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知事定例記者会見(2018年10月18日)

平成30年10月18日
(県政記者クラブ主催)

おはようございます。お久しぶりでございます。10月になりました。今月の句といたしまして、

秋寒し湖国に注ぐ魔法かな 秋寒し湖国に注ぐ魔法かな と。

随分、肌寒くなってまいりました。昨日は長浜、信楽と、いろいろ巡ってまいりましたけれども、随分紅葉が進んできたということでございますので、美しい湖国の秋を皆様方にお楽しみいただければと存じます。また渡り鳥たちも巡ってきてくれているようでございますので、これからもこういった命の基盤である自然環境を大事にしていきたいと存じます。

さて、先ほどの予算編成会議でも申し上げたんですが、今週、今開催中であります、15日から開幕いたしました第17回世界湖沼会議、私も開会式に臨んでまいりました。4,000人の方々が集われるという、そういう、世界会議でございますが、湖国、滋賀県、琵琶湖で始まったと、登壇される方、スピーチされる方、多くの方々からですね、琵琶湖、滋賀というような言葉が出されるということもございましたので、大変誇りに思ったところでございます。私も開会式でですね、湖沼の水を守ること、生態系を守ることは世界の水を守ること、したがって人類の命を守ることにつながるというメッセージを発しました。ぜひ、この湖沼の水環境問題を世界の水環境問題の主要なところに持っていくというこの新たな取り組みをですね、今後展開していきたいと思います。

その一環で16日にはですね、本県の呼びかけにより、茨城県、長野県、鳥取県、島根県の5つの自治体と湖沼水環境保全に関する自治体連携というものを設立することができました。まずはシジミの復活をしようという具体的な取り組み目標も定めているところでございますが、ぜひ自治体間で連携しながらですね、国や世界にさまざまな取り組みや課題等を発信をしていきたいと思います。

関連いたしまして、昨日からですね、長浜市長浜バイオ大学ドームにおきまして、第21回びわ湖環境ビジネスメッセが開幕いたしました。今日も、明日まで行われているところでございますが、新たな素材についての展示ですとか、SDGsのコーナーですとか、それぞれの展示ブースごとにSDGsとのかかわり合いを紹介していただくなど、未来につながる世界につながる、そういったビジネスメッセでございますので、この中でも一つでも多くの商談が行われるよう我々も期待したいと思いますし、今後ともそういった取り組みをぜひ推進していきたいと考えております。

その意味におきまして、今日からいよいよ来年度のさまざまな議論が展開されますので、世界で日本で起こっている変化をとらえながらですね、そういったものから逃げずに、前向きにとらえチャンスとして受け入れることで、新たな時代をつくっていきたい、折しも来年度は平成から新たな時代に入ってまいります。ちょうど滋賀県でも新しい基本構想をつくり、また新しい行政経営方針を策定する予定ですので、第一歩を踏み出していく年にしたいと。未来へということで一人ひとりの命と人権、その健やかさ、その人らしさを大事にしていきたい。特に、安全・安心、防災、防犯、子ども、障害のある方々への取り組みを充実させていきたい。琵琶湖、山、自然その生態系サービス、これは全ての基本になると思いますので、こういったものをしっかりと守っていきたい。また三つ目として活力・発進力・持続力。ニーズオリエンテッドで施策の再構築をしていきたい。そして四つ目、未来と世界、特にSDGsとのかかわり合いを施策にしっかりと反映させていく、五つ目として、県庁の組織の経営ということでSHORCと。サスティナビリティーとそしてヘルシーとオープンさらにはレジリエンス、そしてコラボレーションという、この5つの視点で県庁組織の経営をさらに充実していく1年にしようと。そのための予算をつくり、組織体制を検討し、そして、事業を構築していくという、そういうことを今日方針として発表したところでございます。

