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知事定例記者会見(2020年6月2日)

令和2年6月2日
(県政記者クラブ主催)

【知事】

みなさん、おはようございます。6月になりました。どうぞ、よろしくお願いいたします。「今月の句」でございますが、

次の波おそれマスクも衣替え

今日は近江上布で出来た、麻の、リネン100%のマスクをさせていただいておりますが、熱中症対策もあり、涼しいマスクに切り替えながら、正しく恐れていきたいと思います。

 

それでは、いくつか話題提供をさせていただきます。資料のないものが、いくつかあるんですけれども、まず新型コロナウイルス感染症の新規陽性患者は、昨日現在、9日間連続してゼロになっております。今朝判明分もすべて陰性ということでございました。おかげさまで落ち着いた状況にあると認識しています。医療関係の方々、自粛要請に御協力をいただきました県民、事業者の皆様に改めて感謝したいと思います。

また、先ほども國松元知事が理事長を務めておられますNPO法人夢・同人から、医療スタッフ感謝エール金で集められた御寄附をいただきましたが、この間、滋賀県のがんばる医療応援寄附には428件、6,000万円を超える御厚志をいただいております。昨年度の寄附総額が1,000万円余でございますので、この期間だけで大きく上回る御厚志をいただいていること、感謝したいと思います。

関連いたしまして、5月26日から、「ありがとう!のクラウドファンディングThanks HOIKUSISAN(サンクス保育士さん)」と題して、言葉の寄付を募っているところです。私たちの生活を支えていただいている方、その家族を支えるために、日々、時には夜も保育の現場で頑張っていらっしゃる保育士さんたちに、感謝や応援のメッセージを届けていこうという取組でございます。ぜひ皆様方にも広めていただければと思います。

 

それではこれ以降は、今後、新型コロナウイルス感染症の拡大防止に留意しつつ、社会経済文化活動のレベルを上げていくフェーズとなる最近の取組の一端を御紹介申し上げたいと思います。

まず、部活動の全国大会に代わる大会イベント等についてでありますが、このほど国の2次補正予算において部活動の全国大会の代替大会の運営費等の補助について閣議決定が行われました。県教育委員会からは、各競技団体が代替大会を検討されており、6月上旬にも決定されると聞いています。私としては、実施される大会があれば、全面的にこれを支持し、支援したいと思います。詳細は、競技団体の意見も聞きながら検討することとなりますが、必要であれば、補正予算も検討し、議会にお諮りをしたいと思います。

続いてビワイチについてでございます。昨日から、ビワイチの滋賀県民レンタサイクル利用助成事業を始めました。サイクリングは3密の防止がしやすい、3密にならないレジャーなので、新しい生活スタイルに取り入れていただくとともに、より多くの県民の皆様にナショナルサイクルルートに指定されたビワイチを体験していただきたいと思います。「滋賀らしい生活三方よし」にもなじむ取組だと思います。

続いて、世界遺産についてでございます。すでに御案内のとおり、去る5月20日、彦根城の世界遺産登録実現に向けて、彦根市とともに彦根城世界遺産登録推進協議会を設立いたしました。3月に文化庁に提出した推薦書原案を、さらに完成されたものにするため、学識会議や国際会議の開催を通じて、彦根城の調査研究を推進して参ります。あわせて普及啓発活動や情報提供を通じて、世界遺産登録への機運を盛り上げていきたいと考えておりますので、皆様の御理解と御協力をお願いしたいと存じます。

 

あと2点の話題提供は、治水についてであります。まず1つ目は淀川水系の治水協定についてでございますが、今出水期を迎えるに当たりまして、ダムの利水者との調整を進め、既存ダムの洪水調節機能を強化するため、淀川水系治水協定が合意に至りました。本協定によりまして、県内の土木の6つのダムと農水の4つのダムにおいて、計画規模を上回るような激しい雨が予測された際には、利水容量を活用して事前に放流を行うことができ、下流での洪水被害の回避・軽減に繋がるものと考えております。

