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知事定例記者会見(2019年10月15日)

令和元年10月15日
(県政記者クラブ主催)

【知事】

おはようございます。今日もよろしくお願いします。

週末、日本列島を襲来いたしました台風19号は、広い地域で、甚大な被害をもたらしました。被災された方に御見舞いを申し上げますとともに、お亡くなりになられた方々にお悔やみを申し上げたいと存じます。また、現在も救出作業中という方も大勢いらっしゃいます。1日も早い救出、また、できるだけ早い復旧を心から願っております。

発災直後から、本県から警察の広域緊急援助隊が派遣をされているということで、現地からは2名の方の救出に関わったという報告を今朝受けております。また、お配りしております資料の通り、全国知事会、関西広域連合等とも連携しながら、本県からは宮城県に職員3名を本日から派遣をいたします。3名のうち1名は保健師でございます。被災地のニーズを今週把握の上で取りまとめ、今後の支援活動に役立てていきたいと考えております。

今朝行われました経営会議で、私からは今のようなことを再確認すると同時に、まず、被災地の支援に全力を挙げようということ、また今回の被災も、教訓としながら防災力の強化にあたろうと。とりわけ、今回、夜間の河川の増水また氾濫というものが多くあったと。こういった事態への対処、また改めて地先の安全度、リスクを周知、共有することの大切さを痛感いたしました。

本県で進めておりますハード、ソフト両面の流域治水の取組をさらにしっかりと展開しようということ。また、すでに対応し始めておりますが、不幸にしてヘリコプターで救助中に転落をされお亡くなりになったという事態もございました。本県の防災ヘリの救助手順を再確認するように指示をいたしました。

また、今回の台風災害に対応する市町の職員さんが、対応中にお亡くなりになるという、そういう事態も発生しておりますので、情報収集の上、こういったことがないように対処するよう経営会議で再確認したところでございます。いずれにいたしましても、派遣する職員ともども被災状況の把握と、また復旧支援に全力を挙げたいと存じます。

 

それではお手元にお配りの資料に基づきまして私からは大きく3点、御説明をさせていただきます。まず1点目は、今年度の滋賀県文化賞等の受賞者が決定しましたという発表でございます。

資料にあります通り、滋賀県文化賞等は、県民の文化の向上発展に寄与され、その功績が顕著なものを顕彰するものでございまして、昭和51年から実施をしています。44回目となります今年度は、7名2団体の方々を表彰することを決定いたしました。「滋賀県文化賞」は彫金師の小林正雄さんでございます。全国有数の神社仏閣で使用される錺金具(かざりかなぐ)の制作や文化財の復元を手がけてこられたということでございます。「文化功労賞」は、びわ湖ホールのオペラ上演を支えてこられましたコレペティ トゥアという、オペラ歌手に曲を教える講師として、発声、発音、演技と多岐にわたって指導を行われるという、オペラ上演には欠かせない存在ということでございますが、それをなさっておられます岡本佐紀子さん、また長年にわたり地域の民俗文化財を調査研究してこられた田上郷土史料館様、滋賀を代表する演奏団体の1つでありますフルートオーケストラ湖笛の会(うみぶえのかい)会長の松山克子さんが受賞されると。また「文化奨励賞」は昨年話題となりました大ヒット映画「カメラを止めるな!」の監督であります上田慎一郎さん、びわ湖ホール声楽アンサンブルのメンバーで結成され、笑いを交えた楽しいステージ、本格的な歌声で話題呼んでおります、びわ湖ホール四大テノール様、陶芸の森でアーティスト・イン・レジデンスも経験された美術作家の度會保浩さんが受賞されるということでございます。「次世代文化賞」は、この春、ブリュッセルで開催された国際コンクールで見事1位を獲得されたヴァイオリニストの堀内星良さん、絵画史の流れを参照しながら新たなイメージを見出している美術作家の薬師川千晴さんが受賞されるということでございます。

今年度の特徴といたしましては、映像部門からは、上田慎一郎さんですね、昭和56年以来の受賞であるということでございます。普段なかなか光が当たらないコレペティ トゥアの方が受賞されること、この2つのことが特徴として挙げられるのではないかと思います。ぜひ、こういった方々にも光を当てることで、顕彰させていただくことで、今後そういった道を目指す方が増えることも願っているところでございます。受賞にかかります贈呈式は11月1日(金)、午前10時半から滋賀県公館で行う予定でございます。ぜひ御取材等、お越しいただき、受賞者の方々の御功績を広く知っていただけるよう、またお称えできるようにお力添えいただければ幸いでございます。

