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知事定例記者会見(2019年11月25日)

令和元年11月25日
(県政記者クラブ主催)

【知事】

おはようございます。今日もよろしくお願いいたします。

資料に基づく話題提供の前にまず1点、全国知事会の次世代育成支援対策プロジェクトチームの要請活動を、国に対して、政府に対して行う予定でございます。御案内の通り、全国知事会の体制が変わったことを受けまして、次世代育成支援対策プロジェクトチームのリーダーを拝命することとなりました。もともとプロジェクトチームができたときのリーダーが尾崎高知県知事、次に山口県の村岡知事、そして今回が私ということで、若手知事を中心に、次世代育成に力を入れようという知事が主にこの役を仰せつかっているというところで、幼児教育の無償化の流れですとか、少子化対策ですとか、また安全確保、児童虐待防止、貧困対策等々、この分野の課題は、ある意味では可能性ですけれども、たくさんあるということでございます。その意味で国と地方が一体となって様々な取組をつくり、進めていくという意味において、大変大きな責任を担うことになったなということを自覚しております。

来年は全国知事会議が滋賀県で開催されますし、その際に、このテーマでのセッションも予定し、現在準備検討をしているところでございます。知事会としては少子化対策及び困難な環境にある子どもへの支援策の抜本強化に向けた緊急提言を国にお届けすることにしています。サブタイトルとして~子育て三方よしスマイルプロジェクト「子によし、親によし、未来によし」~ということでとりまとめております。

国会日程等によって様々な都合、事情が変更する可能性がございますが、明後日、令和元年11月27日(水)の午前中に、厚生労働省、内閣府、文部科学省へ要請をする予定になっておりますので、在京メディアの皆様方の御取材、お問い合わせ等よろしくお願いいたします。

 

それでは、もう1つ、これ以降は資料に基づいて、御案内させていただきます。今日は3点、御紹介いたします。1点目は12月16日(月)に行います「災害広報シンポジウム」についてでございます。かねてから様々な問題提起もいただいておりますが、台風19号はじめ、今年も各地でたくさんの自然災害に見舞われ、また甚大な被害、爪痕が残されております。改めて被災され、復旧復興の途にある皆様方に心からお見舞いを申し上げたいと存じますし、1日も早い復旧復興をお祈り申し上げたいと存じます。今回の台風、いろいろと聞いてみますと、また報道等に接してみますと、自分が被害を受けると思わなかったと、また被害があったとしても、こんなにひどいと思わなかった、浸水まですると思わなかったと言う方がいらっしゃるということだったそうでございまして、自分の住んでいるところだとか、あと工場等にどれだけのリスクがあるのかということについて、今一度、知っていく必要があるだろうということを考えています。その意味においてもその出発点でありますが、災害の危険性をいかに「自分ごと」としてとらえていくのか。今回は台風が来なかったからよかった、来たけど被害がなかったからよかったということではなくて、他の地域で起こったことを自分たちの地域で起こったとしたら、降ったとしたら、浸水したとしたらということを絶えず考えることが大事なのではないかと。その意味において、今回のシンポジウムでは平時も含めて、災害から住民を守る情報をいかに届けるのかということで、そういったテーマで公開の場で議論をいたしまして、県民の防災意識の向上を図っていきたいと考えています。

このシンポジウムにはLINE株式会社から公共政策室長福島直央さんをお迎えしまして、国のAI防災協議会の取組等についてお話をいただく予定ですし、その後のパネルディスカッションではファシリテーターにNHK大津放送局大山アナウンサー、番組等でも常日頃、防災のテーマでお話をしていただいております大山さんをお迎えし、パネラーに京都大学防災研究所矢守克也先生、先に申し上げましたLINE社福島さん、そして、東近江市等皆さんにも御参加いただいて、FM滋賀の井上麻子さんにも加わっていただいて、「我がこと」として考えていただくようなきっかけを作りたいなと思っております。応募要領等は記載の通りでございます。ぜひ、御取材等よろしくお願いいたします。

 

