【知事】
おはようございます。まず、桐生選手よかったですね。アジア選手権で優勝、10秒10、若干追い風があったということでございますが、期待しておりましたので。また今シーズンも、来年の東京オリンピックも大変期待ができるんじゃないでしょうか。今後の御活躍にも期待したいし、また応援をしていきたいというふうに思います。
もう1つ、資料にはないんですが、文化財の防火対策等につきまして、御案内の通り、フランスのパリのノートルダム大聖堂で、大規模な火災が発生いたしました。大変貴重な、現地の人々のみならず、多くの方々の心の支柱になる、そういった建物が消失したということでございます。こうした文化財がですね、火災等により消失、滅失棄損すると再び回復することが困難になるという、かけがえのない財産であるということでございます。今回の火災について大変残念に思うと同時にですね、フランス国民の皆様に謹んで御見舞いを申し上げたいと思います。
我が国におきましても、昭和24年1月26日、これは法隆寺金堂で火災が発生いたしまして貴重な壁画が焼損したことを契機として、文化財保護法が制定され、毎年1月26日を「文化財防火デー」とされ、様々な訓練、啓発等が行われているということでございます。本県では世界遺産の比叡山延暦寺において、平成28年度から10年計画で、保存修理事業を行っておりまして、4月19日には大津市消防局において保存修理現場の緊急点検を実施されております。そうした中、昨日4月22日文化庁より重要文化財建造物や博物館等の防火対策にかかる緊急調査と防火対策の徹底等にあたっての留意事項等の通知が発出されました。教育委員会からは、この通知に沿った取組等を速やかに進める旨の報告をいただいておりますが、私からもしっかり対処するよう伝えたところでございます。また併せて全国3位という国指定の重要文化財、これは国宝を含む重要文化財の建造物を有する滋賀県として、今回の火災を受けて、県内の国・県指定建造物に設置されている防火設備のうち、昨年12月の定期点検において不具合が見つかったと報告があったものについて、再度、現状把握と改善指導等を行っていくとの報告も受けておりますので、しっかりと対応していただくよう、求めていきたいと思います。
続きまして以下は、資料にもとづきまして、イチオシも含めて4件、私の方から申し上げます。1件目は、今日は平成最後の定例会見ということでございます。次回5月7日は、令和の時代に入っての会見ということでございます。天皇陛下御即位に伴う慶祝行事の実施につきまして、いくつか予定を申し上げます。1つ目は、御即位当日である5月1日、関係施設において国旗を掲揚するとともに、私からは賀詞を奉呈させていただく予定でございます。また5月4日(土)、5日(日)につきましては、県公館のゲストルームと琵琶湖博物館の2ヶ所に記帳所を設置いたします。開設時間は両日とも午前9時30分から16時30分の予定でございます。なお記帳所におきましては、これまでに皇太子殿下として本県にお越しいただいた際の行啓誌等の展示を行う予定でございます。新たに御即位される天皇陛下には皇太子殿下としてこれまで5回御来県いただいております。妃殿下と御成婚なさって間もなくの平成5年の第5回全国農業青年交換大会にお越しいただいたほか、平成24年の第48回献血運動推進全国大会の折にはですね、今回記帳所を設置いたします琵琶湖博物館を御視察いただいたところでございます。また4日は「体験学習の日」、5日は「こどもの日」として琵琶湖博物館を無料開放(無料となる対象者:4日(土)は、滋賀県内に在住または、滋賀県内の学校・園に在学・在園している18歳未満の子ども。5日(日)は、滋賀県内に在住の18歳未満の子どもおよび同伴の保護者。)することもございますので、来館される多くの皆様に御祝意を示していただける機会になることを期待しているところでございます。
加えまして、記載は主にその2つなんですが、県では「令和」の時代をお祝いする滋賀県らしい行事を現在検討中でございます。いくつか検討中のものも含めて御紹介をしたいと思います。1つは、やまの知事として、やまの健康を志向する滋賀県として、「令和の森」をつくれないかということを検討しているところでございます。昭和は、山に木を植える時代でございました。平成は、植えた木を育てる時代でもありました。来たる令和は育てた木を伐らせていただいて、活用する時代だと思います。木を伐って使って、そしてまた植える。使うことで保全する循環の森を「びわこ令和の森」と位置付け、そういう森を県内各地に森林所有者や県民の皆様と一緒に作っていけないか、考えているところでございます。私自身、実際に子どもたちと一緒に木を伐って、伐った木を何かに活用して、そしてまた植えるということを、この元年の来る時代に行うべく、検討をしているところでございます。