ぜひ議会の皆様方、また報道機関の皆様方もって県民の皆様方からさまざまな御意見と御指摘等、賜れば幸いでございます。
少し前置きが長くなりましたが、今日私のほうからは2点、御紹介申し上げ、後の御質疑に備えたいと存じます。

1点目は、「しが生物多様性取組認証制度」の応募ということでございます。これは全国初の取り組みとして、滋賀県でスタートさせております。しが生物多様性取り組み認証制度の応募をですね、11月30日まで受け付けております。

これは、それぞれの事業者等が行う生物多様性の保全利活用に関する取り組みを取り組み項目数に応じて、1つ星から3つ星まで知事が認証する制度でございます。先程来、話がありますようにお預かりしている琵琶湖、その水源の山々、流れ注ぐ川々、そして里山と多様な自然からいただく恵みを私はいただきながらですね、日々生活、経済活動を営んでいるところでございます。そのやはり元はですね、生物多様性が健全に保たれていること。既に失われているものがあるとするならば、そういったものをどう取り戻していくのかということが大事なのではないかと思っておりまして、この取り組みはSDGsの中でもベースとなっていると考えております。ただ一方ですね、山や里で鳥獣害があったり、琵琶湖では外来種が増えたり、もともといたものがいなくなったりというバランスが崩れているという状況がございますので、私たちもそうですけれども、事業者の皆様方にもその事業活動の中にですね、生物多様性保全への配慮を組み込んでいただくことも重要だと。そのことがESG投資の流れですとか自然資本経営という今、世界の中でも主流になりつつある経営の取り組みにもつながっていくのではないかなと考えております。県ではですね、これまで滋賀経済同友会と共催で、平成25年度からしが生物多様性大賞を5年間行い、県内で行われている生物多様性保全に関する先進的な取り組みを表彰するという制度を実施してきました。今回の認証制度はですね、こうした個々の取り組みの裾野を広げて、より幅広い県内事業者の皆様方にもこの生物多様性保全に取り組んでいただくためですね、3年間にわたって検討を重ねて立ち上げたものでございます。本制度の開始に当たりまして、認証を受けた方に使っていただける認証マークを作成いたしまして、こちらがそのマークということでございます。真ん中に琵琶湖そして人、さらには、木々の葉や木の実や生き物たちのこういう健やかな様相ですね表現をいたしました。ぜひこういう取り組みをですね、マークとともに、発信しながら広げていきたいと思っております。11月30日までが応募、年度内に第1回目の認証を行う予定でございますので、ぜひ皆様方にも御報道等、お力添えを賜れれば幸いでございます。

続きまして、ゲストをお招きしております。今日からですね、この知事の記者会見では「いちおしコーナー」ということでいろんな取り組みを紹介してきました。前回まではですね、花と緑の滋賀シリーズということで、各市町のさまざまな花や緑を紹介してきたところでございますが、今回から衣替えをいたしまして、「健康しがシリーズ」と。みんなでつくろう健康しがでございますので健康しがシリーズということで、各市町でさまざまに工夫を凝らして展開されている健康にまつわる取り組みを紹介させていただくというコーナーでございます。

その第1弾は、竜王町の「りゅうおう健康ベジ7(セブン)チャレンジ」。何か、正義の味方が出てきそうですけども、りゅうおう健康ベジ7(セブン)チャレンジ、通称ベジチャレ7(セブン)を紹介させていただきます。

竜王町の平均寿命はですね、男女ともに県平均よりも低いんだそうでございます。私も知らなかったんですけど。健康寿命についても、県内で男性8位女性17位ということで、高血圧ですとか糖尿病の予備群が多い、若年層の男性に朝食を食べない人が多い、男性の野菜摂取が少ない、女性の肥満割合が高いなどの課題があるんだそうでございます。そこで竜王町ではですね、健康寿命の延伸を目標に平成30年4月から今年の4月から5年間の取り組みとして健康推進員などと連携しながら、ベジチャレ7(セブン)をスタートされました。ベジはですね、もちろん野菜のベジですし、セブンはなんでセブンなのかと聞きますと、塩分7グラム未満と7つの取り組みにかけてネーミングをされたものということでございまして、今日もお持ちいただいておりますが、こういったのぼり旗やポスターにもあります通り、野菜350グラム摂取、7つの取り組み塩分が7グラム未満という目標など呼びかけをしながらですね、取り組みを進められているということでございます。

