おはようございます。
週末からいろいろと追悼行事もございましたが、熊本地震発生から二年ということでございます。この震災は多くの被害をもたらしたと同時に、連続して揺れる前震、本震なる新たな概念が出てきたということからしても、我が国の災害史上の重要な教訓を残してくれたのではないかと思っています。
本県もこの熊本地震に寄り添う形で取り組んで来たことなどをもとに、「滋賀県地震防災プラン」の策定を、昨年度行いました。具体の取組を、今年度しっかりと実効的に進めていきたいと存じます。
また、週末には湖国三大祭りでございます「長浜曳山まつり」、「山王祭」など、県内各地の多くのお祭りに多くの方々でにぎわったということでございまして、こういったお祭り、文化、文化財等を大切にしてまいりたいと考えております。
また近江高校出身、横浜DeNAベイスターズ 京山選手も好調ですね。頑張ってほしいですね。投げっぷり、ストレートの伸びがいいですね。今後に期待したいと思います。
さて、今日は私のほうからの話題として、二点ご紹介いたします。お手元に資料、パンフレット等あると思いますが、一点目は、シンポジウム「アリス・ウォータースさんに学ぶ 食・農・暮らしの持続可能な未来」の開催についてでございます。
滋賀経済団体連合会・滋賀県教育委員会との共催また、関西SDGsプラットフォームの後援のもとですね、4月21日(土曜日)今週土曜日に、シンポジウム「アリス・ウォータースさんに学ぶ 食・農・暮らしの持続可能な未来」を開催いたします。
本県ではですね、昨年6月の「サステナブル滋賀 SDGs」シンポジウムを開催いたしましたし、昨年12月には「キャンパスSDGs滋賀ワークショップ・シンポジウム」を行いました。それに続く、SDGs関連のシンポジウムの開催となります。
本シンポジウムではですね、アメリカで校庭のオーガニック菜園での食育、これ「エディブル・スクールヤード活動」と言われているんだそうですが、こういったことに取り組まれるアリス・ウォータースさんの基調講演のほか、滋賀県内の小学校の活動報告、パネルディスカッションを行います。食、農、暮らしという、県民の皆さんに身近なテーマを取り上げることで、県民の皆さんと一緒に考え、実践につながるきっかけにしたいと考えております。
すでに、滋賀県内外から多くのお申込をいただき、当初の募集定員から急遽、座席の枠を増やして対応したところでございますが、昨年6月のシンポジウムの約2倍となる数が、早々に満席になっているという反響でございます。
ただ当日は報道機関の皆さま用のお席をご用意しておりますので、是非、ご取材、ご聴講いただければと存じます。パンフレットの写真にはありませんが、私も参加させていただく予定で、一緒に学ばせていただきますし、聞いているところ県立図書館からは、アリス・ウォータースさん関連の書籍等を、会場でご紹介するような取り組みもしていただくということでございます。
続きまして、今月のイチオシでございますが、草津市「サラノキ」を紹介いたします。「平家物語」の冒頭の一節、「祇園精舎の鐘の声、諸行無常の響きあり、沙羅双樹の花の色、盛者必衰の理をあらわす・・・・」に出てくる「沙羅双樹」は、本日紹介する「サラノキ」とのことでございます。このサラノキは、釈迦入滅の際にですね、東西南北に2本ずつ生えていたので双樹といわれているそうでございまして、お釈迦様が死を迎えようとするとき、この木全体が白く色を変えたという伝説があるんだそうです。
この「サラノキ」の花は、日本では、草津市の水生植物公園みずの森でしか見られない、大変貴重なものだそうです。
開花は、3月から5月の間の1~2週間程度ということでございまして、具体的な時期は後ほどご紹介があると思いますが、淡い黄色の花で、直径は約2.5cmで星の形をしているということでございまして、ジャスミンのような甘い香りがするんだそうです。大変珍しい花ですので、開花の際は、是非大勢の方にご覧いただければということでございます。
水生植物公園みずの森では、他にも仏教・釈迦にまつわる樹木として、「ムユウジュ」と「インドボダイジュ」というものも育てられているそうでございまして、「サラノキ」とあわせて「仏教三霊木(ぶっきょうさんれいぼく)」といわれているそうですが、いずれも珍しいものですので、あわせてお楽しみいただければということでございます。