またこれ以外にもですね、先般も一部、報道等にもございましたが、「明治」、「大正」、「昭和」、「平成」、そして来る「令和」の5つの時代を生きてこられた方、今年107歳以上の方が、県内も今分かっているだけで21名(H30.9.15現在)いらっしゃるということでございますので、そういった激動の時代を長く生きてこられた長寿の大先輩をお祝いすると同時にですね、敬老の日を中心に、いろいろなお話をこの機にお伺いしてみたいということも考えております。また令和の時代を担う子どもたちに「こんな時代にしたいな、なったらいいな」という夢を絵に描いてもらうこともできるんじゃないかというようなことも含めて、現在検討中でございます。詳細を詰め、概要が決まり次第、皆様にお知らせをしたいと思いますので、逆に皆様方からも様々な御意見等も賜れば幸いでございます。
2つ目、こちらも資料がございます。私の中華人民共和国北京市訪問についてでございます。まず1点目、中国北京訪問についてでございます。先週金曜日に資料提供させていただいたところでございますが、明日4月24日から28日まで、第2回「一帯一路」国際協力ハイレベルフォーラム訪中団の一員として北京を訪問いたします。地方自治体からは、私のほかに山梨県知事、高知県知事が参加されると伺っております。
北京滞在中、4月25日(木)は「一帯一路」国際協力ハイレベルフォーラムのうち貿易をテーマとした分科会参加するほか、現地の企業視察を予定しております。4月26日(金)は「一帯一路」フォーラムとしてはメインとなります開幕式と全体会議に立ち会わせていただくことになっています。またこの日は二階団長と各国首脳との会談を外務省の方で調整中と聞いており、機会があれば、許されれば、相手国の首脳に滋賀のことを知ってもらえるよう発信してみたいと考えております。4月27日(土)は参加する3県にとってメインとなる日と伺っております。中国屈指の名門大学であります清華大学におきまして、今後も継続的な地域間交流の推進について意見交換を行います。この清華大学は地域間交流に大変熱心であり、また聞くところによりますと、本県の環境学習にも大変強い御関心を持っていただいているということで、昨年9月4日から6日まで、60名の学生の皆さんが来県され、農村生活体験や記念植樹等を実施されました。また今年1月29日にも水理工学部の学生と教員16名の皆さんが琵琶湖の保全再生の取組について学ぶため、来県されておられます。農業ですとか、環境保全と両立した経済成長というのは中国の大変重要な関心事項とも聞いておりますので、この清華大学への訪問をしっかりと今後の交流や県内企業との技術提携などの話につなげていきたいと考えているところでございます。また4月27日夕方には、日本大使館で開催される日本産品の魅力を発信するイベントにおいて、招待された現地メディアの皆様方、約150名と伺っておりますが、その方々に向けて私がプレゼンテーションを行うとともに、滋賀の地酒・近江米おにぎりの試飲や試食、観光PRのブースを設けるなどして、滋賀の魅力を直接発信するプロモーションの機会をいただいているところでございます。与えられた機会をしっかりと活かすべく頑張って参りたいと存じます。
続いて、こちらも資料があると思いますが、本県を含みます15県の知事が構成いたします「日本創生のための将来世代応援知事同盟」の主催により、今回は6月1日(土)に、びわ湖大津プリンスホテルにおいて「日本創生のための将来世代応援知事同盟サミットin滋賀」を開催いたします。本県では初めての開催となります。このサミットでは、各県で力を入れて取り組んでおります「子育て支援」や、「大学等との連携による若者支援」をテーマに、県内で活動されている団体、企業の代表者や大学教授から話題提供をいただき、それぞれの知事を交えたフリーディスカッションを実施いたします。若者や子育て世代を社会全体で応援する機運を高めるため、来場者の皆さんと一緒に学び、一緒に考え、実践につなげていきたいと考えています。県内高校生によるオープニングイベントや各県の特産品が当たる抽選会など、幅広い年代にお楽しみいただける企画も用意しておりますので、ぜひ御参加いただきたいと思います。このチラシに書いてある絵のようなもの(特産品)が豪華景品として当たる抽選会もあるということでございます。ちょうど同世代の知事が多いということもありまして、私も就任当初から、この同盟に加わり関わらせていただいております。15県の知事が集いながらですね、全国にメッセージを発信する機会でございますので、報道機関の皆様にも御参加いただき、御取材等お願いしたいと存じます。
