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知事定例記者会見(2019年12月24日)

令和元年12月24日
(県政記者クラブ主催)

【知事】

みなさん、おはようございます。久しぶりの会見、今年最後の会見でございます。まず今月の一句なんですけれども、

麦の芽に近江の子らの夢を見る

晩秋から初冬にかけて、滋賀県、近江の野に植えていただいた麦が、今ちょうど芽が出てきております。寒風の中伸びる麦の芽に、子どもたちの将来を重ねてみて詠ませていただきました。

 

なお、今年の漢字は「信」でございます。信長安土城復元プロジェクトを年始申し上げました。また、信楽ではスカーレットの放映で大変湧いております。雨森芳洲先生の「誠信の交わり」の教えについて、この会見でも幾度となく、皆様方に述べさせていただきましたし、やはり政治は信なくば立たずで、行政もしかりでございます。したがって、こういった言葉を改めて心に留めながら、知事として仕事をしていきたい、またさらに可能性があるところについては大いに盛り上げていきたいと考えているところでございます。

それでは資料等に基づきまして、まず1点目、もうすでに御案内をし、取材もいただいておりますが、週末12月21日(土)に滋賀県はLINE(ライン)株式会社及び一般財団法人LINEみらい財団と「滋賀県ICT推進戦略」に基づきます滋賀県の取組に関する協定を締結させていただきました。この中身にありますように、1つ目は教育です。プログラミング教育に対して支援をしていただく、また相互に取組を行う、英語学習アカウントを活用するといった取組を行っていきます。また2枚目の後ろにございますように防災ですね。すでに「災害広報シンポジウム」等でお知らせしておりますけれども、AIチャットボットを使った被害状況の確認、被災者支援情報の提供、こういった取組を行うということと、3つ目といたしましてスマート自治体に関すること。こちらにつきましては、滋賀県公式アカウントを開設いたしまして、様々な情報提供を行います。また、知事への手紙等についても、こちらからいただけるように、一部まだ改善しなければいけないシステムがありますけれども、こういった取組を行う。また、すでに開設され好評いただいております明智光秀AIについても、さらに盛り上げていきたいと考えております。4つ目といたしましては、最後のページ、LINEを活用した子どもと親の悩み相談に関することについて取組を行います。いじめの相談、虐待の端緒になるような情報の把握等に、このLINEアカウントを通じて努めていくという取組でございます。今回の協定を機に、こういったツールでも、さらに様々な施策が前進するように努めて参ります。

 

それでは、次は「第1回滋賀県ライフライン保全のための対策会議」の開催についてということでございまして、昨年は台風21号、今年は千葉県や各地で台風15号や、19号等暴風雨により、例えば大規模停電が発生し、被害が拡大したということがございます。こうしたことを教訓にしながら、より一層、強力なライフライン、迅速なライフラインの復旧対策、この必要性を感じましたことから、自治体と関係事業者とで意見交換できる場所の設定を準備してきました。このことにつきましては、首長会議等におきましても、市町から強く御要望もいただいたところです。本日の午後、14時から県市町、電力事業者、通信事業者等による「第1回滋賀県ライフライン保全のための対策会議」を危機管理センターにおいて開催することといたしました。今後は継続して開催しながら、応急復旧に加え、予防対策まで検討を進めて参ります。私からは、できるだけ早く、できる対策をとるようにと指示をしております。次の台風シーズンまでに、まずできることを迅速にやろうということを申し上げておりますので、皆様方にも御確認等いただければ幸いでございます。

 

続きまして、こちらも資料がございます。毎年恒例になりました「びわ湖レイクサイドマラソン」を、令和2年2月23日(日)に開催いたします。コースは、大津港をスタートといたしまして、ハーフマラソンが行われるというのが1つ目、またなぎさ公園をスタートする12キロの、この2種目がございます。ゴール地点は烏丸半島ということでございまして、こちらを目指して多くのランナーが美しい琵琶湖沿いのレイクサイドコースを楽しみながら疾走していただくという、こういうイベントでございます。

11回目を迎える今回の目玉は、12キロ部門に新設された「ドレスアップ部門」ということだそうでございます。昨年も一部、いろんな衣装を着て走られる方がいらっしゃったんですけど、ランナーだけではなくて、応援の方も一緒に楽しめるような、心惹かれる、元気になる、思わず笑ってしまう、そんな仮装をしたドレスアップランナーを100名限定で募集したいと思います。ドレスアップ部門の表彰もあるということでございますので、ランナーの皆さんの創意工夫あふれるユニークなドレスアップを期待したいと思います。

