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知事定例記者会見(2020年6月23日)

令和2年6月23日
(県政記者クラブ主催)

【知事】

おはようございます。今日もよろしくお願いいたします。

本日は75回目の沖縄慰霊の日ということでございますので、戦争で多くの方が亡くなられた、そのことに思いをはせ、恒久平和実現のために、ともに頑張って参りたいと思っております。

 

資料はないのですけれども、新型コロナウイルスの状況につきましては、これまでの陽性患者101名、そのうち昨日現在、入院が2名、退院が98名、残念ながらお亡くなりになった方が1名という状況になっています。

昨日、開催いたしました新型コロナウイルス感染症対策本部員会議におきましては、これまでの対応対策の振り返りと、今後の方向性を検討するためにまとめた骨子案をお示しいたしました。今後は、明日から開催される県議会、また市町との対話、関係団体との様々な懇談等、多くの皆様から御意見をいただきながら、さらに検証を進め、深めていきたい。県民の皆様方にも、いろんな形で御意見を賜るような機会も作っていきたいと思っておりますので、ぜひ、しっかりと次の波に備えられる検証を行っていきたいと思っています。

その一環といたしまして、本日23日付で健康医療福祉部医療政策課内に感染症対策室を新設いたしまして、私自身から関係幹部に、辞令を今朝交付させていただきました。今後も、社会経済・文化活動と両立をさせながら、引き続き、気をゆるめずに取り組んで参りたいと思います。県民の皆様にも感染予防、拡大防止に努めていただきたいと強く呼びかけていきたいと思います。

 

それでは資料に基づきまして、今日は少し多いんですけれども、計5件、御紹介またお知らせをさせていただきたいと思います。

まず1点目、「新型コロナウイルス感染症対策のための避難所運営ガイドラインの策定について」というものでございます。災害時に避難所を開設いたしますと、御想像どおり避難所は密閉そして密集、密接のいわゆる3つの密が重なる環境のところが多いということでございます。避難所で新型コロナウイルス集団感染が発生する可能性が高いということが指摘をされています。そのため、新型コロナウイルス感染症対策のための避難所運営支援といたしまして、「新型コロナウイルス感染症対策のための避難所運営ガイドライン」を策定いたしました。

このガイドラインは、市町職員の皆さん、自主防災組織の役員の皆さん、自治会役員の皆さん、施設管理者の皆さんなど、避難所運営実務を担っていただく方々向けのものでございまして、国や市町防災担当者と意見交換しながら作り上げてきたものでございます。

主なポイントは、このモニターにも映しておりますが6点でございます。このガイドラインに基づきまして、実際の避難所において、7月28日、高島市内で各市町避難所運営実務者を対象とした実地研修兼訓練の実施を予定しております。ガイドラインの作成と訓練の実施にあたりましては、兵庫県にあります人と防災未来センターの河田研究員、髙岡研究員など専門家の方々からの御意見、御示唆等もいただいて作ってきたというものでございます。

これで完成ということではなくて、様々な災害等に、このガイドラインに基づき対応しながら不断によりよいものにしていきたいと考えているところでございます。

 

続いて2点目「LINEを活用した滋賀県こどもと親の悩み相談実証事業の実施」についてでございます。様々な悩みを抱える子どもや保護者に対する相談体制につきましては、これまで主に電話や対面により実施を行って参りましたが、全国的に新型コロナウイルスの影響で、学校は休校、外出の自粛も長期化している中で、子どもの見守りの機会が減り、虐待のおそれなどが懸念されるとの報道も多数見られております。問題の深刻化を未然に防止する観点から、多様な選択肢を用意することが、喫緊の課題であると認識しています。

このたび、新たにLINEを活用した「こどもと親の悩み相談」を試行的に実施いたします。様々な悩みを抱える子どもたちや、保護者の皆さんに心を寄せ、解決の一助となればと考えておりまして、ひいては児童虐待の未然防止にもなると考えております。

具体的には、不登校やいじめなど学校や友だちのことに関する悩み相談、そして保護者からの子育てに関する相談を主な対象としております。電話や対面では相談しにくかった人など、潜在的な相談者にも対応可能な体制を構築いたしまして、LINEを活用した相談の効果および課題を検証することを目的としております。