本日は、草津市から3名のゲストにお越しいただきました。ご紹介いたします。水生植物公園みずの森 副園長 中川 知之さん、草津市公園緑地課参事 藤崎篤さん、同じく草津市公園緑地課副参事 井上太さんでございます。せっかくの機会ですので、補足説明やPRをお願いします。
[草津市]
サラノキの開花の時期のご案内をいたします。当水生植物公園のサラノキは平成5年から毎年開花しています。早い年で2月中ごろから開花し、遅い年で5月の中ごろまでの間で開花しています。普通ですと、だいたい今ぐらいに開花しているところですけども、今年は遅いです。
平家物語に出てくる沙羅双樹ということですけども、夏椿とかの白雲木とかではありません。金剛峰寺の涅槃図は、お釈迦様が涅槃になられた時の図です。清水寺とか東福寺さんなどでも涅槃図というのはございます。そこに写っているように東西南北に二本ずつ絵が描かれているのがサラノキです。二本ずつあることで、沙羅双樹と呼ばれております。皆さんご存知のとおり平家物語というのは、平家が飛ぶ鳥を落とす勢いで世の中を治めていたのが滅んでいく様を物語にして琵琶法師により伝えられたのが平家物語です。滅んで行った様をですね、サラノキが咲いていた花が散って行ったという、その無常観と言いますか、それが涅槃図にも描かれております。今年は、開花してから15年目になります。毎年、開花するんですけど、今年は開花の兆候がなく・・。
[知事]
咲かない年も、あるんですか。
[草津市]
毎年咲くのですが、今年は兆候がまだ見られず、私も胃が痛くなるくらいです。
そのほか当園には、「インドボダイジュ」と「ムユウジュ」というのがあります。ムユウジュというのは、お釈迦様がムユウジュの下で生まれた。インドボダイジュの下でお釈迦様が悟りを開かれた。サラノキの下で涅槃に入られたということで仏教三霊木と言います。
[知事]
あと、デビルズハンドトゥリーというのがありまして、昨年度でいいますと5月1日に開花してるんですが、今朝見てきましたら、あと1日、2日くらいで咲くんじゃないかと思っています。2週間程度早いと思います。これは名前のごとく悪魔の手といわれ、うまくいけば「お釈迦様の花」と「悪魔の花」が競演して咲くんじゃないかと思っています。この花も、大体5日から1週間くらい開花し、それが次から次と咲いて、ひと月程度見られるので、5月の中ごろまで見れるんじゃないかと思っております。サラノキとデビルズハンドトゥリーはそのようなことでございます。
次に「ハス200鉢プロジェクト」について、紹介をさせていただきます。
[水生植物公園みずの森]
「ハス200鉢プロジェクト」ということでご案内がございましたけれども、実は昨年、「ハス100鉢プロジェクト」というものを実施させていただきました。当園の近くに、琵琶湖の一部でございますけれども、壮大なハスの群生地があったんですけど、2016年、一昨年からハスが咲かなくなってしまいまして、当然、私どもも非常に残念に思っておりますが、お客様、市民の方も大変残念がられておられるという実情がございました。
そのためになにか、新しい見どころをということで、ハスの復活をというお声が非常に多くありまして、市民の方と一緒に植付けをしようということで、市民の方にも参加いただきまして、大きな植木鉢にレンコンの植付けを行いまして、当園の池に沈めるという形で実施させていただいたのが、昨年の「ハス100鉢プロジェクト」でございます。今年は「200鉢プロジェクト」ということです。昨年の段階で、園内の池の半分くらいがハスでいっぱいになりましたので、もうあと100増やせばハスの景色が拡がるんじゃないかということで、今年もやろうということです。
ちょうどこれが昨年5月の、植えた後の写真でございます。次に7月19日の写真がこちらになり、少し咲いてきた状況が見られます。最後、これが7月の終わりに、園内の池がハスでいっぱいになったところです。今年は4月21日(土曜日)に市民の方と一緒にハスの植付けをおこないます。新しいみずの森の見どころとしてこれからこういったことを進めていきたいと思いますので、どうぞよろしくお願いいたします。
[知事]
私も折に触れこの草津水生植物公園みずの森には伺っておりますが、大変楽しい場所ですので、ちょうどこういった「ハス200鉢プロジェクト」などもありますし、サラノキも咲いてくれるのかどうか、みなさんにもお楽しみいただければと思います。
草津市のみなさんにはお残りいただき、後ほど取材等にも応じていただきますので、よろしくお願いします。どうもありがとうございました。
