【知事】
おはようございます。今日もよろしくお願いいたします。今月の一句は、
夏服に替えたコロナと押し相撲
感染症の専門家ではないので、コロナウイルスが夏服に替えたかどうかわかりませんけども、夏に来たコロナの波と闘わなければいけないという思い、決意を込めさせていただきました。
まず、新型コロナウイルスの感染状況について申し上げると、昨日、7月20日現在、陽性患者は111名ということでございましたが、速報でございますが、今朝判明分がプラス3名でございました。夕方、日中検査分と合わせて御説明させていただきます。
なお、昨日時点ですけども、入院が7名、退院が103名、残念ながらお亡くなりになった方が1名ということでございます。7月17日に申し上げましたように、現時点、滋賀県は「警戒ステージ」でございます。これを受けまして、県民の皆様に新型コロナウイルス対策として、特措法に基づく感染予防の要請を、法第24条第9項に基づく要請をさせていただきました。それぞれの店舗・事業所等には感染予防の対策を徹底していただき、それを行っていただいている旨、コロナ対策実施宣言書として掲示いただくことをお願いさせていただいております。また、御利用される皆様方にも、その確認をした上で、御利用いただくように呼びかけております。
7月19日(日)に、全国知事会の新型コロナウイルス緊急対策本部が開催されました。ウェブ会議でございましたけれども、私も出席いたしまして、次世代育成支援対策プロジェクトチームのリーダーを拝命しておりますので、今、ややもすると、若い人が感染を広げている、若い人が感染しているというような情報だけが流布されますが、そういった事実もあるのかもしれませんが、ぜひ学生をはじめとする若者への支援をしっかりと国の対策として盛り込むべきだということをはじめ、GoToトラベル事業の柔軟な実施、また、特措法の改正、特に休業の要請と国による補償、これはこの対策本部で補償的な支援金のあり方というような読み替えも行われておりましたけれども、そういったものも含めて、しっかりと法の中で措置すること。また、医療機関の経営支援強化、これはコロナ患者さんを受け入れていらっしゃる病院以外についても、しっかりと支援をするべきだということ。また季節性インフルエンザ対策をワクチンの確保含め、早期に対策をとるべしという、こういったことを提案させていただいたところでございます。
第2波にすでに入ったという認識のもと、県民の皆さんと協力して対策をとっていきたいと思いますので、ぜひメディアの皆様方のお力添えも賜れれば幸いでございます。
それでは資料に基づきまして、私から4点申し上げます。
まず1点目は、滋賀県の友好州アメリカ ミシガン州と、ブラジル リオ・グランデ・ド・スール州に支援物資を送りますという報告についてでございます。
世界でも新型コロナウイルス感染症の拡大が続いています。この新型コロナウイルス感染症に対する支援の一環といたしまして、本県の友好州でありますアメリカ ミシガン州にマスク1万枚、ブラジル リオ・グランデ・ド・スール州に医療用手袋1万枚を提供することといたしました。ミシガン州に送付するマスクは野洲市に工場が立地するP&G社で製造ラインがつくられ、そこで製造されたマスクでございます。御提供をいただきましたので、それをミシガン州に届けたいと思います。
P&G社様は、ミシガン州に隣接するオハイオ州に本社があるということでございまして、ミシガン州と本県の友好交流に深い御理解をいただき、今回の御提供に至ったということでございます。
配布資料のとおり、明日22日10時から積み込み作業を行いますので、ぜひ取材をいただければと思います。ちなみに、メッセージも書いてあるそうでございまして、このマスクの箱には、「世界で流通するSK-IIの製造工場である滋賀工場にてマスク生産を開始しました」という表記があります。また、日本語だけではなくて、英語でも表記されておりますし、(支援物資を入れた段ボールには)英語でTogether,we will move forward!(「共に、前に進もう!」)というメッセージと、こちらはちょっとポルトガル語なので読めないんですけど、「私たちは一緒にいます!」というメッセージを記載しているということでございます。
2つ目の話題は、令和2年度「幻の安土城」復元プロジェクトの現時点での経過についてお知らせをさせていただきます。幻の安土城復元プロジェクトは、謎に包まれた安土城の実像を解明いたしまして、それを目に見える形で復元することを目的として、令和8年、2026年の安土城築城450年祭に向けて、平成31年度より実施している事業でございます。事業は復元に向けての安土城の実像解明と環境保全が1つ目。2つ目は安土城見える化の検討。3つ目といたしましては安土城復元に向けての機運醸成、この3本柱で取り組んでいるところです。
