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知事定例記者会見(2020年1月14日)

令和2年1月14日
(県政記者クラブ主催)

 

【知事】

本日も、よろしくお願いいたします。1月も、14日となりました。先週の11日(土)から本日の朝まで、ベトナム社会主義共和国を訪問して参りましたので、速報の資料を配らせていただいております。御覧いただければと思います。

「日本ベトナム文化経済観光交流団」の一員といたしまして、ベトナム社会主義共和国ダナン市を訪問して参りました。びわ湖タワーに、昔あった観覧車イーゴスを皆さん覚えてらっしゃいますかね。私も子どもの時に乗ったことがあるんですけど、このイーゴスがベトナムのダナン市に移設されておりまして、見てきましたけれども、大変華やかに電飾されており、多くの方が楽しまれておられました。とても懐かしく感じました。いろんなスピーチの際に、「初めて訪れたんですけど、初めてのような気がしません」ということを、皆様方にお話をしました。

今回の訪問では、資料に写真等を記載の通り、ベトナムフック首相との会談に同席させていただきましたほか、越日友好議員連盟の皆様方との会談、観光交流シンポジウム、また知事交流会等に参加いたしまして、県単独ではなかなか面会等がかなわないベトナム首脳の方々と会見することができました。

まず、フック首相との会談では、短い時間でございましたけれども、改めて本県とベトナムの交流とをお伝えしながら、今後も協力賜るようお願いしたところでございます。国を代表し、発言された二階幹事長からは、今、ベトナムから日本に来られている方が40万人と急増をしていますが、様々な不法行為に巻き込まれるケースが増えているらしく、これを両政府を挙げてしっかりと取締まって、せっかく頑張っていただいている方々が、そういった事態にならないように、また日越の友好交流に水を差すことにならないようにしようじゃないかという、こういう強い申し入れ、提案がありまして、そのことを今後、強化する方向で合意をされていました。

また、日本ベトナム観光交流シンポジウムにおきましては、滋賀県とベトナム各市省との関わりについて、私から近江商人の経営理念である「三方よし」を例に出しながらプレゼンテーションを行いました。また、ベトナム各省代表者が参加された知事交流会、これは日本から8道県、ベトナムからは20省市が一堂に会するという、初めて開催された催しだったんですけれども、私からは環境こだわり農業について、オーガニック米をはじめ農産品のPR等も兼ねて行いました。

今回の訪問では、フック首相との会談はじめ、中国との国境に接する北部の省でございますクアンニン省、今回訪れたダナン市、さらには、ベトナム中央政府のそれぞれの代表、実業界のリーダー等、様々な方にお会いすることができました。今回の訪問で、クアンニン省人民委員会のカン副委員長とお会いしましたが、このクアンニン省は世界自然遺産のハロン湾があり、JICAが「ハロン湾地域のグリーン成長推進プロジェクト」を実施して参りましたが、この水質浄化プロジェクトに滋賀県として協力をさせていただいておりまして、2017年には、「環境と経済分野に関する覚書」を締結しております。JICAのプロジェクト自体は今年度で終了するんですけれども、このプロジェクトに対して、クアンニン省側から、感謝の意が述べられると同時に、省だけでなく、国の外務次官からもそのことに言及されましたし、今後JICAの円借款のプロジェクトがハロン湾で計画されているということですので、今後も継続的に協力関係を構築していこうということを確認させていただきました。その他、またお尋ね等がございましたら、御紹介させていただきたいと存じます。

 

それでは次の話題でございます。今日はお客様もお招きをしております。

県では、誰ひとり取り残さない、すべての子どもが生まれてきてよかったと思える社会づくりの取組の1つといたしまして、地域の中で、子どもたちの居場所づくりを進めているところでございます。今回、おにぎりを食べることで、子ども食堂を応援する取組であります「おにぎりニッコリプロジェクト」の趣旨に賛同いたしまして、私自身、「おにぎり食べます宣言」をさせていただきます。