続いて2つ目は、現在、観光キャンペーン「戦国ワンダーランド滋賀・びわ湖」を開催中でございます。その一環といたしまして、大阪で物産展を開催するという御案内でございます。来月12月11日(水)から17日(火)までの7日間、大阪のあべのハルカス近鉄本店において、滋賀の物産展「味と匠の祭典滋賀・びわ湖展」を開催いたします。県外での大型物産展は、これまで東京日本橋高島屋の「大近江展」で盛大に開催していただいておりますし、来年も開催していただくということでございますが、様々なキャンペーンの一環で今回大阪で初めて開催することとなりました。2大都市で滋賀の物産の魅力をしっかりと発信をしていきたいと考えております。

販売品目といたしましては、近江牛やその関連商品はもちろんですが、ふなずし、日野菜漬といった郷土料理、糸切り餅などの和菓子やスイーツ、近江の地酒など、滋賀ならではの食をとりそろえています。その他、和ろうそくや陶芸製品、長浜黒壁のガラス製品、麻製品など様々な工芸品も取りそろえて滋賀の魅力を凝縮したラインナップとされているということでございます。

会場全体を戦国をテーマに装飾いたしまして、赤備えの甲冑の展示や、おもてなし武将隊「信長隊安土衆」にも御出演をいただき、来場者に「戦国ワンダーランド滋賀・びわ湖」を知っていただく、その雰囲気を感じていただく、そういった催しも行う予定でございます。ひこにゃんの来阪も予定されていると聞いています。

今回の開催にあたりましては、全国滋賀県人会連合会、大阪滋賀県人会をはじめ、関西の滋賀県人会の皆様の御協力もいただいております。びわこビジターズビューローも主体的に、現在、準備調整にあたっているということでございます。先般、私自身も近鉄百貨店本社を訪問し、改めて現地を確認した上で、協力の要請をしたところでございます。近鉄百貨店様におかれては草津店で、常設の滋賀物産展を開催していただいているなど様々な地域貢献で地域振興の取組も行っていただいておりますので、今度は大阪のまさに中心部であるあべのハルカスで大々的にこの年末に物産展をやろうということでございます。初めてですので、1つの大きなチャレンジだなということで、一同、大変気合いが入っておりますので、皆様方にもお越しいただければと存じます。

 

最後3点目は、第一生命のサラリーマン川柳とコラボした地元版サラリーマン川柳コンクール「淡海のお国自慢サラ川」でございます。第一生命保険株式会社とは、平成30年7月に包括的連携協定を締結いたしまして、その場で同社の滋賀支社様にお声がけをいただいて、このコンクール実施の運びとなったということでございます。テーマは本県で「滋賀県のお国自慢」と決めさせていただいて、県民の皆様に川柳を考えてもらう過程で、滋賀県の魅力を再発見していただければと考えたところでございます。

入選作品には滋賀県特産品の近江牛などの豪華賞品が贈られるということでございます。滋賀県からは佳作の賞品として琵琶湖博物館の入館券と、琵琶湖モーターボート競走場のオリジナルグッズを提供しようと考えております。

最優秀句は、お手持ちの資料の通り「延暦寺比叡のもみじ秋燃やす」ということでございまして、本日は第一生命保険株式会社からご担当の乗田さんにお越しいただいておりますので、補足説明をお願いいたします。

[第一生命保険株式会社]

この度、地元版サラリーマン川柳コンクール「淡海のお国自慢サラ川」を実施させていただき、8月1日から9月30日までの応募期間で102句を御応募いただきました。応募いただいた滋賀県民の皆様には感謝申し上げます。

入選作品につきましては、2020年1月下旬発表予定の第33回サラリーマン川柳の「全国優秀100句」と一緒にPRする予定です。昨年のサラリーマン川柳の一般投票では10万7千人のサラリーマン川柳ファンの方に投票いただきました。県外のサラ川ファンの皆様にも滋賀県発の地元サラ川を御覧いただき、滋賀の魅力を少しでも感じていただけたらと思います。

 

【知事】

表紙に載ってますけど、私が面白いなと思ったのは入選句「競い合うボート・自転車鳥人間」、佳作「サラダパンサラダちゃうやん!たくあんやん!!」が面白いなと思いながら見ていました。またいろんなお取上げ等いただければと思います。乗田さんはこの後も残られますので、御取材等ございましたらよろしくお願いいたします。私からは以上です。