このうち、2つ目の安土城見える化の検討といたしまして、先週7月13日に、知事アドバイザーとして小和田哲男先生に御快諾をいただきましたので、お招きをいたしまして、安土城見える化検討会議を開催させていただき、見える化の方向性とその方法の案について、課題や効果等を整理させていただいたところです。
会議で検討された案ならびにその内容、課題、効果等につきましては、9月上旬に滋賀県民政策コメントで、県民の皆様に御意見を伺う、おそらく県外からもお寄せいただくことになるのではないかと思いますが、こちらで公表する予定で、現在、最終の準備検討を進めているところです。その後、10月に2度目の検討会議を開催いたしまして、滋賀県民政策コメント等で得られた意見をふまえて、安土城見える化の方向性と方法を決定する予定でございます。この決定に基づき、令和8年、2026年の安土城築城450年に向けて事業を進めて参ります。
2つ目といたしまして、今、大きな赤い図が出て参りましたけれども、安土城見える化の1つでございまして、安土城の実像解明の一環といたしまして今年度取り組んでおります「赤色立体地図」の作成について御説明申し上げます。
この赤色立体地図というものは、従来の地形測量図とは異なって、空中からのレーザー照射による3次元スキャンによって、より細かな地形の変化を記録できる地図ということだそうでございます。赤色立体地図の作成によって、これまで知られていなかった安土城の遺構の発見が期待されるということでございます。
今後は、こういった資料等に基づきまして、昭和の時代にあり、平成の時代に行われた大規模な調査がございましたが、令和の調査の基礎資料として活用し、さらに研究を進めながら、滋賀県立安土城考古博物館の展示資料として活用するほか、リーフレットですとかクリアファイルなど様々な普及啓発資料として活用していく予定でございます。
こちらが、皆さん上がっていただく大手道だそうでございますが、この地図を見ますと、私もまだ分析はこれから詳細にやらないといけないんですけど、いろんな建物があった、人が通った、人が通るために山を削ったんではないかというようなことが、まだ調査では十分明らかになっていないところまで、こういった地図で示すと見えるということが、これを見ることでわかるそうでございますので、次なる大規模な調査にしっかりと生かしていきたいと考えているところです。まだまだわからないことがたくさんある、謎のそういうお城、特別史跡だと思います。
続いての御紹介は、「やまの健康」滋賀レイクスターズと協働、やまで健康になるレイクスアクション、山に関わるPR動画のお知らせ等についてでございます。3つの話題を提供します。1つ目は、先日、資料提供したところですけど、明日7月22日から28日までの期間、近鉄百貨店草津店におきまして、木育製品をはじめとする県内の木製品の展示や木の匠による実演販売を実施いたします。木のある暮らしを楽しんでいただきたいと思います。
2点目は、「やまの健康」に関する動画を本日から公開いたします。昨年度、策定した「やまの健康」県民アクションガイドの取組を具体的に進めていくため、滋賀レイクスターズの皆さんと協働で作成をしてくれました。「やまの健康」モデル地域であります大津市葛川地域で取材をいたしまして、渓流釣りや木の伐採体験、木を用いた新たなスポーツの道具づくりなどを撮影されたということでございます。御覧いただいた方が、農山村に行きたいなと思うきっかけになればと思います。
最後に3点目、先ほどのレイクスターズの話題で触れました新たなスポーツを、実際に製造・販売いただくパートナー企業様を募集するものでございます。「やまの健康」が掲げる「やまを健康にする、やまで健康になる」を、スポーツ分野から推進するために、この取組を進めていきたいと思います。使用する道具のデザイン・試作品について、本日から10月30日までのコンテスト形式で募集をするというものでございます。
皆さんのお手元にチラシはありますでしょうか。何かこうやって投げて楽しめる新たなスポーツを、県の若手職員が考えてくれました。僕はまだやったことないんですけど、随分と楽しそうなニュースポーツですので、ぜひ手を挙げてくださる企業様とコラボレーションして、県産材を使って作って、やまで楽しむスポーツとして、ぜひ広めていきたいなと思っております。
それでは最後は、子どものための「すまいる・るーる」についてです。新しい生活様式、新しい生活様式とよく言われるんですけど、大人目線で子どもの目線に立ててないねという問題意識を常々持っておりました。子どものための「すまいる・るーる」を作ろうということで、「三方よし!子どもの笑顔プロジェクト」の立ち上げについて御紹介をさせていただきます。
