おはようございます。一雨ごとに寒くなってまいりますが、今日もよろしくお願いいたします。今日は、この前に県政経営会議がありまして、それぞれ定められた議題を協議した後に、私から3点指示をいたしました。
1点目は、12月末に発効予定のTPP11の影響を、農業、工業それぞれであるでしょうから、その影響をしっかりと把握した上で必要な対応策を検討してほしいと。
2点目は、国会で間もなく審議が行われるとされております入管法についても、かかる課題と、これはまだ詳細が明らかになってないところもありますので、市町など関係機関と連携した上で、情報把握に努めなければならないところがあるのかもしれませんが、その対応をしっかりやろうということ。折しも今月は国会議員の皆様との意見交換会や政府への提案等もございますので、必要な対応とっていきたいと思います。
3点目は災害対応、今年度もたくさんの災害を各地で受けました。これを受けて、災害対応を改めてチェックしようと。一つ目はブロック塀の撤去ができているのかどうか、またダムの操作等々これについて、なお改めるところがあるやなしや。これは治水だけではなくて利水も含めて、農業用ダムも含めてと。ただし書き操作についても改めて再確認しようと。また、停電が広範囲、長期にわたり起こりましたので、この電柱のある場所、あり方、また、計画運休等が発生いたしましたので、一定理解はしつつ、運転再開時の連絡対応等また、情報伝達のあり方、訓練のあり方、浸水警戒区域の指定の状況やリスク情報の県民の皆様方への周知、こういったことについて改めて再確認しようと。加えまして被災者生活再建支援制度が現在見直しに向けて議論されておりますので、この点、必要な検討を県においても、どうしても連動して県の制度も変えていかなければなりませんので、そういったことも準備をしておこうということでございます。しっかりとまた、まとまり次第、必要な情報提供をさせていただきたいと存じます。
また、いま一つはですね、先週11月1日、これも資料ないんですけれども、上京をした際に、国土交通省の道路局長と面会をいたしました。国道161号小松拡幅白鬚地区の現計画に対する課題等について話をさせていただきました。県といたしましてはですね、今現在、南側の工区、小松拡幅、これ14工区というんですけれども、今その工事行われております。これを着実に進展させてほしいということとあわせて白鬚神社の区間を含みます13の工区のあり方について問題意識を持っておりまして、日本遺産にも認定されております白鬚神社周辺の現計画ではですね、琵琶湖の埋め立てなど、湖岸の改変が必要となっておりますので、極めて困難であろうと認識している旨を伝えました。また、ここ白鬚神社はですね、ビワイチルート上でも屈指の人気立ち寄りスポットでございますが、交通量が2万台と多くございまして、交通安全上、危険な箇所として危惧しておりますので、道路局長にもこういった課題について、御説明の上、一定御理解をいただきました。滋賀県といたしましては、こうした課題解決のため、昭和51年度に都市計画決定を行った現ルートにつきまして、湖岸を改編せず、神社や住宅の商業施設等を極力回避する、すなわち山側を通過するルートに都市計画の変更を実施したいと考えております。まずは国において小松拡幅白鬚地区の道路計画の見直しに着手し、最適な道路計画を策定していただきたく、今後国に要望してまいりたいと考えております。
その上で、私のほうから3点、情報提供させていただきます。まず1点目は、お手元に資料がございますし、前にパワーポイントもございますが、中国湖南省との友好提携35周年および香港渡航についてでございます。このたび11月11日から15日にかけまして湖南省を訪問します。湖南省人民政府省長、人民代表大会主任との会談や、また35周年記念祝賀式典への出席、新たな覚書調印などを行います。同時に、県内の湖南省の地方都市と友好関係を持たれております東近江市長、彦根市副市長、栗東市副市長、新たに友好関係を結ばれる甲賀市長も訪問される予定でございますので、湖南省の各友好市の市長とともに市長フォーラムに出席されます。私も出席するんですよね。
[観光交流局]
前半のみ、出席です。
[知事]