このプロジェクトは、おにぎりを食べることで子ども食堂を応援しよう、おにぎりを食べることで、子どもたちの笑顔を作っていこう、広げていこうということで、後程、詳しく御説明いただきますが、民間企業の皆様方が取り組まれている、このことに県としても知事としても協力をしたいと思います。

本日は、「野洲のおっさんおにぎり食堂こども食堂」の共同事業者であられます滋賀トヨペット株式会社山中隆太郎社長と、株式会社まちおこし西川興社長にお越しいただいておりますので、このプロジェクトについて御紹介をいただきます。よろしくお願いいたします。

[滋賀トヨペット株式会社]

滋賀トヨペット山中隆太郎と申します。私と隣の西川社長で、野洲のおっさんおにぎり食堂を運営させていただいておりますが、直接、運営を担当いただいております株式会社まちおこし西川社長から、詳しくは御説明させていただきます。

 

[株式会社まちおこし]

 今、宣言いただきました「おにぎり食べます宣言」は、おにぎりを食べることで子どもを笑顔にする「おにぎりニッコリプロジェクト」への参加を表明いただくものでございます。具体的に御説明申し上げます。私ども滋賀トヨペット株式会社、株式会社まちおこしが共同で事業展開しております「野洲のおっさんおにぎり食堂」、こちらでおにぎりを販売し、お客様からいただいた収益をもとに、「こども食堂」を展開するというものでございます。いわば、お客様も私ども事業者も参加して、みんなで子どもを笑顔にしようよというプロジェクトでございます。この後、三日月知事にもお召し上がりいただくのですが、これは野洲のおっさんおにぎり食堂で販売しているおにぎりでございます。

私どもの「こども食堂」では、外国人の子どもに向けて日本語の指導を行いたいと思っています。また、日本人の子どもたちの宿題や勉強支援も行います。こうすることによりまして、日本の子どもたち、外国の子どもたちが交流をするような場を作って、将来グローバルな子どもを育てていくような息吹を感じさせるような、そういう子ども食堂を作っていきたいなと考えております。

食堂は、昨年12月26・27日にオープンしまして、今週の1月16日(木)に本オープンをいたします。当面は、毎週月・木・金の夕方4時半から6時に開催いたします。対象は現在のところ、近隣の大津市長等学区の小学生、それから外国人の子どもに関しては、学校近辺の子どもたちも参加いただけるようにしております。子ども食堂の会場は、野洲のおっさんおにぎり食堂2階でやらせていただきます。以上でございます。

 

【知事】

ありがとうございます。ということで、大変おいしい評判のおにぎりを今日はお持ちいただいたんですよね。これ、どこで修行されて来られたんでしたっけ。

 

[株式会社まちおこし]

日本を代表するおにぎり屋さんである東京の「ぼんご」さんで。関西で、うちは唯一の弟子です。

【知事】

では、いただきます。(おにぎり試食)

御紹介いただいた「野洲のおっさんおにぎり食堂」の2階には、ブライアン・ウィリアムズさんのきれいな絵もありますし、秀蓮さんの琵琶湖の形を象られた大変な書の作品もございますので、その中で子どもたちが、おにぎりも食べながら勉強したり、触れ合ったりすることができるという意味でも、民間事業者の皆様方のいろんな事業活動で応援をしていただく新しいモデルです。子ども食堂は、この場所も含めて129ヶ所、県内にあるんですけれども、新しいモデルとして、これからは各小学校区に1つ作っていこうということに取り組んでおりますけれども、こういったモデルも、ぜひ全県に広めていけるように取り組んでいきたいと思います。ということで、皆さん御承知おき、また御報道方、よろしくお願いいたします。どうもありがとうございました。私からは以上でございます。

[産経新聞]

西武大津店のことについてお聞きしたいんですけれども、10月に閉店の方針が決まったということが発表されて、その時点では今の所有者の長谷工さんは用途については未定というお話で、知事も、今後の状況を見守るというお話だったと思うんですけども、その後、大津市議会の方で、所有者の長谷工さんはマンションベースで考えているという話が出て、ちょっと先方の考えに進展があったかなと思うんですけれども、それをふまえて、何か今後、意見交換なり要望なり、あるいは県として関与していく考えがあれば教えてください。