続きまして、今回「湖東麻織物と信楽焼のコラボで織りなす滋賀の色」を紹介させていただきます。滋賀県の地場産業である湖東麻織物と信楽陶器のコラボ製品ということでございます。

東北部工業技術センターと信楽窯業技術試験場が技術移転した滋賀の色「ひいろ」の近江の麻バンダナと信楽焼のバンダナ留めということでございます。信楽焼の色からデザインされた湖東麻100%素材のバンダナは、陶器を焼く窯の炎の「火色」、陶器に表れた「緋色」、そして焼く途中で薪の灰が降りかかり、土に含まれる長石とともに溶け出し、ガラス質となったビードロ色を添えたデザインでございます。また「ひいろ」には文学的表現として「思ひの色」というものがあるそうでございまして、燃える思いを託した色の名前でもあり、私たちの滋賀を思う思いの色、ひいろのバンダナというものでございます。

地場産業の湖東麻織物と信楽焼のコラボレーションが特徴でございまして、地元の障害者福祉施設も製品化に加わっていただいているということでございます。「みんなが滋賀思う、思い色」のバンダナと、バンダナ留めのセットができたというものでございます。

バンダナは近江八幡市にある湖東繊維工業協同組合直営ショップ「麻香(あさがお)」と滋賀県立陶芸の森の陶芸館にて、それぞれ限定20枚を店頭販売するそうです。陶芸の森では、まさに湖東の麻と信楽焼のコラボ商品であるバンダナとバンダナ留めのセットを販売されるということでございます。御好評だと追加生産があるかもしれないということでございます。私の胸元にあるこのポケットチーフも、バンダナやハンカチーフと同じ生地でできているということだそうでございまして、ハンカチを作る時に出た端切れを再利用したポケットチーフでございます。この夏からネクタイをしないときはポケットチーフをしようということで愛用しているんですけれども、ぜひ、こういったポケットチーフなどもモニタリングして販売する予定ということでございますので、乞う御期待ということでございます。

みんなで、お洒落に地場産品を使って、この「スカーレット」にも絡めて、緋色にも絡めて地域を盛り上げていきたいと考えているところでございます。

最後に御紹介しますのは、今月のイチオシということでございまして「やまシリーズ」。今日、御紹介いたしますのは、資料にもございますが「中央分水嶺高島トレイル」についてでございます。

中央分水嶺とは、雨水が日本海側と太平洋側に分かれて流れる境界線のことでございます。そして高島トレイルとは、滋賀県の北西部に位置する高島市にある12の峰と12の峠をつないだ全長80キロメートルにも及ぶ中央分水嶺に沿って整備されたトレッキングコースのことでございます。このトレイルの特徴は、尾根を縦走していると眼下にはダイナミックに広がる琵琶湖の風景と、振り返ると山を越えた先にたたずむ日本海を一度に望むことができ、自然の雄大さが大いに感じられるロングトレイルというのが非常に魅力だということだそうでございます。

また様々な様相を呈する季節の風景、多種多様に彩る花々が登山者を飽きさせることなく楽しませることができ、2回目、3回目と複数回登ることで、いろんな新しい発見と気づきを与えてくれるということでございます。標高も1,000mを超えない、程良い高さの山々でございまして、誰もが楽しめるイチオシの観光スポットでございます。

今日は高島市から2名のゲストの方にお越しいただきました。商工観光部観光振興課の講殿航(こうどのわたる)さんと伊藤一織(いとういおりう)さんでございます。せっかくの機会ですので、補足説明、PRをお願いいたします。

 

[高島市]

御紹介いただきました高島市観光振興課の伊藤と申します。本日は、高島トレイルの取組状況について御紹介させていただきます。

主な取組としましては6つございまして、まず1つ目は「登山道の整備」をしております。登山道の整備につきましては、具体的には倒木の撤去であったり、枝払いや草の刈取り等をしております。次に2つ目としましては、山岳パトロールを実施しておりまして、こちらでは簡易な枝払い、すぐに処置できるような枝払いと、危険箇所がないかの確認をして、登山者の安全確保に努めております。3つ目ですが、登山となりますと遭難の危険もございますので、そういったことがないように、遭難防止啓発活動をしております。こちらは高島トレイルクラブさんと警察署と消防本部、また山岳に関係する行政機関が中心となって行っておりまして、具体的には登山口にて登山届の提出の案内であったり、(登山者の)装備の確認をしております。また啓発グッズの配布もさせていただいており、登山に来られる際には、危険がないように、できるだけ啓発活動に取組んでおります。