はい、そうですね。行程はお手元の資料のとおりでございます。平和堂さんが20周年を迎えられるということでございます。資料に基づき説明しますと、長沙高新区におきましては、世界20カ国地域の公的機関が事務所を構える国際科学技術ビジネスプラットホームや本県とゆかりのある東洋電機製造株式会社様の工場を視察する予定でございます。また、両県省の書道家、画家、写真家の作品を展示する湖南滋賀芸術展の開幕式がございましたり、これまで環境分野で協力事業を行ってきた成果を広く発表する水環境シンポジウムの開幕式に出席する予定でございます。先ほども一部触れましたが、平和堂が中国出店20周年を迎えられるということから、その記念式典にも出席いたします。平和堂との連携による本県の物産観光PRに取り組むとともに、張家界市において、これは世界遺産ですよね、張家界市において県と甲賀市のプロモーションを行う予定でございます。友好提携35周年を記念いたしまして、両県省の友好交流を一層推進するため省長と覚書を調印します。また県琵琶湖環境部と省科技庁、湖南省の科学技術を統括される科技庁との間で、湖沼環境に関する覚書を調印する予定でございます。訪問団は、滋賀県の県議会議員団、友好市代表団、経済団体、県民友好交流団、書道協会、環境プロジェクト、連合滋賀・労働者福祉協議会、平和堂の各団が同時に現地を訪問する予定でございますので、総勢約200名規模となる予定でございます。湖南省訪問に先立ちまして、11月10日に香港貿易発展局マーガレット・フォン総裁との会談を行い、香港貿易発展局との相互協力に関する覚書を締結する予定です。香港公開大学での滋賀県PR、世界のお酒関係のバイヤーが集う「香港インターナショナル・ワイン&スピリッツフェア」における滋賀県ブース出展と滋賀県の酒・食材のPRを行う予定でございます。香港貿易発展局との覚書は滋賀県産品の香港への販路拡大および滋賀県企業の香港への事業展開支援の推進が主な目的です。主に環境技術、米、牛肉、茶、湖魚等の農水産物でありますとか、食品、日本酒、近江の地酒、信楽焼、繊維製品等の工芸品の香港への販路拡大を覚書の内容としております。香港貿易発展局とは日本の地方自治体では10番目の覚書の調印ということになるそうでございます。
続いての情報提供は、これもお手元の資料にございますが、平成28年5月に締結いたしました滋賀県と日本郵便株式会社様との包括的連携協定に基づく取組の一環といたしまして、このたび滋賀県オリジナルフレーム切手「滋賀の四季彩」と、2019年用年賀はがき「うぉーたん・キャッフィーはがき」の販売が開始されました。既に開始されております。フレーム切手のほうはですね、観光キャンペーンとタイアップいたしまして、既に7月に第1弾としてビワイチや観光名所をデザインしたフレーム切手4種類を作成していただいており、今回はその第2段ということとなります。「滋賀の四季彩」というタイトルで、春は桜でいっぱいの長浜城、冬のメタセコイヤ並木など四季折々の風景がデザインされており、改めて本県が季節ごとに見せる多彩で美しい表情を、この切手から感じることができます。また年賀はがきでございますが、県イメージキャラクターが掲載されるのは初めてということでございます。キャッフィーと、うぉーたんをあしらってもらっておりまして、表面には紋付き袴姿のキャッフィーが掲載、これ初めてじゃないかな、掲載され、裏面にはうぉーたんとキャッフィーがかわいい姿で手を振っているというデザインでございます。両キャラクターを通じて滋賀県の認知度アップにつながるものと期待しています。本日は、日本郵便株式会社の方々にお越しいただきました。大津中央郵便局局長の井上純夫さんと、滋賀県庁前郵便局局長 福森七七美さんでございます。新しくできましたフレーム切手と年賀ハガキをお持ちいただいているそうですので、ちょっと大き目のハガキでございますが、お持ちいただいてるということでございますので、お披露目をいただきます。
今後もですね、日本郵便様と一緒にこうした滋賀の四季折々の風景をあしらった切手ですとか、キャラクターを入れていただいた年賀状ですとか、積極的に発信をしていきたいと思いますし、昨年度から試行的に始めております「ここ滋賀」PR用年賀はがきにつきましても、準備した分が全て完売、売り切れという状態でございますので、さらに今後の展開を図ってまいりたいと思います。お二方には残っていただきますので、後程ご取材等ありましたらよろしくお願いいたします。
