【知事】
おはようございます。今日もよろしくお願いします。
夏本番になりましたので、ちょっと涼しげな格好で失礼いたします。「高島ちぢみ」で作っていただいたシャツでございます。先般も県庁の売店でPR販売をしていただき大変好評だったと聞いております。いろいろと、沖縄のかりゆしのようなデザインにしたらどうだとか、もう少し柄をよりお洒落にしたらどうだ、襟元のボタンの位置を変えたらどうだ、横に切り込み入れたらどうかとか、去年いろいろとリクエストをいたしましたら「でき上がりました」と言われましたので、購入いたしまして、着させていただいております。大変、快適ですので、また、1人でも多くの方にPRしていきたいなと思っています。折しも滋賀県は、こういった繊維の産地ですけど、明日から14日まで「ここ滋賀」1階で、心地よく夏を過ごすということで、「近江の麻」のPRコーナーを設けられるということもございますので、併せて御取材、お取り上げ等いただければと存じます。
7月になりましたので、一句詠ませていただきました。
幼子の肩の荷つつむ浴衣かな
週末に彦根で行われましたオレンジリボンのキャンペーンに行かせていただいて、短冊には「子どもの笑顔が広がりますように」と祈りを込めて書かせていただきました。様々な問題等が、子どもにのしかかっているというようなこともございますので、そういったことに思いをいたしながらですね、県の施策を進めてまいりたい、よりよくつくってまいりたいと存じます。
それでは資料等に基づきまして、当方から4点話題提供をさせていただきます。1点目は、「滋賀県税制審議会について」ということでございます。一部、御取材等にも来ていただきましたが、本県の税制について公平・中立・簡素の税の原則および本県の行政需要の実情を踏まえて検証を行うとともに、本県税制のあり方について、専門的な見地から検討を行うための附属機関として、滋賀県税制審議会を設置いたしました。
都道府県で税制一般の検討体制を設けている例はいくつかあるそうでございますが、条例に基づく附属機関として設置しておりますのは、奈良県に次いで全国2例目となってございます。この審議会には税や地方自治に関する優れた知見をお持ちであり、政府税制調査会をはじめ、国や他の自治体における税制の検討会等に参画された御経験をお持ちの方々に御就任をいただいております。こちらの資料に記載の通りの先生方でございます。
今年度につきましては、近く見直し時期を迎えます法人県民税法人税割超過課税と中小法人不均一課税のあり方について御検討いただくべく、諮問をいたしました。また琵琶湖森林づくり県民税のあり方についても御審議いただく予定でございます。7月1日に開催した第1回の審議会には私自身も出席し、本県の目指すべき税制の方向性などについて議論を行い、非常に有意義な御意見もいただいたところでございます。第2回審議会は9月に開催予定でございます。今年度は無理だと思うんですが、今後は、公共交通の財源のあり方等についても視野に入れながら、検討に加えていきたいと、私自身は考えておりますので、また皆様方に様々な観点での御取材や御指摘等いただければ幸いでございます。
2点目、「滋賀県障害者差別のない共生社会づくり条例」、こちらは今年4月に施行されましたが、その周知を目的としたフォーラムを今月15日(月・祝)の海の日と、28日(日)に開催させていただきます。この条例で最大の特徴は、障害のある方が日常生活や社会生活において受ける制限は、障害のみに起因するものではなくて、社会的障壁と相対することによって生じるものであり、その障壁を取り除くのは社会の責務であるという「障害の社会モデル」の考え方を定義いたしまして、この考え方を県民や事業者の皆さんに周知・啓発をしていくこととしております。
今回のフォーラムはその具体的な取組の1つでございまして、15日は県庁で、28日は近江八幡市男女共同参画センターで開催いたします。フォーラムの内容は配布チラシを御覧いただければと存じますが、両会場ともに前半は基調講演として、条例の検討に深く関わっていただきました尾上浩二さんと北野誠一さんから、それぞれ条例の理念でありますとか「障害の社会モデル」について分かりやすく御講演をいただきます。後半は、15日につきましては、糸賀一雄記念未来賞を受賞された、重度の障害があられながら様々な活動をされている北村佳那子さんをはじめとする「チームかなこ」の皆さんをゲストにしたシンポジウムを開催いたしますし、28日につきましては、国立民俗学博物館の学芸員で全盲の広瀬浩二郎さんによる、「『触常者』という生き方~無視覚流ライフを楽しむ~」と題した講演、その後、北野さんとの対談という構成となっております。
このフォーラムを通じて、条例の理解が深まり、皆さん一人一人が身近にある社会の壁に気づき、障害の有無に関わらず、誰もが暮らしやすい共生社会づくりを考える契機としていただきたいと考えております。当日参加も可能としておりますので、ぜひ周知等御協力いただければ幸いでございます。