[朝日新聞]

 最初に、話題提供いただいた災害広報シンポジウムについて確認をさせてください。ここは県民にどのように防災情報を伝えるかということがテーマのパネルディスカッションであるとの御説明をいただきましたが、このパネルディスカッションの結果を、どのように今後県としては活用していきたいというおつもりか教えていただけませんか。

 

【知事】

よく聞いてみたいと思います。いろんな悩みも含めて。あと、様々な避難情報等が報道で出されます。それを報じてらっしゃる側、それを例えば行政から発信される側、それを受け取られている側、意図通り伝わっているのかなど、そういったことも確認しながら、またそれが避難行動に結びついているのかとか、情報が入っても、避難したくてもできない人がどれだけいらっしゃるのかとか、夜間の伝わり方がどうなのかとか、ホームページ見てくださいと言ってもホームページ見に来た人にしか伝わらない情報提供のあり方がどうなのかとか、情報という意味においてはたくさんありますね。テレビを点けてくださいと言っても、停電していたら点かないじゃないかとか、様々ある課題を少し公開の形で出していただいて、それらを例えばコーディネーターの方や、報道する側の人たちに、ちょっとこう取りまとめいただきながら、何か重要な課題等があれば、県としても、施策に反映するなり、防災プランに反映するなり、様々な形で対応を検討していきたいと考えております。

 

[朝日新聞]

今回、公開であることがひとつポイントであるかと思うんです。県の施策について考えたいだけであれば、庁内にこういった有識者の方をお招きいただいて協議会という形でもよかったと思うんですけれども、今回県民の方を100人招いて公開で行いたいという、そのねらいについて改めてお願いします。

 

【知事】

みんなで一緒に考えたいということです。

 

[朝日新聞]

 そうすると来場者の方も意見を言える時間はあるんですか。

 

【知事】

 工夫すると思います。来ていただくのに何も意見を言わずに帰っていただくというのでは、もったいないなと思います。

 

[朝日新聞]

国スポの関係なんですけれども、ラグビーの会場がまだなかなか決まっていないということで、野洲市さんの方に聞くとなかなか県との協議がそもそも進んでないような話を伺ったんですけれども、これもちょっと先週ぐらいのお話ですので、現在の状況ですとか今後の予定について教えていただけませんか。

 

【知事】

7月以降、担当レベルでも、どういう選択肢があるのかということについて検討をしています。それらをまだ具体的な協議段階として、野洲市ならびに野洲市長にお示しできてないという意味において、進んでいないとおっしゃっているのではないかと推察いたしますが、実務レベルでは、例えば野洲市さんとの間でも、それ以外の市町さんとの間でも、どういう方策があるのかということについて、随時、協議検討をさせていただいております。

いずれにいたしましても、そんなに時間があるわけではありませんので、できるだけ早く、こういう形で開催することになりますということがお示し、御説明できるようにしていきたいなと思います。

 

[朝日新聞]

前回の定例会見ではまだ「ぜひ野洲市で」というところではなくて、やはりほかの会場ですとか、そういったことも含めて選択肢を検討されているというお話だったかと思うんですけれども、この状況はそのままということですかね。

 

【知事】

少し私の考えなり答えたことが正確に伝わってないのかなと今の御質問を聞いて思ったのは、2024年の国スポ大会のラグビー競技については、希望が丘文化公園を唯一の会場として考えております。

その希望が丘文化公園の主たる面積を所有してらっしゃる野洲市さんが、その開催市としてふさわしいのではないかという、こういう方向性は私ども今も持っています。

ただ体制の面で課題があることを御提起いただいておりますので、それらをどう克服していけるのか、そういうことについて、なお検討しているということでございます。

 

[朝日新聞]

つまり体制をどのように克服できるかという選択肢を検討されているということですか。

 

【知事】

そうですね。それにまた必要な開催市、町の変更があるとすれば、そういったことも検討していかなければならないということです。

 

[朝日新聞]