続きまして、今月のイチオシ、今回のイチオシしということでございますが、健康しがシリーズでございます。今回は多賀町の「わが町自慢のウォーキングコース」をご紹介いたします。多賀町ではですね、「ずっと健やか、いつでも元気、健康実感!多賀のまち」という標語を掲げられまして、住民の皆様とともにですね、さまざまな健康づくり事業を行っていらっしゃるということでございます。その一環で作成されたのが、本日お配りしておりますウォーキングコースマップでございます。作成にあたりましては、より多くの住民、町民の皆様に活用され、運動習慣をつけてもらえるように、多賀町の豊かな自然を生かした魅力的なコースをつくろうということになられたそうでございまして、平成29年度に広く住民の皆さんからお勧めのウォーキングコースを募られたということでございます。応募があった中から9コースをわが町自慢のウォーキングコースとして選定され、さらにその中から審査で絶景グランプリコースを決定され表彰も行われたと。見事、グランプリに選ばれたこのコースでは楢崎古墳ですとか、犬上川、大瀧神社などさまざまな、大変美しい風景を望むことができ、また、桜や紅葉も楽しむことができるなど、心身ともに充足感を味わえるコースになっているということでございます。このようにですね、ウォーキングコースマップを作成し、ことし4月に町内全戸に配布され、ウオーキングによる健康づくりや健康寿命延伸を呼びかけていらっしゃるということでございます。ゲストを御紹介いたします。多賀町福祉保健課課長補佐の大田和美さん。そして多賀町企画課主事の集治智哉さんでございます。せっかくの機会ですので、補足説明やPRをいただければと思います。
[多賀町]
先ほど知事の紹介にありましたように、多賀町では健康増進に力を入れております。このウォーキングマップには、多賀町の自然豊かなコースが9つ載っております。その中の2ページ目にありますグランプリコースのほうを、こののチラシにありますように、今月の11月18日にこのグランプリコースを皆さんでウォーキングしたいと思っております。町民の方のみならず、滋賀県内、住民の方に、ぜひ多賀町にお越しいただいて、このグランプリのウォーキングコースを皆さんでより健康になるために正しいフォームについても学びながら歩きたいと思っておりますので、ぜひ11月18日午前中になりますが、皆さんもお越しいただきますようよろしくお願いいたします。
[知事]
ということでございまして、お手元のチラシの裏面にありますように市町で展開されておりますビワテク健康推進アプリを活用して、どれぐらいどこを歩かれたかということであるとか健康ポイント貯めることができるという取り組みでございますし、18日のウォーキングは町外の方も大歓迎ということでございますので、多賀町の観光を兼ねてですね、ぜひ奮ってご参加、また記者の皆様方もご取材も兼ねて訪れていただければ歩いていただければと思います。会見終了後もお二人には残っていただけるということでございますので、よろしくお願いいたします。私からは以上でございます。
[中日新聞]
知事からお話がありました国道161号バイパスのことで伺いたいんですが、白鬚神社の周辺のこれまでは琵琶湖岸、琵琶湖を埋め立ててとういう話のところを、山側を通るルートでということを新たに提案されると、要望されるということだと思うんですけれども、知事の御説明の中では、ビワイチのこともあって交通の部分でということですが、山側を選ばれた理由をもう少しお伺いできれば。
[知事]
あの場所に行かれた方、御存じの方であればわかるように、ずっと琵琶湖側に湾曲の状態になって走行されてるんですが、白鬚神社の鳥居が湖上にございますね。そちら側に広げる形でというのが現計画でございますが、この計画でもし工事を行われると琵琶湖を埋め立てていかなければならない、景観との兼ね合いがある、そして、神社から鳥居、湖岸の景観まで、さらに広い道路をアンダーで抜くか、オーバーで抜かない限り、渡っていただかなければならないという渡っていただくためには信号つけるかつけないのかっていうようなさまざまな課題があるということから、これは現実的にいろんな面で難しいのではないかということからですね、改めて山側のルートというものを検討してほしいということを要請いたしました。ただ、具体的に山側のどこをどういう形で通すのかというのはこれからであります。
[中日]
先ほど説明の中でもあったと思うんですけども、近く、明日ですか、国会議員の方との意見交換だとか、月末には省庁を回っての要望とかあると思うんですけど、その中でも要望されていくというそういう理解でよろしいんですか。
[知事]
例えば道、道路に関する要望、要請は、全体の予算確保も含めて、161号を含む158号とさまざまな課題がたくさんございますので、その中で包含されると思います。どの時点で誰にどのような形で物を言うかっていうのは、今後タイミングを見ながら、検討また判断していきたいと思います。
ただ、こうやって先般の国交省道路局長訪問で私から述べ、今日、改めて述べたことを皆様方にお伝えをさせていただきましたので、今後、国ともより一層連携を密にしながらですね、当然地元の皆様方のこともございますので、丁寧にかつ迅速かつ的確に事を進めていければと考えております。
[日本経済新聞]