3点目、この発表はびわこ大花火大会実行委員会の会長として、発表させていただきます。2020年びわ湖大花火大会の開催候補日が、2020年11月6日(金)と決定いたしました。去る7月4日のびわ湖大花火大会実行委員会で決定されたものでございます。びわ湖大花火大会は毎年35万人の方にお楽しみいただいているもので、今年の花火大会は8月8日(木)に開催いたします。
来年はですね、東京オリンピック・パラリンピックの開催がございまして、警備員の確保が十分にできないおそれがありましたことから、開催可能な候補日を変更するために、模索、検討してきたところでございます。開催候補日の設定にあたりましては、すでに予定されている文化やスポーツのイベントに配慮したほか、大津港周辺の宿泊施設等とも調整しながら決定してまいりました。2020年大河ドラマ「麒麟がくる」もクライマックスに向けて展開しているこの時期、2020年の県観光キャンペーン「戦国ワンダーランド滋賀・びわ湖」もクライマックスに向かっているという、そういう時期でもございます。県内での盛り上がりをさらに加速させ、この盛り上がりを2021年の例えば、「ワールドマスターズゲームズ2021関西大会」、また「全国植樹祭」等、観光キャンペーンなどにつなげていけるような花火大会としたいと存じます。
今後、より詳細に検討を進めていくことになりますが、例えば戦国時代の狼煙を花火で再現し、安土や坂本など戦国ゆかりの地を花火でつなぎ、琵琶湖を中心に滋賀県が一体となるような花火大会にできたらと考えているところでございます。あるいは、チケット半券などの提示で、翌日以降、県内で周遊いただける特典付与の構築なども検討中ということでございます。このほか、8月に比べて日没時間が早まりますので、打ち上げ開始時間をどうするかなども、今後実行委員会の中で検討していきます。地元である大津の皆さんだけでなく、県民の方々、県にお越しいただく方々に楽しんでいただける、喜んでいただける、そういった花火大会にしたいと考えております。また逐次情報は報告、発表させていただきます。びわ湖大花火大会実行委員会からの発表は以上でございます。
続いて、今月のイチオシいうことで、今回から新しく始まる市町の取組を御紹介するイチオシシリーズは「やまシリーズ」と題しまして、これまで「健康」でやってきたんですけど、今回から「やまシリーズ」と題しまして、各市町の「やま」に関連する魅力的なモノやコトに焦点を当てて、この場を使って発信、御紹介させていただきます。栄えある第1回のテーマは東近江市の「木地師のふるさと東近江」でございます。御案内のとおり木地師はですね、ろくろと呼ばれる道具を使って木を削り、木地を磨き、円形の椀や盆などを作る職人のことで、かつては日本各地の深山に入ってろくろを引き、良材を求めて新しい山に移住する暮らしをおくってこられたそうでございます。鈴鹿山系の小椋谷と呼ばれる地域、東近江市長、小椋市長のふるさとでもございますが、木地師のふるさととして知られ、今でも全国の木地師やその末裔とのつながりを持っておられる、そういった古文書等も現存しているということだそうでございます。去る5月には滋賀県初の林業遺産にも認定されました。
今日は、今月開催されますフォーラムの開催の告知をしていただきます。東近江市からゲスト2名にお越しいただきました。東近江市企画課主幹の藤本さん、広報課主事の谷さんです。折角の機会ですので、PR、補足説明をお願いします。
[東近江市]
本日は貴重な時間をいただきありがとうございます。「木地師文化フォーラム」の開催についての御案内をさせていただきます。まず、今ほど知事のほうからお話もありましたけれども、木地師についてもう少し説明をさせていただきたいと思います。木地師は平安時代の初期、文徳天皇の第一皇子、惟喬親王を祖神と仰ぎ、全国各地の人里離れた山中で、とち・ぶな・けやき等の木を切り、ろくろを回して椀や盆などの制作に従事してきた高度な技術を持つ職能集団です。ろくろの技術は、盆や椀の制作にとどまらず、明治以降の産業革命によって、精密機械・万年筆・装飾品など様々な用途に広がり、現在も私たちの身近なところにもあります。
江戸時代には木地師を保護・統括する支配所が蛭谷町と君ケ畑町、小椋谷と言われる地域につくられ、「氏子駆」「氏子狩」と称して全国の木地師の集落を巡回して、初穂料などを徴収し、一方で、山々を自由に行き来できる往来手形や木地師に特権を与えるお墨付きとなる免許状を発給してきました。こうしたことから、東近江市の東部に位置する奥永源寺の小椋谷、蛭谷町、君ケ畑町は木地師の出自の地として、今なお帰属意識を広く共有しており、全国で活躍する木地師の子孫にとって心の故郷であり聖地となっております。
