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知事定例記者会見(2019年9月10日)

令和元年9月10日
(県政記者クラブ主催)

【知事】

おはようございます。今日もよろしくお願いいたします。9月も半ばに差しかかろうとしておりますが、大変、残暑厳しき折でございます。関東地方を中心に台風の被害に遭われた方々も大勢いらっしゃいます。御見舞い申し上げます。また、この災害等を受けて、今日の経営会議におきましても、引き続き、この台風の災害にしっかりと緊張感を持って臨むということとあわせて、昨年も県内で被害を受けましたけれども、風への対策、これは停電含め、また、関東の方では民間のゴルフ練習場なども倒れて住宅に被害が出ているということもございますので、こういったところにも注意や対策が必要ではないかということを経営会議で申し上げたところでございます。

さて、資料に基づきます話題提供の前に、昨日、一部取材もお受けし、コメントも出させていただきましたが、国土交通省自転車活用推進本部におきまして、日本を代表し、世界に誇り得るサイクリングルートとして国内外へPRを図るためのナショナルサイクルルートの制度が創設され、その候補の1つとしてビワイチが選定されました。指定については、今後第三者委員会において審査がなされ、本部長により決定がなされるということと伺っておりますが、制度創設後、初めての候補にビワイチを選定いただいたことについて、大変喜んでいるところでございます。これまで国における制度創設や、本県のビワイチの発展に御尽力いただいた関係者のみなさまに、敬意を表し、感謝申し上げたいと存じます。このビワイチがナショナルサイクルルートに指定されれば、ブランド力や知名度の向上により、国内外からより多くの方々が来訪して県内周遊を楽しんでいただくとともに、滋賀県の豊かな自然や文化、食、人との触れ合いを通じて、県全体がより一層、活性化されるものと大いに期待をしております。

私たち滋賀県といたしましては、国や市町関係者等々、これまで以上に緊密に連携を取りながら、走行空間整備や安全対策の実施、そのサービス水準の維持向上に努めるとともに、サイクリストやドライバー、歩行者に対する交通ルールの周知徹底、案内情報提供などの来訪者の満足度向上や地域の活性化に資するサービスの充実といった取組を総合的にしっかりと進めていきたいと考えています。ぜひ、すーっと走っていただくだけではなくて、休んでいただくとか泊まっていただくとか食べていただくとか、そういった経済効果をしっかりと生み出していきたいと思っていますし、通な、何回も走る方々だけではなくて、初めて乗る方ですとか、タンデムの公道通行を認めていただいておりますが、障害のある方含めて、皆さんがサイクリングに親しんでいただけるような環境づくりに取り組んでいきたいと考えております。

 

今ひとつは、滋賀県産業振興ビジョンの改定についてでございます。このビジョンは、本県産業振興の理念や施策の方向性を示した基本計画でございまして、平成27年3月に策定し、5年目を迎えています。いろんな変化に対応するとともに、新しい基本構想をこの4月からスタートさせていますので、それに沿って見直しの必要もあり、改定することとしたところです。

今回の改定では、キーメッセージといたしまして「変化への挑戦」と掲げ、「社会的課題の解決策を提案し、持続可能な社会の構築につながる産業の発展に貢献する」というミッションを設定いたしまして、次の産業振興の方向を示していきたいと思っています。

この間、審議会でも大いに議論をいただいて参りました。明日、県議会の厚生・産業常任委員会にて原案を報告させていただきます。明後日から県民政策コメントを実施いたします。広く県民の皆様にも、本県産業のあり方などについて考えていただく機会にしていきたいと考えておりますので、また多くの御意見をいただきたいと思いますので、御報道等よろしくお力添えをお願いいたします。

それでは2点、資料に基づいて御紹介をさせていただきます。1つは、「ほっと滋賀色」キャンペーンについてでございます。これ以上、暑くしてどうするんだと言われるかもしれませんが、連続テレビ小説「スカーレット」の放送を好機といたしまして、その効果を県内全域に広く波及させて、滋賀県の魅力発信・誘客促進・県産品の振興を図るための取組を「ほっと滋賀色」キャンペーンとして展開しているところでございます。いよいよ放送開始まであと20日となりました。本日「ほっと滋賀色」ウェブサイトの開設について御紹介をいたします。