以上の3つが主に登山者の安全を確保するための活動でございまして、残りの3つについては、高島トレイルを、よりたくさんの方に知っていただくために力を入れております広報活動になりますので、そちらも御案内させていただきます。

4つ目は、情報発信活動です。具体的には今年の夏に名古屋で開催された全国最大級の山岳に関するイベントである夏山フェスタにブース出展をいたしまして、来場者や関係団体に「中央分水嶺高島トレイル」としてPR活動をいたしました。5つ目としましては、(国内だけでなく)海外にもPR活動させていただいておりまして、例えば台湾の旅行会社さんを招聘しまして、高島トレイルでトレッキング体験をしてもらう御案内をさせていただいております。

最後に、観光分野だけではなく、地元市民さん向けにも活動しておりまして、市民を対象としたトレッキング教室を開いております。地元市民に高島トレイルの魅力であったり、今までの取組を知ってもらうことで、高島トレイルを地域で盛り上げていくという思いを生み出していこうというものです。以上の6つが主な取組の内容でございます。

高島トレイルは古くから地域の人々に守り受け継がれてきたトレイルですので、これからの世代にしっかりと引き継いでいきまして、またさらに多くの方々に体験、体感していただくことで、地域の活性化へとつなげていきたいと考えておりますので、これからもどうぞ皆様の御協力をよろしくお願いいたします。私からは以上でございます。

 

【知事】

ということでございまして、今からいい季節ですね。ぜひ、また御取材なりトレッキングへのトライをお勧めしたいと思います。どうもありがとうございました。私からは以上でございます。

[朝日新聞]

台風関係で少し確認をさせてください。先日の台風15号でも、県内で農産物関係の被害が少し出たかと思います。今回の台風19号で、今、知事のお手元にある範囲で構いませんが、県内での被害はどういった様子でしょうか。

 

【知事】

県内での被害につきまして、今朝報告受けたところでは、まず怪我をされた方が3名、こちらはいずれも軽傷ということでございます。強風にあおられ転倒され、お怪我をされたと。住家被害については一部損壊が1件、これは強風により個人宅の屋根が損壊されたということでございます。

インフラ等の情報では国道422号、365号、いずれも倒木による通行止めを行いました。今は解除されております。また、県管理の道路におきましては16路線19区間で、これは規制雨量超過による事前の通行規制を行いました。こちらにつきましては、一部本日まで通行止めとされております区間を除き解除されているということでございます。停電の状況は、県内は最大で4,200件余の停電がございましたが、現時点はいずれも復旧完了しているという報告を受けております。

避難所の開設、これは最大で12の市町、90ヶ所開設され、56人が避難されたという報告を受けております。いずれも、それら警戒本部、警戒体制、避難所等については、廃止なり解除が行われているという報告を受けているところでございます。なお、農業被害につきましては、まだ集約中でございまして、わかり次第、報告をさせていただきたいと存じます。

 

[朝日新聞]

冒頭の御説明に関連してなんですけれども、本県では流域治水条例がすでにありまして、先駆的な取組をしているかとは思うんですが、今回の台風19号を受けて、県内でどういった対策が必要なのか。先ほど夜間の決壊氾濫というお話もありましたけれども、どういう改善をしなければならないとお考えか、今の段階で構いませんのでお願いします。

 

【知事】

まず改めて今回12の都県で大変広域にわたる河川の決壊、氾濫がありました。大きな河川についても、複数箇所で堤防が決壊するというようなこともございました。お聞きしていますと、ハザードマップ等の氾濫予測情報と例えば合う形で氾濫してしまっているというような、そういった事例も見られるということですので、改めて、例えば本県が進めております地先の安全度を周知する活動、リスクを正しく知る取組、こういったことを県民の皆様方にさらに強く呼びかけていきたい。そして浸水警戒区域というものに含まれる、地域建物等につきましては、順次対策を講じていく。区域指定から始まって、様々な取組をより早期により強力に展開していけるように進めていきたいと考えております。