新型コロナウイルス感染症が拡大しますと、その影響を受けて、弱い立場の人が、より弱くなったり、困難な状況になってしまう、陥ってしまわれるという、そういう現実を突きつけられています。コロナ感染症の影響を長期間に渡って受けなければならない子どもたちの声を聞きながら、どうしたら子どもが生き生き過ごせるのか、感染防止や子どもの育ちなどの観点から、いろんな知見をお持ちの有識者の方々の御意見も伺いながら、子どものための「すまいる・るーる」を策定することといたしました。例えば、子どもの育ちは、どうしてもスキンシップで行われたりするんですけど、そういうものは、どれぐらいやっていいんだろうか、やるんだったらどういう注意をしたらいいんだろうかなど、いろんな戸惑いなどが現場であるということをお聞きしております。まずは、小学生、中学生、高校生の皆さんの声を聴くために、本日から8月7日までインターネット調査を実施することといたしました。ぜひQRコードを読み取って、あなたの声を、みんなの声を私に届けていただければと思います。今後、順次、学校に行く前の未就学児の保護者の皆さんや大学生の方にも実施したいと考えております。
「すまいる・るーる」を作るため、県庁内にも組織を立ち上げましたが、本日は、大変強力なパートナーとなっていただきます、県内の子育て支援団体の皆さんがタッグを組んでいただいて参画いただけることになりましたので紹介をさせていただきます。この会場後方にも大挙してお座りいただいているのが、その皆さんですよね。ありがとうございます。マスクをしてらっしゃるので、どなたがどなたかちょっとわからないんですけれども、ありがとうございます。実行委員会代表をお務めいただきます廣瀬香織さんから一言、この実行委員会を立ち上げられた思いなど、御紹介いただければと思います。よろしくお願いします。
[三方よし!子どもの笑顔実行委員会代表廣瀬さん]
はじめまして。(一社)ママパスポートコミュニティー代表の廣瀬香織と申します。私たちがこの団体を立ち上げたんですけれども、普段はそれぞれこの滋賀県内各地域で、主に子育て支援活動などをしているメンバーになります。やはり私たちの原動力というのが、本当にこの子どもたちの笑顔で、これを見るために私たちもいろんなイベントをしたりだとか、いろんなサポートをして参りました。今回、コロナの影響で、いろんな私達自体の事業も縮小になったり、できないという状況に陥っていたんですけれども、やはり私たちはこの笑顔を見ないといけないですし、子どもたちの気持ちや状況を把握した上で、これからの支援の形であったりとか、活動も継続していきたいなと思いますので、そういう思いのメンバーで今回の実行委員会を立ち上げました。
【知事】
ありがとうございます。ということでございまして、子どもの笑顔を作るために、増やすために、このコロナ禍において、どんなことをやればいいのか、どんなことができるのか。やっちゃいけないリストよりも、むしろできるリストをいっぱい作って、戸惑われているお父さんお母さん、またおうちの方や、保育所、学校の皆さんにお届けできたらいいな、何より子どもたちに、一緒に考えて作って広めていけたらいいなと思っておりますので、ぜひメディアの皆さんも、いろんな形で御参画、御取材、お力添えをいただければ幸いでございます。廣瀬さん、皆さんどうぞよろしくお願いします。長くなりましたが、私からは以上でございます。
[NHK]
まず、ステージ判断の基準についてお尋ねしたいんですが、冒頭で本日の感染状況3名というふうにおっしゃいましたが、これは緊急事態宣言以降、スケール感は違いますけど、県内では最多の人数になると思われます。さらに昨日、京都府でも27名ですか、かなりの数が出ておりまして、先週、注意ステージから警戒ステージにステージを上げられましたけども、次の特別警戒ステージへの判断なんですが、もちろん指標として7日間の間に、感染経路不明の人数とか指標がございますが、それによらず、周辺の状況、県内の感染状況等を見て、ステージを引き上げられるようなお考えがあるのか、また仮に引き上げられた場合、現在の特措法に基づく協力要請ということなんですけども、さらに改めて、例えば休業要請ですとか、外出自粛などの要請をされるようなお考えはあるのか、よろしくお願いします。
【知事】
まず1日に3名を超えて陽性患者さんが出たというのは4月23日以来、およそ3か月ぶりとこういうことでございます。今朝判明分だけで3名、日中の検査分含めると、まだ確定はしておりませんけれども、そういった状況でございますので、間違いなく2波に入っているのではないかという認識を強くしているところでございます。
したがって、県民の皆様方には、「警戒ステージ」として、それぞれ行える感染症対策を、今一度、基本徹底していただいて、手洗い、咳エチケット、そして感染者が出ている場所、クラスターが発生している場所等に行かれることを控えていただく。またウイルスに負けない免疫力を保ち高めていただく休養、運動、栄養、こういったものをしっかりと、とっていこうということを呼びかけていきたいと思います。
ステージ判断は、現時点「警戒ステージ」ということでございますし、また感染状況を見ながら、感染爆発や医療崩壊のリスク等、これも参考指標等をしっかりと見ながら、適切な政治判断はしていきたいと思います。