ただし、近年の降雨傾向の変化により、こうした対策も決して万全というわけではございませんので、呼びかけておりますように、県民の皆様におかれましても、引き続き気象情報や市町からの避難情報、またすでに発表しております地先の安全度マップ等を御確認いただきたいと思います。この取組によって、貯められる水の量は約3倍になると聞いております。

続いて丹生ダムについてであります。こちらはダム事業を中止させていただいた事業でございますが、すでに国から発表がありましたが、丹生ダム中止後の地域整備対応方針について、地元の丹生ダム対策委員会を含む関係5者で合意に至りました。特に課題となっておりましたダムの買収済み用地、その背後にあります残存山林、工事が中断されている付替え県道について、県として引き受ける方針をここで明記しております。今後も国、水資源機構、長浜市と連携いたしまして、地域に寄り添って、スピード感をもって地域整備を進めて参ります。

以上の取組については、担当者も会場におりますので、御質問のある方は、後ほどお問い合わせをいただければと思います。転居していただいた後にダム事業の中止を行ったという、全国でも例のない大きな事業でございますが、その後の用地、また残された山林、そういったものをしっかりと県として引き受け、次の世代のために守り、そして活用していきたいと考えているところであります。

 

それでは資料に基づいて2点申し上げます。まず1つは、外国人県民等への支援についてであります。県内には3万3,000人を超える外国人県民の方々が生活しておられます。製造業、サービス業、介護分野等、様々な分野で活躍いただいております。新型コロナウイルス感染症の影響により、生活が一変した外国人県民等も多くいらっしゃいまして、しが外国人相談センターには「体調不良時にどのように病院で受診したらよいのか」ですとか、「仕事が不安定で収入が減った。どうしたら休業補償や給付金がもらえるのか」といった相談が数多く寄せられているということでございます。

社会的・経済的に不安定な立場にいらっしゃることや、言葉の壁のため、どうしたらよいかわからず不安を抱えながら生活されている外国人県民等に対し、滋賀県として2つの支援を実施することといたしました。

1つ目は、キャラバン隊でございます。多言語対応可能な大学生らが市役所等に直接出向きまして、ベトナム語やタガログ語を含む多言語対応で給付金等申請の手続きサポートをはじめ、より多くの外国人県民等がサポートを受けられる環境づくりを促進して参ります。初回は6月4日、場所は甲賀市役所別館に派遣をいたします。詳細は別にお配りしております資料提供を御確認いただければと思います。

2つ目、支援物資の送付でございます。こちらも記載のとおりなんですけれども、提供するマスクや食料品を提供いただいた企業、関係者の皆様には心より感謝申し上げたいと思います。明日6月3日、愛荘町にございますブラジル人学校コレジオ・サンタナ学園に由布副知事が支援物資を届けに行く予定をしております。詳細は、こちらも別の提供資料を御覧いただければと思います。

外国人県民の皆さんの不安や御心配をできるだけ払拭できるよう、滋賀県として引き続き丁寧な支援を行って参ります。

 

最後は、知事への手紙等に寄せられた県民の声についてでございます。こちらは新型コロナウイルスの感染拡大および第1波の収束を経て、どうだったのかという振り返りの1つの材料にさせていただいている、こちらについて御報告させていただきます。

まず知事への手紙は、1月下旬からコロナウイルス関連の御意見が届き始め、5月25日の全国緊急事態宣言解除までの4か月の間に、実に6,000件を超えるお声をいただきました。これまでの知事への手紙は年間約1,000件前後でございますので、実に6年分にも相当するものが届いたことになります。

特に資料1の知事への手紙受付件数の推移のグラフでもおわかりいただけるとおり、4月に入るや否や、爆発的に受付件数が伸びておりますが、これは学校休校の延長を求めるものが多くございました。保護者の方に加え、当事者である高校生本人からもLINEを使って多くの声が寄せられておりました。このコロナ禍において、普段あまり県政に興味を示すことがなかったり、御意見を届けたりすることの少ない10代の方からのお声が多数寄せられたことは、自分たちが声を上げることの重要性を若者たちも実感する機会になったのではないかと考えます。