先月5日には、NHKさんの公式サイトもオープンしたということでございますが、今日御紹介するのは、「ほっと滋賀色」ティザーサイト(予告サイト)というものでございます。このサイトでは、ドラマに関連するヒト・モノ・コトと、それらにつながる地域資源・観光資源を紹介する予定でございます。放送開始とともに順次情報を更新して参ります。また、「ほっと滋賀色」公式SNSも開設いたします。フェイスブック、ツイッター、インスタグラムでの情報発信のほか、ウェブサイトでは連動企画も展開する予定でございます。ウェブ、SNSならでは即時性、SNSならではの双方向性を活かしながら、ドラマの情報ですとか、ドラマに関連付ける本県の様々な魅力を発信していきたいと思います。

まずは今週12日(木)から、東京日本橋の「ここ滋賀」ほかで開催する首都圏情報発信イベントの情報を発信する予定です。ポイントは、高さ2,019mmのメガたぬきでございまして、どんどんお取り上げいただければと思います。

先立ちまして「ほっと滋賀色」ロゴは発表させていただきましたが、甲賀市も市の取組を進めようと「エカルラート」、これはフランス語で「スカーレット」という意味だそうでございますが、発表されました。こういった市、県、NHKの重層的な取組で魅力をしっかりと広げ届けていきたいと思います。

「あなただけの滋賀色を見つける旅」へ誘う「ほっと滋賀色」キャンペーンでは、地域や事業者の皆さんが提供される商品・サービスがつくられております。このウェブサイトはもちろん、今後発行するガイドブックでも情報発信を最大限行っていく所存でございます。このキャンペーンに関しましては、今後開催を予定しております誘客イベントを含め、随時、情報提供して参りますので、メディアの皆様もキャンペーンの盛り上げに御協力いただければ幸いでございます。

 

最後は、これも資料をお届けしておりますが、このたび第52回滋賀県政世論調査の単純集計の結果が出ました。私からその概要を発表させていただきます。

今回は定例テーマでございます「県政全体に関する満足度」、「県の広報・広聴活動」に、単年度テーマとして「障害福祉」「地域公共交通に対する意識」を加えました4項目について調査を実施いたしました。まず毎年お聞きしております定住意向につきましては、これからも滋賀県に「住み続けたい」との回答が75.4%と昨年より0.6ポイント増加しています。一方で、県政への関心につきましては、関心のある方が58.1%と、昨年度より7.7ポイント減少しております。

次に、県民生活への満足度につきまして、分野別に19項目を設定してお聞きいたしました。それぞれ上位5項目をあげておりますが、「健康的な日常生活を送れている」、「必要な医療サービスを利用できる環境が整っている」等が上位にきており、満足度が高い分野になっております。一方で、「鉄道やバスなどの公共交通が整っている」「滋賀県の魅力が発信されている」といったものについて『感じない』という回答者の割合が高く、不満度が高い分野となっております。

力を入れて欲しい県の施策につきましては、「医療サービスの充実」、「福祉サービスの充実」、「防災・交通安全」等が上位になっています。

次に、「とても不幸」を0点、「とても幸せ」を10点とした場合に、自分が感じる幸せの度合いについてお尋ねいたしました。平均が6.67点でございまして、そのような幸せを感じる上で大切なことについては、「身体の健康」、「家計(消費・所得)」、「家族とのつながり」、「こころの健康」等が上位にきております。

以上が本日の単純集計結果の概要となりますが、現在、どこに住んでいらっしゃるかといった回答者の属性、どこの人がどういう状況にあるのか、どの年代の数がどんなことを感じられているのかといった設問間のクロス集計結果について集計中でございまして、分析結果等の詳細については、10月上旬を予定しておりますが、改めて報告をさせていただきます。引き続き県民の皆さんのお声に真摯に耳を傾けながら、県民の皆さんと一緒に「変わる滋賀・続く幸せ」を基本理念とした諸施策をつくり、進めて参りたいと存じます。長くなりましたが、私からは以上でございます。