また、その際にお尋ねの中にあった要請ですね。これについては現時点、法律24条9項に基づく協力の要請をすでにかけさせていただいておりますし、多くの県民の皆様方にも、御協力をすでにいただいているところでございます。それでもなかなか感染が収まらない、さらに感染状況がひどくなってきた時の要請のあり方については、また状況を見ながら判断をしていきたいと思います。
国においても、前回の4月、5月に行ってきた対策の様々な振り返りをされているところですし、全国一律でいいのか、すべての業種一様でなければならないのか。こういったこともよく見ながら、適切な必要な要請を掛けていきたいと思います。
[NHK]
以前にもおっしゃっていましたけども、例えば県内でも地域を特定しての要請をかけられるとかそういうお考えでしょうか。
【知事】
状況を見て判断します。
[NHK]
もう1点、お尋ねしたいんですが、各地で感染がかなり増加している中で、明日からいよいよ政府のGoToトラベルキャンペーンが始まりますが、これについては知事も以前おっしゃっていましたけれども、改めて、こういう感染者が増加してる中での観光客の受け入れであったり、そのあたりの考えについてはいかがでしょうか。
【知事】
私はこういった感染症対策で冷え込んでしまった、人が動かなくなった、物が買われなくなった、旅行に出かけられなくなった、これらを需要喚起、刺激するために全国的なキャンペーンを一定の予算確保してやろうと、このことには賛成ですし、大いに期待をしています。
ただ、一部地域で主に都市部を中心に感染が広がっていて「本当にそこに行っていいの?」、「そこから来てもらっていいの?」、こういった不安でありますとか、自然災害で被災された地域などは行きたくても行けないし、来てもらいたくても来てもらえないという、こういう状況にある中で公費、税金、国費を使って全国一律でできるということになっているんだろうかと。したがって時期尚早ではないか、適切な工夫や改善を施すべきだということを申し上げてきました。
先般の知事会議でも、どこかを除外してやるということが本当にいいんだろうかと。全国一律に僕はやるべきだと思うけれども、やれないということであれば、その財源を地方にいただければ、それぞれの自治体ごとに地域の中で今県民の皆さん動いてください、楽しんでくださいというキャンペーンも展開できるということを申し上げています。それから数日たって、当初払われないと言われたキャンセル料が払われるかもしれないとか、そういう状況も出てきていますので、最終どういう制度でスタートされるのか、また若干期間がありますので、その期間の中でどのようにまた改善されていくのか注視したいと思いますが、県としては今、それぞれの観光事業所、ホテル、旅館、施設等において、パネルを貼ったり、様々な感染予防対策をしながら、お客様に楽しんでいただこうという取組をされております。それをしっかりと応援していきたい。また私どもとしても、「コロナ対策実施宣言書」を、このもしサポ滋賀の導入とともに、利用者の皆様方にしっかりと告知をしていただく、そういう呼びかけも行っておりますので、ぜひこの感染症予防対策をしながら、観光事業も動かしていくということに挑んでいきたいと考えているところです。
[読売新聞]
昨日7月20日で、知事が2期目就任されて丸2年となりました。前半2年のこれまで、重点的に取り組んでこられたこととか、あとその成果進捗について振り返っていただきたいんですが、新型コロナ以外のことで、まずお願いします。
【知事】
早いもので、今期も2年が経とうとしている、経ったということでございます。
49歳という未熟若輩の知事を皆様方に様々な形で支えていただいて、過ごす日々だなあと感謝しながら、その責任の重さを痛感しているところです。
無我夢中一生懸命というのが正直な実感でしょうか。特にコロナ対策は別だと言われましたけど、この半年ほどコロナ対策に没頭しておりますので、そういったことも含めてしっかりと役割を果たしていきたいと思います。
この2期目、特に2年間、私は「健康しが」をつくろうということを掲げて、県民の信託をいただきましたので、「人の健康」、「社会の健康」、「自然の健康」を高めるための取組を様々実現していこうとしているところでございます。
「人の健康」は、特に子ども、次世代対策については、全国知事会の次世代育成支援対策プロジェクトチームのリーダーを拝命しながら、例えば困難な環境にある児童虐待、児童相談所の機能拡充の取組でありますとか、また、子育て支援、少子化対策に有効な手立てを打てるようにという様々な提言をさせていただいております。例えば、これは議会からのいろんなお求めもあって、昨年度、県立高校すべての普通教室にエアコン設置ということについても、短期間でございましたけれども実現することができ、現在はトイレの改修等に着手をしているところでございます。