先ほどTPP11の話、12月から始まるんですが、本県にとっては米とかが影響が大きいという形になるということで、JAなんかも影響が大きいという形で算出してますが、メリットの面も幾つか出てくるかと思うんですよ。今回の香港もそうなんでしょうけれども、牛肉だとかそういうものに対していける可能性もあるんで。そういう利点みたいな形をPRするということは考えていらっしゃるんですか。
[知事]
当然両面に思ってます。とりわけ、今言及していただきましたプラス面の効果についても、しっかりとわかる範囲で、明らかにしながらですね、皆様方にお示しをしていきたいと思います。おっしゃったように、本県は、製造業の割合が非常に高いので、そういったところでつくった製品等が関税が削減され撤廃された状態で輸出されるということのメリットでありますとか、投資やサービスの自由化といった面からもですね、一定の経済効果というものが期待されると思います。特にこの自動車関連から電気・電子関連、先端ものづくり産業から地場産業まで多種多様、多彩でありますので、少しつまびらかに見ながらですね、今申し上げたプラス面の効果があれば、きちんとそういったものについても、皆様方にお示ししていければと考えております。
[時事通信]
先ほどお話ありましたTPP11の件ですけれども、全体的な評価、この発効に対する評価をまずお伺いしたいんですけれども。
[知事]
以前から国をして、それぞれの国と交渉してこられて、合意のうえ今回の発効ということでございます。そのために必要な、発効に必要な、それぞれの国の国内手続が終了してきたことを受けての発効ということでございますので。今の時代ですので、グローバルに物が行き交い、物だけではなくて、人もサービスも含めた形で、よりフリーにアクセスできるということはとても重要だと思います。そのための必要なルール整備をしっかりと行うということが一定の国々と整ったと、また、それらが発効されるということについては歓迎したいと思います。
ただ、従前から申し上げておりますように、プラスの効果はしっかりと発現させていくべきだと思いますが、農業分野を中心にですね、さまざまな国内の産業を一定しっかりと守っていくということ、農業を守っていくということ、育てていくということは、すなわち、農業県である本県の地域の産業をしっかりと守っていくということだと思いますので、そういった観点に照らしてどういう影響が出るのかということについては、丁寧に把握をしたうえで、必要な対策をとっていかなければならないと考えておりますので、ぜひこの辺りのことはしっかりと行っていきたいと思いますし、国においてもこれまでからさまざまな対策が講じられておりますので、ぜひそういったものと連動しながら取組を進めてまいりたいと思います。
[時事通信]
その影響と対策なんですけれども、現時点でどういったようなものを想定されたり、考えられたりされていますでしょうか。
[知事]
例えば、先ほども申し上げました商工業分野ではですね、本県は第2次産業の割合が高い、とりわけ自動車関連、電気電子関連といった先端モノづくり産業がございます。同時に、地場産業など、多種多様、多彩でありますが、この機会にですね、海外市場の取り込みというものが一定期待できるであろうと。また、広い範囲の技術に対して、特許権、有効な権利期間を有する特許権を取得することが可能になるということからすると、このTPP域内への本県企業の進出促進が一定期待できるのではないか。また、マレーシアなど、WTOにおける政府調達協定、GPAというそうでございますが、こういった協定未締結国のTPP協定締結による、例えば、公共事業等への国内企業の参入というものも一定可能になるということですので、そういった可能性も期待できるのではないか。
農業に関しましてもですね、交渉の結果、日本から他の参加国への輸出については、牛肉、米、茶、農林水産物、食品の輸出拡大の重点品目すべてで関税撤廃が獲得されたということでございます。ですから日本から行くものについては関税がかからないと。このことからですね、これまでから輸出を促進してきましたけれども、関税がかかっていたTPP参加国ですとか、EUも、日欧EPAでも、緑茶、牛肉の関税が撤廃されたということですので、そういった面では輸出拡大が期待できるのではないかと考えております。
県でも農畜水産物輸出戦略を立てて、今、輸出促進をやっておりますので、こういったものに乗せながらですね、さらに海外市場の需要獲得に努めていきたいと思います。