[時事通信]

ふるさと納税に関しまして、国、地方係争処理委員会が総務大臣に対して勧告を行ったんですけれども、これに対する受けとめをお願いします。

 

【知事】

かねてから申し上げているんですが、納税者、タックスペイヤーの意思というものを適切に反映していく、そういった制度というものについては、一定理解します。ただ一方で、高額な返礼品を出し合うという、自治体間の過度の競争になってしまうということについては節度ある対応が必要でしょう。いずれにしても、公平性、公正性の観点また持続可能性といった観点から、必要な制度の見直しが行われたと考えております。今回、係争処理委員会から法律の委任の範囲を超える恐れがあるとの見解が示されたところでございますが、こういった勧告に基づいて、適切に判断されることを、またさらなる必要な見直しについて検討されることを望んでおります。

 

[時事通信]

先日発表されました待機児童数なんですが、滋賀県は、増加しておりまして、これまでも様々な対策を取られてきたと思うんですが、受けとめと、今後の対策を改めてお伺いできればと思います。

 

【知事】

社会全体で子育てを応援していく、とりわけ小学校に入るまでの子どもたちが過ごす場所、学ぶ環境づくりにしっかりと取り組んでいくということについては、例えば国の無償化の施策ですとか、県市町が連携しております施設整備、さらには保育人材の確保、こういったものを連動させて進めていく必要があると思っております。その時点、時点において、ニーズと、そしてそれらを埋めるというか、受け入れるキャパとの間にですね、これは施設もそうです、人材もそうですけれども、差がある、まだまだ待機しなければならない児童や親子世帯がいるという、この環境があるんだと思います。それぞれの自治体、市町も私たち県も今、鋭意こういったニーズにお答えすべく、取り組んでいるところでございますが、なお足らない部分につきましては、さらに努力を重ねていきたいと思っておりますし、例えば「森のようちえん」も含め、様々な従来の環境ではない場所で過ごす、過ごそうとする子どもたちや、親のニーズですとか、そういったものもあろうかと思いますので、そういったものにどうこたえていくのか。また、同じ待機児童と言っても、例えば地域ごとにばらつきがあったり、また、0歳から2歳の非常に手のかかるところに、まだまだ足りない部分があったりですとか、そういったどこにどう手を入れなければならないかということについても、この間の累次にわたる調査等でも明らかになってきているところなどもあろうかと思いますので、県として進めている保育人材の確保、また施設の整備とあわせて、今後も力を入れて、取組を進めていきたいと思っています。

 

[朝日新聞]

県政の世論調査で、県政の関心度が7ポイントぐらい下がったということですが、このあたり知事がお考えになる要因がありましたら教えていただければ。

 

【知事】

私もこの結果を受けて、なんでかなあと思っているんです。ちょっと広報課に尋ねてるんです、何でだろうと。先ほど申し上げました属性との関係とか、地域ごとの関係とか、少し男女別の違いとか、詳しく分析してみたいなと思ってます。

一般的に言って、関心が高いということは、いいことだと思うんですけど、どういう時にどうなっていれば関心があると答えられるかというと、もちろん積極的に御参画いただいてるということが関心につながる場合もあれば、いろいろな問題があるから関心を持って見ていただいているということもあるとすれば、参画への御関心が昨年度よりも低い状況にあるのかもしれないし、いわゆる関心を向けなければならないという問題が、もしかすると少ないという面もあるのかもしれないし、少しそのあたりは、もう少し詳しく見てみたいなと思います。

 

[朝日新聞]

不満度の高い分野で、ちょっと私、意外だなと思ったんですけど、鉄道やバス、公共交通が整っていると感じるかというのがいちばんで7割ですよね。過去の状況はわからないのですが、ここの不満が高いことについて知事の受け止めはどのような感じなのか。あと、この結果は予算に今後、なんらかの影響を及ぼしていくのかというのはどうでしょうか。

