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知事定例記者会見(2020年1月6日)

令和2年1月6日
(県政記者クラブ主催)

新年明けましておめでとうございます。今年もどうぞよろしくお願いいたします。年初にあたり句を詠みました。

乱気流?風に心を凧の糸

今年はいろんな激動激変があるんではないかと。いいことが、たくさんであればいいんですけれども、厳しいことや、大変なこともあるかもしれません。そういう時だからこそ、しっかりと地に足つけて、ある意味では、風に心を届けるつもりで、大きな流れの中に滋賀の心を届けるつもりで、みんなで力を合わせて頑張っていきたい。そういう思いを込めて、したためさせていただきました。拙い句ですが、よろしくお願いいたします。

今年も年初にあたり、職員の皆様方に、もって県民の皆様方にメディアを通じて、御挨拶を申し上げました。大きな変化の年、また滋賀にとっては様々な好機、チャンスがたくさんある年、ぜひチャレンジの年にしようではないかということを呼びかけました。ぜひ皆様方にも様々な点で御指摘や、また御指導いただければと思いますし、メディアの皆様方、県民の皆様方から様々なお声を、時には耳の痛い、私たちとは違うお考えや主張であったとしても、それらをしっかりとお聞きしながら、ある意味では謙虚に、ある意味では元気に県政を進めていきたいと考えておりますので、今年もどうぞよろしくお願いいたします。

 

それでは予定しておりました話題を提供させていただきます。今日は3点ございます。1点目は、「“しがCO2ネットゼロ”ムーブメント」キックオフ宣言についてでございます。お手元にキックオフ宣言の内容をお配りをしておりますが、改めて、このような形で本日したため、署名をし、皆様方に表明をさせていただきたいと思います。

近年、気候変動、温暖化が原因ではないかという自然災害、猛威に各地で様々な形で見舞われております。それらを大変危惧し、ある意味では、恐れおののく状況にはございますが、ただじっとしているだけではなく、それらを回避するために、もしくはその原因を解消していくために起こせる行動を起こしていくべきではないかと考えているところでございます。本県におきましても、琵琶湖において、昨年、全層循環が確認できなかったという実態がございました。今年の動向についても注視また調査しているところでございます。生態系ですとか、農林水産生産品などに様々な影響も出始めているのではないか、こういったことも指摘をされております。本県は琵琶湖をはじめとする豊かな自然環境に恵まれておりますし、早くから、ある意味では全国、世界に先駆けて、県民の皆様方が、水のため未来のために行動を起こしてきたという歴史もございます。ぜひ、SDGs未来都市に選ばれた滋賀県として、しっかりと行動を起こしていきたい。また、行政、知事だけが、ただ宣言するだけではなくて、県民の皆様方、また企業団体、様々な関係者の皆様方と連携連動して、具体の行動をつくっていく、そのためのムーブメントを起こしていきたい。そのためのキックオフ宣言でございます。パリ協定の目標でございます、世界の平均気温上昇を1.5℃に抑えるための行動に参画いたします。世界の人為的なCO2排出量を2050年前後に実質ゼロにする。この必要に、私たちもしっかりと取り組んで参ります。ぜひ皆様方の御報道また様々な御協力賜れば幸いでございます。ぜひ自然環境を守りながら、自然災害が起こらない、また少なくなっていく、そういう環境を作るために一緒に行動を起こしていきましょう。

 

2つ目は、「うみのこ」に関係する話題でございます。お手元に資料がございます通り、滋賀ふるさと観光大使西川貴教さんから学習船「うみのこ」に乗船する児童、子どもたちに向けて、大変温かい熱いメッセージをいただきました。御承知の通り、西川さんは、「水の未来に声を上げろ」ということで、イナズマロックフェスを毎年開催していただいております。その前後には琵琶湖の保全活動でありますとか、子どもたちを会場に招いていただき、様々な学習の機会をいただいているということもございます。このメッセージは、児童が生涯にわたって琵琶湖と関わっていけるように、西川さんからメッセージをいただきたいという、びわ湖フローティングスクールの要請を快くお引き受けいただき、撮影が実現したものを伺っております。メッセージの全文は、資料裏面の通りですが、約2分間の動画となっているということでございます。本日はこれを30秒程度にダイジェスト版として編集しておりますので、まずはそちらを御覧をいただければと思います。(動画放映)