ただ一方で、マイナスの効果として、農林水産物への影響額、これは、関税削減等の影響で生じうる価格低下による生産額の減少というはじき方で計算しておりますが、これは影響額がマイナス1.9億円からマイナス3.8億円ということでございます。この試算は、今年1月に示された国の試算方法に基づいて算出されておりますし、一定の品目というものを絞った形での算出という前提つきでございますが、こういったことからですね、プラスの効果とマイナスの影響というものとが、県内でも相交わってくるということでございますので、プラスは大きく、マイナスは小さく、という観点で、必要な対策を講じていく必要があるだろうということだと思います。
[時事通信]
特に今想定されている何か対策、具体的な対策というのはこれからですか。
[知事]
これからです。もちろん、このための対策ということではなくて、農業分野の競争力確保でありますとか、ブランド力強化、輸出ということは、この協定とはまた別の形で進めておりますので、そういったものに乗せていきたいと思っておりますし、競争力確保という面では、規模の集約化でありますとか、低コスト化でありますとか、ICT化ということも一方で進めておりますので、そういったことと連動させて取組を充実させていきたいと思います。
[時事通信]
米国との間の物品貿易協定もこれから、来年からですね交渉がスタートするわけですが、これに関しましての御所見がありましたら、お伺いできればと思います。
[知事]
この点については、先般、日米首脳会談で、トランプ大統領と安倍首相との間でさまざまな合意がなされたことを受けて、交渉が行われたり、さらなる合意形成が図られると思っておりますので、その状況、情報等をさらに見た上で、県としての対策を考えていく必要があるのではないかと思います。
[時事通信]
先日の県市行政会議で出ました首長会議の件ですけども、今後どのように再開に向けて取り組んでいこうとお考えですか。
[知事]
県市行政会議、11月2日に行われた際にですね、首長会議については県から一定の提案があったけれども、市長会としては前のままでいいのではないかといった趣旨の御発言があり、昨日でしたか、正式に書面で市長会から、二つの理由を付す形で、以前のままがいいのではないかという御主張をいただいたと仄聞をしています。首長の姿勢が問題なんだとか、開催が前は4回だったのに年2回になったということに対する御懸念ですとか、そういったものが記されているそうですので、よく内容等を加味した上で、我々は一定の方向性を出しましたけど、市長会からは、そうじゃなくて、という回答をいただきましたので、ただ町村会もありますし、よく今後の内容、この事態を受けてどうするのかというのを検討したいと思います。
[京都新聞]
先ほどダムの関係で、操作について改めるところはないか、但し書き操作についても含めて検討するというお話ございましたけど、どういった問題意識をお持ちで、必要性をお感じになったのか。
[知事]
まず一般論として、ダムというのは洪水調節機能がありますが、それを超える流量がダムの上流側に発生してきた場合の操作については、一定の決まりのもとに行われておりますが、下流に対する影響も小さくないであろうと。情報周知、また、避難もあわせて考えるとですね。今回、検証が行われておりますが、そういったことから受ける影響等についても、現在、議論・検証が行われていると聞いています。
そういう事態を受けて、本県のそれぞれのダムの、例えば操作規則、住民の皆様方への周知、そういったものについて改めて点検する必要があるのか、ないのか、よく見ていこうということでありましたり、県内の市や町からは、そのダムの下流において、とりわけ農業ダムであっても、その流し方やため方についてよく情報を共有したいといった趣旨の御提起がありましたし、加えて今般、今行われております国会の予算委員会等で、石井国土交通大臣から河川法52条に基づく、利水ダムの治水ダムとしての活用についてもよく検討すべきではないか、といった趣旨のお考えが示されていることも受けてですね、県としてもできる検討をしっかりとしておくことが必要だろうと考えて申し上げたところです。
[京都新聞]
湖南省の35周年の交流事業の件で、長年交流を積み重ねてきて、深まりはしておるかとは思うのですけれども、これ今後に向けての課題という点では、どのようにお考えになられていますか。
[知事]
私は湖南省、知事としては今回2回目です。2002年に、これは滋賀県の事業ですけど、県民青年の翼という事業に一参加者として参加した経験がございます。したがって、今回で3回目の湖南省ということになりますが、私の実感で言うと、相当発展の速度が速い。本県や我が国に比べても、とても速い、比べものにならないぐらい速いと思っていますので、35年前にこの友好姉妹提携を締結したときとは違う経済状況や社会環境があるのではないか。したがって、この友好姉妹提携を大事なものとして温めつつも、時代に応じた交流のあり方だとか、さらなる発展というものを志向していきたいと思います。