ゴール地点では、「近江米おにぎり」を無料配布いたしますほか、琵琶湖汽船株式会社提供のペア乗船券など、豪華プレゼントが当たるお楽しみ抽選会も予定しております。また大会を楽しんでいただいた後は、遊覧船で琵琶湖の景色をゆっくり眺めながらスタート地点まで戻ることができる無料輸送もあるということでございます。

滋賀の雄大な自然を丸ごと満喫していただける本大会の募集人数は、各コース先着1,500名ということでございます。1月31日(金)まで募集しておりますので、ふるって御参加ください。

 

最後は、観光キャンペーン「戦国ワンダーランド滋賀・びわ湖」についてでございます。このキャンペーンは、すでに開催中でございまして、今回これにあわせて、日本郵政グループから協力をいただいていることについて御紹介申し上げたいと思います。プロジェクトチームを立ち上げていただいて、キャンペーンに合わせた様々な企画を展開していただいております。

本日は大津中央郵便局長井上澄夫さんにもお越しいただいております。まずオリジナルフレーム切手「戦国ワンダーランド滋賀・びわ湖」を作製していただきまして、つい昨日、販売を開始されたということでございます。こちらがその切手シートでございます。また、県内すべての集配車両や郵便局窓口にキャンペーンロゴを掲出していただいたり、戦国武将の家紋などをデザインした8種類の「小型記念日付印」の作成など、全局をあげて取り組んでいただいているところでございます。井上局長、本当にどうもありがとうございます。

また資料の通り、琵琶湖汽船株式会社、近江鉄道株式会社の戦国ゆかりの地を巡るツアーでありますとか、(株)アルゴのイベント「戦国近江の国天下統一ライド」の開催、比良比叡トレイル協議会のパンフレット作製など、多彩な連携が広がっているところでございまして、現在62の民間事業者がキャンペーンにちなんだ広報協力、イベント開催、関連商品開発などに取り組んでいただいております。

このキャンペーンは130を超えるプログラムを展開中でございまして、現在10月1日から11月末までで、すでに34万人の方が参加されているなど好調な滑り出しをしているということでございます。ただ、62の民間事業者の協力というのは、まだまだ少ないと思っておりますので、今後増やしていきたいと思います。ますます、こういったキャンペーンを盛り上げて、県全体が一体となって来訪者のおもてなしもできるよう、しっかりと連携を進めて参りたいと思います。大津中央郵便局井上局長には、この後も残っていただきますので、御取材等あればお願いいたします。長くなりましたが、私からは以上でございます。

[産経新聞]

年末になりましたけれども、2019年を振り返っていただいて、思い出深い、印象深い出来事とか、それに関する所感などあったら教えてください。

 

【知事】

まず平成から令和に変わったということですね。御代替わりは、前回、私は昭和から平成に変わるときも生きていましたけど、また違う雰囲気で令和という時代に入ったのではないかなと思っています。

多くの国民がこぞってお祝いするムードの中で、令和の時代を迎えられたことを、そして最初の年末を迎えられていること。このことに感謝すると同時に、安堵をしているところでございます。

しかし一方で、悲しい出来事としては5月の保育園児が亡くなってしまう交通事故、これについては大変悲しい事故として、今も心に残っています。その安全対策をこれからもしっかりと行っていかなければならないと思います。冒頭に申し上げましたけれども、スカーレットの放送開始ですとか、来年になりますけれども、「麒麟がくる」に絡めて「戦国ワンダーランド滋賀・びわ湖」の展開ですとか、新たな可能性を感じられるといったこともあったのではないかなと思いますし、日本農業遺産に認定されて世界農業遺産への申請が認められたことや、SDGs未来都市に認定されたこと、ビワイチがナショナルサイクルルートに指定されたという意味においては、滋賀の持っている、またこれまでやってきたことが世界に向けて発信できる、世界から多くの方々に来ていただける、そういうきっかけも、今年いただいた年でもありましたので、そういう意味で、これからに繋がる大きな出来事もあったのではないかなと感じているところです。

 

[産経新聞]

 先般、神奈川県で行政文書を保存したハードディスクがネットオークションに転売されて流出するという事案がありましたけれども、これに関する知事の受けとめと、あと県の現状の管理状況と対策などありましたら教えてください。