あわせて今回河川の氾濫が主に報道等でも広く報じられておりますが、土砂災害の警戒区域等も県内にたくさんございます。こういったことにつきましても改めてこういった地域が持っているリスクの情報をしっかりと周知した上で、すぐにできることとして例えば逃げ方ですとか、情報の伝達の仕方、時間のかかる対策といたしましては、ハードの対策等々を順次実施をしていくということだと思います。いずれにいたしましても今回まだすべてがわかっているわけではありませんが、被災地において様々出てきた事象等をしっかりと検証分析の上ですね、本県の防災力向上に生かしていきたいと考えているところです。

 

[時事通信]

ちょっと前になるんですけれども、公立病院の再編につきまして、名前を挙げて再編対象を厚労省が発表したんですが、それに関する受け止めと県内において、どのように対応するのかお伺いしたいんですけれども。

 

【知事】

これは9月26日に再編統合の検討対象として、病院名が公表されたということでございます。私も公表された直後に報道等で知り、感じたんですけれども、公表された病院すべてが再編統合が必要だという、こういった誤解を持って受けとめられかねないという意味において、私はこの公表のやり方に違和感を覚えました。ただ、様々なものが含まれているということですので、それらをもう1回、私たちなりに咀嚼したり、検討したり分析したり、また議論をしなければならないなと思っているところです。すでに全国知事会と各地方団体とで連携いたしまして、国と地方の協議の場、このテーマに係る協議の場も設けられ、すでに第1回でしたか、開催されていると承知をしておりますので、それぞれの自治体ごとに応じた特徴でありますとかいろんな事情、そういったものも加味しながら、今後の議論が行われるように期待したいと思いますし、本県におきましては、いずれにいたしましても7つの圏域ごとの会議の場なども活用しながら、しっかりと今後の医療体制がどうあるべきなのかという議論なり検討を進めていきたいと考えているところです。

 

[時事通信]

先ほどの台風の話ですが、改めて治水政策の重要性が浮き彫りになったわけですが、県内の大戸川ダムですね、これの整備について、この台風を受けて、滋賀県としては対応を考えておられるんでしょうか。

 

【知事】

大戸川ダムについては、この台風があったから、この台風を受けて何かするというものではなくて、大戸川から瀬田川、宇治川、淀川それらに流れ注いでくる木津川、桂川を含めて、琵琶湖淀川水系の治水をどのように行っていくのかという、こういう大きな、また広い流れの中で考えるべきものではないかなと思っております。

とりわけ本県においては、大戸川ダムが主に大戸川流域および琵琶湖治水に影響、効果を持ち得るという勉強会の結果を受けて、大戸川ダムについては必要であると、早期に整備される必要があるという、こういう見解をまとめて国や下流府県にすでにお伝えしているところでございます。今回も異常洪水時防災操作が幾つかのダムで行われました。ダムという洪水調節施設が持つ効果、これは大きな雨が上流部に降ったときに一定時間、水を溜めることができる、以て下流の流量を減らすことができる、こういう効果がある一方で、容量を超えて雨が降り、溜まり過ぎた場合には、流入してきた量をそのまま流さなければならないという、こういう事態もあります。そのことによる例えば流量の変化でありますとか、そのことによる避難時間の確保でありますとか、そういったことをしっかりと上流と下流、時には国と県市町、沿線住民の皆様方と一緒に共有をした上でですね、例えば避難訓練をするでありますとかそういった対応対策もあわせて必要であることが、私たちの勉強会の中でも一部指摘されておりましたし、今回のいくつかの事象でも、夜中に異常洪水時防災操作を、やるやらない、伸ばす伸ばさないといったようなことが、随分報道上でも錯綜しておりましたが、こういった事態もしっかりとふまえた上で、今後の本県の対応もしっかりと作っていかなければならないなと思っているところでございます。少し長くなりましたが、そういう意味で今回の対応を受けてということではない対応をしっかりとやっていきたいと思います。

[びわ湖放送]

台風支援ですが、滋賀県は東日本大震災の時に、カウンターパート方式で福島県を支援されましたけれども、今回は先遣隊が宮城に行くということで、これからも基本的には担当は宮城県の支援ということになるんでしょうか。

 