また医療的ケアが必要な児童生徒の通学支援の取組も、この夏から本格的にスタートさせることができました。また、これも宿願でございました、しが自然保育の認定制度、これも今年度からスタートさせて具体の取組を始めていただいているところでございます。これも現場の方の様々な御協力あってのことですので、とても心強く思っています。
「社会の健康」の面では、まずはやっぱり防災の取組ですね。これについては、例えば既存ダムの、これは県内10ダムの、洪水調節機能を強化して、いざという時、大雨が降る時には事前放流をして貯められる水を確保するという、こういうルールを作っていただきました。また、公共交通では、近江鉄道の法定協議会を立ち上げて、沿線10の市や町との全線存続に向けた枠組みを今作ろうとしているところですし、MaaSの取組は大津市での実証実験、竜王町での導入、このことに着手をしたところでございます。
「自然の健康」の面では、地球温暖化の気候変動適応センターを昨年1月に立ち上げたほか、滋賀もりづくりアカデミーを、昨年夏から開講いたしました。また、「やまの健康」モデル地域を昨年度は2地域、本年度はさらに3地域増やして5地域で取組を展開していきたい。
また、これも私のこだわりの1つでありました、オーガニック近江米を金色のパッケージで作っていただき、販売開始にこぎつけられたということでございますので、こういった事々をしっかりと次につなげていきたいし、このwithコロナ、ポストコロナを見通しながら、しっかりと着実に続けていく、広げていく、こういった取組をやっていきたいと思っています。
残念なことと言えば、千載一遇どころか万載一遇の観光キャンペーンのチャンスだと言いながら展開してきたものものが、このコロナで少し停滞しておりますので、こういったことをぜひ再起動していく、こういったことも課題になるのではないかと思います。
[読売新聞]
今後、残り2年の課題ですけれども、大戸川ダムの早期整備を求めてらっしゃることについて、これからあと2年でどのように取り組んでいくかということと、知事2期目に入ってすぐ、県立美術館の新生美術館構想を凍結しますと。結果、白紙にしますということで今に至っているわけですが、その2点について、この2年でどう取り組んでいくかお願いします。
【知事】
まず、ポストコロナも展望して、今、どのような県としての方向性を持つべきなのかという、こういう検討させていただいておりますが、私は近代からの卒業、卒近代、そして本当の意味での「健康しが」というものを作っていく必要があるのではないだろうか。大量生産、大量消費、画一的な教育、中央集権、明治維新以降つくってきたものの弊害が様々出てきているし、このコロナでさらに明らかになった。そういうものを地方から、滋賀から、しっかりと乗り越えていく、新たな幸せを作っていく、そして本当の意味での「健康しが」をつくる。こういったことに挑戦をしていきたいと考えております。
今、お尋ねのあった大戸川ダムについては、県で検討会・勉強会を立ち上げて、県にとっては必要な施設だということを位置付けて、国の事業ですので、国には早期に事業着手していただくよう、必要な計画の見直しを要望しております。国でも調整会議等を立ち上げて、関係する府県の様々な意見を聞き始めている、また、事業の進捗を確認し始めているという段階に入ってきています。ソフト・ハード両面で、上流下流が連携しながら、想定を超える雨が降っても、しっかりと命を守る。このことが、この豪雨や防災の基本になってくると思いますので、しっかりとダムだけではないんですけど、ダムも含めて整備するものを整備して、川の中と外で流域治水を完成させていく、作っていく、こういったことに不断に取り組んでいきたい。特に、こういった施設ものは、つくろうと言ってから出来上がるまでに、効果を発現するまでに時間がかかりますので。したがって、計画的に少し先を見通しながら、事業を進めていく、こういう視点も必要ですので、できるだけ早く事業着手に取りかかれるよう国にも求めていきたいし、関係府県にも説明をしていきたいと思います。
また、もう1つのお尋ねの美術館の整備についても、私が2期目をお預かりしてから、それまであった新生美術館のプロジェクト、計画を1回止めさせていただいて、そして替えて新たな事業に着手しているところです。今回のコロナの自粛でわかったのは、この文化芸術、とりわけ美術やアートに対する渇望というものもあったのではないでしょうか。したがって、現在、行っている近代美術館の老朽化対策をしての再開館については、できるだけ早くその見通しを示して、楽しみに待っていただける、そういう環境をつくっていきたいと思いますし、もう1つの課題であります名神の大津インターを降りて、どーんと琵琶湖の方にいった真正面にしばらく休館になっているお城のような形の文化館がありますが、これも大切な文化財をお預かりしながら、もう開けない状態になっておりますので、この後継施設をしっかりとつくり、せっかくお預かりをしている文化財等を皆様方に見ていただける、学んでいただける、そういう環境をしっかりとつくっていく。今年度、そのための方針を作って、「場所はどこにするんだ」「どういう内容にするんだ」「既存施設とどういう関係でいくんだ」という、こういったことについて、しっかりとまとめることにしておりますので、それをぜひやり遂げていかなければならないと思っております。