 

【知事】

この神奈川県の事例は報道があったときに、これは大事な課題だなということで、本県においても、どのような状況になっているのかということについて確認をいたしました。ちなみに、本県においても今年1月に庁内の各所属等の保有するデータを蓄積するファイルサーバーを更新し、その際に古い機器の廃棄処分を行っているんですけれども、その際には職員立ち会いのもと、物理的な破壊による記録データの消去処理の後、廃棄を行っているということでございまして、今回、神奈川県で起こったような同様の事案が発生する恐れはないということを確認しているところでございます。一定の手間や労力、また費用もかかる取組ではございますけれども、しっかりとこういった廃棄ルールを改めて全庁に周知の上、履行の徹底を求めていきたいと思います。

 

[びわ湖放送]

今年のお正月に打ち出されました安土城の復元の可能性なんですが、今の漢字の中にも信長の「信」という文字がありましたが、1年間進めてこられて、現段階でその復元の可能性をどのように御覧になってますでしょうか。

 

【知事】

まず年始に表明以来、多くの方から御賛同の声、また期待の声、一緒にやろうという、そういうお声をたくさんいただきました。また現実に近江八幡市を中心に、そのための協議会も立ち上げていただきました。様々な安土城にまつわる講座ですとか、ツアーイベントも好評を博しているということでございますので、その注目の高さはひしひしと感じるところでございます。

現時点、改めて安土城がどういう姿であったのかということについて、これまで残っているとされている記録の確認でありますとか、また平成の時代に行った調査、こういったものを改めて振り返る作業をしているところでございますし、こういった事ごとについては、さらに来年度、進展させる必要があるのではないか考えているところであります。

具体、そういったものの調査が進むにつれて、復元に向けた一歩というものも記していけるのではないかなと思っておりますので、まずは2026年安土城築城450年、この節目に向けたさらなる具体化を進めていきたいと考えています。

 

[びわ湖放送]

今の段階で、いけそうだとか、ちょっとなかなか難しいなというのか、そのあたりはいかがでしょうか。

 

【知事】

明治時代から150年、明治、大正、昭和、平成と様々な調査を行ってきたけれども、その姿、全貌がまだきちんと確認されていないという状況からすると、容易ではないと思っています。容易ではないと思っていますが、今一度、この令和の時代にさらに調査をかけて、どういった姿だったのかということについて明らかにしながら、復元に向けた歩みを進めていきたいと思います。

[中日新聞]

来年1月の大津市長選に向けての質問なんですけども、県庁所在地であり、中核市でもある大津市に対して、県として期待していることがあれば教えてください。

 

【知事】

まず4年に1度の市長選択の機会ですので、大事にそれぞれの皆様方がこの選挙を迎えていただければいいなと思っております。

 

[中日新聞]

県内で唯一の中核市であり、また県庁所在地ということで大津市の存在感というのは大きいと思うんですけども。そういう視点で、県として期待しているところがあれば。

 

【知事】

大きい中核市、県の中では最も大きい自治体でありますし、4人に1人が大津市にお住まいなわけですから、県庁も大津市にありますので、その行方を注目されている方は多いと思います。

 

[中日新聞]

こういうポイントで、特に推し進めていって欲しいとか、何か県としてあれば。

 

【知事】

一緒にやっていることもたくさんありますので。例えば、京都との近さから多くの観光のお客様をさらにおもてなししようとか、大河ドラマ「麒麟がくる」のゆかりの地が舞台になるなど、大いに可能性がありますし、琵琶湖、琵琶湖岸もしっかりと守ると同時に、さらに活かした様々な取組をやろうということもございます。

同時に、中核市ゆえに、例えば保健所ですとか、子どもの問題、児童虐待への対応等も、さらに連携を強化していかなければならないといったような課題もございます。大津市で起こった事故を機に、子どもの安全というものがさらにクローズアップされた件もございますので、どなたが市長になられたとしても、今後ともしっかりと連携を取っていけるように、心を砕いて参りたいと思います。

 

[朝日新聞]

大津市長選に関してなんですけれども、越さんが最初に出られたときは当時知事だった嘉田さんが応援に行かれたと伺っています。今回、三日月知事は、どなたかの応援に行かれる御予定は現時点であるかどうかお尋ねさせてください。

 

【知事】

私はいろんな選挙をいつも注目していますけれども、どなたの選挙にも選挙に対しては中立で臨ませていただきます。公務最優先です。

 