お手元資料に、別紙として実証事業の内容、事業概要図等を、お示しをしております。対象期間は7月1日(水)~7月16日(木)までということでございますので、ぜひお広めいただければと思います。

 

続いて3点目、「滋賀らしい観光三方よし」についてでございます。6月から「観光については、まず県内から」と発言して参りましたが、7月からさらに取組を充実、強化、加速させていただくこととなりました。「滋賀らしい観光三方よし」と題しまして、観光物産の需要回復に向けた3つの取組について御紹介をさせていただきます。

1点目、7月1日からYahoo!ショッピングサイトにおきまして、「滋賀県ご当地モール」を開催いたしまして、県産品の販売を行います。8月16日までの期間中、30%の割引クーポンを発行いたしまして、県内事業者の販売、販路拡大を支援いたします。

2点目、「滋賀の宿応援プロジェクト」と題しまして事業を実施いたしますが、昨日、滋賀県専用のホームページが立ち上がったということでございます。このホームページ内で、7月15日から前払いの宿泊チケットの販売を開始するというものでございまして、数量は限定となりますが、購入者は最大で5,000円の宿泊助成が受けられるというものでございます。宿泊施設に先に代金の半分が振り込まれるということでございますので、宿泊施設の資金確保も一定応援することに繋がり、滋賀への宿泊をさらに進めていこうとするものでございます。

3点目、先週末にも資料提供を行っておりますが、「今こそ滋賀を旅しよう」5,000円分のクーポン付宿泊プランの販売についてでございます。改めて資料提供を添付しております。

以上、3つの事業によりまして「買って応援・泊まって応援・巡って応援」というこの三方よしで、厳しい状況にあると思うんですけれども、観光・物産関連産業を、まず第1弾、しっかりと下支えをいたしまして、滋賀の観光を盛り上げていきたいと考えているところでございます。

続いて4点目、マイナポイントを活用した消費活性化策ということでございまして、キャッシュレス決済サービスの利用に対し、ポイントを25%還元する「マイナポイント」の申込が7月1日から始まるということでございます。9月以降、最大2万円の消費に対して5,000円分のポイントが還元されるということです。

本県では、新型コロナウイルス感染症の拡大により、落ち込んでしまった県内消費の拡大や、新しい生活様式をふまえたキャッシュレス決済の普及促進に着目し、広報を推進いたします。申込に必要なマイナンバーカードの交付枚数率でございますが、本県では6月1日時点で全国平均に近いという状態ですが16.9%に留まっているということでございます。申請からカードが届くまで1~2か月かかりますので、県民の皆様には、ぜひ早めの申請をお願いしたいと存じます。申込の際は、1つのキャッシュレス決済事業者を選ぶということとなります。今日、お見えになっております株式会社平和堂様も事業者の1つとなっておられるということでございまして、午後に別途会見されるということでございますので、御注目もいただければと存じます。

なお、ポイント還元を含めた1人当たりの2万5,000円につきましては、県内消費の拡大に非常に有効と考えております。そのためにマイナポイントのさらなる上乗せ事業の実施を現在検討中でございまして、県議会の6月定例会議で補正予算案の提案に向けた準備を現在進めているところでございます。あわせて御注目いただければと存じます。

 

それでは最後でございますが、「びわ湖の日」の取組概要につきましてお知らせいたします。今年度の7月1日「びわ湖の日」、また関連する「びわ活」でございますが「コロナに負けない!」を合言葉に展開しようとしております。

ガイドブックを電子書籍で作成いたしまして、ホームページで公開いたします。概要版はお手元にお配りをしたカラー刷りのものでございます。ガイドブックと連動いたしまして、新たにラジオ番組を放送いたしますほか、「びわ湖の日」の連続講座につきましては動画配信をいたします。また現在、「自然の中の宝ものさがし」を行っています。作品の応募を、ぜひお待ちしておりますので、お寄せいただければと思います。また、県内の商業施設でパネル展示を行いますほか、県産商品の販売も行っていただきます。最後に、「びわ湖の日」を記念した商品の発表が、この後行われるということでございますので、こちらにつきましても取材をいただければと思います。