【知事】

そこは未定だと思います。今回の大きな被災を受けて、本県も何かできることがないかということで、関西広域連合で協議の上、集約の上、まずは先遣隊を出そうということで本県は宮城県と。それぞれお手元資料のこの表の通り、担当割り振っているということでありますので、ここでまとめられた被害の状況、またニーズの出具合によって今後本格的な支援の割り振りが決められてくると思いますので、まずは第一段階、宮城県の担当ということだと理解しています。

 

[びわ湖放送]

全容が分かっていない中で行ってみないとわからないという部分もあるかもしれないんですが、宮城県の方から、今一番何が必要とかいう要望とかはあるんでしょうか。

 

【知事】

まだ私が知り得る状態で、そういったニーズの把握ができているわけではありません。市町によっても異なるでしょうし、時間を追っても変わるのかもしれません。右岸と左岸で水の引き方の違いによって、違いがあるのかもしれませんので、まずはできるだけ早く向かって、宮城県の担当職員と力を合わせて、もちろん現地の市町等とも連携しながら、被害の状況の全貌を把握すると同時に、今後時間を追って出てくるであろう、増えてくるであろう支援のニーズを把握した上で必要な支援を届けていくということだと思います。

 

[京都新聞]

先週、県議会9月定例会議が終わりました。国体の主会場の事業費についてなんですけれども、21億円の上乗せを認める補正予算が可決されましたが、そこには議会から付帯決議が付いておりました。こうしたことを2度と繰り返してはいけないというような内容であったかと思うんですけれども、知事の御見解を聞かせてください。

 

【知事】

今回主会場の入札不落に伴います増額補正につきましては、結果的に議会でお認めいただきましたが、今、御紹介いただきましたように、付帯決議が付され、この見積価格の妥当性の説明でありますとか、総額抑制に向けた努力でありますとか、予定価格と入札価格が乖離したことに伴う原因究明でありますとか、議会側、もって県民の皆様方から、厳しい付帯決議をつけられたと認識をしております。

まずは、今回お認めいただいた予算措置をしっかりとできるだけ早く公正かつ適正に執行させていただくということと併せまして、それと並行いたしまして、付帯決議にどう向き合っていくのか、この決議に基づく対応をどう具現化していくのか、こういったことも併せてしっかりと対応をしていきたいと思います。

 

[京都新聞]

今、総額の抑制に努力するようにという一文もあったと御紹介いただいたんですけれども、今回の増額分を足して、それ以上に増やさないということは明言していただけるんでしょうか。

 

【知事】

今回も市場の動向とはいえ、一定の増額をさせていただきました。と同時にそれ以外の場所や施設設備等で減額できるところはないのかということも今般探った上で、議会側にも御説明をさせていただいております。

もちろんPFIを導入するとか、様々必要最小限の施設整備をさせていただくとか、現時点でやっていることもございますが、今後なお、予定されている施設の整備とか、運営に掛かる費用とか、器具機材を調達するに掛かる費用、また、いよいよ5年切ってきましたので、人員体制を整えていくことに掛かる費用等におきましても、それらをできるだけ最小限の費用、体制で行う。そういう議論なり検討をより強力にしていきたいと考えているところでございます。現時点で何か総額というようなことを述べられる段階にないのではないかと思っています。不断に努力をしていきたいと思います。

 

[日本経済新聞]

西武大津の件について伺います。当日、知事のコメントが発表されたわけですが、改めて受け止めと、今後の県経済などへの影響についてのお考えを聞かせください。

 

【知事】

既にコメントも出させていただいておりますが、1976年の開店以来ですか、

私は幼少のころからこの西武大津店へ買い物に家族で出かけたり、今も知事として、よく店内を歩きながらですね、店員の方やお客様と交流させていただいている。また、先週からは、「滋賀のええもんうまいもん祭り」を開催していただいてですね、私はビューローの会長として、そのオープニングセレモニーに出かけていったその翌日でしたか、(閉店の)お話を伺うようになってしまったということもあって、とても驚いています。と同時に、大変ショックです。それだけ長きにわたり、大津市の中心部で多くの市民、お客様に愛されている施設ではないかなと思います。とはいえ経営の一環、その中での方針ということが一定示されましたので、今後、雇用不安や地域の衰退に繋がらないよう、議論がされることを期待したいと思いますし、まだ私も直接伺っているわけではございませんが、今後どのようにお店なり地域が対応されるのか、私どもも重大な関心を持って見ていきたいと思っております。

