできればと思います。
[産経新聞]
今回、Go To イート、Go To トラベルの一連の対応に関して、都道府県に判断がゆだねられるということが多かったと思います。国の事業にかかわらずという部分だと思うんですけれども、その点について、どういうふうに捉えられているか教えていただけますか。
【知事】
最終的には国の事業ですので、国が判断されると思うのですが、その判断に至る過程において、地域の実情を一番よく知る県、例えば知事に対して、どのような状況になっていて、どのような対策がいいと思うかという、そういう見解を求められるのではないかと思います。見解を出すに際して、知事として、一定こういう状況だからこうしてほしいと述べるという、その判断が伴うものであるのではないかと理解しております。
[産経新聞]
その判断というのは、ステージ判断とかそういったものになると思ったらいいんですか。
【知事】
ステージ判断にもよるでしょうし、そのステージ判断をするに際しては、病床の状況ですとか新規の陽性者ですとか、そういったことが指標になっていますので、そういった指標がやはり重要になってくるのでしょう。かつ、その先の見通しをどのように立てるのか、立てられるのか。こういったことも重要な判断材料になってくるのではないかと思います。
[読売新聞]
ワーケーションについてですが、これは補正予算の事業だったと思うんですが、今回、モデルツアーを通して来年度以降に本格的な展開というのはお考えでしょうか。
【知事】
考えています。今、考えています。
[読売新聞]
さらに拡大していくお考えだということですね。
【知事】
今年度やってみて、準備にはずいぶん苦労してくれているみたいですけど、しっかりやれるだけやって、手応え等を確認して、来年度につなげていきたいと思っております。
[読売新聞]
加盟されるワーケーション自治体協議会というのは、もう100以上の市町や市町村が加入していると聞いておりまして、自治体間でどこも田舎はたくさんあって、密じゃないとこもたくさんある中で、滋賀県としてどうやってこの魅力を打ち出していこうとしているのかというところを改めて教えてください。
【知事】
すでに先行自治体がおありで、私どもの今回の加盟というのは、そういった自治体に比べると後塵を拝した状況にあると思うのですが、ただ本県は、すでに同様の事業を事業者ごとに行われていることもあるでしょうし、そういったものをしっかりより良い状態で繋いでいきたいというのが1つ。
幸い、私どもは中京圏からも、近畿圏からも等距離。首都圏からも新幹線で3時間弱ということで、交通至便のところにございますので、そんなに大きな移動を伴わずに、今いる場所から替えて、余暇やその他の活動を楽しみながらお仕事もしていただくことができるという地の利に恵まれているということもありますので、そういったことをしっかりと生かした展開ができればと思っております。
[読売新聞]
昨日、淀川水系について自民党さんの勉強会に出席されて、西脇知事とも初めてそういうテーマでの会合に同席したということだったかと思ったんですが、改めて今後、滋賀県はどうしていくのかという部分です。京都府さんも昨日、技術検討会というのを設ける方針だということを示されまして、大阪府さんも治水の審議会みたいな部会で検証を始めているというふうに聞いてるんですが、それらが一定、結論が出たら、改めて何か知事として、例えば大阪府への働きかけとかというのは何かしていかれる予定でしょうか。今後、どうやっていくんでしょうか。
【知事】
まず、今年は今のところ、幸いにも台風が来ませんでしたけど、来年、再来年、またその次と、この自然災害のリスクというのはあるし、高まっているという状況がございます。したがって、不断に治水能力、防災能力を高めていく。これは河川の改修もそうですし、河川外の地先の安全度をしっかりとお知らせすることによるソフト対策をしっかりと取る。どの河川においても強化していく。とりわけ大戸川についても同様です。これをしっかりと進める。並行して、この課題である大戸川ダムを含む淀川水系の課題にも、しっかりと滋賀県としても、向き合い、そして滋賀県として必要な要望や提案をしていくということだと思います。したがって、前回の4府県知事合意から10年以上経った、この時期において、この間の中流、上流の河川整備の状況等、下流もそうですね、検証した上で、次なる対策を講じていこうという、こういうステージに入ってきているし、さらなる治水対策が必要だという認識は関係府県で一致をみてきておりますので、その中に本県として必要だと主張している大戸川ダム、さらには瀬田川の改修、その下流にある天ケ瀬ダムの再開発の完遂、そういったことをしっかりと入れていけるように努力していきたい。国が今後進める、そういった検討の場に県の考え方をしっかりと伝えていけるような準備を怠りなくしていきたいというふうに思っております。
[読売新聞]