 

【知事】

まず、一県民としても知事としても、大変なじみ親しみのある西武大津店が閉店をされるということは、悲しいお知らせとして、聞かせていただいております。町のにぎわいの面でも心配になる市民、県民の方も多いんじゃないかと思います。事実、私のところにもそういうお声を寄せていただいている事案でございます。大津市にとって、大変大切なまちづくりのテーマだと思いますが、私自身はまだ具体的なお話を伺っておりませんので、まずそういうお話があるとすれば、そういったものも機会を見つけてお伺いしてみたいというふうに思います。

まちづくりの面でも大変重要なキーテナントではあるんですけれども、その上で、県としてできること、やらなければいけないこととして考えておりますのは、雇用対策なんです。在籍者が600名を超えていらっしゃるんですけれども、今回の営業終了で雇用継続される方、退職なさる方、まだ決まっていない方々など様々いらっしゃるようでございまして、第一義的には、その運営会社である株式会社そごう西武が事業主として対応を支援されることになると思うんですが、滋賀労働局では、離職者雇用対策本部を近く設置される予定と伺っておりますので、この中に、県としても参画をいたしまして、こういった雇用不安が起こらないように、市民、県民の方で働かれてる方も多いので、対応に万全を期して参りたいと考えております。その後、町の中でどういう跡活用がされるのかということにつきましては、大津市とも情報共有しながら、できる限りのことをしていきたいと思います。

 

[びわ湖放送]

「野洲のおっさんおにぎり食堂」なんですけれども、県として具体的な支援策を考えていらっしゃるのかということと、改めて期待するところを教えてください。

 

【知事】

まず後段にお尋ねのあった期待するところなんですけれど、こういった民間企業の皆様方がまちづくりの面で、また、そもそも車を売ってらっしゃる会社様が、商店街の中にお店を構えられて、その隣の2階に子ども食堂を開設されるということで、こういったことは、社長や会社様はあんまり大きく言われませんけど、私達からすると近江商人の「三方よし」の実践体現の典型例だと思って、深く敬意を表して、感謝をしているところです。こういう事例が、紹介しながら広がればいいなと思っています。

先ほど西川さんからお話があったように、子ども達の勉強を応援するということだけではなくて、外国籍の子どもたちの様々な取組なども支援しようというこのことは、実はベトナムに行って、ベトナムからたくさん日本に来るんだけれども、不安な思いをしている人たちも多いんだ、これからもっともっと広げていきたいのに、そのフォローは十分かというような、そういう懸念も示されていたところでございますので、そういったことにも今後広い意味で資する事業になっていくのではないかなと思います。

県といたしましては、子ども食堂を小学校区に1つ、300ヶ所整備するということを目指しておりますので、まずは今回のように、こういった公私協働、民間と官の連携協働で取り組まれております事例を紹介しながら「子どもの笑顔はぐくみプロジェクト」のスポンサー登録の呼びかけなども行っていきたいと思っておりますし、子ども食堂についての啓発活動もより強力に行っていきたいと考えております。この「子どもの笑顔はぐくみプロジェクト」を通じて、子ども食堂の開設ですとか、また継続、もしくは拡大、こういったものをしっかりと応援していきたいと考えています。

 

[BBC]

ベトナムについてなのですけれども、3年ほど前ですか、私も一緒に取材に行かせていただきましたけれども、ホーチミンの方で県と覚書を結ばれましたけれども、ハイテクパークと商工観光労働部も覚書を結ばれていて、企業進出であるとか経済分野ですね、改めて市は違いますけれども、今回ベトナムに行かれて経済分野に関してどのような可能性を感じられたか教えていただけますでしょうか。

 

【知事】

まず、ベトナム社会主義共和国は、伺いますと経済成長率が7%を超えているということですし、また、経済のみならず、例えば南シナ海の領域をめぐる安全保障面での関わり、ASEANのリーダー国として、広域経済活動の拠点としての役割など、様々な可能性を秘めた、そういう国だと思いますし、現地でそのことを強く実感いたしました。