 

【知事】

まず後段にお尋ねいただいた、この結果をどう予算等に反映するのかということについては、まさに今こうしてこの時期に結果を出し、分析いたしますので、次の年度の施策等にこれは施策づくりもそうですし、例えば、必要な体制づくり、必要な予算、それらに反映するためにまとめておりますので、まずそういった方向で努力をしていきたいと思います。

1つ目にお尋ねされた公共交通に対する不満度の高さ、これは近年連続して不満度の1位の項目に上がっています。ただ、ここまで他の項目と差があったかというのは、今詳しく分析中なんですけどね。この不満度の高さが突出しているようにも感じます。それは地域にもよるのかもしれませんが、年代にもよるのかもしれませんが、例えば御高齢の方が、運転免許を返納されるということに伴う問題ですとか、運転手不足で様々な路線が、バス路線が縮小減少される傾向にあるということですとか、バリアフリー化が進まないという現状、またダイヤが十分じゃないというお考えや、たとえ鉄道があってもバスがあってもそれらの価格が利用しにくいという環境にあるのかもしれません。いずれにいたしましても「健康しが」をつくる上において大変重要な分野だと思いますので、少しこの部分は掘り下げて、分析検討の上、今後の施策づくりに反映させていきたいと考えています。

 

[朝日新聞]

国スポの関係ですが、先週金曜日の政策協議会でも、今後の方針について、知事からまた議会の方に新しい見直し案を出していきたいということだったんですが、目途として新しい案はいつごろを議会に出される予定かということと、あと、200億円という、主会場に関してはある程度総事業費が決まっていると思うんですが、その事業費が増える可能性があるのか、この前の御説明ではその中で何とかやりくりしたいということだったのですが、とはいえなかなか削るところも限られてるという意味では、結果的に増える可能性はあるのか、そのあたりちょっと教えていただけますか。

 

【知事】

まずこの2024国スポ・障スポ大会の主会場になります(仮称)彦根総合運動公園第1種陸上競技場につきましては8月20日に行った新築工事の入札が不落になりました。御心配かけています。これは心からお詫びをしたいと思います。

政策協議会でも御報告させていただいておりますが、主な原因として考えられることが2つ。1つは市場の動向でございます。我々が想定していた以上に五輪開催等もあり、公共工事、民間建築が高需要であるということ。ゼネコン各社含めて手持ちを持っていらっしゃる工事が大変多い。したがって受注意欲が少ない。これらは価格高騰につながるということが1つ。もう1つは、工事内容に起因する積算上の乖離でございまして、私たちはこの躯体工事、これは鉄筋型枠の組み立てに関しては、他の府県で同種の施設を行われている実績ですとか、陸上競技場という施設の持つ特殊性、こういったものも考慮の上、仕様に応じた積算を行ってきましたけども、入札に参加される参加者に、施工テーマをより精緻に反映した実勢単価が用いられてしまったということですとか、対応できる専門業者が限られるということから見積もりが割高になってきたということがあるのではないかと考えているところでございます。

いずれにいたしましても、国スポ・障スポ大会の開催に支障が生じないように、早期の再入札をしたい。したがって、そのための検討準備を進めた上で、9月定例会議の開会後できるだけ早く、このことに対応するための補正予算案を提出させていただきたいと申し上げています。

お尋ねの中にありました全体経費をどう考えるのか、もちろん全体をもう1回精査いたします。ただこの陸上競技場そのものについては、一度見直しを行った上で必要最小限のものだけで作り、設計し、今回入札にかけさせていただいておりますので、もう1回見直しますけれども、大きな見直しというのは難しいのではないかと思います。と同時に公園全体で、まだ見直せるところがあるのかないのかということについても、もう一度精査した上で、できるだけ早くその全体像をお示ししていきたいと考えております。いずれも容易なことではないと思いますが、大変重要な課題でありますので、しっかりと取り組んでいきたいと思います。

[朝日新聞]

そうすると200億という数字をどう考えるのかというのは、まだ具体的にはないということでしょうか。

 