この「びわ湖の日」をきっかけに、多くの方に魅力いっぱいの琵琶湖に関わっていただければと思います。今年は清掃活動など、なかなかコロナ対策で、例年行っているものすべてを実施できない状況にもございますので、そういう中でのびわ活ということで、様々な悩みもあるでしょうけれども、こういった形で盛り上げていきたいと思っておりますので、ぜひ御参加いただければと存じます。長くなりましたが、私からは以上でございます。

[NHK]

先週も似たような質問をお尋ねしましたけれども、鹿児島国体の延期が決まりましたけれども、改めまして、県としての対応についてお聞かせください。

 

【知事】

もう決まったんですか。

 

[NHK]

先週の金曜日に、東京で会見があり、どのような形になるかは未定なんですけども、今年10月の開催はしないということです。

 

【知事】

今年行われないということについて発表がなされたということを承知しております。今年の秋の開催に向けて、鹿児島県民の皆さんはじめ関係団体の皆さんは、長年にわたり準備をして来られ、また楽しみにしておられたでしょうから、今年開催できないということについては、その数年先に、2024年に予定されている本県としても思いがわかりますので心が痛みます。

施設整備もそうですけれども、それに合わせたスポーツ振興、健康増進の取組、また観光振興、さらには競技力向上など、様々な関連する取組を行っていらっしゃるでしょうから、開催できないということになれば、影響も大きいと考えております。また、そのあと鹿児島国体がどうなるのか、その後予定されている各地の国体の開催がどうなるのかということについては、これまた鹿児島県のみならず、他県にその影響が及ぶわけですから、まずはその大会それぞれがどうなるのかということについて、スポーツ庁や日本スポーツ協会、日本障がい者スポーツ協会をして説明責任を果たしていただくと同時に、かかる費用等につきまして、県民の皆さんにも御納得いただけるような支援策を構築していただきますように強く求めていきたいと考えているところでございます。

 

[読売新聞]

さっきの知事からの発表の中の観光の件についてお伺いします。知事はおっしゃったとおり、6月中は県内の方が県内でまず観光してくださいということで呼びかけられていたと思うんですが、7月からはさらに充実ということで宿泊への支援とかが入っています。これはつまり、県外の方に滋賀県に来てくださいねという呼びかけを、もう7月からしていくということなんでしょうか。その場合でしたら、ちょっと県外の方向けに、滋賀県はこういうところだから来てくださいというメッセージをお願いいたします。

 

【知事】

まず今は、県民の皆さんが県内で観光して動き出そう、楽しもうということで呼びかけておりますが、徐々に県外の皆様方にも県内にお越しいただき、夏の琵琶湖や様々な観光スポット、また産物をお楽しみいただきたいと考えております。今お尋ねのあった、この「滋賀の宿応援プロジェクト」については、県外、県民以外の方もお買い求めいただける、そういうプロジェクト、商品内容になっておりますので、そういったものも御利用の上、県内にお越しいただきたいと思っております。

 

[読売新聞]

資料の中に、「密にならない滋賀を今こそ旅してください」と書いてありますが、都市部と比べた滋賀県の強みというところは、ひとつやっぱり今の御時世だと密集密接とか3密を避けられるというところがあるんでしょうか。

 

【知事】

総じて言えば、日本、世界を代表する行楽地よりも、密ではなく疎の空間、適度な疎の環境の中で、滞在や観光お楽しみいただけるのではないかと思っております。ただ、県内にも時間と場所によっては密になる時間や空間もありますので、そういったところでは感染予防対策をしっかりと徹底していきたいと考えております。

いずれにいたしましても、琵琶湖を真ん中に、琵琶湖をはじめとして、豊かな自然空間、その中でいただける自然の恵み、そしてそういった風土で育まれてきた歴史・文化資源、こういったものは、他の地域とはまた違う、他の地域よりもすぐれた文化資源、観光資源を有しておりますので、そういったものを私たち県民自身が学び、そして自信と確信をもって広めていくと。また、来ていただいた方々にも、一時的にはなるのかもしれませんけれども、一時的な滋賀県民になっていただいたようなつもりで大切に楽しんでいただければということを、これから呼びかけていきたい。