 

[日本経済新聞]

現在、土地と建物を所有している民間企業について、何らかの働きかけなり、接触なりをしていくお考えはありますか。

 

【知事】

現時点、未定です。現時点、未定ですが、事態の進展、影響の度合いも勘案しながら、大津市とも連携して、必要な対応をとっていきたいと思います。

 

[日本経済新聞]

その対応の方法なんですけれども、いわゆる文字どおりのお願いベースのものになるんでしょうか。それとも、ある意味、強制力、あるいはインセンティブを持って誘導するようなやり方というのはあるんでしょうか。

 

【知事】

公権力をもって、行政の立場で何か、例えばインセンティブですとか、何か制限、制約というようなものができるのかということは、現時点、私はアイディアを持ち合わせておりません。と同時に、西武グループゆかりの地である、創業者御生誕の地である、この滋賀、近江。また大津市の名誉市民であられる堤康次郎氏ゆかりのそういった施設のあり方を私たちがどう考えていけばいいのか。もちろん民間の様々な取引ベースのお話ではあるかもしれませんが、必要な情報提供なり、必要なお願い、また、必要なコミュニケーションはしっかりと取っていきたいと思っております。

 

[毎日新聞]

まず発表事項の文化賞等受賞者の決定について1点お尋ねしたいんですが、この文化奨励賞に「カメラを止めるな!」の上田監督の名前が挙がっていらっしゃいますが、奨励賞の要件を拝見しますと、文化活動において優れた業績をあげ、その活動において将来を期待される個人または団体ということですが、知事御自身は「カメラを止めるな!」を御覧になられたかも含めてですね、上田監督に対してどのように業績を認められて今後どのような期待をかけていらっしゃるのか教えていただけますでしょうか。

 

【知事】

私はまだ「カメラを止めるな!」は見ていないんです。一部報道等でダイジェスト版が流れているのは見たことがあるんですけども、全部見ていません。したがってそういった視聴の機会も含めて、上田さんにお会いできることをとても楽しみしています。すでにふるさとである長浜、木之本に帰られて地域の方との交流の機会を持たれたり、同世代の方にいろんなメッセージを発せられたりということは、私も報道で承知をしておりますので、かなりパッションを持った、そういう青年なんだろうなあ、ということは感じておりますので会うのを楽しみにしています。

[毎日新聞]

資料を拝見すると、上田監督は代理者出席になっているので、授賞式には来られなさそうなんですが、いつかお会いになる機会をお持ちになりたいということでしょうか。

 

【知事】

すみません。代理の方の出席とは知りませんでした。また、御本人と会う機会も探りたいと思います。

 

 

[毎日新聞]

もう1点、スカーレットについてお尋ねしたいんですけれども、9月30日に放送が始まって1週間の平均視聴率が、関東の数字なんですけれども、5作ぶりに20%を切ってしまうっていう事実がありまして、まだ始まったばっかりなので今後の展開、盛り上がりっていうのは読めないところではありますが、番組自体の盛り上がりというのが、県が行っている観光施策で重要なポイントになってくるかと思うんですけれども、知事として番組がどういうふうに盛り上がって欲しいとか、NHKに対して希望とか要望とか、もしくは県としてどういうふうに取り組んでいきたいかというところを、教えていただけますでしょうか。あとは、知事御自身がどのように番組を御覧になっているかを教えていただきますでしょうか。

 

【知事】

今朝も泣きましたね。お父さんの汗臭いタオルを嗅ぎながら、主人公が涙されるところは、離れて暮らす娘とのことを思い出して、なかなか泣けるドラマだなと思いました。また、今大阪で主人公が活動されているんですかね。その前は信楽で非常にいい街の様子も出てきたり、丸熊陶業さんでの火鉢づくりの様子など出てきたりなんかして、とても信楽、また琵琶湖、滋賀、近江というような地名も飛び交って、とてもありがたいなというふうに思っています。

事前の他の番組での紹介で、信楽の方がおっしゃっていたんでしょうか。「この番組をきっかけに、また信楽が元気になればいいな」「信楽焼が盛り上がればいいな」という趣旨のお話をされておられました。そういった機会に繋がればありがたいと思うし、残念ながら台風で信楽陶器まつりは中止になりましたけれども、例えば信楽高原鐡道に乗って出かけていくですとか、陶芸の森に出かけていただくですとか、今回御紹介した「ひいろ」のバンダナ等、これらを信楽焼とコラボして作られる取組なども、とてもいい取組だと思いますね。そういった形でいろんな波及効果をもたらすことができたらいいなと思います。(ドラマのように)さすがに今草津に人さらいはおりませんので、そのことは強調しておきたいなと思います。