滋賀県とは、御紹介いただいたように私が知事になって、最初に2014年、ホーチミン市と経済・産業分野の協力に関する覚書を締結いたしました。今、お尋ねの中でありましたハイテクパーク等への企業投資、こういったものについても、JETROと一緒に支援を行っています。すでにこの5年間で、300億円を超える投資が県内ゆかりの企業様の現地への進出ということで実現をしています。これらもさらに企業進出だけではなくて、例えば旺盛な食に対する需要がございますので、そういったプロモーション活動でありますとか、今話題になっております人材育成、人材活用、こういった面でもさらに可能性を広げていけるのではないかなと考えております。

こういったものとあわせて、先ほど資料でも御紹介いたしましたクアンニン省におきましては、環境と経済分野における相互協力に関する覚書ということで、こういった環境面の協力覚書を結んでいる自治体は今回御一緒した中で、ほとんどありませんでした。そういう意味で滋賀県は経済発展と環境保全とを両立させるモデルを、日本とベトナムの間で共有しているという意味においては、先駆的なモデルだということも改めて感じましたので、今後こういったプロジェクトも他の地域にもできれば広げていければというふうにも思いますし、そういった活動に熱心な企業様ですとか、団体の皆様方の支援を県としてもしっかり積極的に行っていきたいと考えております。

 

[朝日新聞]

昨日の成人式で、うちの記者が、大津市の新成人105人にアンケート取ったのですけれど、基本的には市長選についてのアンケートだったんですが、せっかくなのでということで、大津市長の名前、知事の名前をそれぞれ知っていますかという質問をしたんです、知事の名前を知っていますかと20歳に聞いて、知事は何割ぐらいの新成人がご自分の名前を知っているとお答えになったと思いますか。

 

【知事】

 大津の成人でしょ。2割くらいでしょうか。

 

[朝日新聞]

その心は?

 

【知事】

僕らが20歳ぐらいの頃に、市長は、知事はと聞かれても、セットで答えることができる状態、もしくは周りの友達が答えられる状態だったかというと、そうじゃないのかなと。でも5人に1人ぐらい答えて欲しいなという、そういう思いです。

 

[朝日新聞]

 御自身も20歳の頃は知らなかったということですか。

 

【知事】

 滋賀県のことは何となく知っていましたけども、周りの友達とかは。そんなに日常話題になるテーマでもないでしょうし。

 

[朝日新聞]

実はですね50%が知っていました。5割、105人中52人ですね。これを知事としては、どう受け止めますか。

 

【知事】

そうですか。どういう意味で、どういう文脈で知ってくれているのかというのは分かりませんけど、2人に1人、知事が三日月だと認識してくれているとすれば、嬉しく心強いことかなと思いますが、具体、彼らがどう思って知事を、県政を見ているのかということも聞いてみたいなと。たまたま私の子どもが同世代ということも影響しているのかなと思いながら、今聞いていました。

 

[朝日新聞]

結構、僕も実は高いなと思ったのですけれど、昔似たようなアンケートを別の県でやった時は、やっぱり2割ぐらいだったんです。御自身では、若者に50%、2人に1人という知名度がある、それについて何か理由は考えらえますか。

 

【知事】

分かりません。名前が珍しいからかもしれません。ただ、街を歩いていても、例えば中学生にしろ、京阪電車に乗っている高校生にしろ、何か声かけてくれる、挨拶してくれることはありますね。私も努めて挨拶して、何か部活の用意を持っている子どもがいたら頑張れよとか、声かけるようにしていますので。

 

[朝日新聞]

ちなみに越市長の名前も知っていますかと聞いたら、これは43%で、市長よりも知事の方が若干ですけど知名度があったと。たまたまかも知れないですけど、市長よりも知事のほうが大津市で知名度があるということはどうでしょう。

 

【知事】

励みにして頑張ります。ただ、たまたまでしょうし、知っているだけじゃなくて、まさに国連の場で気候変動の問題提起をするのも10代の活動家ですので、そういう世代と未来のこと、社会のことを、先ほどテーマになった子ども食堂の話題なんかもそうですけど、どうしたらいいんだろうかっていうことをもっと語る機会を作っていきたいですね。