 

知事のようなメッセージでございましたけれども、大変熱い、力強い、また西川さんらしいメッセージを届けていただけるというふうに思っております。

このメッセージは今週末、1月10日(金)、11日(土)、第84回になります児童学習航海に、こちらには雄琴小学校、仰木の里小、小野小学校が乗船する予定なんですけれども、こちらをスタートといたしまして、(乗船する子どもたちに)届けていくということでございます。乗船する学校と相談しながらということになりますが、基本的にはすべての航海で活用したいと思っております。また初公開時にはメディアの皆様にも御乗船いただける企画を用意しておりますので、子どもたちの受けとめ方を含めて、皆様方に御取材、御報道いただければと思います。

また、できれば今のダイジェスト版に多言語で訳をつけまして、こういったものを滋賀の子どもたちは「うみのこ」で見ているんだ、感じられているんだということを御紹介するような、そういうムービーもぜひ作ろうと担当者と今相談をしているところでございます。また、でき上がりましたら皆様方にお知らせをしたいと思います。

 

大きな3つ目は、「やまの健康」シンポジウム開催についてでございます。すでに御案内をしておりますが、今月、令和2年1月25日に「やまの健康」シンポジウムを開催いたします。今、県が「やまの健康」を推進しておりますが、これは森林・林業・農山村を一体的にとらえて、農山村の資源を活用して、都市も含めた経済的な動き、人々の交流、こういったものを作り出すことを目指した取組でございます。

今回のシンポジウムにおいては、農山村の資源の活用の観点から、地方創生の先進的な事例として知られております岡山県西粟倉村の上山隆浩さんをお迎えし、基調講演をいただきます。御案内の通り、この西粟倉村は、起業家が集まる人口1,500人の村だそうでございます。ここ10年で約200人の方が移住されるほど魅力的な地域として全国に認識され始めておりまして、そのための取組ですとか、様々な制度について御紹介いただく機会を考えております。裏面にメンバーを紹介しておりますが、経済循環の観点からは、都市と農山村のつながりを意識して活動されている方々をお招きし、「一緒に創ろう『やまの健康』」をテーマにパネルディスカッションを行います。私も参加予定でございます。

開催場所は、連続テレビ小説「スカーレット」の舞台、甲賀市にございます滋賀県立陶芸の森でございます。申込方法は記載の通りでございますが、県ホームページや、「やまの健康」公式インスタグラムにおいて公開をしているということでございますので、あわせて御参照方よろしくお願いいたします。私からは以上でございます。

[産経新聞]

先ほどのCO2ネットゼロムーブメントについてなんですけれども、このタイミングでこの宣言をするようになった経緯と、今後の具体的な取組がありましたら教えてください。

 

【知事】

昨年来、特に昨年の夏以降、この気候変動の状況ですとか、相次ぐ自然災害、また世界各地で若者を含め、声を上げ始めていることですとか、他の自治体等においても、こういった同種の宣言をされながら、様々な行動を起こされていることに大変刺激も受けて、滋賀県としてどういう取組をなすべきか、昨年来、考えて参りました。折しも年末の県議会では、関連する御指摘等も委員会でいただいたところでございまして、年末の挨拶で、私自身もその必要性等について言及をさせていただいております。したがって年明け、滋賀としてCO2をネットゼロ、実質ゼロにするムーブメントを起こそうと。これは行政だけ、宣言だけではなくて、私たち県民の具体的な行動として、それらを積み重ねることによって、CO2の排出量を実質ゼロに持っていく、こういう取組をつくっていこうではないかと、こういう呼びかけてございます。お手元にお知らせと一緒に青いチラシも入れておりますが、こちらのQRコードは12時以降使えるということだそうでございますが、県民の参加も呼びかけていきたいと思いますし、本日午後に行われる経団連の会合等でも、経済界の皆様方にも私から直接、お呼びかけ申し上げていきたいと思います。