このようなことを背景として、東近江市では木地師文化に象徴される全国に広がるネットワークと自然と共生する豊かな暮らしのあり方を次の世代につなぐ視点を持って、木地師が生業を通じて保全し活用してきた、森林や自然環境との共生、ものづくりの発展に寄与した加工技術や人との繋がりを継承する取組を進めております。今回のフォーラムは、5月28日にろくろの使用をはじめとする独特の技術・習慣・制度を古くから継承してきた東近江市小椋谷が、木地師文化発祥の地として、県内では初めて林業遺産に認定されたことを踏まえ、木地師文化をはじめとする木の文化・森の文化について、継続的な研究をより一層発展させるとともに、歴史や伝統を地域として引き継いでいくことを目的に開催をいたします。まず、林業遺産の認定を地域の関係団体と共有し、林業発展の歴史や文化を顕彰するとともに、今後の地域の財産としてさらに継承していっていただくため、林業遺産認定証の伝達を行います。その後、龍谷大学名誉教授須藤護先生を中心に、ボランティアの方々によって進めていただいている木地資料の分類整理を行うアーカイブプロジェクトの活動の紹介をさせていただきます。併せまして、これまでに調査を終えた資料の一部を成果として展示をいたします。パネルディスカッションでは、名古屋大学名誉教授櫻井龍彦先生をコーディネーターとして、「木地業を地域づくりに活かす試み-産業としての新しい価値と発信-」をテーマに若手木地師の方、地方行政の方をパネリストに木地業の抱える課題、それからものづくりや生業づくり、まちづくりの視点から木工芸を魅力豊かで持続可能な職業とするためにはどうしたらよいのか、皆さんと一緒に考えたいと思っております。
県でも「やまの健康」推進プロジェクトということで、森林の保全と活用に力を入れる方向が示されておりますので、そうした取組とも連携しながら、木の文化・森の文化を後世に継承する取組を推進していきたいと考えております。
【知事】
御両名には、後ほど残っていただきますので、またお問い合わせいただければと存じます。長くなりましたが、私から以上でございます。
[毎日新聞]
先日、大津市が5月の事故を受けてキッズゾーンを全国に先駆けてつくるということを表明されたんですけれども、県として、例えば県道でも全国に先駆けて考えているとか、他の市町にも号令をかける意味で、何か補助とかを考えているとか、何か今検討されていらっしゃることがあれば教えていただけますでしょうか。
【知事】
この課題につきましては、県も大津市などとも連携しながら国に対して緊急要望を行い、国においては6月18日でしたか、関係閣僚会議で方針を示され、その中には我々が提案・要望したことも盛り込まれたところでございます。同日付けで内閣府・文部科学省・厚生労働省の連名で「未就学児が日常的に集団で移動する経路の交通安全の確保の徹底について」という通知が出され、この通知に基づいて、幼稚園・保育所等の対象施設を所管する機関、対象施設、道路管理者、地元警察署が連携して緊急安全点検および交通安全対策を実施することとしております。こういった通知に基づいて、関係機関と連携しながら点検ですとか、必要な対策を講じてまいりたいと存じます。また併せて、先ほど御紹介いただいたキッズゾーンの創設ですとか、キッズガードの制度化、これらについても要望しておりますので、それらが着実に実施されるように、国に対して引き続き要望もしていきたいし、内容等確認をしていきたいと思います。
[毎日新聞]
大津市が先行してやるということについて、他の市町でもどんどん広まっていってほしいなとか、何かそういった思いはありますか。
【知事】
まずは点検をして、そういった必要がある箇所がどれぐらいあるのか、またどういった対策を講じることが有効なのかということについて、よく確認・検討したいと思います。県内市町に広げるのは、その上でということになるのではないでしょうか。
[毎日新聞]
2つ目なんですけれども、先日、琵琶湖文化館の機能継承について再検討する懇話会の第1回の会合が開かれまして、委員の先生方からはですね、立地も含めて検討するという県の方針に対して、それではちょっと時間がかかり過ぎると、もう既に休館してから時間が経っているので、もっとスピード感を持って検討しなければいけないというようなお声がたくさん出ていたんですけれども、今回の懇話会の位置づけも含めながら、今後の議論の進め方についてどのようにお考えなのか教えていただけますでしょうか。
【知事】