とりわけ今年度は、栄養食生活に重点を置かれているということでございますので、今日はその取り組みをせっかくの機会ですので、御紹介いただきます。

それではゲストを紹介します。竜王町 健康推進課 係長の小林あゆみさんです。もう御一方、未来創造課 課長補佐 臼井由美子さんでございます。それでは御説明、PRをよろしくお願いいたします。

【竜王町】

それでは竜王町からPRさせていただきます。先ほど知事からもご紹介いただきましたベジチャレ7(セブン)ですが、今年度は栄養、食生活に重点を置いて進めております。朝食に野菜をプラスして摂取でき、しかも減塩の「目覚ましON野菜~de減塩~」レシピを考案し、住民に周知を行っております。レシピ集には野菜や塩分の摂取量が一目でわかるように工夫をしております。第二弾のレシピを考案するにあたって町の魅力をいかしたまるごと竜王産レシピ募集の中に、ベジ7(セブン)チャレンジ部門を設けてメニューを募集中です。この機会に自分なりの減塩でなおかつ野菜をたっぷり摂取できる方法を考える機会にしていただけたらと思います。ぜひ、みなさんの応募をお待ちしております。ベジチャレ7(セブン)で目指せ健康寿命延伸!

【知事】

ということでございまして、とてもポスターや今の御紹介いただいたパネルなども親しみやすく、皆さんにお目にしていただきやすく描いていただいております。ちなみにですね。本県が以前も紹介しましたがシリアルブランド日本ケロッグ様と連携して行っております2週間大人腸活、こちらでも竜王町をフィールドにベジチャレ7(セブン)に位置づけていただいて、取り組んでいただいておりますので、合わせて御取材等いただければ幸いだと思います。また竜王町さんでは、チャチャチャ運動などもあるんですよね。県議会でも紹介されてましたけど、この歯と口腔の健康ということは、ある意味全県でも非常に先進的なお取り組みをいただいているところでございますので、ぜひ竜王町さんの取り組みも充実させながら、さらに県民の健康寿命の維持につなげていきたいと存じます。

今日はどうもありがとうございました。後程また御取材等いただければと存じます。私からは以上です。

[中日新聞]

予算編成方針のことで伺いたいんですが、5点お話があったと思うんですけど、1番最初に、人権、命、安心・安全を持ってこられた理由について伺えたらと思います。

[知事]
選挙直後にも、私の所感として申し上げたことを覚えてらっしゃる方もあると思いますが、私は2期目を目指すにあたり「健康しが」ですと、人の健康、社会の健康、自然の健康ですと、ずっと言ってまいりました。そのときに複数の方々からですね「私はその知事さんの取り組みに参加できてるやろうか」と。「高齢だし、家族を介護してるし、子供に障害あるし、会社は中小企業だし、後継ぎないし、過疎化だし」というようなお話がありましてね、この健康しがの取り組みは、ぜひその人らしく、全ての方に共感をもって、取り組んでいただける、進めていく、そういうことが大事だなあと強く感じたところでございますので、もちろん県として知事として全体は見て予算はつくるんですけど、その施策構築にあたっては、やはり一人ひとりの置かれている状況、また抱えてらっしゃる課題にもしっかりと目が向けられる、心が向けられる、そういう予算編成や事業づくりをしようということを改めて思いとして込めたいと思い、込めねばと思い述べさせていただいたところでございます。

[中日新聞]