【知事】

もちろん県民の皆様方にすでにお示ししている数字でございますので、できるだけその範囲内に収めていくというのが一つの使命だと思っていますが、一方でこの市況の状況の中で、県民の皆様方にとって必要な施設をしっかりと整備するっていうことも重要な使命ですので、そのあたりをあわせ考えた上でお示ししたい、また説明をしたいと思います。

 

[NHK]

お答えにくい御質問になるかもしれませんが、旧優生保護法に関することですが、先日、公文書の情報公開で、県が非公開とした資料を、公開すべきと知事に答申があったと思うんですが、これをどのように受けとめて、対応についてどのように御検討されていらっしゃるか、お願いいたします。

 

【知事】

滋賀県情報公開条例、条文第22条第3項に基づきまして、このことを重く受けとめて速やかに裁決を行い、裁決者は知事ということでございますので、この内容をしっかりと咀嚼したうえで、条例の条文に基づく対応をさせていただきたいと考えています。

 

[NHK]

具体的な時期とか、そのあたりについては。

 

【知事】

速やかに裁決を行います。この情報公開の事務取扱要領では原則30日以内、特別の理由がある場合は60日以内にということですので、こういった期限をしっかりとふまえつつ、できるだけ速やかに裁決を行います。

 

[中日新聞]

今の関係で、引き続きお伺いしたいんですけども、弊社が、滋賀県にあわせて他県にも同様に開示請求を行っていたんですけども、その結果でも滋賀県は、個人情報を理由に非開示にしていた部分が他県に比べても多かったんですけれども、その件に関する知事の受けとめをお聞かせ願えますか。

 

【知事】

いろんな見解があると思うんですけど、今回の判断をですね、個人のプライバシーをどう考えればいいのか、と同時に公益性ですね、これは社会的関心との間の比較考慮の中で、我々は県の考え方として、非公開にすべきであろうということで、出させていただいたんですが、今回、答申の中では、事実解明が待たれているということで、多くの項目について公開すべきとの答申があったということでございます。したがってこれを受けてどうするのかという裁決をする必要があると考えております。私たちは一定、個人が特定、識別されることには配慮がいると思ったんですが、そうでない答申も出されましたので、今後の判断に付していきたいと思います。

 

[びわ湖放送]

県政世論調査に戻るんですけれども、本年度からの調査項目でSDGsの認知度ということで、滋賀県も数年前からSDGsをやろうと言って、経済界なんかを巻き込んで進めてこられているんですけれども、残念ながら知らない方が70%いらっしゃるという結果になったようなんですが、率直にこの数字を御覧になってどうでしょうか。

 

【知事】

我々は早くから一生懸命力を入れて取り組んでるつもりなんですけれども、まだまだ知られてないし、まだまだ足りない部分があるんだなあということを考えております。経済界の皆様方やいろいろな団体の皆様方とのパートナーシップにより、このゴール達成、またそれらを幸せや住みよさにつなげていこうという、こういう実践をさらに力を入れて取り組んでいきたいと考えております。

 

[びわ湖放送]

あと、12ページの問9のところで、「取り組みたいことはあるが、できていない」というのと「取り組みたいが、何に取り組めばよいかわからない」という方が合わせて6割ぐらいいらっしゃるようなんですが、そこに対しての知事のアドバイスといいますか、県民は何をしたらいいんでしょうというところなんですが、いかがでしょうか。

 