万載一遇のチャンスだと年初には張り切っていたんですけれども、100年に1度の大危機がコロナウイルスの影響で出ております。「麒麟が来る」も放送休止、「スカーレット」も効果を発現しないままに今日を迎えているという状況でございますので、関連するキャンペーンなどもできれば延長して、こういった対策をしっかりと今後発現させていけるように取り組んでいきたいと思っています。

 

[読売新聞]

昨年度、琵琶湖の北湖で全窒素という富栄養化の目安になる物質が初めて環境基準を達成したという発表が昨日ありました。富栄養化といえば70年代に赤潮ができて、80年代に琵琶湖条例ができてということで、およそ40年がかりでやっと達成したということなんですが、御所見をお願いいたします。

 

【知事】

北湖において、全窒素の基準を今回初めてクリアすることができた。このことについては、大変感慨深い、そういう状況でございます。長年にわたる県民の皆様方、また関係者の皆様方の琵琶湖の水質を浄化するための取組に敬意を表したいと思います。

ただ今回の発表に接しられた皆さんで意外に思われた方もあるんじゃないかなと思います。実は私もその1人で、北湖もまだこういう状況だったのかということがございますね。おかげさまで、以前よりも随分良くなってきておりますけれども、琵琶湖の水質浄化は、まだまだ道半ばであるということが1つ。そして、以前はたくさん獲れた豊かな水産資源が、以前ほど獲れなくなったということとか、以前はいなかったけれども、固有種を侵略する形で繁殖してしまうような外来水生の植物や生き物がいてしまうという、こういう状況でありますとか、去年、今年と全層循環が確認できない、湖底の溶存酸素は大丈夫かというような、こういう状況があったり、プラスチックごみが、やはり残ってしまっているではないか、浮遊しているではないかという課題などなどに、引き続きしっかりと対応していかなければならないということだと思いますので、法律で定められ、すでに5年が経過しようとしておりますけれども、こういった枠組み等もしっかり利用しながら、また国立環境研究所琵琶湖分室も琵琶湖岸に立地していただきましたので、こういったところともしっかりと連携しながら取組を進めて参りたいと考えております。

[京都新聞]

観光について、今回3つの事業を紹介いただきましたが、先ほど知事がおっしゃられたキャンペーンの延長というのは、今実施されている戦国ワンダーランドのキャンペーンのことでしょうか。また延長するとしたら、いつ頃までの延長をお考えでしょうか。

 

【知事】

キャンペーンとは、という御質問でございますが、今お尋ねいただいたとおり、現在展開中の「戦国ワンダーランド滋賀・びわ湖」キャンペーンについてでございます。

現在の終期は今年いっぱい、年末までということになっておりますが、先ほど申し上げたとおり、「麒麟が来る」などについても、現在放送休止という状態になっておりますし、外出自粛なども、この4月、5月と行われましたので、十分にその効果を県内において発現させられていないという状況がございます。

したがって、このキャンペーンについても延長を検討していきたいと考えており、現在、観光振興局やびわこビジターズビューロー等において、どの程度延長するのかということについて検討しているところでございます。

 

[京都新聞]

政府のGoToキャンペーンが、来年春ぐらいまでを考えているといったような報道もあったかと思うんですけれども、やはり来年のある程度の時期まで伸ばしていきたいというお考えなんでしょうか。

 

【知事】

そうですね、少なくとも今年から来年には跨ぎたい。どの程度跨いで伸ばすことができるのか、それが適当なのかということについては、そういった大河ドラマの状況ですとか、オリパラのことですとか、様々なことも見ながら検討、判断していきたいと思います。

 

[京都新聞]

延長された場合は、今回の宿泊キャンペーンも12月まで予定されているものがありますけれども、そちらについても、延長もしくはまた新たなものの実施をお考えなのでしょうか。

 