今、御紹介いただきましたように第1回琵琶湖文化館機能継承検討懇話会を、先週7月5日に開催させていただきました。今、御指摘いただいたように、一定のスピード感というものは大事だと思います。また、予算や立地を先に示すべきではないかという、こういったアプローチについても理解をいたしますが、一方でそういった予算や立地を示すためにも前提となる、滋賀県の文化財を将来にわたってしっかりと保存する、また次の時代につないでいく、継承する、それらを活用する、また発信していく、そのためにはどのような機能が必要なのかということ。また、私たちは(「美の滋賀」の)3つの柱の1つと位置づけております「神と仏の美」というものを発信するためにはどういった機能が必要なのか、ということを一定整理する、また懇話会の委員の方々と共通理解を持つということも必要なのではないかと思いますので、今回、御議論いただきました。
したがって、今回、出された御意見等も踏まえて、第2回、第3回と臨んでまいりたいと思いますし、いたずらに時間だけかければいいということではありませんので、これは、お預かりしている所有者の方々の思いもあるでしょうし、ああいった形で保存はさせていただいているけれども、県民や県外の皆様方の見る機会を喪失してしまっているのではないかというような、こういった御指摘にもできるだけ早くお答えしていかなければならない。また、何より大切な、こういった文化財をしっかりとした施設で管理させていただくという、こういった責任もございますので、こういった事々をしっかり使命として果たしていくための議論を、実りある形で展開していただきたいと思います。県もしっかり取り組んでまいりたいと思います。
[BBC]
花火大会開催の候補日の決定についてなんですけど、時期を大幅にずらすことで心配されることと、一方、期待されることはどういうことでしょうか。
【知事】
私も長年、この花火大会に親しんできていますけど、11月にこれまで開催されたことは無く、初めてですので、11月にこの花火大会を開催するとどういう光景、状況になるのかというのはちょっと想像できません。
したがって改めて今年8月に開催しながら、11月に開催した場合はどうなるのかということについて、よく検討したいと思っています。いちばんは「毎年8月にやると思っているのに11月か」ということで、11月に来ていただけるかどうか、ということがまず1点あるのではないでしょうか。また、若干肌寒い中で開催されるということが、日の暮れ方が早くなるということもあわせて、人の流動ですとか、また安全対策、何よりも安全対策に支障を来すことがないように対策を講じる必要がある。警備体制の観点から、オリ・パラとの兼ね合いで今回時期をずらしましたけれども、恒常的に警備は必要なんだけれどもかかる人が十分に手配できないという事情が全国各地にでていますので、1年後、2年後にそういった体制をしっかりと構築することができるのかと、こういったこともしっかりと確認する必要があると考えています。
もちろん課題もありますが、逆に11月に開催することで、先ほど申し上げました、いろんな観光との絡みを、11月というのは紅葉の、ある意味ではトップシーズンを迎える直前ということもございますので、そういったことにうまく繋げていけるようなそういった花火大会になるように努力していきたいと思います。
[BBC]
先ほど冷え込みとか、逆に来てくれるか心配っていうこともありましたけど、そのことで、来年はやめようというふうにならなかった判断は何故ですか。
【知事】
花火というのは、はかないものでありますが、しかし、とても多くの方が楽しまれる、いろんなものを感じさせてくれる、癒やしてくれるそういうコンテンツだと思います。とりわけ各地で行われる花火がそうなんですが、びわ湖大花火大会は40万人近くの方々が来られる、楽しまれる、そして例えば泊まられて、周りを歩かれて、買われ、食べられるというような消費行動にもつながる、極めて経済波及効果が大きい、こういうイベントでもございますので、通常の8月には開催できないけれども、やはり開催できるところで、いちばんまたある意味では違う効果が発揮できるところで開催しようという、こういう思いは実行委員の皆様方、関係者の皆様方にも、一定醸成されていたと思いますので、時期が変わるならやめようという、そういう考えを大きく凌駕したんじゃないかなというふうに思います。
[時事通信]
3点ほどお伺いしたいんですけど、まず、今行われております参議院選挙なんですけれども、知事としてはどのような点が、議論されるべき、争点であるべきとお考えでしょうか。
【知事】
第25回参議院選挙が現在行われております。それぞれ政党ですとか、それぞれの候補者の皆様方が、それぞれの政策ですとか政治のあり方、考えについて、今、有権者に、世に問われているところだと思います。
争点は何なのか、何なんでしょうか。時期、人によって違うのかもしれませんが、一般的に言って、政権選択選挙じゃないとすれば、この間の政権運営の評価が下される。また、一定の評価が下されるということでありますとか、この先大事なものについての、大事だとそれぞれの方が考えられるものについての選択の結果が一定示されるのかなと。関心なんかは、世論調査を見てみますと、例えば社会保障分野ですとか、子育て老後の問題でありますか、景気経済の問題でありますとか、こういったことが関心分野としては高いように思いますが、その高い関心分野に、例えばソリューション、例えば改善策を示されている政党や候補者に、どのように支持が集まってくるのかということについては、注意深く見てみたいなと思っています。