[朝日新聞]

もう1点、甲良町についてお尋ねしたいんですけれども、今年の初めに続いて町長への不信任決議の提出、町長が失職するという事態が続いているんですけれども、これについての知事の受けとめと要望等があればお聞かせください。

 

【知事】

どういうことが争点、問題になってこういう事態になっているのかということについては、私も詳しく承知していませんけれども、任期途中の町長が議会から不信任決議案を出され、可決されるということ。任期中に町長が失職や辞職されるということが繰り返されるということについては、とても心配しています。もちろん甲良町の自治の一環だと思いますが、町民の皆様もさぞかし心配だろうなという意味で心配しています。

 

[朝日新聞]

特に何かアドバイスですとか、要望をされる予定はありませんか。

 

【知事】

総務部市町振興課をして様々な助言や、また寄り添いをしていると思いますけれども、基本的には甲良町の自治の範囲内だと思います。ただ、年度末に向けて、予算編成ですとか、様々な行政的な対応も必要でしょうから、必要に応じて甲良町政の様々な支援は行っていきたいと思います。

 

[時事通信]

政府の方で新しい総合戦略がまとまったそうですけれども、県の方でも総合戦略が作られましたけれども、現状なかなか東京一極集中の流れは止まらない中で、関係人口とか、いろいろ話も出てきているんですけれども、そのあたりの知事の御所見をおうかがいできましたらと思います。

 

【知事】

先般も地方創生を担当されております北村大臣が御来県され、私は22日(日)の朝食で意見交換をさせていただきましたし、短い時間でしたけれども、精力的に県内琵琶湖博物館とビワイチの拠点の御視察をいただきました。地方創生に関して言えば、今も御指摘、御質問があったように、様々な取組は精力的に行われているんですけれども、東京への人口の集中、ある意味では流出に歯止めがかかっていないという状況がございます。

今回、閣議決定された総合戦略においては、例えば企業版ふるさと納税の拡充ですとか、様々な戦略の取組の使い勝手のよさというか、そういうものについて一定改善が図られたと承知をしておりますし、説明も受けました。

滋賀県では議会でもお尋ねがございましたけれども、平成27年度から30年度までの4年間で450世帯、760人を超える方々が移住をしてくださっています。そのうちの7割が20代から40代、いわゆる子育て世代と言われる年代層であったということからしても、必ずしも東京だけじゃない、都市部だけじゃないという、そういった志向を持つ方々も様々な取組等で増えつつあるという、こういう状況もあると思います。

先般、長浜市では人口減少問題を真正面からとらえようということで、若手の経営者が中心となって湖北の市民会議を立ち上げて、様々な取組を行っていこうということについても確認をされました。ぜひ、滋賀県産業振興ビジョンですとか、淡海子ども・若者プランですとか、今回我々も作っております総合戦略ですとか、様々なものを具体動かしながら、機能させながら、多くの方々に移り住んでいただけるような、また訪れていただけるような、そういう滋賀をしっかり地に足つけて、つくっていきたいと思っております。その中で、例えば大阪に住み働き、東京に住み働きながら、滋賀でも活動するといったような、いわゆる関係人口なども今後の滋賀を盛り上げていく1つの可能性だと思っておりますので、こういった施策についても積極的に取り組んでいきたいと考えています。

 

[NHK]

知事が最初に発表していただきました滋賀県ICT推進戦略に基づく取組、このLINEという、若者も多く使うITを応用しての取り組み、非常に先進的だと思うのですけども、改めてこのLINEと協定を結んだところのねらい、様々な用途はあると思うのですが、知事が一番期待していることっていうのは、やはりどういったことになっていくのでしょうか。

 

【知事】

今回、伺いますと、LINE株式会社、LINEみらい財団とこうして包括的な協定を結び、こういった取組をするというのは、滋賀県が初めてということでございますので、そういう意味では大変ありがたく心強いと思っております。先ほど御紹介したように、教育の面、また、防災の面、スマート自治体の面においては、こういったSNSを使って行えることというのが、まだまだたくさんあると思っています。とりわけLINEという手段は多くの方々が、これ日本だけでも8,200万人のユーザーがいらっしゃって、御質問にもありましたように若者を中心に、大変活用が広まっているということでございますので、特に若い世代に対しても、例えば、防災の情報提供でありますとか、教育の様々な取り組みでありますとか、最後に申し上げた、色んな悩みの相談に、このLINEを使って、問うていただく、答えていただく、こういうことについても、とても有効だと思います。したがって、しっかりと機能させられるように、そして、それらの取組がこの協定に基づく取組で、更に改善、充実させていけるように、取り組んでいきたいなと思っております。