【知事】

まず、今日御紹介申し上げた、例えば宿泊キャンペーンは5,000円分のクーポンを宿泊された方に御提供というものは、クーポンの使用期間として今年の12月31日までを予定しております。また、こちらには販売数量に一定の限定がございます。この利用状況等を見ていかなければならない、県内への観光流入状況等をよく見極めていかなければならないということがございますが、このクーポンだけで、このキャンペーンだけで事足りるという状況ではないのではないかなと思いますが、そこも含めて、国のGoToキャンペーンが、いつからどのような規模で行われるのかというようなことも見ながら、キャンペーンにあわせたこういった取組については、しっかりと考えていきたい、また打ち出していきたいと思います。

 

[中日新聞]

先ほど読売さんの質問でもあった観光の件、6月中は県内で、7月から徐々に県外の方も県内に来て楽しんでいただきたいということですけれども、これは国の方でも都道府県をまたぐ移動が全面解除されたことを受けて、7月からは県外からもという呼びかけになったということでよろしいでしょうか。

 

【知事】

大きく言えばそういうことですね。7月、8月、9月、この初夏から初秋に向けて、ぜひこういったものも利用をしていただいて、滋賀県での御滞在や観光を楽しんでいただきたいということです。これは県外からも御来訪いただいた上で。

旅の計画は皆さんもそうだと思うのですけれど、今日、思いついて今日という旅もいいですけど、やはり夏休み等に御家族連れで、またお友達と、いつ・どこにという、少し先のプランなども立てられるでしょうから、その時の材料になるようなものとして、今日、御紹介申し上げたようなものを利用していただければと考えております。本格的な錦秋から初冬にかけて、また、来年に向けては、先ほどお答えしたキャンペーンと併せて、さらなる取組も検討していかなければならないと考えています。

 

[京都新聞]

国体の関連です。先ほど、知事は他県にも影響が及ぶと、費用と県民が納得する支援策が必要だということをおっしゃいましたけども、鹿児島国体が現時点では中止ということだけは決まっていて、仮に1年延期ということになって滋賀県の開催が1年延びた場合、どういう影響を一番危惧されていますでしょうか。議会の方からは、選手に対する影響というのを危惧する声が上がっているのですが。

 

【知事】

お尋ねの中に入れていただいた、2024年が仮に2025年に延期になった場合、2024年を目標にしながら競技力向上を図ってきていますので、ターゲットエイジが変わってくると。その時、18歳の人が19歳になってしまう。したがって、出られる種目と種別が変わる可能性なども出て参りますし、いろんな広報物は2024年で打っていますけど、それが使えなくなるというようなこともございますし、やはり、1年1年、予算も組織人事も計画的に作っていく、臨んでいく、そういうビッグイベントでございますので、それが1年延びるということは、単に1年と言葉で表現する以上の労力や費用がかかってくるのではないかと想像しています。

 

[日本経済新聞]

コロナ関連の6月補正予算について伺います。大体、規模としては、どのくらいを今考えられているのでしょうか。

 

【知事】

まだ、最終取りまとめ中でございますが、これまでにない規模になると思っています。およそ補正とは思えないほどの大規模なものになるのではないかという概算を持ちながら、現在、最終調整中でございます。

 

[日本経済新聞]

これまで3回、補正がありました。それを合計すると170億円を超える規模ですけども、これまでにない規模というのは170億円を超えるということを意味しているということになるのでしょうか。

 

【知事】

これまで3月に当初予算をお諮りするときの補正、そして4月招集会議での補正、さらには5月臨時会議をやっていただいての補正。おっしゃったようにすでに今年度の予算だけで3回補正をさせていただいております。その規模のみならず、これまで、過去の予算に対する年度途中の補正という規模、そして1回、2回、3回、今回お認めいただくとすれば4回。こういったものを合わせてトータルで年度予算としてどれぐらいの規模になるかというものも含めて考えると、これまでにない規模になるのではないかと思っております。

 

[日本経済新聞]

財政課の方に伺ったんですけれども、財政調整基金が3回の補正を通じて、3月末から残高が半減していると。これまでにない規模の補正をやるにあたって、財源についてはどのようにお考えでしょうか。