 

[NHK]

西武の話について、もう少し詳細なのですが、今後、滋賀労働局の方で雇用対策本部を設置するという話があって、県の方も、雇用不安が起きない対策に参画していくと、協力してやっていくと。いつぐらいを目途に、その対策本部の第1回目の会議であるとか、話し合いに向けて進めていくのか、そのあたり、もう少しありましたら。

 

【知事】

手元にある資料では、今年の3月頃、離職者雇用対策を設置する予定とお聞きしています。詳細にいろんな計画等が出てこないと具体の話ができないのかもしれませんので、県もこの本部に参画していきます。

 

[NHK]

あともう1つ、先ほどのおにぎりのプロジェクトの件なんですけど、先ほど知事はおにぎりを食べられていましたが、あれは食べた分は、今回の収益という形で、知事個人として出されるという意味なのか、パフォーマンスの部分もあると思うんですけれども、知事個人として協力していく考えだったのか。もちろん県としても何か支援はしていくんでしょうけども、知事として、おにぎりを食べた意味合いをもう少し教えてもらえたら。

 

【知事】

今日、せっかく作って持ってきていただきましたのでね。私が食べさせていただいた分も含めて買って、そしてその収益の一部を回していただくということにしたいと思います。まず今回のことについては。もちろん、記者様、メディア様向けのいろんな発表、紹介の機会ということも兼ねて、今回は行わせていただきました。また、県としても、いろんな事業がございますので、もちろんこの大津、県庁には職員もいますので、いろんな機会を通じて、こういったおにぎり食堂があること、そのことが子ども食堂を応援することに繋がっていることを広く紹介していきたいと思います。おいしいんですよ、ここのおにぎり。皆さんも食べられたことがあると思いますし、ぜひ食べていただきたいと思うんですけど、おいしいと思いますので、ぜひ広めていきたいと思います。

 

[朝日新聞]

来週、NHK大河ドラマ「麒麟がくる」が始まりますが、その感想は来週聞くとしてですね、それに関する観光戦略について、岐阜県と京都府では、11日頃から大河ドラマ館という観光施設がオープンして、岐阜県では3ヶ所、京都府では大河ドラマと直接的に関連するのは1ヶ所ですけど、福知山市でも関連する展示をしています。それに対して滋賀県は光秀大博覧会というパンフレットをいただいていますけど、これ正式には3月からなんですね。光秀といえば僕は近江というイメージがあるんですが、両隣の府県がもうオープン等しているのに、なんで滋賀県だけ3月なのかなと。その辺についての見解をお願いします。

 

【知事】

ちょっと遅れましたね。出遅れていると思っています。

 

[朝日新聞]

観光施策としてどうなんでしょう。

 

【知事】

もっとやれることはあったんだろうなと思います。ただし、滋賀県は戦国武将ゆかりの地、ゆかりの武将はたくさんおられますので、明智光秀だけにとどまらせることなく、広く展開しようということで、昨年10月から「戦国ワンダーランド滋賀・びわ湖」キャンペーンをスタートさせています。これはもう昨年10月にすでにオープニングイベントやりまして、大変好評ですし、関連商品、関連のいろんな企画なども相当充実して行っておりますので、この中の1つとして明智光秀公を盛り立てていきたいなと。主にそういった展覧会、博覧会的なものは、お墓のある西教寺のある大津市を中心に作っていただいていると思いますので、岐阜県が出生の地と言われ、あちこちで活躍された光秀公なんですけど、晩年、滋賀県、大津市で様々な関わりもあったようでございますので、ちょうど番組で出てくるぐらいの時に、盛り上がるような形で作っていければいいんじゃないかなと思っております。

[朝日新聞]