[時事通信]
先日、自民党が配布されました折り込みチラシの中に、二之湯さんと知事がお2人で写っていらっしゃって、三日月知事と連携して様々なプロジェクトを進めていますっていうような趣旨の文言が書かれていたんですけれども、知事はこれを御存じで、御承認されたということはあるんでしょうか。
【知事】
まず私は常々申し上げているように選挙は知事として中立、期間中は知事としての公務最優先。一方で政治というものは理念と政策、人と人とのお付き合いと。ですから、選挙活動は一切行いませんが、様々な政治活動について、それぞれの方が取り組まれていること、また一緒に取り組んでいることについて、いろんな場面でお話をしたり、いろんな共有をしたりということは、日常的にやるべきものだと考えております。
まず今回、こういった今質問でお取り上げいただいたような、あれは公示前の政党チラシで、しかもそれは新聞折り込みで配られたチラシに、私と一緒に写っている写真が掲載されていた。三日月知事と、という言葉とともにというふうに理解しておりますが、このことに何か問い合わせなり、私どもの承認があったかというとそれはありません。事務所に届く全てを私も把握しているわけではありませんけれども、例えば選挙期間中のはがきや公報に載せていいかという問い合わせとか、マイクを持ってくれないかという問い合わせ、これは一切お断りさせていただいております。ただ、例えば政治活動の一環で行われることでありますとか、考えられていることでありますとか、一緒に活動していた写真を掲載することについては、いちいち全て問い合わせがあるわけではありませんけれども、それぞれの方の活動の紹介ということで掲載される例というのは、今回に限らずままあるわけです。これは統一地方選挙なんかでもございましたので、そういったことは、我々、何か承認を求めているとか、そういったことはございません。政治活動の範囲内でなさったことではないかと承知しています。
[時事通信]
特に問題はないというふうに知事はお考えでいらっしゃる。
【知事】
どういう意味で何が問題なのかということは、私ちょっとわかりませんけども、現職の議員さんが、滋賀県のためにいろんな活動されていて、その過程は私も一緒に活動してきましたので、そういった活動の紹介として掲載されたり、紹介をされることについては、制約を加えられるものではないのではないかなと思います。
[時事通信]
先ほど、冒頭にお話のありました税制審議会ですけれども、特にこの法人県民税の超過課税について取り上げられた理由というのがありましたら教えていただきたいんですけれども。
【知事】
まず今回、税制審議会の冒頭にも私申し上げたんですけど、新しい自治に挑戦したいと。税こそは、自治の原点であり、基本であるのではないかなと思っているんです。必要な施策を行っていく、そのための財源を負担分担していく、様々な手法がございますが、その主たる手法の1つに税があると。この間、いろんな経緯経過で法人県民税の法人税割の超過課税、また、中小法人に対する不均一課税なんかも創設をされ運用されてきた。また延長等もされてきた。いろんな税率の見直し等も行われてきた。対象についても、各都道府県によってそれぞれだというようなことがあるとするならば、これからの時代に合わせて、それらをどう考えていくのか。もちろんこの法人県民税だけではありませんけれども、だからこそ税制審議会というものを創設して、原則論からいってどうなのか。また、将来を見通す観点からどうなのか。他の府県、時には世界の潮流の中でとらえてみてどうなのかということについては、やはり、専門家の知見もしっかりと得た上で、また県民の皆様方にもより深く御理解をいただいた上で、創り、また変えていくべきものではないかなと考えておりますので、この法人県民税の法人税割の超過課税、期限を迎えますので、変えるにしろ続けるにしろ一定県議会にもお諮りを、もって県民の皆様方にもお諮りをしていかなければならないという課題ですので、しっかりと準備をしたい、そのために議論の素材とさせていただいたということです。それ以外にも様々な課題がありますので、ぜひこの税制審議会、大いに御議論いただけるようにしていきたいなと思っています。
[NHK]