私からは以上でございます。
[朝日新聞]
昨日、投開票の行われた近江八幡市長選ですが、知事もご存じのとおりかと思いますが、現職が大差をつけられて敗れるという結果になりましたが、もし所感があれば、近江八幡市長選をご覧になっていて思われている部分があればお伺いしたいのと、首長会議ですね、またメンバーが変わって、知事からもう一度、市長会なりに意見をお伺いするというお気持ちとか、あるのかどうかお伺いできればと思います。
[知事]
まず、近江八幡市長選挙、昨日投開票が行われた、この結果については、市民の選択の結果だと思います。それ以上でも、それ以下でもないということですので、こういう結果、新しい市長が誕生された訳ですから、近江八幡市政と、そして滋賀県政と、よく連携して、皆さま方のご負託に応えられるように努めてまいりたいと思います。
なお、後段ご質問いただきました首長会議の関係でございますが、首長会議は市長会から問題提起、ご提言、ご要望を、申入れをいただいて、現在、今後のあり方についても検討しているところでございますので、よく議論をしていきたいと思います。
現職の市長会長が今回落選されたことを受けて、市長会でどのように対応されるかは、市長会でご議論のうえご判断されることではないかと思います。
いずれにしろ、こういう自治を進展、発展させていくために、首長会議もそうですし、市長、町長、各自治体との対話というのは大切だと考えておりますので、これからも丁寧に対話をし、様々なものを作っていきたいなと思います。
[朝日新聞]
近江八幡市長選の関係ですが、市民の選択というところに尽きるということなんですが、今回、自公の候補が敗れるということで、自民党もいま中央の方でですね、色々な問題を抱えているということで、そういった影響もあるのかなというふうに私なんかは見るのですが、知事の方はそこら辺はどうですか。
[知事]
わかりません。近江八幡市長選挙がどのような状況の中、また、どのような争点で、市民の皆さま方のどのようなご関心で戦われたのか、論じられたのか、また、一票を投じられたのか、ここは定かではありませんので、そのことの評価は分からないと思っています。
ただ、色んな世論調査等で支持率なりが低下しているということですとか、国民の皆さま方の厳しい視線が向けられているということは、選挙に携わられた方々も一定ご認識された部分もあるのではないかなと思っているところです。
[朝日新聞]
知事選ではですね、自民党県連の方は知事の支援という形を取りたいというようなことを言っていますが、そういう意味では、ある意味、自民の支持率が下がっていたりですね、というところがどういうふうに、まあマイナスに出る可能性もあるのかなというのが今回の近江八幡市長選からも少し考えてしまうかなというところがあるのですが、そこら辺はどうですか。
[知事]
このご質問についても分かりません。ただ、何を問い、また、誰と一緒に、どのような選挙をやるのか、ということにも影響してくるかもしれませんし、選挙に至るまでの間、何をやってきたのか、また、選挙のあと負託される期間に何をしようとしているのかということが、評価されたり、選ばれたりされるのではないかなと思いますので、そこは真摯に対応していきたいと思います。
[朝日新聞]
最後にもう一点だけですが、原発に関してですが、4年前の選挙の時もですね、原発は一つの大きな争点だったと。卒原発というところで知事の支持も高かったというふうに見ているのですが、改めて今回の知事選に向けてですね、今の段階での、地元同意のあり方だったり、避難訓練のあり方だったりとかを含めてですね、知事の今のお考えをお聞かせください。
[知事]
4年前から私は申し上げておりますし、今も変わっておりませんが、原発に依存しない新しいエネルギー社会を作っていくんだと、粘り強く卒原発を果たしていくんだと、いかなければならないのではないかと、こういった方針で今も訴えていますし、そのことは引き続き、選挙でも問い、県民の皆さま方にも訴えていきたいと思っています。
まず、現存する原発に対しては、実効性ある多重防護体制の構築を急ぐべきだということであります。これは、立地自治体のみならず周辺自治体も含めて、また、ハードのみならずソフト対策も含めて、ここには避難計画も当然含まれます。そして、オンサイト、原発のサイトだけではなくて、オフサイトの施設整備も含めてということでございますし、それらは随時、任意の、それぞれの原発ごとの、電力事業者ごとの対策ではなくて、法定でルール化すべきであるという、こういったことをもって実効性ある多重防護体制だと申し上げておりますが、こういったものの構築に向けて、しっかりと着実に取り組んでいくということです。