一応知事だからいいますけど、岐阜県出生はあくまで説であって、県教委の方が多賀町出生説を唱えておりますね。そういう意味でも岐阜県とのゆかり以上に、実際活躍しているのは滋賀県が主な舞台だし、坂本城は言うまでもなく、様々な戦いや、もちろん比叡山焼き討ちも含めてあった。そうすると、光秀は岐阜か滋賀か京都かと言ったら、やっぱり滋賀なんじゃないかな。そういう意味で、1月に始まった時に、日本国民をキャッチしないと、観光戦略上もう取り返しつかないかなと思うのですが、どうなんでしょうね。

 

【知事】

出生にまつわるいろんな説については、学術的な方々にお任せしたい。いろんな説があると聞いていますし、多賀町出生説もあると。このことがいろんな講座等で紹介されて注目を集めていて、これはこれで大いに論争をしていただければいいというふうに思っています。

または岐阜県の様々な取組は、私も岐阜県知事から直接お伺いをいたしまして、学ぶべきところが多いなと思っているんです、実は。そもそも大河ドラマを仕込んで引っ張ってくるあたりからのプロモーション活動でありますとか、連続テレビ小説「半分、青い。」の取組を教訓とされて、早くから関連商品を作り、そして充実させていくということに取り組まれている。こういった手法は、私たちも、もっともっと見習わなければいけないなというふうに思っております。

いずれにいたしましても、いよいよこの週末、来週から始まりますので。番組宣伝など見ていますと、相当映像もいいし、配役もいろいろありましたけども、乗り越えて注目されておりますし、何より「麒麟がくる」というタイトルとか、あの時代がどういう時代だったのかということなど、戦国時代のいろんな舞台であった滋賀県の人たちは感ずるところが多い、こういったドラマになるんじゃないかなと思っています。そのことを多くの方に来ていただいて感じていただけるような、そういう場づくり、きっかけづくりについても、さらに充実させていきたいと思います。

 

[時事通信]

大津市長選挙が12日に告示されたんですけれども、どなたがというのは別としまして、どういうことが争点で、どういうことを議論して欲しいかとか、大所高所からの御意見というんでしょうか、何かありましたら。県都ですので。

 

【知事】

4年に1度の市長選挙ですので、大津市における課題ですとか、先ほどの言及いただいた観光をはじめとする、またまちづくり等の可能性等についても、広く議論され、ある意味では選択肢や争点が示されて、市民有権者の選択の機会になるように、期待をしたいと思っています。

大津市といっても南北に長いですし、山間部もあれば、町中もあるということで、課題は一様ではないのかもしれませんが、この機会だからこそ聞ける声とか、この機会だからこそ話せることというのもあると思いますので、そういったことが町のいたるところで起こって、1つの結果が出てくればというふうに思っております。先週録画した公開討論の番組もまだこれから見ますし、告示されたことは報道等で承知していますが、どんな状況なのかというのは、これから探って知りたいと思っています。いずれにしろ、充実した機会になるように期待をしています。

 

[時事通信]

ベトナム訪問の件なんですけども、今回ダナン市であるとかトゥアティエン・フエ省であるとかクァンナム省の方とお会いしたということなんですが、これは何か今後、覚書を結んだりというような方向に向かっていくようなものなんでしょうか。

 

【知事】

クアンニン省に琵琶湖モデルを展開という資料にベトナムの地図があると思うんですけど、非常に南北に長いですよね。ちなみにクアンニン省は中国と国境を接する北部の省ですし、ホーチミンは南の市、昔のサイゴン市であります。今回私が訪問したのはそのちょうど真ん中のダナン市でございます。言ってみれば北部と南部とは関わりの拠点持っていますけど、中部に私ども関わりの拠点を持ってなかったという意味においても、いい機会だろうということで私自身が訪問しました。トゥアティエン・フエ省は古い都として知られる町、フエですね。またダナン市は昔、近江商人の西村太郎右衛門が、1600年頃御朱印船で商売をされておられました。物の書によれば、当時、戻ってきたんだけども、もう鎖国になっちゃってて、長崎まで来たけど帰れなかった。故郷に対する思いを込めて絵馬を奉納し、これが今、日牟礼八幡宮に奉納されているということがございます。こういったことなど、非常にゆかりのある場所ですね。そしてクァンナム省は現在のフック首相の御出身の地でございまして、ホイアンなどは世界遺産の場所でもございます。こういったことから、滋賀県とも様々な関わり合いを持つことができるんではないかという、こういった可能性もあるので、今後は、今回作った人間関係をきっかけに滋賀県との関係を構築していければと考えているところです。