総合案内へのお電話につきましては、資料2のグラフからおわかりのとおり、1つ目の山は学校休校関係、2つ目の山は休業要請関係というように、その時々の県民の方の知りたい、伝えたいという思いが形となって表れたようでございます。

今回の緊急事態宣言の全国的な解除を受けて、お寄せいただいた声を特徴的な5つの期間に分けまして、琵琶湖環境科学研究センターに統計の専門家の職員がおりますので、その協力により分析いたしまして、視覚的に関連性を確認できる可視化した資料を御用意いたしましたので、参照いただければと思います。分析をしてくれた琵琶湖環境科学研究センターの木村さんも、こちらおりますので、ぜひ後程、何かあればお尋ねください。

例えば6ページの第2期、3月2日から学校が春休みに入るまで休校となり、学校をキーワードとした言葉の繋がりが広がっているのが確認いただけると思います。それが7ページの第3期になりますと、「さらに休校延長して欲しい。」という声が大きくなりました。これらの声を多く受けておりましたこともあり、一旦は再開いたしました県立学校の休校再延長を決定したということもございます。

また、同じく7ページ、第3期の右中ほどに、他府県ナンバーの車が湖岸の駐車場に来るという言葉の繋がりが御覧いただけると思います。それが8ページの第4期になりますと、「琵琶湖岸の駐車場に大阪や京都といった他府県ナンバーの車が来る。駐車場を封鎖して。」という、さらに多くの言葉の繋がりとなっていることを見てとっていただけると思います。これらの声を受けまして、大型連休前に湖岸の駐車場封鎖に踏み切るとともに、まさに、じくじたる思いでございましたが、在阪テレビ局のCMを活用し「滋賀に来ないで」という訴えもさせていただきました。

このように皆様からお寄せいただいた声を受けとめ、県政の政策立案や運営に生かしているところでございます。緊急事態宣言は解除となりましたが、今後もしばらくの間は、新型コロナウイルスと共存していかざるを得ません。今後もお気づきの事があれば、知事への手紙により、皆さんの声、あなたの声をお寄せいただきたいと存じます。少し長くなりましたが、私からは以上です。

[読売新聞]

まず、高校生の部活動について伺います。知事は冒頭で、実施する大会は全面的に支持するということでしたが、開催のあり方について、どのようなあり方が考えられるのかということなんですが、競技人口の多い少ないとか、競技団体の考え方によって、代替の大会をやるかやらないかについても、ちょっと温度差があるやに伺っているのですが、知事としてはメジャー、マイナー、競技人口の多寡によらず、代替の大会をどうすべきなのか、やるならばどういう形でできるのかということを、まず聞かせてもらえますか。

 

【知事】

この時期、予定された多くの大会等が中止になりました。やるべきなのかどうかというのは、緒論あると思うんですけど、大会が中止になったことで残念だ、何らかの代わるものが欲しい、やりたいというお声が多くあることについては認識しています。したがって、県として知事として、そういった声を受けて、代わりの大会をやろう、発表の場を作ろうということであれば、これを全面的に支援しようということであります。

当然、今もお尋ねがありましたように、あり方、やり方は様々だと思います。規模も大小、そして屋内屋外、日程の長い短い、分散一括といろいろあると思いますが、これまでにないコロナ禍での大会等ですので、これまでにない柔軟な、そういった代わりの大会のあり方を模索していきたいし、そこは柔軟に応援をしていきたいと思います。

 

[読売新聞]

基本的には、高校生の努力の成果の発表の場として、やってあげるべきだというお考えなんでしょうか。

 