 

【知事】

まず、一時的には県の基金を取り崩し、使いながら対応いたしますが、国の2次補正で、多くの措置が行われている。そういったものが県にも配分されますので、そういったものをしっかりとその費用に充てて、また基金は積み戻すことができることも想定して、現在、予算組みをさせていただいているところです。

 

[日本経済新聞]

県税収入も景気の低迷で、今後、減収というのが見込まれると思うんですけれども、コロナを通じて県財政は、これからどういうふうになっていくのでしょうか。

 

【知事】

相当厳しい収入状況、また財政状況になると想定をしています。したがって、こういった財政措置も行いながら、その厳しい状況がより厳しくならないように、少しでも回復して経済再生状況、再生軌道に戻していけるような、そういった下支えをするということに努めていきたいと思っていますし、今回、この補正予算を検討するにあたりましても、その多く、いやほとんど、ほぼすべてが国の国債により措置されているという状況からいたしますと、将来世代にその負担が行き渡るのであるならば、一時的な形で消化されるのではなくて、次の時代、次の世代にしっかりと効果を及ぼすことができるような予算内容、予算項目、事業内容にしようじゃないかということで、現在、それぞれの部局、財政当局も含めて検討してくれておりますので、そういったことにも留意しながら、県民の皆さんにも説明をしていきたいというふうに思います。

[時事通信]

前もお伺いしたんですが、国の方でできましたアプリ「COCOA」と、今そちらに挙がっております「もしサポ滋賀」の普及は、観光を進める上で大きな必要性があるように思うんですけれども、どのように、これらの普及を進めていかれるのかお伺いします。

 

【知事】

国の接触アプリ「COCOA」も開発が完了し、すでに導入促進に向けた呼びかけも行われております。県で始めております「もしサポ滋賀」と相互補完的に活用しながら、県民の皆様方の感染拡大防止に役立てて参りたいと思います。県内の事業者に、より簡単に簡便に御利用いただけるツールとして「もしサポ滋賀」を広めていきたい。また、国でも導入に向けた呼びかけが強く行われていくでしょうから、また、県内外を行き来され、多くの不特定多数の方々と関わられる可能性のある方につきましては、こういった国の接触アプリ「COCOA」の活用も有効でありましょうから、そういったものを双方それぞれの特長に合わせて導入をしていただき、結果として社会全体で、滋賀県として、両システムを使いながら、相互補完的に感染拡大防止を図っていくということにしていきたいと思います。

 

[時事通信]

大阪都構想ですけれども、法定協議会で了承されて、住民投票が行われる見通しが立ったということで、この大阪都構想について、もし御所見がありましたらお伺いします。

 

【知事】

ありません。

ですが、子細は承知しておりませんが、大阪にお住まいの住民の皆様方の自治や統治を変える大切なものでありましょうから、そういったことに、それぞれの御判断・選択肢が示され、住民の投票結果が作られればいいのではないかと思っております。関西広域連合の一員としては、東京ともう1つ大きな双眼構造の1つと私たちが考えております大阪の力が、より高まるようなことになれば、この関西経済を牽引する、そういった自治や統治のあり方に繋がるようなことを期待したいというふうに思います。

 

[産経新聞]

昨日、県のコロナ感染対応について、3月、4月、5月とずっと続いてきたわけですけれども、これを知事部局の皆さん含め検証してみて、検証の骨子案というものを発表されました。これについて、知事御自身は、県職員の皆さんが出されてきた検証の結果を御覧になって、全く予想外の結果だったものとか、あるいは最も印象的だったものというようなものがあればお伺いしたいのですか。

 