4府県知事合意ですが、見直すとしたら滋賀県から当時の4府県の知事にその見直しを提案していくことになるんですか。
【知事】
いわゆるその時にサインされた知事、属人としての知事というのは、皆がそれぞれ変わっていますが、それぞれの府県の知事という立場は引き継がれておりますので、どういう取り扱いをすればいいのかということも含めて考えていく必要があるのではないかと思います。
支障になっているとすれば、取り除いていかないといけないし、何か後押しになっているとすれば、うまく生かしていけばいいということではないかと思います。
[読売新聞]
11年前と状況が違う中で、現状、知事合意と今現在の滋賀県の方針というのは異なると思いますが、ということは知事のお考えとしては、合意は今もう支障になっているのでしょうか。
【知事】
例えば、その4府県知事合意があるから国としての検証ができないとか、それぞれの府県において技術検討ができないとか、そういうことは聞いたことありませんし、4府県知事合意でもやるべきことをダムも含めて、河川改修も含めて書かれていますので、そういったことなどを考えれば現時点、4府県知事合意が私どもが進めようとしていることに支障になっているとは考えておりません。
ただ、4府県知事合意の中には、この大戸川ダムは中上流の改修の進捗とその影響を検証しながら、その実施についてさらに検討を行う必要があるとされており、施策の優先順位を考慮すると河川整備計画に位置づける必要はないと書いてあるので、そのことをどう取り扱うのかという議論は必要ではないかと思います。
[読売新聞]
いずれにしろ今の「河川整備計画に位置づける必要はない」のくだりは、何とかしないといけないと思うんですけれど、そこは滋賀県からどこかで提案していくことになるんですか。
【知事】
河川整備計画に位置付けてほしいということは、もう申し上げていますし、そのために必要な変更はしてほしいということは、すでに言っているし、これからも言っていきたいと思います。このことを言っているから、その前にある、その元にある4府県知事合意すべてを何か変えよう、書き直そうという議論はしておりません。4府県知事合意があるから、その検証はできないというようなことを聞いておりませんので。
[読売新聞]
ということは、対応しなくても、議論を進めていけるという話でしょうか。
【知事】
現時点、支障にはなっていないし、今のこのスケジュールで検討していけばいいのではないかと思いますが、今後、何か課題になってくるとすれば、そこは対応を検討していかなければならないと思います。
[読売新聞]
昨日、西脇知事も御挨拶なさっていましたが、ダムということについては何も言及がなかったと思いましたが、今現在どれぐらい理解を得られているとお思いですか。
【知事】
私も、すべて覚えているわけではありませんけれども、京都府域における河川の改修の状況・進捗等について御挨拶で述べられると同時に、未だなお残る課題について、お話があったと思います。そういった事々を含めて、府として、どう対応するのかという技術的な検証をしなければならないという御発言があったと思いますので、それは京都府さんとしては必要な検証ではないかと理解をいたします。
ただ、今日的な状況を府として確認しようと、まさに4府県知事合意の中にも書かれていた、京都府さんの以前の技術的検討でも行われていた、中上流の改修状況を検証するというステージに入られつつあるのではないかと認識しています。
[時事通信]
(熊本県)知事が川辺川ダムの見直しを表明されたんですけど、これについて受けとめがありましたらお伺いしたいんですけども。
【知事】
すべての言葉を、私も蒲島知事のお言葉として把握しているわけではないんですけど、報道等で知る限り、大変重い御決断をなさったのではないかと推察いたします。
この間の経過、また知事としての御方針もありました。私自身もそれは承知をしております。川辺川ダムは政務官としても対応したことがございますので。かつ直近では、7月に多くの方の命が奪われるという甚大な水害もございました。そういった事々などを御勘案の上、住民の方とも、様々な議論、県民の方とも検討なさった上での御決断ではないかと存じます。
[時事通信]
滋賀県としては、先ほどの質問にもありました大戸川ダムも含めて、実現に向けて、どのように取り組んでいこうとお考えなのか、改めてお伺いしたいんですけども。
【知事】
私どもは流域自治です。ダムだけに頼らない流域治水を推進するということですので。ただ、河川によっては、その特徴によっては、川の中の対策として、洪水調節施設、ダムが有効であるという場合は、きちんと整備するし、その機能も持ち、高めるという努力が必要です。
ただ、ダムがあるからといってすべての洪水なり、氾濫が防げるかというとそうではない。さらにそのリスクは気候変動で高まっている。したがって、溢れた場合にどうするのか。逃げるためにどうするのか、溢れてきたとしても、どう命を守るのかという、こういう対策をしっかりと河川ごとに高めていく必要があるということだと思いますので、この取組を滋賀の流域治水の条例に則って、しっかりと進めていくということだと思います。