 

[時事通信]

昨年からですね、IRをめぐる汚職事件が続いておりまして、これに対する御所見というんでしょうか、特に滋賀県はそれについて応募されてるわけではないんですけど、何か御所見がありましたら。

 

【知事】

IRいわゆる統合型リゾートを1つの成長戦略に位置付けて、国として誘致をしたり、また場所を決めて開発しようという動き、これについては承知をしています。また、このテーマをめぐり収賄等が行われているのではないかという疑い、このことをめぐる逮捕事案等が出ていること、このことはとても遺憾なことだと思います。いずれにしても、一部の企業に何か利権が行くような、そのことに政治的圧力を期待するような、そういう動きがあることは、やはり厳に慎まなければならないのではないかと思います。公正なものとして、将来に本当の意味で発展に資するような、そういうプロジェクトになるように期待をしたいというふうに思います。

 

[朝日新聞]

先週、記事になっていたんですけど、高島市の白鬚神社で「横断やめてください」というアナウンスを流すようになりました。僕も何度か現場に行きましたが、知事も多分何度か行かれてると思いますけど、この対策として、音声アナウンスがどれだけ効果があるかというと、何とも言えないんですけど。

これまでの県や県警の説明だと、あそこはカーブであって、信号機や横断歩道は設置できないということですけど、やはり今観光戦略とか、そういう意味で言うと、せっかく今県で2番目に人気のある観光地と言われて、県はあそこに観光客が来て欲しいのかなあ、どうなのかなあとちょっと疑問に思ってるんです。そうしたときに、あそこはカーブでできないっていう意見は1つあると思うんですけど、僕は蹴上の山道を通ってくるんですが、あそこはカーブの連続なんです。だけどそこは信号が3、4ヶ所あって、それなりに機能してるんですね。ですからカーブだから信号機ができないという意見で止まってしまうのは、観光戦略として実にもったいないと思ってます。

さらに言えば、歩行者が横断することは道交法違反じゃないようですね。法律違反ではない。であるならば、そこむしろ法定速度60キロを超える車の方が、むしろ違反をしてるわけであって、であれば、観光客を増やすこともそうだし、法律の方で考えても、この県の対策はどうなのかなと。であれば、地下道を通すなり、あるいは駐車場を有料にして、そのお金をもとに何か交通施策をするとか、なんか他にもアイデアがあるんじゃないか、もっと生かすというアイデアの方がいいんではないかっていうふうに個人的には思うんですが。知事はどうお考えかなと。

 

【知事】

まず白鬚神社が、大変大切な祈りの場所であり、日本遺産にも認定されていますので、水との関わりの中で祈りの場所になっているということで、水の中の鳥居や神社施設が観光スポットとして大変人気がある、インスタ映えもするということは、僕はとてもいいことだと思っています。

同時に、訪れた方の安全対策、これがやっぱり最重要だと思いますね。したがってそういった危険な横断等をやめてくださいという、こういった案内を多言語でさせていただいているということだと思います。もちろん法定速度やいろんな横断歩道、信号等の設置は可能性として、選択肢としてあるとは思うんですけれども、一方で交通との兼ね合いを考えなければいけないということがあると思います。

長期的には161バイパスを神社の後ろ側、山側をトンネルで抜く形で国と協議を進めていますが、時間がかかりますので、その間、どう安全対策を講じていくのか。今回行ったことで横断する方が増えるのか減るのか、そういったこともよく見ながら、今後の対策を考えていきたいなと思ってます。

ちなみに今年から私の名刺を新調いたしまして、県庁内の女性職員が考えてくれた大変好評なデザインなんですけど、そのデザインが白鬚神社なんです。お渡しした方から同様のお話なども伺っておりますので、ぜひまた地域の皆さんともよく話をしていきたいなと思います。

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