今後につきましては、具体まだこれからでございますが、できるだけ早く、このムーブメントを推進するための本部を作りまして、具体の行動を取りまとめていきたいと。また、エネルギーの政策、ごみの問題、環境の問題など、様々なテーマで行動ができますし、ある意味ではやらなければいけない。こういったこともございますので、そういったものを一定取りまとめながら、県民の皆様方にも御紹介をしていきたいと思っております。また、むしろ私たち行政よりも、企業の皆様方や県民の皆様方の方が、先進的、先導的にお取り組みいただいてるようなこともたくさんあるでしょうから、また、企業の皆様方がお持ちになる技術等もあるでしょうから、そういったものも取りまとめながら、御紹介をしたり、共有したり、そういったことも進めていければと考えているところでございます。

 

[びわ湖放送]

先ほどの仕事始め式でCO2の件と、もう一つ、死というものに対して、一緒に向き合う機会を県として作っていきたいと、そういう場づくりを行いたいとおっしゃっていましたが、これは具体的にどういったものになるんでしょうか。

 

【知事】

まず私たちは、今こうしておかげさまで生きてるんですけれども、必ず死を迎えます。これは誰にも共通する、そういうテーマだと思います。もちろんいただいたこの命をしっかりと全うする、自分らしく生きていく、支え合って生きていく、こういったことは大切にしたいと思います。また、医療や介護など関連するサービスをより充実させていく、このことは前提にございます。ただ避けられない死というもの、また今年は初めて亡くなる方が年間140万人を超えるという、最多を更新していくという、こういう多死社会になっていくこと。こういうことを目の当たりにして、前提にして、私たちの死に対するとらえ方、考え方というものを今一度それぞれにおいてしっかりと持っておくこと、死というものをとらえることによって、今生きているということをより充実させる、そういった取組を志向していければと思っているところです。

具体的には、懇話会を立ち上げて、有識者の方々にも御参画をいただいて、私たち県民自身が死というものを考える場づくり、機会づくりを行っていきたいと思っています。当然、医療関係者の知見もいるでしょう。教育関係者も大事だと思いますし、宗教的なこと哲学的なことから、この死というものをどうとらえたらいいのかという御示唆もいただければと考えているところでございます。できるだけ早く詳細をお示ししたいと思いますし、関係する予算等もできるだけきちんと措置して、御説明申し上げたいと考えております。

なお、この場でどのような話が出てくるのか広がるのか深まるのか、これはまだやってみないとわからないところはあるんですけれども、一定その中で出されたことを県政の場においても、盛り込めるものはしっかりと盛り込んで、施策に反映をしていくということも志向していきたいと考えています。

 

[びわ湖放送]

先ほど年末年始に腰痛で動けなかったとおっしゃってましたが、餅つきを頑張りすぎたとか、何か原因があるんでしょうか。

 

【知事】

原因不明です。原因不明ですけれども、年末年始、いつもよりも長い休みがあると思ってほっとしすぎたのか、車に乗る位置がいつも同じで体の片方に負荷がかかりすぎているのか。意識して健康のために歩いたんですけども、おそらく昨年は生涯最もたくさんの距離を歩いたので、ちょっと歩き過ぎたということもあったのかもしれません。動けなかったわけではないんですけども、いろんなことがたたって、相当な激痛に耐えながら動かなければならない年末と年始を過ごしました。こんなに腰が痛かったことは生涯初めてで、例えば車に乗っていて停まる時だとか、電気のスイッチを押すようなちょっとした動きや、寝返りのたびに激痛が走って寝られないという、こんなことは初めてだったんですけれども、何とか緩和しました。今日のような和装はいいですね、腰が支えられて。こういうことで、できるだけ無理のないように、公務をこなしていきたいと考えています。皆さんもお気をつけください。