別件で琵琶湖文化館についてお尋ねしたいんですけれども、先週あった公開の懇話会の場で、やはり大津エリアに作る方向でという御意見があったかと思うんですけれども、なかなか大津地域に場所がないように思いまして、瀬田ぐらいなのかなというふうに思うんですけど、知事として、ここがいいというお考えとかは今ありますか。

 

【知事】

現時点で持っていません。今の文化館が大津にあって、休館してから長期間たってしまっており、収蔵させていただいている文化館の耐震性等についても課題があったり、十分活用できてないことに対する寄託者の皆様方の御懸念があったりして、懇話会において機能をどう継承するのかということについて御検討いただいています。

その中で、こういう機能が必要だっていうのは、みんなでまとめるので、その機能を持つ施設をどこに持つべきなのかということについて、できるだけ早く方向性を出していくべきじゃないか、ということで、いろんな観点から、例えば人口面ですとか交通面ですとか、文化財を所有されている寄託者の皆様方がどこに所属されているかとか、そういったことをもとに、大津という場所がいいのではないかということを御検討されていると私も承知しております。

現時点で、具体的に大津のこの場所でというのを、県なり知事である私が何かアイデアを持ち合わせているかというと、現時点では持っておりません。

やはり、今回懇話会をやってみて、改めて突きつけられているのは、大切な文化財をどう収蔵し、ある意味では保存をし、しっかりとした体制でもって、活用していくのかということについて、美術館(のリニューアル)が止まったのはわかるけれども、こんなに長く休館したままでいいのかということで、できるだけ早く次の方向性を出していかなければならないということについては、強く問題提起をされていると受け止めていますので、懇話会での御議論等もよく勘案した上で、それを受けた方向性の検討はしっかりと行っていきたいと思います。

[朝日新聞]

これは本当に素人考えなんですけど、西武大津店さんの跡地とかにはできないんですかね。

 

【知事】

そんなに簡単なことではないと思います。何となく空間的に時間的に、閉まるものと閉まったままのものとがあるので、なんかやれるんじゃないかというアイデアはアイデアとしてあるんでしょうけども、簡単なことではないと思います。

 

[中日新聞]

先週の政策協議会の中で、日米貿易協定の県に与える影響について懸念というか、そんな声が政党の方からも出ていたと思うんですけど、現時点でどんな影響が県に出そうかということをわかっている範囲で教えてください。

 

【知事】

日米貿易協定の議案が国会において衆議院を可決したことを受けて、ある政党会派からその影響を懸念するお声が寄せられたということです。現時点で県として日米貿易協定に基づく試算を出しているわけではありません。農業団体の皆さんが、一定の前提のもとで試算をされていると承知をしています。県としてもどういう影響があるのかというのを試算する必要があると考えてますので、今検討を指示しているところです。

 

[NHK]

韓国からの観光客について、日韓関係の悪化とともに、九州南部を中心にかなり激減しているという報道もありますけども、改めまして県内への影響と、もし対策とかを検討してらっしゃるのであれば、それについてもお願いします。

 

【知事】

直近の状況、つかめている数字の御紹介で申し上げれば、今年の8月の韓国からの外国人宿泊客数は1,080人ということで、昨年同月比60.6%のマイナスとなっているということでございます。ちなみにということで申し上げれば、この数字は滋賀県全体の総宿泊客数59万1千人、約60万人いらっしゃるうちの0.2%という数字でございますので、全体に及ぼしている影響は限定的ではないかと思っております。ただ、1ヶ月で見ると、昨年同月比でこういう大きな落ち込みがあるということは事実としてあると思います。また、びわこビジターズビューローのホームページの直近1ヶ月10月時点の韓国語ページへのアクセス、これを調べてみますと、こちらは前年同月比で32.8%減少、特に調べてみますと韓国国内からのアクセス数が40.4%減少しているということなど、一定の影響が本県の観光にも見られるのでないかと捉えています。

今日のお昼にも、ある調査会で外務省の元次官の講演を拝聴しますし、韓国の総領事との交歓・交流も今週予定しておりますし、東京では、またある調査会に出かけていって、日本に駐在される韓国の大使の御発言や御見解等も確認させていただく機会を持つ予定でございます。