 

[毎日新聞]

現在は物語の舞台は大阪に移っているんですけれども、今後また滋賀、信楽に戻ってくるということが公表されていますけれども、NHKに対して、何か期待というか、要望といいますか、そういったところは何かございませんでしょうか。

 

【知事】

NHKさんにはNHKさんの創作活動に対する、報道に対する、姿勢や方針がおありでしょうから、そのことは多くを申し上げませんが、取材活動や撮影活動、その他のいろんな番組で、今始まったスカーレットってこういう舞台、こういうことがテーマっていうことを、関連して報じていただいていますよね。こういったことが大変、見る側にとっても、取材を受けられる側にとっても、貴重な体験で得難い取組になっているんじゃないかなと私は思いますね。

改めてこの信楽焼の緋色の出し方とか、原材料の土がいいからできるんだというような紹介だとか、土と火が織りなすこういった妙、こういったものにスポットライトが当たるっていうのはとてもいいことだと思います。そういった形で、今後いよいよ主人公がこの緋色の、陶芸、作陶活動に本格的に入っていかれるという、そういうシナリオだと聞いておりますので、そういった場面がどんどん出てくるのを楽しみにしています。

 

[中日新聞]

2点あるんですけども、台風の関係で大戸川ダムについてです。緊急放水の判断の仕方とか下流府県への情報提供の仕方は勉強会でも課題になったと思うんですけども、それについて勉強会後に課題の進行状況について何か進んでいたら教えていただきたいというのが1点です。

あと、先日更生保護の70周年の式典が行われ、知事も出席して報告されたと聞いているんですけども、どういった報告をされて、滋賀の再犯防止計画についてどのような課題認識があるのかというのを教えていただきたいです。

 

【知事】

まず大戸川ダムの異常洪水時防災操作について、まず現時点、操作に係る何か議論をしているのか、基準作りをしているのかということは全くございません。動きとしては、今後、ダムをつくったとしても想定を超える雨が降ってきた時に、異常洪水時防災操作を行わなければならない、これは勉強会をしていたときに、西日本豪雨の事例を引き合いに出されて、そういった事態を想定した議論、また逃げ方の準備訓練、こういったことをしなければならないということを付記されておりますので、今後ダムをつくる過程において、ダムをつくった後、どのように逃げるのか備えるのか、こういったことをしっかりと準備していきたいと考えております。

あわせて、県内にあります他の洪水調節施設、ダムにつきましても、現時点あるものについて、同様の操作が必要になってきますので、事前に水を少なくして雨に備える、これは利水ダムだとなかなか難しい面あるんですけども、治水ダムについてはそういった操作を徹底するとか、異常洪水時防災操作に入る、入っているということを、やはりきちんと下流の沿線住民の皆様方に情報提供する仕組み、これはさらに整えていかなければならない、より高めていかなければならない、そういう重大な課題であると思います。

また2つ目にお尋ねいただきました。更生保護制度施行70周年につきましては、先般107日(月)に東京国際フォーラムで、天皇皇后両陛下、内閣総理大臣、最高裁判所長官等、御臨席のもと開催された行事でございまして、その式典の後に開かれた研究協議という場に発表者の1人として、滋賀県知事が招かれたということでございます。他の更生保護団体関係者とともに登壇させていただいて、滋賀県からは糸賀一雄先生以来根付く「この子らを世の光に」という福祉思想でありますとか、SDGsの考え方、また5月に当時の山下法務大臣に来ていただいて結ばせていただいた『再犯防止「三方よし」宣言』の考え方ですとか、この3月に策定をいたしました、法律に基づきます再犯防止推進計画に基づく取組、こういったものを紹介させていただきました。

私自身、この再犯防止の取組はライフワークの1つであるということで紹介させていただき、人は人の中で人になる、そのための例えば出口支援、入口支援、いろんな団体の連携強化、こういったことの必要性についてコメントさせていただいたところでございます。今後も具体の取組をしっかり進展していけるように取り組んでいきたいと思います。

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