先日ありました県政世論調査、滋賀県に誇りがありますかという設問が新たにできて、73%の方が「誇りがある」もしくは「どちらかというと誇りがある」というお答えだったと思うんですけれども、それについて知事の受け止めと、知事自身、滋賀のどこに誇りがあると思われるかあわせて伺えますか。

[知事]

今回、この51回目の県政世論調査に、初めて入れたんですよね。去年にはなくて今年入れてみたんですよね。それは、滋賀県もしくは滋賀、琵琶湖のブランドというものを考えたときに、どういう状態を目指したいかという項目の中に、まず私たち自身が、自分たちの住んでるところ、滋賀ないしは琵琶湖というものに誇りを持ててるかどうかということが大事だということに至りましたので、じゃあ現状どれぐらいお持ちいただいてるのかっていうのを見てみよう聞いてみようということから、この項目を入れました。その意味で73%の方が誇りありということでございますので、一定、多くの方に、誇りを持っていただいているのではないかなと思っております。ですから、こういったことをさらに伸ばしていけるように、努力をしていきたいなと思います。

ちなみに私がどこに持っているか。もう、そんなこと言い出したらきりないんですけど、ただ、この1週間、特に思ってますのは、琵琶湖を初めとする自然の恵み、これは景観も食べものも水も全てですけど、やはり、これがあってこその滋賀県ですので、ここには特に誇りを持ってます。

[京都新聞]

KYBの免震制震装置の不正改ざんが明らかになりましたけれども、滋賀県内の状況をどのように把握されているかと、どのように対応していこうとお考えになられているかをお聞かせください。

[知事]

国でもそうなんですけど、現在調査中です。まだどこにどれだけあるのか、私が今把握できる状況にはございません。ただ、制震免震というのは、建物の構造においても大変重要な部分でございますし、先般もゴムの様々な不正等が発生してですね、社会問題化したところでございますので、私も重大な関心を持って状況を見守っているところです。また、わかり次第、御報告等させていただきたいと思います。

[京都新聞]

本議会中、台風21号ですとか台風被害がありました。特に21号は、風が強いという特徴があったかと思うんですけれども、今回得られた教訓、課題というのはどのようにお考えになられているでしょうか。

[知事]

そうですね、台風21号については観測史上最大の強風をもたらしましたので、ある意味ではこれまでにない教訓を、また与えてくれたと思っております。まずは被害復旧に全力を尽くすということですけれども、得た教訓としてはですね、迫り来る台風の強風にどう備えるのか。起こりうる強風災害にどう備え得るのかということについて考えたい。特に農業ハウスについては、もちろん風向きや風の力によっても変わりますけれども、強化されたハウスと強化されてないハウス、その中の作物は犠牲にすることになるかもしれませんけれども、風を受けないがために捲って備えられたハウスと捲らずに風を受けられたハウス、それで倒れてしまったハウス、壊れてしまったハウス、こういったものをどう今後、事前予告もしくは対策、告知含めて我々は備えていくのかということは大変重要だと思いますので、今回補正で一定措置させていただきますが、さらに農業者の皆様方や農業団体の皆様方ともよく協議しながらですね、今後の対策と検討をしていきたいと思います。

また、これは今回の21号だけではないんですけども、21号も含めて、こういった台風被害に公共交通機関が、計画運休と早目に止める、そして被害状況を確認してまた動かすというこのことに、私たち県民の生活が大きな影響を受けているというこのことについては、先般もJRに要望に行った際に、例えば運転再開の情報等、行政も連携する形で市民町民県民の皆様方にお伝えする方法があるのかないのか、よく連携しながら検討したいということを話をさせていただいたところですので、この2つのことは、ひとつの重要な教訓として、得たのではないかと思いますのでこれからにつなげていきたいと思います。

[京都新聞]

計画運休についてなんですけれども、早々とやりすぎだとか様々な批判もありますけれども、知事はその点はどうお考えでしょうか。

[知事]