【知事】

昨日、お示しした骨子案、振り返りの素材の中で私自身が「えっ、こんなのが入っているの?」という想定外のものというのは、実はないです。すべての意思決定のプロセスに、私も関わっていましたので。ただ、やはり県庁が書くから入らないのかもしれませんけども、知事のパフォーマンスがどうだったのかということについて入ってないですよね。そういったことについては、今後、県議会からも問われるでしょうし、県民の皆様方からも、「もっと出るべきだ」「もっとわかりやすく伝えるべきだ」「もっと他の知事と比べてこうすべきだ、こう言うべきだ」というような、そういったリーダーシップについての検証も行われると思いますので、そういったものは謙虚に受けとめていきたい。ただ、私自身が心がけたのは、知事だけのメディアを通じたパフォーマンスだけではなくて、やはりこの感染症対策は、県として行政として総合力で組織として対応しなければならないという、こういう考えが強くありましたので、例え私がコロナに感染しても、しっかりと組織として対応できる体制、県庁内で感染者が出て広がったとしても、しっかりと行政として動いていける、そういった体制づくりが必要だと思っていますので、そういった意味においても、今回の様々な対策がどうだったのか。このことについては、しっかりと検証していければと考えております。

 

[毎日新聞]

湖東記念病院の再審の件で、3月に無罪判決が出まして、3か月ほど経ちましたけれども、県警の対応としては説明をまだ公の場ではしていないということで、知事は4月1日の会見では遺憾であるというふうに所感をおっしゃったと思うのですけれども、説明をしてない県警に対する今のお考えを教えてください。

 

【知事】

以前も申し上げたかもしれませんけど、無実無罪とされた、また無実無罪であった西山さん。その方が殺人事件の被告人として、15年もの長きにわたり過ごしてこられ、御家族も含め、大変な御心痛、御心持ちであっただろうということは、なかなか想像することすらできないですけれども、そのことに心を寄せたい、思いをいたしたいと思います。今回の裁判結果は、こういう無実無罪の人に、こういった刑事罰を科し続けてしまう、そういったことに対する刑事司法制度のあり方についても、大きくて深い問題提起がなされたのではないかと考えておりますので、再発防止もそうでしょう。こういったことが起こらない対応対策を関係当局でしっかりと構築していくことが重要だと思います。

それぞれの関係者の説明等につきましては、それぞれのお考えでなされるべきものであると思いますので、私からの言及は差し控えさせていただきたいと思います。

 

[中日新聞]

コロナにちょっと戻ってしまうんですが、この間、この定例会見の場でも一度外国人県民の方への支援、取組の紹介があったと思うんですが、そうした取組がインターネット上を中心にかなり話題を呼んでいる、反響があると聞いているんですが、外国人県民というところに焦点を置いて取組をされた知事の思いと、割と良い評価を受けているということについて受けとめをお願いします。

 

【知事】

今回、そういったところは検証しているのかな。

いや、むしろメディアの皆様方からも、今お尋ねのあった観点で、どうだったのか、どうすべきなのかということは、様々な御指摘をいただければと思うんです。私の思いは、また、これを作ってくれた職員の思いは、今この滋賀に一緒に住み、働き、このコロナのことで、例えば職場に通えない、学べない、収入が減った、この先どうなるんだろうかと悩む。このことは、国籍を問わず同じじゃないかなと思います。

ただ、言葉が通じないから、そのことがしっかりと相談できないということであれば、それらを言語の面で、通訳の面で支援しようということですし、私たちが御提供いただける物資等、国籍の別なく一緒に住んでいる、困ってらっしゃる方々にお届けするという、そういう趣旨で、今回外国人の皆様も通われている学校等にお届けをしたということでございます。

ただ、このコロナの影響は、こういった一時のもの、短期のものに終わらない可能性がありますので、今回のことを1つの糧としながら、継続的にしっかりと取り組んでいくことが重要だと思いますので、今後もコミュニケーションを密にとっていきたいと思います。

 

[滋賀報知新聞]

 観光に関連して、先ほど知事のお話の中でも少し出てきたんですけれども、昨年後半で放映されましたNHK連続テレビ小説「スカーレット」に関連して、今年3月の定例会見でも知事は「スカーレット」レガシープロジェクトというものを県で推進していきますというお話をされたと思うんですけども、ちょっとコロナの関係で観光面等、現地の信楽、甲賀市なんかでは開催中のイベントが途中で終わってしまったりとか、予定していたものができなかったりとかというお話も聞きましたが、このレガシープロジェクトですと女性活躍を推進するための講演会等を企画していくというのも、それも幾つかイベントがなくなったように把握しています。その他、今年度、4月から骨髄等移植ドナー助成事業補助金も始まったりとか、いくつか動いているのもあると思うんですけども、改めて「スカーレット」レガシープロジェクトを今後見直して、仕切り直す御予定があるのか、もしあるのであれば具体的にどんな感じなのか教えていただければと思います。