【知事】

高校生も様々です。私のところに寄せられるお声も、やりたい、代わりのものが欲しいという声がある一方で、それが遅くなるんであれば、もう次のステップのために切り替えたいという声もあるのは事実で、例えばあまりにも遅くに2年生、1年生も巻き込む形でやるのであれば、通常スケジュールに戻して欲しいという、そういう判断をされる場合もあるでしょうし、早くに、そしてある意味、勉強や他の行事にも影響ない形でやれるのであれば、よし、切り替えてまたやろうという、そういう雰囲気になるのかもしれませんし、そこは様々じゃないかと思います。

 

[読売新聞]

必要なら補正予算で検討しますということだったかと思うんですが、これは開催経費等々の支援を補正予算で対応するということでしょうか。

 

【知事】

そうです。国も一定の予算を考えているようですし、この感染症予防対策をしながらの大会ということになれば、通常経費よりもさらに増える可能性もありますので、そういったこと等を応援するということになるのではないかと思います。

 

[読売新聞]

私からあと1点、今日午後から近江鉄道の協議会がございますが、全線存続というところまでは前回で決まりましたが、今後焦点は自治体の費用負担等々になっていくと思います。今後の検討のスケジュールをちょっと聞かせてもらえますか。

 

【知事】

詳細は午後の協議会で申し上げよう、また確認しようと思っておりますが、3月下旬に近江鉄道全線存続するということについては決定をいたしました。改めて全線存続の意味を考え、確認すると同時に、その全線存続のために必要な、それぞれの主体の役割についても一定、今日、御提示申し上げ、確認することになると思います。その役割をふまえた計画づくりを、今後行っていくこととしておりまして、今年度中には計画づくりの土台をしっかりと作っていきたいと考えているところでございまして、若干コロナの関係で、いろんな会議等を一堂に会してできていないですとか、今日も少し報告を受けようと思っていますけれども、コロナの影響で、近江鉄道線そのものに影響も出ているということもあるようですので、その辺りのことを確認共有させていただいた上で、今年度中には、法律に基づく計画づくりの土台をしっかりと確認する、そういうことに取り組んでいきたいと思います。

 

[NHK]

冒頭でも知事が、昨日時点で9日間連続、県内の感染者なしということをおっしゃいましたけれども、どのタイミングで次の注意ステージに移行されるかということと、そうされた場合に、県民にどのように呼びかけをしていくのか改めてお願いいたします。

 

【知事】

まず昨日まで9日間連続で新規の陽性患者はゼロ、そして今朝判明分も新規陽性なしということでございますので、おかげさまで落ち着いた状況です。このまま新規の陽性感染者、患者が出なければ、今週末にも警戒ステージから注意ステージに移すことができるというふうに考えております。

しかしその際も、例えば北九州の事例にもありますように、数日間連続して、例えばクラスター等で患者が発生し積み重なっていけば、用意している病床も一気に厳しい状態になるということもございますし、クラスター発生箇所が、例えば教育機関等であれば、さらに影響は拡大するというようなことも懸念されますので、こういった検査医療体制をしっかりと確保増強していく取組、そして私たち自身も注意しながら、そろりそろりと様々な活動を再開させていく、そういったことを引き続き呼びかけていきたいと思います。

また、外出を極力控えてくださいという呼びかけや、県を跨ぐ移動等についての自粛はもう呼びかけておりませんけれども、東京都、北海道をはじめとする、一番最後に緊急事態宣言が解除された地域へ出かけるのは控えてください、またクラスターが発生した施設等の御利用も極力控えてくださいという呼びかけを引き続き行っていますので、状況等を今月中旬、具体的に言えば6月18日まで、しっかりと見て、感染状況等をモニタリングしながら、その後のさらなる緩和等についても検討していきたいと思います。

 

[NHK]

2月に感染の拡大が始まって、今、1波はようやく落ち着きを見せたかなという状態でありますが、改めてこの4か月あまりを振り返られまして、課題に思われる点等、今後の第2波、3波に備えた対策について改めてお願いいたします。

 