この間、高島市と高浜の協定についても、まだ私どもが求めている協定ではございませんが、一定締結をすることができましたし、他県、他地域の事例ではございますが、立地自治体のみならず周辺自治体にまで広げる形で再稼働の同意を求めるような事例も出始めているところですし、様々な電力事業者や、また、国との、こういったテーマについての対話、議論というものも絶えず行っておりますので、そういう中から、私どもの懸念、不安、提案についても耳を傾け、対応を取っていただけるように、引き続き取り組んでいきたいと思っています。
また、再稼働等についても、それぞれ新規制基準に基づいて行われているところでございますが、私どもは実効性ある多重防護体制の構築が道半ばであること、原発を動かせば、いまだ見通しが立っていない使用済み核燃料の増産が行われてしまうわけですから、その「静脈」の見通し無き再稼働については容認できる環境にはないということを申し上げているところでございまして、その環境にいまだ改善の兆しは見られないのではないかと考えているところです。
折にふれそういったことは申し上げていきたいと思います。
[時事通信]
首長会議のことですけど、町村会の方も、市長会の主旨に賛同するということですけど、今後、市長会だけではなく町村会もという中で、県としてはどういうふうに対応されますでしょうか。
[知事]
先ほどの質問とも関連いたしますが、どのようにすればいいのかということを、よくご意見、ご提言等を承っていきたいと思います。
私は、毎回テーマを民主的に選び合って、そして一定時間それぞれ議論し合う場は、とても有意義なものであると思っていましたし、その議論をもとに様々な施策を進めたり、変えたりしたこともございますので、ただ一方で、全ての方が同じ強弱の度合いをもってそのテーマに向き合えていたかというと、以前よりは出席してくださる首長さんは増えたかもしれませんが、そうでない面があったりだとか、個別のご要望、ご提言が多くの時間を割いてしまって、同席されている方々との度合いに少し差があったとすればですね、そういったものを改善するためにどういうテーマで、また、どういうやり方で、どういう頻度で行っていくのがいいのか、他の都道府県の事例もあるでしょう、また、滋賀ならではでこれまでやってきたこともあろうかと思いますので、よくその辺り、関係者の皆さま方と議論したいと思います。
[時事通信]
原発の関係で、経済産業省の有識者会議で2050年までの長期的なエネルギー戦略というのをまとめて、基本的には原発は選択肢にあるけども、再生可能エネルギーにシフトしていくというような内容だそうですけども、先ほど知事も仰いましたけれども、この提言に関しましてご所見がありましたらお聞かせください。
[知事]
いずれにしろ、長期的な見通しの中で、どうエネルギーを国として作っていくのかという課題だと思います。と同時に、長期的に見たときに、40年、60年の廃炉ルールをどう作っていくのか、これには廃炉した先のそういった廃棄物をどう処理していくのかということとも絡むでしょう。また、再生可能エネルギーは、作られる時と作られない時との差があったりしますので、そういったものをどう、例えば、送電できるのかというような、送電容量をどう緩和していくのか、いけるのか。さらには、あれは2009年でしたか、余剰電力買取制度ができて、太陽光発電が広まって、その後、固定価格制度ができて、それから10年経って、いよいよまた新たな課題を迎えるということもございますので、こういった料金との兼ね合いということもあるでしょう。さらには、蓄電池などの技術開発の進展等も課題になってくると思いますし、そもそも再生可能エネルギーのようなものは、国全体で融通し合うというものもあるでしょうが、地域内で循環させるという仕組み、こういったことに電力のシステム、また価格制度等がどう対応していけるのか、などなど、様々な論点で議論されてしかるべきテーマだと思いますので、まだ計画の中身もいま検討中ということでございますので、我々もよく注視しながらですね、新しいエネルギー社会を志向する滋賀県としてどういうことが想定できるのか、よく見ていきたいと思います。