先ほどの参議院選挙について中立とおっしゃった部分についてなんですけれども、改めて伺いますけれども、こういうふうに載っているってことは、その方を応援しているように見えるので、中立っていうのは両方を応援しないことなのか、両方を応援することなのかということを改めて伺いたいと思います。それと、参議院選挙が今回盛り上がっているのか、盛り上がってないのか、私たちも取材をしてよくわからない部分があります。三日月知事はこの参議院選挙、盛り上がっているのか、盛り上がっていないと御覧になるのか、投票率どうなると思ってらっしゃるのか、お伺いたいと思いまして、投票率があまり上がらないのかもしれないとしたら、18歳選挙ということに関連して、若者に投票してもらうようにというような、呼びかけというようなことをしていただければと思うんですが、どうでしょうか。
【知事】
まず2点目の御質問からお答えいたします。まずは我々、選挙管理委員会を市町、自治体とともにお預かりをしているという観点から言うと、適切かつ公正な選挙事務を職員ともども完遂するということが、まず前提にあります。その上で、有権者の方々には興味関心を持っていただき、そして、投票行動に繋げていただくよう必要な広報啓発を、とりわけ今の時代に合った、より多くの方々に目にとまるような、「あっ選挙だったのか」という、情報に触れていただけるような広報啓発をしっかりと行っていく、こういうことにこれからも努力していきたいと思います。
盛り上がっているのかいないのか、それはむしろ皆様方のほうが、アンテナを高く持ってらっしゃると思うんですが、どうなんでしょう、たくさんの車が走る総選挙よりも、今も聞こえませんし、ただ県内歩いて掲示板等を目にしますし、そろそろ選挙公報も入ってくるし、ということではこれから徐々に後半に向けてより興味関心の度合いが上がってくるんじゃないかなと思います。また、そうしていきたいと思います。
中立とは何かという最初の御質問でございますが、まず私が述べているのは、選挙期間中、公示から投票日、いわゆる選挙活動というものには私は与しない、どちらにも与しないということをもって中立と述べています。ただ当然、様々な繋がりがありますので、その公示日前の様々な活動等に、一定の、あまりその選挙と直接結びつくような活動には入らないように自粛しているところでございますが、様々な活動報告会であるとか、そういったところには一緒に取り組んでいる内容や一緒に考えていることなどをお話する、こういうことはさせていただいているつもりであります。およそ選挙に立候補される方というのは私も何回もやってきましたけど、相当な覚悟と決意を持って臨まれているということですので、どの方にも敬意を表しつつ、有権者の審判を仰がれるように、期待をしているところです。
[NHK]
投票してもらうよう、目のとまるよう広報啓発をしっかりと行って努力していきたいとおっしゃったところを、もう少し何か県民に呼びかけみたいなことをしていただけたら。
【知事】
選挙の機会、投票の機会っていうのは、そう度々あるものではありません。その時々の考えを、例えば候補者に、例えば政党に意思表示する貴重な機会でありますので、持ってらっしゃる選挙権は確実にかつ適正公正に行使していただきますように、我々も期日前投票ですとか、様々な投票場所の確保でありますとか、努力いたしておりますので、ぜひ行使していただきますようにお呼びかけ申し上げます。
[朝日新聞]
子ども食堂のことをちょっとお伺いしたいんですけど、4月に知事が子ども食堂を300カ所に増やしていきたいということを会見でおっしゃっていたと思います。滋賀県は先進的にずっと取り組んできて、全国的にも、学校に占める割合ですか、沖縄に次いで2番目ということで、ここまで成功してきてると思うんですけど、それをさらにということだと思うんですが、予算的に言うとですね、去年まで1000万円出していたものが今年から無くなっていて、代わりに5年間の基金3000万円ということで、単純計算すれば単年度600万円と、予算的には減っていると。さらにその基金の中身を見ても、児童養護施設とか、ほかのものにも使うような基金になっているので、300カ所を増やすと言っている一方で、予算措置としては減ってるんではないかというような単純な疑問があるんですが、そのあたりどういうふうに拡大していくというところをどういうふうに考えているのかお聞かせください。
【知事】
まず、この子ども食堂については今お話しいただいたように、できるだけ身近な場所に、子どもたちが、また地域の方々がより寄り合っていただきやすい場所につくっていこうということで、現在100カ所余りでございますが、小学校区に1つは整備できるようにしようということで300カ所に取り組んでいます。また、予算としてどうなのかという御指摘いただきましたが、我々、予算で、公費だけでこの子ども食堂をつくり運営するという形から、持続可能な形で、いろんな方々の協力が得られる体制で整備もし、また運営もするというのを理想とさせていただいております。したがって、立ち上げ支援には入れますけれども、その後の運営等については、長い運営等については、もっと多くの方々の協力が得られる形を模索していこうと。だから「はぐくみ基金」をつくって企業の皆様方にも御寄附いただいて、それらを活用させていただいて、子ども食堂を運営する。例えば食材の提供等どうするのか等についても、様々な工夫と改善をしていこうと、こういう方針で臨んでおりますので、県の措置する予算だけをもって子ども食堂の今後を考えるのではないということを御理解いただければというふうに思っております。