【知事】

そういう御質問の向きがあるようだという情報を察知して、どう言えばいいかなあということを考えてきたんですけど、実は先月の下旬あたりから、まさに今おっしゃっていただいたように、おかげさまで落ち着いた状況になりつつある頃から、この4か月間あまりを様々振り返っているんです。今、県庁内でも、もう一度、この第1波への対応がどうだったのかということを、よく省察しようじゃないかと。これは第2波、3波に向けてもそうなんですが、例えば2009年に新型インフルエンザが来たときの、そういった教訓も今回生かせたのかというようなこととか、やはり初動ですね、情報の把握、共有、公開、県民の皆様方へのお知らせ、こういったことが十分だったのか。おかげさまで医療の提供体制もオーバーフロー寸前のところで、何とか持ちこたえて、その後、増床することができましたけれども、しかし、もう平時から、もっと早い段階からこういったことを行っておくべきではないだろうかとか。私もジリジリしましたけれども、このPCR検査体制はなかなか進まない状況があった。こういったものについて、今順次、PCRセンターを拡大しながら行っておりますけれども、こういったものをもう少し広く、本当の意味で医師や医師が必要だと認めるこの検査をより早くできる体制を作っておくべきではないかというようなことなど、こういったことについても改めてしっかりと振り返りをしたいと思います。

特に、これはまだ、まさにこれからの課題なんですけど、休業要請をお願いしました。応じていただいた方に臨時支援金の交付を行っています。しかし、こういったもののあり方についても、そもそも権限というものをどう担保しておくべきなのか。また、やはりこうした休業の要請と支援・補償とはセットで、かつ都道府県によって違いがない形で補償されるべきではないかという、この主張について、国ともよく擦り合わせをしていかなければならないというふうに考えております。

そんなに長く時間をかけられるわけではないと思うんですけれども、ぜひしっかりとこれまでの取組を省察の上、また皆様方にも開示し、そのためにも先ほど最後に御紹介した知事への手紙、様々なお声についても、改めて振り返り、分析しているということでございます。

[京都新聞]

9月入学の議論についてなんですけれども、来年度は難しそうだという話に、今なっているんですけれども、それについてどう思われているかと、今後何が必要だと思われているのかということが1点目で、2点目は、先ほどのNHKさんの質問とも、ちょっとかぶってしまうんですけれども、昨日学校が再開したということを受けて、4月8日の休校延長判断について、改めて今振り返って、どう感じていらっしゃるかをお聞かせ願えればと思います。

 

【知事】

まず1つ目にお尋ねのあった9月入学について、私も全国知事会の会議等で、子どもたちの学びの遅れ、そして不安等への寄り添い、こういったことをしっかりと行うことを前提に、少し大きなテーマとして、この9月入学についてもしっかりと考えるべきであると、むしろこういった、これまでにない未曾有の事態であるからこそ、こういったテーマについても、みんなが一堂に寄って考えていくべきではないか、社会的な経済的な様々な課題が指摘されておりますけれども、それを克服していく、そういう議論をすべきではないかということを申し上げて参りました。しかし国政を構成する与党等において、また政府等において、この間、検証をされた結果、来年度の実施については見送るといったような、時期尚早だといった趣旨の取りまとめが行われたと聞いております。

いずれにいたしましてもこの間、様々な議論を詰めてやっていただきましたので、その議論の成果をこれで終わりということにするのではなくて、今後の教育のあり方について、世界とも並べ比べながらどうしていけばいいのかということを、これはしっかりと検討していくべき課題ではないかと考えております。

また、再開されました学校現場では感染予防、感染拡大防止に様々な御努力をいただきながら、本格的に教育活動が再開されております。そのことが、報道等でも紹介されて、私も胸をなで下ろしているというか、頑張って欲しいなというそういう気持ちを持っているところです。3月に最初に休校にしました。そして4月に再開しようかと思ったけれども、もう1回、休校することにしました。このことについても、そういった判断がどうだったのかということは、よく検証しなければならないと思っています。その時々の判断は、その時々の判断として、子どもたちの感染防止をするということでの最善の判断だということで行われたのかもしれませんけれども、できれば子どもたちのこういう学びの機会というのは一番最後まで開いた状態で、保障してあげるべきだったのかもしれないという思いも持っております。ただ、ここに来て北九州市では学校でのクラスター等も発生しておりますので、少しそういった年代別の感染状況などもふまえた上で、どういう判断が望ましかったのか、そして今後また2波、3波の感染症が来たときに、どういう判断をすべきなのか、そういったことに生かしていきたいと考えております。