 

【知事】

御質問ありがとうございます。「スカーレット」が光栄にも、好評のうちに、放映されたと。私たち県民も大変うれしかったし、いろんな反響を県内外に起こすことができたと。ぜひこのレガシーを、しっかりと残し、また広めていこうということで「スカーレット」レガシープロジェクトを、今年度の予算の1つの柱として、まとめて打ち出しました。

ただ、今もお尋ねいただいたとおり、コロナがあっても進んでいるものもあります。例えば窯業試験場を移設新築するとか、今お尋ねのあった骨髄の提供者に対する支援ですとか、進んでいるものはしっかりと進めていきたいと思いますし、残念ながらコロナの影響で止まってしまっているものについてはもう一度、フレア、炎を再燃させられるように再構築をしていければと思っておりますので、関係当局に、担当者にしっかりと指示をしていきたいと思います。引き続きお見守りをよろしくお願いいたします。

 

[京都新聞]

安土城の復元プロジェクトというのを県は予算化されていて、知事の御発案で進めていると思うんですけども、例えば近隣自治体でいうと、名古屋城などは、今もう文化庁の方に、名古屋市が今働きかけというか申請をしている最中ですけども、安土城の場合は、かなり実物の再現っていうのはハードルが高いと思うんですが、2点、その上で、まず知事が2019年に思いを持って発言されたと思うんですが、当時、どういう思いで安土城の復元ということを知事として仰られ始めたのかということが1つ。

それと、名古屋とかがかなり難しいという見方もある中で、現状このプロジェクトをどう進めていこうとお考えになっているか、最初の1点だけでも構いません。

 

【知事】

まず、1576年ですか。築城開始。1579年に完成、1582年に炎上してなくなったと言われている安土城。そして漢字で土が成ると書いて「城」。当時、土盛りの城郭が盛んだったところから、石垣を築いて山の上に7階建てのお城そして天井には聳える天守閣、天下布武を内外に示した織田信長が、安土城下も含めて、どのような思いで、どのような姿の城を作ったのか。また例えば瓦ですとか、石の使い方ですとか、織田の「織」と豊臣の「豊」の織豊系の城郭としても先駆けだったと言われている坂本城や大溝城と並んで、水城の湖城の水運も考えながらの滋賀・近江ならではのそういう城郭だったのではないかと言われている。宣教師が早くから入り、楽市楽座を敷いて、まさに近代日本の夜明けを、ここで夢見てつくろうとされていたのではないか。そういう事々などなどですね、その中心的な存在である安土城がどのようなものであったのかということについて見てみたいねと、できれば再現させたいねというその夢を語り、今、それをどう具現化していくのかということについて、関係者と着実に進めていきたいという思いで進めているところです。

ただ、特別史跡ですので、むやみやたらに掘って作って建ててということは厳に慎まなければなりません。したがって、昭和の時代、平成の時代に行った調査、様々な調査がされていますけれども、まだまだわからない部分がある。したがって文化庁の御支援もいただきながら、令和の時代の、この安土城の調査を行っていこうではないかということであるとか、1576年が築城開始、2026年に築城から450年、その節目に向けて、ぜひ何かしらの形が示せるように、そこをターゲットイヤーにしながら、進んでいこうではないかということで現在、文化財保護課の、滋賀県が誇る城郭専門家チームと一緒に取組を進めているところでございます。

このテーマの協議は私自身も大変長い時間をかけて勉強しながら進んでいるところでございますので、ぜひメディアの皆様にもいろんな角度で御注目の上、様々な御示唆をいただければありがたいなと思っております。まだ話していいですか。時間がないですね、やめましょう。

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