基本的にはそれぞれの公共交通の事業者様が判断されることだと思いますが、一にも二にも安全第一だと思いますので、安全サイドに立った、御判断をいただくということからいうと、私は一定合理的な御判断ではないかなと思ってます。途中で止まってトンネルの中、橋の上を歩いで御避難ということも大変ですし、車内で缶詰、目的地じゃないところで行き止まりということも御不便をおかけするでしょうから。ただ、大事なことは、いつ再開するのかっていう情報が次極めて大事で、いつ止まるか、どれだけ止まるかということと合わせて、いつから動くのかっていう情報が大事なので、やはりこの情報提供をできるだけ早く、そしてわかりやすい形でお知らせすると。

これは事業者も課題認識されてましたけれどもやはり外国の方々含めてですね、今回のニュース報道等で、随分多言語で報道されてる機関もございましたが、こういった視点も重要なのではないかと考えております。

[時事通信]

先日、総理が表明されました消費増税ですけれども、その受け止めと、同時に始まります保育・幼児教育の無償化について、御所見をお伺いしたいんですけれども。

[知事]

消費税率の引き上げが、来年10月を予定されていると。この間、2度延期されて、来年10月に迫っていると。加えて、軽減税率も、一部ではございますが、設定されて、予定されているということでございますので、私はその予定されている税率の引き上げが予定どおりに行われることを期待し、同時に、伴う課題ですね、例えば、軽減税率をそれぞれの販売業者様、中小事業者の皆様方のレジの交換、消費者の混乱の防止、そういったことで、最小限に食いとめることができるよう配慮を求めたいと思いますし、混乱なきようにですね、説明をしていただきたいと思います。これは軽減税率にあたるのか、あたらないのか。税の原則から言うと、私はこの軽減税率というのは大きな禍根を残すのではないかと思っていますが、疑問を持っていますが、個人的には。しかし、やられると決めた以上ですね、私たち県民、消費者に、混乱がないように、説明と対策を講じていただきたい。と同時に、例えば住宅や自動車など、家財製品もそうですけども、大きな買い物をされる皆様方は、できるだけ消費税がかかる前にという、この消費行動が容易に推測されますので、その前と後との波動ですね、たくさん人が要る、後は売れない、といったようなことに対する、これは生産者にも影響してきますので、例えばエアコンですとか、自動車ですとか、本県にも製造拠点がたくさんありますので、こういったところに影響が及ぶことがないような景気配慮の対策を、しっかりと講じていただきたい、この2点ですね。

幼児教育の無償化、これについても、子育てを社会全体で応援するという観点からは、大変重要な政策だと思います。期待も大きいと思います。ただ、本県の事情、実情でいうと、今回のことで、潜在保育需要を喚起することにもなりますので、これは一定、大事なことだと思うんですけれども、伴う施設の整備、とりわけ伴う人材の確保、これが大変重要な課題になっておりますので、市町やそれぞれの運営法人の皆様方とよく連携しながらですね、そのための対策を講じていきたい。ですから、政府におかれては、そのための例えば費用の負担でありますとか、人材の確保について、格段の配慮を求めていきたいし、来る政府要望等でも、そういった趣旨の要望をしたいと考えているところでございます。

[時事通信]

ふるさと納税の関係なんですけれども、3割以上の自治体に対して、寄付制度の対象にしないということで、国も法制度を変えて、というような取組をこれからするということで、各自治体、見直しを迫られているんですけれども、これに対する御所見を改めてお伺いしたいんですけれども。

[知事]

納税者の意思を反映するという意味での視点と、そして居住地がどこであるのか、そのための行政サービスを税に求めて支弁していくということの原則と、そういったものとの兼ね合いの中で、よく議論されるべきテーマではないかなと思います。