[京都新聞]

戻ってCO2ゼロの件なんですけれども、資料の文中に出てきます製造業の集積が進んでいること、これと二酸化炭素を減らしていくという取組と、これがどう繋がってくるのか教えていただけませんでしょうか。

 

【知事】

やはりこういう製造部門、企業のサプライチェーンの中で、どうCO2を減らしていくのか。このことは大変重要なファクターまたセクターだと思いますね。幸い滋賀県には、世界に誇る、日本を代表する製造業の製造拠点や研究所が多数立地しています。その中で出てくる技術ですとか製品、またサービス、こういうものがCO2ゼロに大きく貢献するものも多々あるのではないでしょうか。

例えば省エネ家電などはその最たるものでしょう。そういったことをしっかりと私たち自身も知り、また広めていく、それらを全国や世界に届けていくこともあるでしょうし、それぞれの企業、事業所がその製造過程で、例えばエネルギーの問題について、様々な改革、CO2ネットゼロに向けた取組を起こしていくことも考えられるでしょうし、やはり働く人が多い、多くのものをつくれる事業所というのは、社会的影響力も大変大きなものがありますので、そういったところの御協力を得ながら、こういったムーブメントを具体化、本格化していく可能性があるのではないかと思います。

 

[京都新聞]

来年度の予算措置の中で、キックオフ宣言をされた後のムーブメントに対して、予算をつけられていくお考えでしょうか。

 

【知事】

ムーブメントを作るのにどのような予算が必要なのか、また、そのためにどのような施策を作るのか。これは今後、琵琶湖環境部を中心に、ある意味では全庁を挙げて考えていきたい。そのためにも推進本部というものをしっかりと作りながら、関係する計画もあるでしょうし、また、経済界含めての取組ということであれば、関係する様々な事象があるでしょうから、必要であれば予算もしっかりとつけていきたいと思いますが、まずは今回のキックオフを機に、どういう施策を作っていけばいいのかということをよく練り、考えていきたいと思います。

 

[京都新聞]

関連ですけれども、今は2050年で80%削減だったかと思うんですが、目標の見直しというのも連動して行うのかということと、実現可能性について知事はどのようにお考えなのか。2050年にCO2ネットゼロの実現可能性はどういうふうに考えておられるのかお願いできますか。

 

【知事】

まずパリ協定の目標は、もちろんそれに賛同する国ばかりではありませんけれども、ある意味での世界共通の目標でありゴールだと思います。

人類存亡のために、生態系保全、環境保全のために、協力して取組を進めていこうという課題だと思いますので、滋賀県としても、自治体レベルで県民の皆様方とともにできることをやるということだと思います。

議論そのものは否定しませんけれども、今から30年先にできるのか、できないのかということを議論することは、あまり建設的、生産的ではないように思いますので、まずはやはりできることをしっかりと作って積み重ねていくということではないかと思います。

吉野彰さんのノーベル賞として評価された技術などもエネルギー社会を大きく変えるために寄与貢献するでしょうし、滋賀県はおかげさまで、こういった地球レベルの環境問題に熱心な県民の皆様方も大勢いらっしゃいますし、なにより若い世代に問いたい、呼びかけたい。できるだけ早く高校生など、次世代を担う人たちと、こういったテーマで膝を交えて話せるようなそういう機会もつくれないかということを、現在、秘書課長に指示しているところですので、そういった場も使いながら一緒に考えていきたいなと思います。

 

[京都新聞]

今後になるんでしょうけど、県の計画もそれにあわせて見直しをするという理解でいいんでしょうか。

 