 

[日本経済新聞]

10月に予定されている鹿児島国体が、コロナの影響で開催が難しくなっていると聞きます。1年延期の代替案もあるということですが、延期についてどうお考えになっているかということと、4年後に滋賀で予定されていますが、その開催への影響ということについてはどのようにお考えでしょうか。

 

【知事】

5月12日付けで通知が出されているということでございます。日本スポーツ協会および日本障がい者スポーツ協会が関係団体宛に発出した通知によりますと、スポーツ庁、鹿児島県、日本スポーツ協会、日本障がい者スポーツ協会の4者で協議の上、6月中に開催可否を判断するということだそうでございます。ちなみに、現時点で滋賀県には、打診というものはございません。この国民スポーツ大会、国体というものは、本県もそうですけれども、内々定から内定になって本決定と施設整備だけではなくて競技力向上も含めて、県民の皆さんとの機運の醸成向上も含めて、長い間、取り組まれている大会でございますので、予定どおり開催したいという思いがある一方で、この感染症対策の面から考えると、多くの方が一時に移動され、そして1つの場所に集中されるという、そういう大会であるがゆえに、慎重にも慎重な検討をされることというのは私も理解をいたします。1年順送りというのも、この選択肢の1つとして検討されることは理解をいたしますが、様々な影響が本県のみならず、多くの県に及びますので、丁寧な説明、そして影響が出た際の様々な支援に万全を期していただくように求めたいと思います。

 

[日本経済新聞]

先ほど御説明のあった彦根城の世界遺産登録ですけれども、これもコロナウイルスの影響で委員会の延期が決まっていると聞きます。滋賀県と彦根市の取組だけではなくて、そうした動きも含めて、2024年の登録目標ということを掲げていたと思いますが、それについて、コロナの影響で見直す可能性というのはあるのでしょうか。

 

【知事】

この学術会議については、有識者10名で構成されることを予定しているということでございます。この開催は今年度7月、10月、1月と、3回を予定しているんですけど、今もお尋ねいただいたように、まさに新型コロナウイルス感染症もあり、その詳細については流動的だと聞いております。この会議自体は原則非公開となっているということだそうでございますが、必要な情報等については適宜公表したいと思っておりますし、この学術会議だけではなくて、伴う国際会議というものも予定されているようで、こちらは来年1月開催に向けて現在、準備調整をさせていただいていると。こちらもコロナの影響をどう見るのかということがあるようでございます。一定、これまでの積み重ねはありますものの、いよいよ2024年の登録を目指して本格的にこういった専門家の方々の評価を集めていく、そういうステージに入ってきますので、コロナウイルス感染症対策の予防措置を講じながら、できるだけウェブ等も活用するなど、しっかりとその価値について、見ていただける、評価していただける、そういう場づくりには努めていきたいと思います。

 

[日本経済新聞]

世界遺産登録の目標年である2024年も、安土城の復元の目標年も、国スポの24年に合わせてそのターゲットイヤーとして設定されたというふうに聞いているのですが、国スポの延期というのがあれば、こうした文化的な事業に関しても目標年というのは後にずれる可能性というのがあるのでしょうか。

 