納税者の意思が反映され過ぎて、多額の納税が、その土地の産物ではないものを求める形で、サービス合戦、サービス競争のような形で配分されるということも趣旨に反するでしょうし、一方じゃあ、0か100かで、すべて見直し、元に戻すというやり方も、納税者の意思を反映するという意味においては、いささか時代遅れの感もあるでしょうから、その兼ね合いの中でバランスをとってですね、着地点を見出していくということを期待したいと思います。

また、新たな見解等も総務省から示されたと仄聞しておりますので、そういった趣旨等も踏まえてですね、また、県のとっていることと、それぞれの市町、これはそれぞれですけど、市町の皆様方がとられている対策とがございますので、ぜひ我々もよく市町の御意見等も聞きながらですね、国の議論に言うべきことを申し上げていきたいと思います。

[時事通信]

国の方で在留資格の見直しというのが始まりました。人口減少対策、人口減少が進む中で、人手不足の業界があるという中での対応のようですけれども、これについて何か御所見がありましたら、お伺いできればと思います。

[知事]

私が聞いておりますのは、来る国会で、臨時国会で、在留資格見直しに係る法律案の審議が予定されているということを承知しています。もちろん、これだけ人が行き来する、国境を越えて行き来する時代ですから、これは観光のみならず、労働の面でも、多国籍化、グローバル化というものは、避けて通れないと思っています。ただ、単なる人材不足の観点から、人材確保、重要ですよ、重要ですけれども、その観点からのみ、数を、もしくは国を、資格を、枠をという議論ではなくて、やはり、すべての人に居場所と出番ではありませんが、住まれる、働かれる、学ばれる、いざというときに病等を治療される、また老いていかれると。すべての人がこの国内で、それぞれの地域で、そうなるということを前提にした、体制づくりというか、施策づくりというか、こういったものが重要だと思いますので、お預かりする自治体としては、市町もとりわけそうですけれども、教育環境や、福祉の環境や、そういったものとセットでですね、対策が講じられるように求めていきたいと思います。

[NHK]

冒頭の予算の関係で5点述べられていたと思うんですけども、その中で特に重視していることと、今回盛り込もうとしている具体的な方針というのを何らか教えてもらえればと思うのですが。

[知事]

5つはすべてです。5つはすべてです。絞って5つです。どれだと言われれば、順番です。

[NHK]

その中で、ちょっと具体的なところまで言えるものが今の段階であれば、教えていただきたいのですが。

[知事]

今日は方針ですのでね。今日は方針ですから、具体はこれからですけど、いくつか項目として申し上げたのは、例えば、一人一人のところでは、安全、安心、防災、防犯です。安全、安心、防災、防犯。

[NHK]

その中の施策としてどういうものを具体的に。

[知事]

それはこれからです。例えば、3番目で申し上げたところで言えば、活力、発進力、持続力、これはニーズオリエンテッドでやる、産業、文化、スポーツ、観光、交通と。そして4番目の未来と世界というところでは、SDGsというものを申し上げましたので、既にこれまでやってきたことをどう拡充していくのか、もしくは改善していくのかということがメインになると思いますけれども。

[朝日新聞]

冒頭のKYBの話に戻ってしまうんですが、今調査中ということですけど、大阪府の松井知事は、最終的にはきちっと補償を求めていくという御発言もありましたけど、知事のお考えとしては、結果、調査が終わって、もしある程度一定見つかったら、どういう対応をしていくかというのは、今思い描いているものはありますか。

[知事]

出てきたことによります。出てきたこと、出てきたものによると思います。その上で考えます。

[朝日新聞]

結果次第?