【知事】

おっしゃる通りです。関連する、例えば低炭素社会づくりの計画ですとか、エネルギーのビジョンなどもございます。それぞれ年度年度で、来年度、再来年度と改定の時期を迎えてきますので、そういった計画についても、今申し上げたムーブメント、そしてこの取組と整合性を取っていくということが必要だと思います。

 

[朝日新聞]

関連で、今回のこの2050年までの実質のCO2の排出をゼロにするという取組は、他県でもこういった宣言とかはされていらっしゃるんですか。

 

【知事】

他県でも、いくつかされているようです。すべてどのような内容でというのは詳らかではございませんが。

 

[朝日新聞]

例えば全国で何件目かとか、わかりますかね。

 

【知事】

年末の時点で31の自治体が、2050年までにCO2実質ゼロを表明されているというふうに承知をしています。

 

[毎日新聞]

2点ありまして、まず1点はこの関連で、「“しがCO2ネットゼロ”ムーブメント」のキックオフ宣言なのですけれど、先程、京都新聞さんの質問でも目標の見直しについてありましたけど、国は2050年までに80%削減という方針を出されていて、今回の宣言での実質ゼロというのは、それよりさらに厳しいといいますか、上にある目標という認識でいいのか、違う捉え方ということでの目標なのか、そのあたりの知事の御見解を教えていただけますでしょうか。

 

【知事】

その国の8割と、今回申し上げた、この滋賀としてCO2を実質排出ゼロにしていこう、ネットでゼロにしようという、この取組とがどう合うのか、混じるのかというのを考えて現時点宣言しているわけではございませんので、今後どう説明していくのかということについては考えたいと思います。

 

[毎日新聞]

先月26日に、滋賀県を拠点に活動しているご当地アイドルのフルーレットが、今年3月28日をもっての解散と全員の卒業を発表しました。他にも大津を拠点にする別のグループも、昨日解散いたしまして、知事は、昨年8月にフルーレットの表敬訪問を受けるなど、その発信力についてこの場でもお話いただいたことがあると思うのですけれども、この知らせというのをどういうふうに受けとめていらっしゃるかが1点と、あと、また他県などでは、ご当地アイドルと行政が密に連携して、その魅力を高め合っているような例もある中で、こういったコンテンツが滋賀県から喪失するということを受けて、県内コンテンツ産業への支援というのをどういうふうに考えていらっしゃるか、教えていただけますでしょうか。

 

【知事】

昨年末に、フルーレットが解散されるという報道に接しました。報道に接した時はとても寂しい気持ちになりました。昨年お会いをして、それぞれのメンバーのひたむきな熱い、ある意味ではピュアな思いに触れてですね、メンバーのそれぞれの色にまつわる様々なPRなども行ってみてはいかがですかと、そういう御提案をし、強い御賛同もいただいていたところでしたので、そういう意味でとても寂しいなと思いました。ただ、こういったグループ活動に永遠というのはなかなか難しいということだと思いますし、それぞれのメンバーもまだまだお若くて、その後のいろんなステップアップの機会や道も探られているというふうに承知をしておりますので、ぜひ今回のフルーレットでの活動を生かして、さらに活躍していただけるように願っております。

県といたしましては、先ほど御紹介した西川貴教さんはじめ、例えば、歌や芸能活動で滋賀のことを表現していただいたり、例えば、年末年始、改めて読んだ本で面白かったのは、姫野カオルコさんの「忍びの滋賀」ですか、なかなかこれは面白いですね。色んな角度から滋賀ならではの情報ネタ満載で、例えばこういった御紹介の仕方であるとか、もちろんフルーレットの活動のような取組もまだまだこれからも出てくるでしょうし、時々、状況に応じて、連携もしながら、滋賀を盛り上げるために、地域を活性化するために、一緒に頑張っていけたらいいなと思います。

[時事通信]