[読売新聞]
大戸川ダムですが、先日、近畿地方整備局で事務方の皆さんの意見交換があったんですけれど、京都府さん大阪府さんは建設にあたって下流の負担が生じるという意味で、その2府さんに意見を聞くと、特に会議の中で積極的な言及なく、取材では、1年前に知事が容認を表明された頃と特段変わっていませんよということだったのですが、。そこに対して、もう1年経っているわけですけれども、もう少しどのように説明して、どのように話を進めていこうと思っているのかお願いします。
【知事】
まず、例えば、球磨川のように、県内で上流から中流、下流まで完結する河川と、上流が琵琶湖、またその上流にあり、そして京都府を通って、大阪府を通って大阪湾に流れていく、そういった大河川と、これは非常に調整が難しい。どの事業から先にやり、どのような負担バランスでいくのか、非常に調整の難しいプロジェクトだと思っていますが、大戸川ダムについても、もちろん滋賀県にも効果がありますが、途中、水が流れていく天ケ瀬ダムの流量、その下流にある宇治川や淀川に対する影響、さらには、その流量を左右する桂川や木津川の流れ、それがまた下流にどのような影響をもたらしていくのかと。こういったことにも繋がっていくと思いますので、やはり国をして、一定しっかりと説明をして、沿川府県の理解を得て、負担の合意を図っていく。そのための計画の策定や作り直しを行っていく。こういったことが必要ではないかと思っております。ぜひ、県としても、主体的・積極的に関わりながら、これは国の事業であると同時に、県民の皆様の安全・安心にも関わる重大なことでありますので、しっかりと届けながら、もちろん県だけの意見を聞いてすべてわかりました、やりましょうということにはならない難しい面もありますが、合意形成に参画をしていきたい、
関わっていきたいと考えております。
[びわ湖放送]
明後日から4連休となります。同じことになるかもしれないのですが、第2波に入ったとおっしゃっている中で、GoTo キャンペーンも始まる。県民はどうこの4連休を過ごしたらいいのかと考えてらっしゃる方も多いかと思うのですが、知事として県民に、どのように、この4連休を過ごしていただきたいとお考えでしょうか。
【知事】
まず、暑さとコロナに負けずに、御自分らしく、生き生きと過ごしていただきたいと思います。ただ、やはり気持ちは晴れないですね。夏休みになり、4連休になり、本来であればオリンピックの開会式があったというようなことを思い出しますと、コロナのせいでこうなったというような、何となくコロナさえなければ感が漂ってしまう、そういう期間になるのかもしれませんが、ただ、こうなった以上、できるだけ前向きにとらえて、申し上げたように、確かに感染はまた広がり増えてきつつある状況にありますが、必要な感染予防対策をしながら、例えば、滋賀であれば琵琶湖岸、琵琶湖上、そして遭難しない範囲の山のハイキングですとか、ビワイチのサイクリングですとか、県内のゴルフ場ですとか、あとは感染症予防対策をしっかりと行っていただいた旅館・ホテルですとか、近江牛ですとか、琵琶湖の魚ですとか、私も鮒ずし漬けに行きますけども、沖島とか、いろんなところがありますね。そういったところに行って、もちろん県外もいいけれども、県内でまだ行ったことのない知らないところもたくさんありますので、そういったところを訪れていただいて、少しリフレッシュしていただくような、そういう期間になることを願っていますし、そのための呼びかけやそのための対策をしっかり講じていきたいと思います。
同時に、この期間も仕事をしていただく方が大勢いらっしゃると思うんです。私も元々電車の運転士でしたから、人が休みのときは仕事ということに強く思いを持つ1人でもあります。とりわけ、コロナの患者さんを診ていただく医療機関の皆さんや、この期間も様々な形でお取り組みいただく保健師の皆さんや、子どもさんを預かっていただく保育士の皆さん、こういった方々のお仕事あっての休みでもありますので、そういった方々の、例えば仕事する上での感染症予防対策、必要な検査が受けられる体制づくり、こういったことにも僕らはしっかりと休みなく備え支えていかなければならないなと、こういう思いを持っております。
[滋賀報知新聞]
コロナに関してですけれども、知事は先ほどから間違いなく2波に入った、県内の状況はそうだろうというお話をされておられるんですけども、県では現在、コロナ感染症をこれまでの振り返りと今後の方向性の骨子案を取りまとめられて広く意見を募集されておられるかと思うんですけれども、確か来週まで県民にも意見を求めていらっしゃるかと思うんですが、そこでまず2つお伺いしたいんですけれども、その来週まで広く意見を聞いていく中で、これまでの中間報告といいますか、集まっている意見の中でどのような意見が集まっているか、もし知事が御存知な部分があれば、教えていただきたいというのが1つ。