その意味で、例えば、環境面でのですね、発展が著しいということは、同時に、水環境をはじめとする環境面での影響があるやなしや、滋賀県はこの間、洞庭湖プロジェクト等に琵琶湖モデルとして協力してきた、こういう歴史がございますので、そういったものの成果を確認し合うと同時にですね、今回、書道家の皆様方の交流等がございますので、例えばそういうものの可能性を、単なる経済交流だけではなくて、文化的なこういうものをさらに志向することができないだろうか。
今回、甲賀市さんが張家界市さんとの間で、新たに市としての友好姉妹提携を結ばれるということからすると、より重層的なそういった姉妹関係をつくることについても、大変重要ではないかと考えております。
いずれにいたしましても、この間のことを糧、礎としながら、次の時代に向けて、40年、45年、50年に向けて、発展をしていきたいと思います。
[産経新聞]
先ほど入管法のお話も出たのですけれども、想定される課題等、対応を指示されたということなんのすが、具体的にどのような課題、対応というものが、知事は現在、思いつくものがあるのでしょうか。
[知事]
まだ、未知です。未知ですが、来年の4月からということであれば、極めて時間が切迫しているし、限られている。そこに向けた、例えば制度をどのように構築されようとしているのか、また、国だけではなくて、もちろん入管ですから主には国なのかもしれませんが、実際に住み、働かれるとすれば、それは市町村であり、都道府県。都道府県にどのような義務なり、負担・仕事というものが発生してくるのか、また、その規模っていうものはどれぐらいで、職種っていうのがどれぐらいっていうものが、まだ明らかになっておりませんので、来年4月からという割には、随分少しまだ見えていない部分に対する不安というものがございます。
したがって、従前から申し上げておりますように、私は働く人、労働者であると同時に、その前提としてやはり、人が来られて、より長く住まれ、働かれる一定の条件をクリアされた方が家族の帯同を含めて住まれるということであれば、その労働行政、また、福祉教育、医療行政、これもしっかりと担保しておく必要があるだろうということから、そういったこととの照らし合わせで、準備が間に合うか、間に合わないのかということを検証していく必要があるのではないか、こういった観点で、今、関係部局に調査を指示しているところです。
[産経新聞]
湖南省の訪問で、途中、大学で講演とあるのですが、これは知事が講演されるということでしょうか。
[知事]
大学での講演、湖南師範大学での講演、これは私がします。
[産経新聞]
特に何についてお話されるとか、決まっていらっしゃいますか。
[知事]
今まだ準備中で、国内の公務に追われているのですけれども、滋賀県のPRということで準備中だと聞いていますので、なお最終校正したいと思います。
[BBC]
湖南省関連でいくつかお伺いしたいのですけど、先ほどお話ありましたけれども、友好関係35年、非常に長い期間になってきています。知事からご覧になって湖南省というのは、滋賀県にとってどんな存在の場所だとお考えでしょうか。
[知事]
まさに兄弟ですよね、兄弟姉妹、兄弟姉妹というのは、良い時もあれば辛い時もあります。そういった時にも、根底で信頼関係があり、それを協力して乗り越えていける関係というものが兄弟姉妹ではないかと思いますので、そういったことを再確認しながら未来につなげていきたい。とりわけ私も記憶にありますのは、2012年ですね、日中関係が極めて厳しくなった折、湖南省内の平和堂さんの店舗が大変厳しい状況にあったということがございますが、しかし、それまでに積み重ねてこられた信頼関係で、御努力で、それらを乗り越えてこられた、これは日中関係においても大変特筆すべき事態、事象だったのではないかなと思っていますので、そういったこと等についても、現地で主要な方々と、どこまで話できるかわかりませんが、再確認できたら嬉しいなと思っています。
[BBC]
抽象的な質問で大変申し訳ないのですが、35年というタイミング、もう人間でいうと大人になって成人して、働き盛りぐらいの年数になるのですが、この35年というタイミングは知事からみて、どんな事をしていくタイミングだと思っていらっしゃいますか。
[知事]