[朝日新聞]
そうすると予算以外の面で、どれだけじゃあサポートできるかというところで、例えば他県だとコーディネーターっていうんですかね、いろいろコンサルじゃないけれども、経営支援するような人を県の予算で置いたりとか、そういう工夫もあるんですけど、やっぱり現場を見ていると、単純にやっぱりなかなか企業の寄附とかですね、集まるのもなかなか簡単ではないし、そこら辺の広がりが今後本当に300行くのかというのは少し不安があるようなんですが、その辺りどういうふうにお考えですか。
【知事】
ありがとうございます。ぜひ現地の方々の御意見などもできるだけ広く、またつぶさに伺いながら施策をつくっていきたいと思います。例えば、企業の皆様方も、この子ども食堂というものをやってみようかということで一部動きがあるようなことも聞いていますし、また、例えばフードバンクなどと連携しながら、これまではお金をかけて買っていた食材をいろんな形で調達できるような仕組みをつくられているような、そういった取組もありますので、今、御紹介いただいた例えばコーディネーターというものを置きながら、そういったものを水平展開していくということとあわせて、今後さらに広げるための、知恵を集める、努力を結集するこういったことに繋げていきたいと思っております。
[京都新聞]
今回の参院選では年金であったり、消費税であったり、改憲であったり、いろいろ議論されてるんですけども、知事が注目する政策テーマは何かっていうのをまず1点お願いします。
【知事】
知事が注目する政策テーマは何か。行政は総合行政ですので、知事はいろんな角度から見ていますので、何か1点だけ絞って、政策テーマを捉えて候補者や政党を見ているわけではありません。ただこの間の、例えば経済政策でどれぐらい経済状況が、ある意味で良くなっているのか悪くなっているのかという、そういう評価をそれぞれの方がどうなさっているのかということだとか、一定自治体の税収、滋賀県の税収はおかげさまで増収になっていますが、企業の収益なども増大しているようですが、所得消費にまた持続可能性の面でどのようになっているのかということ。また我々はいわゆる現役世代と言われておりますが、例えば社会保障の持続可能性ですね、これは年金もそうですけれども、医療や健康保険の仕組などを含めて、果たしてこのままでいいのかという不安は漠然と持つものです。そういったことに、どのような解決策を提示されているのかということは、注目すべき点として、持っていなければならないのではないかなと思っているところです。
[京都新聞]
2点目なんですけれども、滋賀選挙区では、自民党公認の二之湯候補と、野党4党が推してます無所属の嘉田候補が出てまして、お2人とも知事も個人的な関係もあろうかと思いますけれども、それぞれの2候補をどのように評価されておられるかってお伺いできますでしょうか。
【知事】
すいません、それぞれの方の立候補を評価するという立場に私があるとは思ってません。先ほども申し上げたように、現職であられようと新人であられようとその時の選挙に出て、そして有権者、県民の審判を仰ごうというその一歩は、並大抵のことではないと思います。そのことに、私はまず深く敬意を表したいと思う。そして、当然17日間という選挙期間中、その事前の活動も含めてですけれども、それは御本人のみならず、周りで支えてらっしゃる方、これは御家族含め相当いろんな、この暑い中、広い場所をですね、相当御苦労されていると思いますので、なお10日余りございますので、どうかそれぞれの方が無事に選挙戦を戦われるように、お祈りをしています。
17日間というのは全県回るのには、長いようで短いので、もっと行きたいところ、もっと会いたい人に中々会えない選挙戦になるということとか、報道等でいろいろ言われますと、何て言うんでしょうか、そのインパクトなど、候補者は感じてないように装いますけど意外に感じていたりしますので、そういったことに打ち勝ちながら選挙戦を戦われるということだと思いますので、どうぞ、それぞれの方には頑張っていただきたいなと思います。
[京都新聞]
あえてお伺いしますけど、どちらの候補が滋賀の代表にふさわしいとお考えですか。
【知事】
みんな頑張ってほしいですね。
[滋賀報知新聞]