もう1つは、骨子案の中では、いろいろな分野において課題や今後の対応というのが挙げられているんですけれども、その中で、今後の方向性に向けて、知事御自身が重要だと思われる分野ですとか、気持ちの持っていき方ですとかがあれば教えていただきたい。この2点について教えてください。
【知事】
まず、今の時点で、どのような意見等がきているかということについては、すみません、今、資料を持ち合わせておりません。結構、いろいろな観点から御意見を賜っているということを聞いていますので、早急に取りまとめの上、またどういう、こちら側の見解を持つのか、対策につなげるのか、御説明を申し上げたいと思います。ただ、この振り返り、検証作業、私はもう少し時間をもらえると思っていたんです、正直に申し上げて。しかし、もうすでに第2波に入ったということでありますので、少しこの時点でのまとめを急ぐように、今指示をしております。当初8月いっぱいかけてというようなことを申し上げておりましたが、そんな悠長な時間はいただけないだろうということで、現時点での総括をした上で、この2波対策にしっかりと生かすものをピックアップしてまとめるようにということを今言っているところでございます。
気持ちの持ちようといいますか、1波を経験して迎える2波ですので、一定、我々も「こうすればいいんだ」「こうやったら防げるんだ」「こうやったら危ないんだ」ということがわかってきた、この2波ですので、私もそうですし、県民の皆様方もある程度の知識が共有できた段階での対策になってくると思います。その意味で言うと、北は北海道、南は沖縄まで、東京も含めてすべてが休まなければならないのかということとか、全業種で休業しなければならないのかというようなことについては、少し違うのではないか、他の対策もあるのではないかというこういう段階にきているのではないか。
子どもたちの学びについても、すでに夏休みに入りかけている学校もありますけれども、学校を閉じなければならないときは閉じますけど、休みますけど、学びを保障した上で、感染症対策というのはできるんじゃないかという、こういったことなども指摘をされてきていると思いますので、より正しく恐れるという気持ちの持ちようが必要なのではないだろうか。また、このことはしばらく長く続く、収まってはまた増え、収まってはまた増えという感じで。こういう前提に立って、心持ちを、ややもすると、せっかく収まったのにまた増えた、また休むの、また経済が悪くなるの、ということではなくて、この波の中で、僕らが過ごしていく、それでもつぶれないように、それでも塞ぎ込み過ぎないようにやるという、このことが試されているのではないか。そういう心の持ちようを、ぜひ一緒につくっていけたらいいなと思っているところです。
[時事通信]
8月1日から当初予定されておりましたイベントの人数の条件の関係ですけれども、国の方は慎重に検討しなければならないということを大臣もおっしゃっているのですが、そのイベント等の緩和について、考えをお伺いしたいです。
【知事】
国でも少しこの基準のあり方、そしてさらなる緩和をどのようにすればいいのかを検討されようとしているということでございますので、本県もそれを見たいと思います。現時点、50%の収容で5,000人というその上限をさらに緩和するという、こういうことを8月1日から予定されておりますけれども、この感染状況を見ながらどうすべきなのか。すでに大相撲やプロスポーツの観客動員も始まっている中で、どういう基準をもって8月を迎えていくのか、このことはとても重要だと思いますので、またいろんな事業者さんが絡む話だと思いますので、国の検討を見守り、本県としても必要な対策を今月中に定めていく必要があると考えております。
[時事通信]
昨日、観光審議会がありましたけども、コロナを見据えた今後の観光政策のあり方について、知事の御所見をお伺いしたいんですけども。
【知事】
私自身は、びわこビジターズビューローの会長でもあり、昨日、その会議にも出席しながら、まさに今お尋ねのあったこのコロナ禍で、ウィズコロナの観光をどのように考えればいいのかということについて話したところです。
2つあって、1つはやはり感染症予防の対策を事業者、行政、また利用者みんなで徹底してやろうということが基本になると思います。これができていないと、さあ、来てください、4連休です、クーポンですと言ってもやっぱり人は動いていただけない。したがって、何よりも安全で安心な観光施設をつくっていくということが1つ。もう1つは、やはり、これは滋賀の特徴ですけれど、適度な疎の空間の中で、リフレッシュできる、遊べる、過ごせる、楽しめる、こういう環境は、おかげさまで琵琶湖をはじめ、山々、自然、こういった空間があるわけですから、そこをしっかりと訴求しながら、それでも人と人とが密になり過ぎない。そういうことにも配慮して、楽しんでいくということをしっかりと訴えていきたいというふうに思っております。