三十にして立って、四十にして惑わずになるとすればですね、立って、まだ惑いながら、惑わない状況になるために歩んでいるという状況だとすれば、この兄弟姉妹の関係を惑わない不動のものにしていくための重要な節目であり、5年間だと思いますので、先ほど申し上げたように今まで積み重ねてきたこと、そして、時代の変化に応じて変わっていくこと等、組み合わせながらですね、滋賀県・湖南省らしい、他の地域にはない友好姉妹提携関係を発展充実させていきたいなと思っています。
[朝日新聞]
1点だけ確認なのですが、先ほど首長会議の件で、昨日、市長会の方から要望、まだ御覧になっていないかもしれませんが、知事としても早期の再開については前向きに考えておられますか。
[知事]
私はこの首長会議は、選挙で選ばれた、町長・市長・知事が、それぞれの時々、それぞれの課題について出し合い、話し合う重要な場、自治発展、創造充実のため、大変大切な場だと思っておりますので、できるだけ早期の開催に向けて努力したいと思います。
[NHK]
県が行った県政世論調査なのですけれども、滋賀県に住み続けたいと答えた人が74.8%と3年連続で減り続けているというデータがありまして、これについて知事はどう受けとめているかっていうところと、住み続けたい県にしていくためにどのようなことが必要かっていうことを教えていただけますか。
[知事]
住み続けたいと回答している人の割合が減っていることについては、率直、正直に残念だと思います。少ないより多いほうが良いし、減るより増える方が良いという面からいうと残念だと思います。地域的に、年代別にどういう状況があるのかということも一定分かっていますので、よく分析したいと思います。
例えば、地域的には、意外に大津市や湖南地域で低かったり、東近江地域や湖北地域、湖西地域で多かったり、年代で見ると、60代以上、御高齢になるほど高かったり、若い人が低かったりと。女性に至っては35歳から49歳で一番最低ということがあるということでございますので、さらに見てですね、住み続けたいとは思わないと回答している人のクロスデータで県政への満足度をみますとね、「公共交通を使いやすいまちづくり」とか、「子供の育ちを支える教育環境づくり」とか、「災害リスクに備えた県土づくり」とか、これインフラ整備ですが、こういったものの不満が上位にきているということですので、こういった不満を解消することが、ひいては満足度に、ひいては住み続けたいと思っていただける状況になるのではないかと思いますので、こういう観点で施策を進めていきたいと思います。
[滋賀報知新聞]
昨日、県庁の若手の職員さん、「Policy Lab.」さんから意見の提言といいますか、交流があったかと思うのですけども、それを受けられて、あの時間を過ごされた知事の御感想とですね、何かやりとりの中で、これから県庁経営に生かせるか気づきとか、発見があればお伺いしたいと思います。
[知事]
とても良い取り組み、プロジェクトを動かし、また成果物を出してくださったのじゃないかなと思います。「知事と話そう!職員座談会」と銘打ってやる、実は最初の機会だったんです。最初の機会に、これはもともと県庁内の職員との対話をさらに充実させたいという思いで、今取り組み始めているのですけど、最初の機会にあえて自発的なプロジェクトを動かしてくださった方々と対話することができました。
限られた時間でしたけれども、対話・共感・協働、これ理想に向かってやるのだけれども、実際どうなのだろうという問題提起でありますとか、もっと私たちもやりたいのだけど、今ある職場の中で十分その能力が生かし切れてないと思えるような、そういう状況をどう打破打開していけばいいんだろうかという、いわば悩みの一端のような発露もございましたし、そういったことは現場等で働く若手職員の思いでもあるのではないかと受けとめましたので、そういったものを改善、打開していくためにどういう制度づくりが良いのか、また、職員だけではなくて、県民の皆様方も同じ思いでいらっしゃる方が多いのではないかと思いました。政策が私たちの遠い所で決まっている、私たちが関与できない、こういったことにどうこのシステム、制度として、何か事なり、場を設けていけばいいのかということは大変重要な提起だと思いましたので、こういった問題提起を受けてどういう対応を取れば良いのかということについては、よく検討したいと思います。
[京都新聞]
国道161号についてなんですけれども、都市計画の見直しって、いつ頃までにしたいとお考えでしょうか。
[知事]
都市計画の見直しは、まだ未定です。まず、私の前回の道路局長への説明、さらには今日こうして、皆様方に、改めてこういうことを申し上げましたという表明を含めて、今後計画変更をどうするのかということを国で検討していただいて、その後に滋賀県が都市計画変更の手続を行っていく予定になりますので、申し訳ございません、現時点ではスケジュール等は未定でございます。