【知事】

安土城の復元の1つのターゲットイヤーは2026年。これは築城450年の節目をターゲットイヤーに定めています。今、お尋ねいただいたように、国スポの開催時期がどうなるのかというのはわかりません。その国スポの開催時期と彦根城の世界遺産登録を合わせて何か動いてきたというわけではなくて、むしろ早ければ、令和6年(2024年)に実現できそうだ。それはちょうど現時点では国スポの開催の年と同じだ。ぜひ、そこを目指して一気に行こうじゃないかということで、今、進めているところです。万が一、そういったスケジュール、国スポ大会に変更があるとすれば、そういったものをにらみながら、どうPRしていくのか。基本的にはそのスケジュールと、この世界遺産登録の評価会議のスケジュールとは別ラインで動いていると思いますが、新型コロナウイルス感染症の影響を受けるという意味においては、共通するところもありますので、できるだけマイナスの影響を少なくして、プラスの影響が相乗効果として発現できるように努めていきたいと思います。

 

[中日新聞]

冒頭のNHKさんの質問の関連ですけれども、コロナの第1波への対応がどうだったかというのを振り返られるということですが、その第2波への備えもあるのでそんなに時間をかけられないということだったのですが、この検証作業をどのようなスケジュール感で取り組んでいく必要があるとお考えなのか教えてください。

 

【知事】

まず、今月24日から議会があります。こちらには新型コロナウイルス対策だけではないですけれども、一定、この時点で必要な予算の補正等を予算案としてまとめて提出すべく、今、準備をしています。当然、この間の取組がどうだったのかということを県議会もって県民の皆様方から問われる、また答えなければならない、そういう機会があると思いますので、その辺りまでには一定、この時点での取りまとめをしておく必要があるのではないかと考えております。

[滋賀報知新聞]

県の観光面について伺いたいんですけれども、この春休み、ゴールデンウィークと県境を跨いだ移動を控えてほしいというので、県外からの観光の機会というのを一旦見送った形になったかと思うんですけれども、このまま新型コロナウイルスが落ち着いていれば、今後、徐々に緩和というのがとられてくるかと思うのですが、また秋には第2波、3波の懸念というのもあるというお話も伺っています。今後、県外からお越しになるようなイベントですと、県の後援事業で9月にイナズマロックフェスが、オリンピックが延期になったのでどうなっているのかわからないんですけれども、今年は11月に延期になったびわ湖大花火大会の予定があり、戦国ワンダーランド滋賀・琵琶湖が今年の年末までとなっていますが、そういう今後の県の観光面の見通し、また、まだこのコロナが残っている状況の中でどのような予定を組まれるか、わかっていることがあれば教えてください。

 

【知事】

まず、観光面での見通しは、現在6月、7月、8月、まず夏場をどうするのか。その後に迎える秋をどうしていくのか。さらには来年以降、どのように、さらに盛り上げていくのかということについて、商工観光労働部やびわこビジターズビューローを中心に再構築している段階です。今おっしゃったように、まずは県内で県民の皆さんに楽しんでいただけるような、そういった取組をすでに一部補正でもお認めいただいておりますし、お客様を呼び込む準備をするための様々な感染予防対策にかかる費用等についても5月の補正で認めていただきましたので、こういったものを活用しながら、やはり夏場は県民の皆様方を中心に、そして秋から来年にかけて本格的に全国から、できれば世界からもお客様を再度お迎えする、そういったことができるように準備をしていきたいと思います。

また、大きなイベントにつきましては、密を避けた状態で、例えば、人と人との距離だとか、そうすると、今までの収容人数を考えると倍の面積がいるとか、そういったことが物理的に可能なのか、興行的に成り立つのかどうなのか。そういったことも含めて、もちろんイナズマロックはイナズマロックで主催者が検討されるでしょうし、11月に予定されているびわ湖大花火大会についても現在、実行委員会をして検討を進めている、そういうところだと聞いています。

 

[時事通信社]

北九州市でクラスターが、特に学校でも発生しているんですけれども、これに対する受けとめと、あと第2波、3波にも備えて何か対策等をお考えなっているところがありましたらお伺いします。

 