GSOMIAの継続なども一定、方向性を出されたということなどを受けて、日韓関係がどのように変わっていくのか、単に政治的な関係だけではなくて、こういった経済的なことや、観光に及ぼす反応等にどのようにそれらのものが現れてくるのかといったようなことも注視していきたいと思います。

滋賀県といたしましては、例えば、先週末の長浜で開催された、雨森芳州先生、誠信の交わりゆかりの地の、ああいった交流でありますとか、日韓で生産活動されている企業様の様々なお取引でありますとか、そういったことが政治状況に影響されない形で継続できるようにしていこうということを呼びかけているところでございますので、こういったことをしっかりと後押しできるように頑張っていきたいなと思います。

 

[京都新聞]

2014年の制定から5年目を迎えている流域治水推進条例について聞かせてください。来月には災害広報シンポジウムもされるということなんですけれども、この条例では「ながす、ためる、とどめる、そなえる」というのを水害に強い地域づくりを目指していくということで制定されていると思うんですけれども、その条例の今の進捗状況を知事御自身はどのように考えていらっしゃるか、まず教えていただけますでしょうか。

 

【知事】

条例に記載されている、条例の目指す施策の進捗状況という理解でお答えをさせていただくとすれば、私はこの条例というのは、全国に大変重要な投げかけをし、先駆的な取組を試行し始めたんじゃないかなと思っているんです。それは、こういった浸水リスク、治水対策というものは、川の中だけで何か掘った、広げた、高くしたということだけで治められるもんじゃないよねと。想定を超えて、降り、流れ、溢れることも想定し、かつ、そういった川を流れる、雨で落ちてくる水は回りまわって内水氾濫としても出てくるんだから、そういうものも含めてリスクというものをしっかりと分析の上、周知するべきだという、こういったことを投げかけ、地先の安全度マップというものを、それぞれ10年確率、100年確率、そして200年確率という形で作り、周知を図ろうとしています。かつ、その情報をできるだけ多くの方々に、例えば、そのリスクの高い地域においては、区域指定をして、その情報をしっかりとお知らせすると同時に、区域の指定ができた場合には、その後の、例えばかさ上げ等に公的な補助を入れていくという、こういったことまでセットでやってきた、こういう条例だと思います。現在、約50の区域指定を目指す各地区においては、勉強会や、それぞれ段階を経た説明会等を開催させていただき、これまで2地区で区域指定が完了しているということでございます。その他の地域においても、こういった浸水リスク等の共有のための場づくりが、精力的に行われていると承知をしています。また、この条例でうたいましたハード・ソフト両面での治水対策につきましても、もちろん県の予算もございますし、国の補助金や交付金も活用しながら、各地の河川整備が、様々な進捗をみています。

この条例が制定された以降、例えば丹生ダムの中止が正式に決定いたしましたが、その下流である高時川、合流いたします姉川の治水対策をどうするのかという河川整備計画が正式に決定をし、具体の対策がとられていますし、県内でも有数の暴れ川である日野川、これは支川の新川が2年前に決壊いたしましたけれども、日野川の河川整備を進めていこうということで、今下流から順次進めてきていますが、交付金の不足でなかなかその上流の見通しが立たなかったところ、今年度から個別補助金化されて、他の交付金の財源を奪い合うことなく、日野川の対策を本格的に講じることができています。

こういったことに見られますように、ハード・ソフト両面の対策が一定進んできているのではないかなと思います。ただ、全国各地で、それでもまだまだこういった情報を知らない、知っていてもリスクを十分に理解できてないという、例えばアンケート調査でありますとか、情報が届いていない、届いてもなかなか逃げられないというような、そういった被災等も例としてありますので、さらにこの流域治水の取組を深化、強化させる観点で、対策を検討すべしということを今庁内でも申し上げているところでございます。情報の伝え方含め、これからしっかりと対策を講じて参りたいと存じます。

[京都新聞]

その情報の伝え方の部分で、条例でも県民と危険性を共有するっていうのをうたっているかと思うんですけども、その情報共有について、知事が目指すところを100点とすると、今何点ぐらいの状況にあるとお考えでしょうか。地先の安全度マップを作って公開しているということも既にされておられるわけですけれども、今どれぐらいのところに来ているとお考えになりますか。