CO2削減の取組なのですけれども、ちょっと2050年ということで、県民の方々にとっては少し遠い目標なのかなという感じもするのですけれど、何かこの推進本部で、もう少し、いつ頃にこの具体的な行動をまとめて、何をしていくのかというのでしょうか、もう少し年次を切った目標であるとか、それぞれが具体的に何をするのかであるとか、そのあたりどのように考えていらっしゃるのか、お伺いしたいのですけれども。

 

【知事】

大変重要な御指摘だと思います。2050年というと、年次的にも先の話、また、地球規模の気候変動というと、何となく私たちの生活とかけ離れた遠い感じ、そういう印象を持たれてしまいがちなテーマだと思います。したがって、それらをいかに私たちの日々の生活と関わりのあることなんだ、日々のそういった出来ることからやることで、どう改善していくのかということを見せていくこと、一緒に考えていくことっていうのは大変重要だと思います。したがって、先ほど申し上げた計画ですとかビジョンで、ある一定、年度を区切りながら、目標設定していくということも大事でしょうし、エネルギーのテーマをはじめ、それだけではありません、様々な家電製品の買換えであるとか、ごみの排出の問題ですとか、循環ですとか、そういった取組がどのように貢献することに繋がるのかというようなことを分かり易くしていく、こういったことも重要だと思いますので、今後、このムーブメントの中で、推進体制の中で、さらに具体を掘り下げて考えていきたいなと思います。

 

[時事通信]

例えば何か条例を作って、事業者に規制をかけたりですとか、そういったようなことも想定されているのでしょうか、どうなのでしょうか。

 

【知事】

県だけで何か条例をかけて、この実効性が保てるのかということはよく考えないといけないと思います。国でどのように、例えば法体系を作っていくのかということとも連動するのかもしれません。すでに関連する条例等もございますので、そういったものを活用することで、滋賀における排出CO2を実質ゼロにしていくということも十分可能ではないかと思います。それらも含めて、今後どのような具体的な取組をつくっていくのかということについてはよく考えていきたいと思います。

 

[時事通信]

もう1点、「死」の話なのですけれども、県民にとって分かりづらいというか、抽象的な感じがするのですけれども、例えば医療介護サービスの充実というと、比較的分かり易いところにいくのですけれど、そのあたりは、この構想はいつ頃策定して、具体的にどう実現を図っていくのか、改めて教えて欲しいのですけれども。

 

【知事】

新年早々、死のことを口にするのはどうかなと思ったのですけれども、ただ、私自身も年末年始、多くの方の旅立ちの報をいただきました。多死社会は現実のものとして、私たちの周りにあるなと感じています。私はまだ人の臨終の場面には齢三十の時に一度、自分の父の臨終の場面にしか立ち会っておりませんけれども、しかし、その時の経験や体験は強烈に印象に残っています。人はこうして亡くなっていくのか、死んでいくのかということですね。ただ、その前段階がありますね。例えば病ですとか、老いですとか。しかし、突然来る死というものにどう向き合うのかという、こういう根源的なテーマもあると思います。いずれ必ず来る、誰にも訪れる死というものをタブー視せずに、忌み嫌わずに、真正面からとらえて、そして、その死に向かってどう生きるのかと、またその死をどう看取るのか、どう支え合うのかということは、やはりしっかりと考える時期に来ているのではないかなと思いますね。人口ボリュームが比較的多いと言われている、いわゆる団塊の世代が後期高齢時代に入っていく、そのジュニアである私たちの世代が、例えば年末年始に腰を痛めたり、いろんな健康上の課題を抱えながら生きていくという、こういう時期に入ってきます、多くの人たちが。必ずしもすぐに死に直結するものではないのかもしれませんけれども、こういったことをぜひ県民の皆さんと一緒に考えながら、自分たちの人生や生活をより良くしていくための知恵を探っていきたいなと、こういう思いから、提案をさせていただいております。

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