【知事】

まず、多くの県民の皆様方はSDGsと言われなくてもやられてることがあると思うんです。ごみの問題であれ、周りの方へのいろんな福祉の問題であれ、それらをSDGsと言われなくてもやられているということは、まずそれはそれで大事にしていきたい。と同時に、ある意味、世界では、国連では、他の地域では、改めてSDGsと表現し直すことで、世界の共通の取組として進めようとしているんだという、こういう取組が今進められているんじゃないかと思いますので、私たちが日頃やっていることと、このSDGsとの結びつけでありますとか、ビジネスの皆様、経済界の皆様方と連携することで、例えば大学と連携することで、さらにそういった取組の輪を広げることができるという、そういった御紹介であるとか、また子ども達の教育、とりわけ高校生、中学生のいろんなアクティブラーニングの中に、このSDGsという切り口が取り上げられることがあって、これは非常に幅広いゴールを達成しようとしてるがゆえに、教育材料としても、とても使いやすい面もあるのかもしれない。そういったところを、さらにツールも含めて、コンテンツも含めて充実させることで、県民の皆様方の、例えば認知度を上げる、もしくは参加割合を高めていく、こういったことにつなげていけたらいいなと思います。

 

[毎日新聞]

明日の内閣改造についてお尋ねしたいのですが、報道等で一部明らかになっているのですが、日韓関係について新しい布陣でも現内閣の姿勢を維持するという見方があります。日韓関係については、これまでも知事にお尋ねしていたのですが、改めて日韓関係について現内閣の姿勢を維持すべきとお考えなのか、もしくは内閣改造を機に変えるべきと思われるのか、御所見を聞かせいただけますでしょうか。

 

【知事】

どこからお答えいたしましょうか。まず内閣改造については、総理なり、政権がなされることですので、現下の課題を克服すべく、それぞれ適材に適所な方々が配されることを望んでいますし、東京オリパラもありますがその前の消費税率引き上げを含めてですね、少子高齢化の問題など様々な課題がございますので、こういったことに果敢に立ち向かっていただきたい、取り組んでいただきたい。とりわけ地方にも目を向けていただける、そういう閣僚の皆様方の御活躍に期待をしたいというふうに思っています。

政権と内閣の在り様と日韓関係がどう結びつくのか変わるのか、ここは私、すいません、御質問の意図を十分に掴みかねるところがあるのですが、いずれにいたしましても長い歴史のある日韓関係、その時々いろんな問題もございましたがそれらを乗り越えてきた日韓関係でありますので、時々、例えば経済的、政治的に問題があったとしても、それらを知恵と工夫と努力で乗り越えていく、そういったことが必要ではないかなと思います。

もちろん経済的、政治的な問題が報道により更に増幅されて、一部感情的になられるようなことも避けながら、冷静かつ継続的に、とりわけ市民、県民の皆様方の草の根の交流は、しっかりと続けていく必要があるだろうと考えております。

そういった意図や思いもありまして、私からは8月に以前から関係もございまして吳泰奎(オテギュ)総領事にお手紙を出しました。そうしたところ、先週9月5日に吳泰奎(オテギュ)総領事から返信をいただきました。その内容は、今私が申し上げたことと同様でございまして、草の根交流にこういった政治問題などが及ばないように配慮をしていくことの重要性を御指摘いただくと同時に、長期的な両国関係の構築を指向される、また、そのためにも未来を担う青少年、スポーツ、文化交流などは中断せずに行っていこうと、私が申し上げた内容と同様の見解をお示しいただけたというふうに思っております。

日野町にはゆかりの鬼室神社もございますし、繰り返し申し上げておりますように、雨森芳洲先生の出身の地でもございますので、互いに欺かず争わず、誠信の交わりを築いていきたい。微力ではございますが、そういった役割を果たせるように、地道に努力していきたいと考えています。

[毎日新聞]

ただいまのお話にあったのですが、総領事から返事があったということで、すでに県内では東近江市や甲賀市など3市町で、自治体主体の文化交流が中止になったり変更になったりしているのですが、そういったことに関して、吳泰奎(オテギュ)総領事からも続けるように韓国側の自治体に呼びかけてもらうような御予定やお考えがあれば教えていただけますでしょうか。

 

【知事】

県内には6つの市町で韓国の各都市と姉妹都市提携をされていると承知をしています。それぞれの自治体のそれぞれのテーマでの交流、またそのためのイベントというのは、それぞれの目的があると思いますし、様々な判断の中で、継続されたり、実施されたり、また中止変更されたいということがあるのだと思います。