 

【知事】

難しいのは、やはり全ての人の命を守る、どういう洪水があったとしても命を奪われないという、全ての県民の命をお預かりするという立場にある者からすると、この治水リスクに対する向き合い方というのは、常時隣に川が流れていて、天井川になっているという地域の人達と、マンションの上に住んでいる人達とでは、少し差があるように思います。とはいえ、マンションの人達でも、例えば神奈川県のああいった被災に見られるように、直接水はかぶってこないかもしれないけれども停電等によるリスク等が今回顕在化したでありますとか、天井川と知ってはいるんだけれども、地区指定まではまだということで、理解に十分届かないようなそういった事例もあると思っておりますので、そういう意味で点数をつけるのは難しいかもしれませんけれども、まだまだ及第点にも達していない状況ではないのかなというふうに思います。災害対策に100点、万全はないということからしても、まだまだ高めていかなければならない課題ではないかなと思っています。

 

[京都新聞]

今、浸水警戒区域のお話がありましたけれども、この建築物に制限をかけるというこの区域指定というのがこの条例の肝なのではないかと思うんですけれども、今現状として50の区域を目指していて、2区域にとどまっていると、その状況については今後スピードアップや、これは強化していく部分に入るのかどうかというところを教えてください。

 

【知事】

当然、強化していかなければならないテーマだと思っています。とはいえ、経済活動の制限や、私有財産に対する規制というものは、そう簡単ではないと思います。今あるものに対する評価をどうするかということも含めて簡単ではないと思う。しかし、例えば県内でも工場に浸水し、油が流出し、様々な農作物への影響が出たり、他の地域でも、もっと早く知らされていれば、こういった開発はなかったのではないかというような例が見られることからしても、浸水リスクもそうですし、土砂災害のリスクもそうなんですけれども、こういったリスクというのは、できるだけ早く広く知って備えること、そういったことが大変重要だと思いますので、そういう観点から、区域指定もさらに強化していきたいし、その他のリスクの開示や、その説明を県だけが言うのではなくて、それぞれの民間の事業者の皆様方に行っていただくといった取組ですとか、さらにそれらに例えば政策手法ですね、規制という概念もあるでしょう。税制という手法もあるかもしれない。様々な形でそういったリスクの開示や、備えが進む、そういった検討を不断に行っていかなければならないのではないかと思います。

 

[読売新聞]

来年、2020年度に大学入学の共通テストで英語民間試験の活用が延期されたという問題が少し前にありまして、この件に関する知事の受け止め方と、あと受験生も混乱されたんじゃないかと思うんですが、それに関するコメント、あと県立大学を所管されていると思うんですが、国の方が12月13日を目途に、独自に民間テストを行うかどうかというのを公表するようにと言ってきているかと思うんですが、今、県立大学ではどういう動きになっているのか教えていただければと思います。

 

【知事】

まず今回のこういった英語民間試験を実施すると言っていて、見送りになった、このことをどう受け止めるのかということについては、困惑しています。やるといったり、やらないといったり、困ったなと。その世代の子どももいるし、どうなるんだろうという方がいっぱいいらっしゃると思います。そういう意味で困ったな、どうなるんだろうという不安がございます。その上でどうするのかと、とはいえその英語のレベルを上げていく必要性、それらを一定の尺度でもって測り、それらを試験する、それらを条件としていく。こういうことの検討の必要性っていうのは理解いたしますので、その方向性ができるだけ早く作り出されるように願っています。

ちなみに県立大学においては、当初、令和3年度の入学試験で、英語の民間資格検定試験とCEFR(セファール)との対照表のA1レベル以上、実用英語技能検定試験では3級以上の英語能力を有することを出願資格としていたそうでございますが、11月1日に文科省から、こういったシステムの導入を見送るとの発表があったことを受けまして、県立大学においても令和3年度入学者選抜において、英語の民間資格検定試験の活用を取り止める方向であると聞いています。その次はどうするんだとか、そういったこともできるだけ早く方向性を出していただくように求めたいと思います。

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