[時事通信]
昨日の淀川水系の勉強会の件で伺いたいんですが、大戸川ダムが天ヶ瀬ダムの容量に余裕を持たせるというんですかね、そういう効果があるそうなんですけども、そのあたりを滋賀県としては、京都の方々に理解を求めていかれるというお考えなんでしょうか。
【知事】
国として、琵琶湖から瀬田川、宇治川、淀川そして木津川、桂川、こういう水系をどう治水制御していくのかということの中で、天ケ瀬ダムというのが極めて重要な役割を果たしているということだと思うんですね。かつ、その天ケ瀬ダムに、どれだけ水が入っているのかということは、これは、その上流の洗堰の操作にも影響しますので、私どもは全閉操作をやめて欲しいと思っていますけれども、その全閉が行われるかどうかというのは、天ヶ瀬の流量によって決まってくると。この天ヶ瀬と洗堰の間に大戸川が合流しておりますので、そこでの流量を一定カットすることができるならば、天ヶ瀬に入ってくる水を一定止めることができ、天ヶ瀬に止めることができれば、もちろんその下流、宇治川、淀川の治水もより安全になる可能性が高いでしょうし、その全閉操作に与える影響、もって琵琶湖の水位に与える影響にも影響してくると思います。
本県としては、そういうことに伴う滋賀県の実情をしっかりとお伝えすることにより、国がそれぞれの府県にされる説明に、しっかりと入れていただけるようにしていきたいと思います。
[時事通信]
これからワーケーションを進める中で、資料には関西とか中京圏の企業が対象と書かれていますが、昨今(感染患者の)数の方が増えておりまして、そのあたりは大丈夫なのかなという気もするのですけれども、いかがでしょうか。
【知事】
確かに、そういったエリアの府県における感染状況は増加傾向にございます。ただ同時に、トラベルも含めて、そして往来も含めて、お仕事・物流も含めて、やはり一定の移動・流通はしながら、感染予防をしていくということだと思いますので、そのエリアに属する企業様からいらっしゃること自体が感染を広げるということにはならないのではないかと思います。
したがって、GoToトラベルの様々な規制をする際にも、来ないでということだけではなくて、目的地としての対策だけではなくて出発地としての対策とも整合をとっておく必要があるのではないかと思います。
本県は現時点で制限をする予定はございませんので、感染予防をしていただきながらワーケーションも含めてお楽しみいただくということだと思います。
[中日新聞]
今の最後の部分に関連するんですけど、やはりどうしても特に会食などは自粛のような雰囲気が出てきてるかなと個人的にも感じているんですが、そういう中であえて感染リスク下げて会食を楽しんでくださいと、なるべく活動してくださいというような呼びかけをされる意図、そのあたりの思いをもう少しお聞かせいただけますか。
【知事】
何か特別な意図があってやっているわけではないんですけど、私たちが生きていくにあたって、人との交流ですとか、会食も、移動もそうです。時に息抜きをするということも、これは大変重要な営みだと思います。そのことによって成り立つ生業というものもございます。
そういうものを、しっかりと続けながら、感染予防していこうということに挑んでいく必要があるのではないかと思っておりますので。現時点、滋賀県の持っている指標・感染状況は、まだそういったことを成し得る状況にあると思っていますので、県民の皆様方にそういったことを呼びかけているということでございます。
[中日新聞]
今後そうすると、例えば仮に警戒ステージ等に上がった場合には、自粛という方向になるんでしょうか。どの段階で、そこが変わっていくのかというのが、何となく見えにくいような気がしているんですが、その辺りはいかがでしょうか。
【知事】
1つ、大きなこととしてあるのは、ステージですね。そのステージの判断材料になる判断指標、一番大きなものでいうと、医療の提供体制がどのように確保できて、そこにどれぐらいの患者さんが入られるのか、医療資源をどれぐらいマネジメントできるのかということは大きいと思います。
現時点でも、相当現場では御苦労いただいておりますので、楽観はしておりませんし、注意は引き続き必要だと思いますが、一方で、私たちの生活に必要な活動というのは、一定注意をしながら続けていこうということでございます。
[中日新聞]
そうすると、基本的に注意ステージの間は、トラベルやイート含めて制限という方向にはならないという理解でいいんでしょうか。
【知事】
そのために、こういったステージ毎の色分けであったり、呼びかけの強度、項目等々を作っていますので、そのステージに応じた対応というのは、必要なのではないかと、またある意味では可能なのではないかと考えております。