[知事]

はい。

[滋賀報知新聞]

県政世論調査の、結果でもあったんですけれども、不満足であるとか、これから期待するという施策の一番上の項目に「公共交通機関の使いやすいまちづくり」というものがあったかと思うのですが、先日来、各市町の首長さんですとか、議長さんからも地域間交通であったり、公共交通機関の重点的な取組を、という要望がなされていたと思うのですが、改めてそれに対する知事の思いを伺います。

[知事]

おっしゃったとおり、満足していただいているところよりも不満足でいらっしゃるところをよく見ていきたいと思います。その意味で、「どちらかといえば不満」「不満」と回答をされた割合の高い施策の第1番目が「鉄道・バス等の利便性向上など公共交通を使いやすいまちづくり」と、これが52.3%と。次の「若者、女性、中高年齢者、障害者など誰もが適性と能力に応じて働き、活躍できる環境づくり」が29.9%と比べると、この分野の不満度が強い、高いということがうかがえます。さらに地区別にどうなのか、性別でどうなのか、年齢別でどうなのかというものも分析したうえでですね、まさにこれから議論する施策構築、政策課題協議の中でですね、こういったことを受けてどうするんだということをよく議論していきたいと思います。

ただ、この項目は、数年続いていると記憶をしています。したがって、積年の課題としてあるならば、少し将来的な見通しも含めて示していく必要があろうかと思いますし、年々、運転免許証を返納される方が多くなっている、増えているとするならば、そういった課題にどう対応するのか、総合的に検討していきたいと思います。

[京都新聞]

ちょっと関連になりますけれども、先程、「誇り」の話も出ていましたが、先日、民間の調査会社が魅力度ランキング、毎年やっているものですが、それが38位で前年から10位近く落ちていたと記憶しているのですが、一年で何が変わったか、たいして変わっていないのかもこれだけではわからないのですが、知事としてどのように受け止めておられて、もし、順位が下がった理由について何か思い当たることがあれば。

[知事]

私もこれを出張先の茨城県で見ましてね、ショックを受け、落胆していたところなんですよ。ただですね、どういうことからこうなったのかなっていうのをよく見てみたいなと思いますね。こうやってランキングを並べられると、低いより高いほうがいいし、順位は順位の数が多いより少ないほうがいいと。

ただ、ランキングスコアそのものは上げることができているそうなので、このスコアというのもどういう要素でこのスコアリングがされてるのかっていうことももう少し見ないといけないと思うんですけど。獲っているスコア自体は上げられているとするならば、他と比べて何が足りないのか。

ただ、中身を教えてくださいっていうとなんかどうもお金がかかるみたいなんで、なかなか悩ましいんですけれど、ちょっとどういうことができるのか考えたいと思います。だから、あまり一喜一憂はしたくないんですけれど、落ち幅が他の自治体の中でも1番大きいんで、そこを含めて何でかなと思ってるところです。

[毎日新聞]

少し関連するんですけれども、「郷土に誇りを持っていますか」という問いは、突き詰めると、「日本を愛していますか」というような質問に繋がりかねないような気もするんですけれども、そういう懸念は。

[知事]

そうでしょうか。聞き方にもよると思うんですけれどね。受け取られ方はそれぞれだと思いますので、こういった調査の時の設問などはよく考えたいし、改善すべきことは改善していきたいと思います。「あなたは、滋賀県に誇りをお持ちですか(○は一つだけ)」、ということで、「持っている」「どちらかというと持っている」「あまり持っていない」「持っていない」という4項目で設問を作っていますのでね。この問い方では、今おっしゃったような問い方に結びつくことはないかなと思いますが、ただ、受け取られ方はそれぞれなので、注意はいつもしておきたいと思います。

[京都新聞]

先程の消費増税の関係で、軽減税率、疑問が多く感じられるとおっしゃっていましたが、その要因としましてはどういう点から。

[知事]

簡素じゃないですよね。線引きが難しいと思います。今、それでも決められた上で、税務当局をして検討の上、対策が講じられていくと思うんですが、しかし、どこでどういう状態のものを買ったものなのかどうかで税率が変わるというのは、これは簡素じゃない。簡素じゃない税制は、やはり混乱をもたらしかねないと思うので、ここは私は、石弘光先生に教えを乞うてきた者としては、疑問を持っています。ですから、万全の対応対策をもとめたいと思います。