大きく2つ伺いたいと思うんですが、まず1つ目、県のホームページにつきまして、先の議会でも話題になってまして、議会の前の会見でも6月末を目途に改善を進めてということで、6月29日付でトップページが変わりましたという表記が出ているかと思うんですけれども、現時点7月になりまして達成状況と今後のスケジュール感というのをまず1つ伺いたいです。
【知事】
県のホームページにつきましては、この間、3月下旬から様々な不具合があり、多くの方々に御不便をおかけいたしました。改めてお詫びをしたいと思います。これらをできるだけ早く解消改善しようということで、まずは6月中ということを目標に取り組んでおりまして、概ね昨年度末の公開時に生じていた不具合というものについては改善できたのではないかなというふうに思っております。例えばトップページのデザインや配置の変更、県庁の組織名から記事を探すことのできる機能の追加なども行いましたし、記事のタイトルを変えたり、メニューの分類の見直しなども行って、掲載方法の整理を一定行ったというところでございます。現時点で、「こんなんじゃあかんやないか」とか、「まだまだやないか」という御指摘をいただいているということはないように聞いていますが、なお注意深く、反応等を見ていきたいと思います。
今後はですね、さらに専門家の方々、また県民の皆様方から御意見をいただく場を設けて、県の政策の窓であるホームページをよりよくするためにどんな取組をしなければならないかということについて、しっかりと考えていきたい。またそれらを7月から8月にかけてお伺いしながら、9月には一定の改善の方向性をお示しできるように努めていきたいと考えているところです。
[滋賀報知新聞]
今後のスケジュールの話の続きなんですけども、議会の最終日に委員長報告で6月末から、これから専門家や県民の意見を聞いてというので、委員長、総務企画常任委員会の委員長のほうから、ちょっと対応が悠長ではないかという厳しい御指摘があったかと思うんですけれども、それに関して知事の御所見を伺えればと思います。
【知事】
中長期という悠長なことを言ってはいけない、期限を切ってというようなお話、場合によっては、ゼロベースでというようなお話を委員長報告でいただいたことは私も強く認識をしております。だからこそ7月から8月にかけて一定お伺いしながら、9月にはですね、その後どう取り組むのかという方向性をしっかりとお示しできるようにしていきたいと思います。
[滋賀報知新聞]
先ほど概ね改善はされたというお話があったんですが、当初問題として検索をすると古いページが1番上に来てしまうというのがあって、ちょっとまだ現状それがあるんですね。例えば外部のページからなんですけれども、Googleのページから滋賀県ハザードマップで検索をすると古いページが1番上にくるとやっぱり問題かなと思うんです。そういうのに対する対応っていうのは今後も進めていく感じなんでしょうか。
【知事】
御指摘ありがとうございます。全てが100%対応改善できているわけではない面もございますので、今御指摘いただいたようなことも含めてしっかりと確認の上改善していきたいと思います。
[滋賀報知新聞]
ホームページに関してもう1点だけ伺いたいんですけども、トップページが新しくなってパソコンから見ますと山の上から琵琶湖を女性が見下ろしている写真が上がっているかと思うんですけども、たしか滋賀写真部の取組で、インスタグラムで投稿された中から採用されたものだと把握しているんですけれども、滋賀写真部の取組は基本的には、県の広報で使うときには撮影者の名前を掲載しますけれどもデザイン上の都合により書かない場合もありますというのがあるんですが、今回県のホームページに、Cマークなり#滋賀写真部なり、それがないないのは何か理由があるのかなと思いまして。
【知事】
すいません。担当者に問います。
[滋賀報知新聞]
あともう1点、冒頭お話しありました木地師の文化フォーラムに関しまして、まず知事はこの当日、御参加をされる御予定があるのかということと、このフォーラムに関する思いをちょっと伺えたらと思います。
【知事】
木地師のこの文化が、林業遺産に認定されたという報告を受けた時、大変嬉しく思いました。この地域、このテーマは私自身も、あれは3年前でしたか、知事の短期移住居住生活の中で、現地で確認をしておりますし、もっと広く知られる、知られたらいいなと、そういったこともあったので、私どもやまの健康という取組を始めたところでございますが、主たる生業の一つである、こういった林業、また木地師というのがフォーカスされることは大変意義深いことだと思います。
当日の私の参加についてはまだちょっとすいません、スケジュール把握をしておりませんが、この1回に限らず、まずは市民県民の皆さんにも知っていただくこと、このことで誇りを持っていただくと、さらには、そういったことを広げていく、こういった取組が大事だと思いますので、機会を見つけてまた私自身も参加等させていただければと思います。