 

[NHK]

先般、特に2学期明けの前後ですね、ツイッターで子ども達のいじめの相談に乗ったりとか、SNSを使った取組を滋賀県は非常に先進的にやっている印象がすごくあるのですが、そのSNSを使っている一方で、実際にそのSNSからホームページに今度入ると、ホームページの場所が分からないという話もちょっとあったりもしていて、そのSNSから緊急避難的に入ってきた人達の、ホームページの部分がやはりちょっとまだ改善してないというところも先般質問をしていますが、やはりそのあたりの改善も同様に求められてくるのかなと思うのですが、そのあたりいかがでしょう。

 

【知事】

まず、様々な先進的な取組を、自治体としても、これは県だけでなく市町も含めてしていく、これは是非、時代の流れをしっかりと掴みながら、さらに進めていきたいと思います。また、今、御指摘のあった、じゃあそういったSNSと、ホームページとの連動・連携、また、ホームページを更に使い勝手良く作っていく、作り直していくということもあわせて必要だと思っていますので、そのためにも、今回のこういった協定に基づく様々な取組をしっかり動かすことによって、もっとこういうことを改善する必要があるねとか、ホームページを通じてもっとこういう情報提供をし、スマートフォンと連動させることができるんじゃないかと、こんなこともぜひしっかりと掴みながら、取り入れていきたいと思います。

[読売新聞]

安土城の話にちょっと戻るのですけれど、改めて聞くのですが、知事としてどういう形での復元をイメージされているのかということとですね、調査なんですけれど、昭和の時代にはヨーロッパに調査に行かれたように聞いているのですが、まず復元にあたって確たる図面・絵図がないことが課題だと聞いているのですけれども、それがヨーロッパに一部あるのではないかという話もあって、昭和の時代には調査に行ったが見つからなかったっていう経緯があるように聞いているのですが、今後、県として調査団をヨーロッパとかに派遣する可能性、考えはあるのか、来年度以降の予算付けにも関わってくることだと思うのですけれども、その辺りのお考えをお願いします。

 

【知事】

最後にお尋ねのあった、今から出向いて行く、調査をするという予定はありません。ただ、これまで累次に渡り、行って何が分かったのか、何が分からなかったのかということを改めて再調査、調査を行ったことの再調査、これはする必要、する意味があるのではないかと思っておりますので、現時点、担当者をして、これまで行った調査でどこまで分かったのか、分からなかったのかということの確認をさせていただいているところです。あわせて、平成の時代に20年かけて、大々的な長期に渡る発掘調査を行いました。これにより、いくつか分かったことがあるのですけれども、しかし、まだそれらも比率にいたしますと、あの山の2割弱だというふうに伺っておりますので、さらにこういった発掘調査等についても、まだまだやる必要があるのではないかなと思っております。そういう中で、そういった発掘による調査と、これまで行ってきた調査の再調査、これらを行うことによって、今まで分かっていなかったこと、十分知られていなかったことについても、我々が知ることができるかもしれませんので、こういったことを一定積み重ねた上で、その先にある、じゃあ、どこにどうやって復元しようかというようなことについても、みんなで描いていければなというふうに思っています。

 

[読売新聞]

 建造物としての復元を目指していらっしゃるのでしょうか。それにはこだわらないのでしょうか。

 

【知事】

 建造物としての復元ができるかどうかも、よく見極めないといけないなと思いますね。そもそもどういう建造物であったのかということについて、十分、分かっていない段階で、いい加減な建造物を復元するわけにはいきませんので、その見極めは必要だと思います。

 

[読売新聞]

期待、希望としては、例えば3Dとかじゃなくて、形として復元がもしできるならばしたいというお考えをお持ちなのでしょうか。

 

【知事】

その見極めは必要ですけれども、どういうものであったのかということがはっきりすれば、確たる建物として復元されたらいいなと願っている人が多いことは承知をしています。その過程において、それができるまでの間において、様々な情報ツールを通じて、こういう姿だったと言われているということを体感できるような、例えば今おっしゃった3Dですとか、VRですとか、そういうもので体感できるような機会の提供というのは可能性があると思っています。