[時事通信]
これまでは観光入込客数という1つの指標がありましたけど、そういったものではなく、また別のものに目標を切り替えて取り組んでいくというお考えでしょうか。
【知事】
昨日も御議論いただいたと聞いていますが、現在、持っている観光の例えばターゲットイヤーですとか、目標のようなものも少し見直して、そして持っていた期間についても、少し前倒しをして、このコロナも経験していますので、新しい滋賀、滋賀らしい観光指針、ツーリズムビジョンというものを作っていこうじゃないか。その際には、このコロナも経験しましたので、おそらく今までにはない観光というものが求められてくるのではないだろうか。そういったことも展望しながら、新しい、ニューツーリズムビジョンを描いていきたいと思っております。私自身は担当者に単なる観光の目的で来られるのではなくて、一時的な県民になってほしいということを、来られる方に呼びかけようじゃないか。水を綺麗に保ってください。生き物のことを考えてください。そして、できれば、この地域で暮らしていらっしゃった御先祖に思いをはせてくださいと、一時的な県民として、一部、責任を持ち、果たしていただけるような、そういうことも呼びかけていけたらいいと考えているところです。
[時事通信]
先ほど、おっしゃったインフルエンザの件ですけれども、今冬にかけまして、ワクチンの確保であるとか、接種であるとか、そのあたりの今後の対策とかお考えがありましたらお伺いできればと思います。
【知事】
これは極めて重要なテーマだと思っておりまして、県民の皆さんの命を守るということもそうですし、ただでさえ逼迫する医療資源、大変な現場になる医療現場の崩壊を防ぎ守っていくという観点からも、秋から冬にかけての季節性インフルエンザの流行への対策をしっかりととっていくということは重要だと思っています。そのために、皆さんも打たれている方がいると思うんですけど、季節性インフルエンザのワクチン、これをしっかりと必要な方に打っていただく。そのための数を国として確保する。特に医療現場の方であるとか、介護従事者の方であるとか、そういった方にはきちんと打っていただいて、コロナもインフルエンザも心配しなければならないということにならないような対策を、これは国を挙げてやっていく必要があるだろうということもありましたので、国に対してそのワクチンの確保を求めたところですし、その自己負担のワクチン接種、少し自治体によって負担支援のばらつきがあるようなので、そのあたりをしっかりと県としても整理しながら、この秋から冬を迎えていかなければならないのではないかと考えているところです。県としても必要な検討はしっかりと行っていきたいと思います。
[京都新聞]
日曜日の全国知事会のお話で、緊急提言で休業要請に従わない事業者への罰則規定を含むような法改正を要請されていたと思うんです。知事御自身はこの実効性を担保するための罰則規定ですとか、知事権限を強化することについてどのような考えをお持ちか教えてください。
【知事】
私は両面あると思っていまして、感染症対策のために実効性ある、例えば休んでくださいと言ったときに休んでいただける、出ないでくださいと言ったときに出ないでいてくださる、そういう実効性ある措置を法的につくっておくということは必要だと思っています。
ただ、「休めと言われても、補償がないやんか」「どうやって生活しろっていうんや」というようなことに、まだ十分な措置がされてない。だから、一方的に何か罰則付きの権限強化ということではなくて、法律に定め、本当の意味で感染症対策に効果のある状態に社会をしていくために、どういう条文にしておくべきなのか、どういう仕組みにしておくべきなのか、これをぜひしっかりと立法府において、考えていただきたいということです。
例えば、食品衛生法に基づく対策などで、食中毒の場合は、この店はしばらく休んでくださいということがしっかりと法的な権限を持って言える。例えば、こういう形をこのコロナ対策でできないかというようなことも具体例として挙げられていましたよね。例えば、そういうものも私は一案だと思いますし、今回のように少し面的に一定期間、休まなければならない、閉じなければならないということの実効性をどう担保するのかというのは、私は単なる罰則規定という4文字だけでは少し語れない物事もあるのではないか。むしろ、そういったことをしっかりと補償的な措置も含めてつくることによって、実効性を高めるというやり方もあるのではないかというように考えております。ただ、いずれにしても、これは法律的にも、権限を伴うのであれば、極めて重要な条文になってくると思いますので、国民の皆さんと、しっかりと議論をしていかなければならないテーマではないかなと思います。