一律に知事から、または総領事から何から言えばことが変わるという類のものではないのかもしれません。ただお互い、それぞれ関係のある者同士が考えを交流交換し合って、それらを波及させていく努力をするということについては意義があると思っていますので、また時期やタイミング、テーマを見ながら、そういったことについても努めていきたいと思います。

 

[京都新聞]

先ほども出ていましたけど、10月1日から消費税が引き上げられます。県内の経済への影響、その他、もしあれば県としてどういった影響を想定されておられるか、分析しておられたらお願いします。

 

【知事】

様々な対策が取られてきたし、取られているし、今後も取られようとしていると承知しておりますが、現行の税率が8%から10%に引き上げられる、そして様々な軽減税率等もあるということで言えば、少なからず影響があるのではないかと見ています。

したがって、影響を注視するように今日も経営会議で関係部長に指示をいたしました。例えば、住宅や自動車など大きな買い物の変動や反動がどう出てくるのか、これにも一定対策は打たれていますが、消費者の皆様方の消費動向がどうなるかということも注目されますし、何より小売りの現場のレジのところですね、現金決済と、そしてキャッシュレスの決済と、それにまつわる機器施設等が変更できているのかなど、こういったところに遺漏なきよう、我々としても努めるとともに、なお出てくる影響については注意深く見た上で必要な対策を講じて参りたいと思います。

 

[京都新聞]

駆け込み需要的なものは、県内で確認されておりますでしょうか。

 

【知事】

私が知事として感じる駆け込み需要というものは感じておりませんが、例えば周りの方々から大きな買い物をするのだったら9月にしとこうね、というような話が例えば電車に乗って聞かれるとか、いろんな番組等で見るということも何となく9月に入って増えたような印象を持ちますので、そういったことで、どう県民の皆様方が動かれるのか、ということについては注意深く見る必要があるだろうと思ってます。

 

[時事通信]

入札不落に関してなんですが、陸上競技場と施設では違うのかもしれませんが、県内を取材しておりますと、あちこちでこの問題が生じておりまして、彦根市の庁舎の耐震化工事では3回入札したのですが、不落が続いている。野洲市民病院では、高力ボルトが入手できないということで、開院が延期されるという見通しになっていまして、今後市町でも庁舎の改築等が実際にいくつかありまして、このあたり全国的にも問題になっているのかもしれませんが、例えば国に要望したりですとか、県として何か考えていらっしゃることがありましたらお伺いできればなと思います。

 

【知事】

まず大きく経済の状況ですとか、契約の仕組み、こういったものがあるのだと思います。需要が旺盛なときに、対価となる価格というものが合わなければ、作ることにかけるコストが追いついていかなければ、作られない。もしくはたとえ作ったとしても、より高く買ってくださるところに作ったものを提供する。これは経済原理としての至極当然なことがあると思うんです。

今そういう状況下で、我々県もそうです、市町もそうですけれども、公共工事というものを作り、それを発注する。工期、スケジュールに合わせて、それらをどう仕上げていくかということがあると思うんです。そういった不確定要素を見込んだ予算の立て方ができるか、もしくはより高く一定競争の中で勝っていこうということが、例えば公共工事の中でできるかっていうと、これは最小の費用で最大の効果を発揮するという概念からも、なかなか難しいということからすると、やはりぎりぎりのところで作り、また札を入れてもらうという、こういう作業を繰り返していきながら、市場の動向を見極め、価格を収れんさせていく、契約を成立させる、こういった過程にあるのではないかなと思います。

あわせて働き方改革の観点もあるでしょう。これまで重層的な契約関係の中で、元請け、下請け、孫請け。非常に劣悪なまた低価格なコストの中で、作業や事業を余儀なくされていた、そういう産業構造を変えていく過程にもあるのかもしれません。そういったことを一定ふまえた、例えば価格設定でありますとか、事業の構築、こういったことも求められると思いますので、あったことはあったこととして、しっかりとふまえつつ、今後どのような仕様にし、どのような価格で見積もっていけばいいのかということについても、市場との対話を重ねながら、より精緻なものにしていきたいと考えております。