 

[読売新聞]

もし可能性としてですけれど、はっきり分かれば、形にするということも有り得るというか。

 

【知事】

見極め状況によっては、そういうことも有り得ると思います。

 

[読売新聞]

知事としてはそっちの方が良いかなって思っていらっしゃるのですか。

 

【知事】

 見極める必要があると思っています。

 

[朝日新聞]

そうしますと、今、近江八幡市さんの方で、ARで安土城の想像図を楽しめるようなサービスに取り組んでおられると思うんですが、そういった想像図での復元といいますか、建設というのも、知事のお考えとか、選択肢の中にはあるのでしょうか。

 

【知事】

 あると思いますね。

 

[朝日新聞]

必ずしも100%分からなかった場合に、今分かっている情報から、どなたかに設計・デザイン等を依頼してということですか。

 

【知事】

まず、特別史跡ですので、わからないまま、いい加減な情報を元に復元することっていうのは憚られるというか、そういうことをやっぱりやるべきじゃないと思っていますので、そういう意味で、どういう姿だったのかということを、やっぱりみんなでしっかりと確かめる必要があると思います。その上での復元ということになると思いますけれども、その際には、じゃあ、どこにどういう形で復元するのか、そこに至るまでにどうやってみんなで、そういったものを見られるようにするのか、これはいろんなやり方があるのではないかと思います。

[京都新聞]

今のお話の安土城の復元なのですけれども、お話を聞いていると、年初の段階から今年は色々調査をして調べるといったところで、あまり進展を感じられなかったのですけれども、知事は来年度予算にも安土城を検討されているということで、今年の1年間で何を達成されたかというのをちょっと教えてもらえないでしょうか。

 

【知事】

今年1年でいうと、今後に向けて、どういう体制でどんなことをやっていくのかというのを描いてきた1年だったかなと振り返っています。造られてから、燃やされてから400年経っていますので、その間、いろんな時代の移り変わりもありましたので、そんなに簡単なことじゃないと思っているのですけれども、また、所有者の方の御理解をしっかりと得て、また地元安土、また近江八幡市の御理解や御協力、こういったものを得ながら進めていく、こういう事業だと思います。

年初に表明以来、そういうものを作ってきた、束ねてきた、そういう1年だったのではないかと思います。したがって、ある意味ではこれからではないかなと思いますので、来年度に向けても、そういったものが、じゃあ来年度どこまで進めていくんだということがより見えるようにしていきたいなと思います。

 

[京都新聞]

大津市長選に関してですが、知事は中立ということは重々承知しております。今回は、県会議員の佐藤さんと、越市長の後継と目されている小西さんが出馬の意向をされていますけれども、お二人から支援の要請はありましたでしょうか。

 

【知事】

小西さんは、まだ私お会いしたことが無いのですけれども、佐藤さんは県議会議員として、いろんなお付き合いをしてきましたし、御表明をされた後もお会いすることはございます。そういうことを決めたということは、私にもおっしゃっていただきましたけれども、多分、私の方針を御存知いただき、御理解いただいているからだと思いますけれど、選挙で何か明確な支援要請というものがあったとは承知していません。

 

[京都新聞]

お二人ともから、特に受けてはいらっしゃらないということなのですね。分かりました。最後に野党再編のことをお尋ねしたいのですけれども、国民民主党、立憲民主党、社民党と、今、合流の協議が活発になってきましたが、民主党の国会議員でいらっしゃった知事はどのように見ていらっしゃるのかを教えていただけないでしょうか。

 

【知事】

国民民主党と立憲民主党と社会民主党が合流しようということで、枝野代表が呼びかけられて、今、様々な協議が行われていると承知をしています。それぞれ、別の政党が元々一緒にいた仲間も含めて1回分かれてしまった政党が、もう1回、一緒になるということはそんなに容易ことではないのだろうなと思います。もちろん政党ですから、理念や政策等をしっかりとすり合わせる必要があるということがあるでしょうし、様々な感情的なものもあるのかもしれません。しかし、いろんな選択肢が、ある意味ではたくさんあった方が良いという面もあれば、議院内閣制で政権選択が問われる選挙などの場合は、やはり対峙する、対峙できる野党も必要だということだと思いますので、そういったことを目指して、今、精力的な協議が行われているのではないかと思います。私も報道でしか承知していませんけれど、大変な作業してくださっているのだろうなと、推察いたします。

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