【知事】

まず、県でも昨日から県立学校で、まずはそろりそろりと分散登校、そして8日から本格的な通常授業の再開ということで動き出していますし、県内市町の小中学校等も活動を再開していただいております。他県でそういった学校で集団感染等が発生しているという状況を受けてのことですので、しっかりとした健康観察や感染予防対策の徹底、こういったことを、それぞれの現場をして行っていくということだと思います。そういうものをしながら、学校教育活動をしっかりと充実させていくということが課されているのだと思います。そういう意味で緊張感を持って、取り組んでいきたいと思います。

 

[中日新聞]

先ほどから何度か出ている検証作業についてですけれど、検証するメンバーとしては、どういう体制で考えているのかという点で、主に県庁内でやっていくということにはもちろんなると思うんですが、医療関係者とか経済団体の関係者とか、そういう第三者とまでいわなくても関係者の視点も入れていくようなおつもりというのはあるのかというあたりをお願いします。

 

【知事】

大事な観点だと思います。まずこの6月は、私も含め、この県庁内でこの間の対策を担い、進めてきた者として県庁内で行おうと思っています。ただ、2波3波ですとか、ある意味、もっと長い面でもっと広い意味で、検証しなければならないということが生じた場合には、広く多くの方々や、かつ専門的な方々の御知見を伺うというようなこともあるべきかもしれません。まず、庁内で考えてみようと思っています。

 

[中日新聞]

6月は、まずは健康医療福祉部を中心にやっていくというような形でしょうか。

 

【知事】

そうですね。健康医療福祉部もそうですし、今回、防災危機管理のメンバーですとか、体制をグッと全庁挙げて作りましたので、その体制においてどうだったのかということについて、改めて振り返りをするべきではないかと思っております。

 

[中日新聞]

先ほどから北九州市の例が話題に上がっていますけれども、北九州市に関して言いますと、PCR検査の対象者を非常に広げたという中で陽性がわかる人数も増えてきたというところが指摘されているわけですけれども、今後、第2波第3波の対策をしていく中で、滋賀県としてはPCR検査の対象者というのをどういうふうにしていく方針なのかということと、そもそもの検査体制の部分について、現状、十分だという御認識なのか、それとももう少し整備が必要だというふうに考えていらっしゃるのか、その点教えてください。

 

【知事】

本県においても、クラスターはいくつか発生しました。その際に、濃厚接触された方々の検査はすべて行っておりますので、そのことによって陰陽の確認をし、必要な隔離・治療、そういったものを行ってきていると、この基本については、ぜひ御理解をいただければと思います。その上で、PCR検査の体制については、昨日も守山・野洲医師会の御協力をいただいて県立総合病院内にも立ち上げましたし、6月中には県内4ブロックにおいて、それぞれの地域で医師が必要と判断されたPCR検査については、できるだけ速やかにその結果確認ができるようにという体制を整備しておりますし、滋賀医科大学でも行政PCR検査の委託検査を行っていただいております。当座はその体制をしっかりと作り、そして進めていけるように、体制を取っておくということだと思います。さらなる感染拡大した際には、検査の容量がそれで十分なのかというようなこともよく見極めつつ、例えば機器の整備でさらに必要なものはないのか、また人のトレーニングでさらにできることはないのか。今、この少し落ち着いた状況の中だからこそ、次の状況に向けた備えをしっかりやろうということで、現在、健康医療福祉部を中心に次の体制づくりに向けた検討もしているところでございます。

[中日新聞]

それは先ほどからおっしゃっている検証作業の中で、そういった検査体制についても検証を同時にするというような認識でよろしいのでしょうか。

 

【知事】

検証作業は検証作業で、もう進行形で進めていますし、このPCR検査の体制整備の必要性については、この検証を待つ前から、まさにもう5月、いや4月の中旬以降、順次、体制を増強したり、その次への備え、次への備えということでやってきておりますので、当然この検証作業の中においても大きなテーマの1つとして触れられることはあるでしょうけれど、その検証を待ってからやるということではなくて、むしろ進行形でしっかりとできることから進めていきたいと考えているところです。

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