最後になりましたが、イチオシ「健康しがシリーズ」でございます。今日は彦根市で展開されております「3ヶ月で元気アップ!トレーニング」と「コツコツ続ける金亀」、金の亀とかく金亀と根気強く体操するという「金亀体操」ということでございます。「3ヶ月で元気アップ!トレーニング」は、人生100年時代、健康寿命延伸に向けた介護予防の取組だと伺っています。対象は、要介護認定区分が要支援1、2の方や、虚弱な高齢者の方々で、参加者には例えば「グランドゴルフを再開したいなあ」とか、「1人で買い物に行けるようになりたいな」といった具体的な目標を決めて取り組んでいただくのが特徴ということでございます。この3ヶ月のトレーニングで、参加者の体力測定の平均値は、すべての項目で向上をするということですとか、8割近くの人が、自ら決めた目標を達成していらっしゃるということでございます。要支援の状態から元気になって、元の生活に戻ることができた方もいらっしゃるということでございます。
もう1つの「コツコツ続ける金亀体操」は彦根市が独自に開発した筋力アップと持久力アップのための介護予防体操ということでございます。彦根市では「支えられる側、支える側という垣根がなくなるような地域」を目指しておられ、身近な地域に金亀体操の実施グループができるような支援をされているということでございまして、現在この体操に取り組むグループは、すごいですね、100団体を超えているということでございます。金亀体操の参加者が、もし出てこられないような状況となった時に、別の参加者が「大丈夫か」、「行こうか」と見守りや声かけをすると言ったように、介護予防、生活支援、社会参加が一体となるような地域づくりを目指されながら、普及に努めていらっしゃるということでございます。本日はですね、彦根市から3名のゲストにお越しいただいております。彦根市医療福祉推進課主任大窪牧さんと、同じく彦根市医療福祉推進課主事曽根成美さん、そして、広報課課長補佐手塚崇生さんでございます。せっかくの機会ですので、PRや補足説明をお願いいたします。
[彦根市]
先ほど御紹介していただきましたトレーニング事業ですけれども、例えば病気による入退院で一時的に体力が低下されたり、転倒とか骨折で一時的に体力が低下されたりする方が、もう一度、自分のしたい生活に戻るためにですね、3ヶ月間、運動機能向上のトレーニングを集中して実施していただくという事業になっております。また教室の終了後は、グランドゴルフですとか、畑仕事ができるようになったり、また1人で買い物ができるようになったりと、ほとんどの方が自分の目標を達成されているということになります。どうしても介護保険サービスを利用されると地域との繋がりというのが薄くなってきてしまうっていうふうな課題があるんですけれども、彦根市では、御当地体操であります「コツコツ続ける金亀体操」のDVDも作成をさせてもらっているんですけれども、そういったものを作成しまして、地域の中で、介護予防の拠点となるような通いの場をふやす取組というのも行っております。皆様のお手元にもありますように、「健活のススメ」などを、配らせていただいてるんですけれども、このような地域の通いの場をちょっと参考にしていただければというふうに思います。またトレーニング終了後は、そういった地域の通いの場に通われている方もいらっしゃいます。
それではここで金亀体操の一部を紹介したいと思います。皆様もぜひ一緒にしていただければと思います。知事も一緒にお願いします。皆さんも一緒に、これは肩の動きがやわらかくなりまして、肩こりを改善する体操になります。まず、このように指先を肩につけていただいて、つかない方は無理しないようにしていただいて、両肘を合わせていただいて、合わない方は合うところまでで結構です。上から回していただいて、戻ってきていただいて・・、それでは一度やってみたいと思います。
皆様いかがでしたでしょうか。肩の動き、肩甲骨の周りの筋肉をほぐす運動なんですけれども、肩こりの予防になりますし、少し動かしただけで肩もすっきりしたかなっていうふうに思います。これはコツコツ続ける金亀体操ですので、毎日コツコツ続けていただくことが大事になります。また金亀体操では他にもいろいろな体操の組み合わせを行っています。そして、この金亀体操はトレーニングに通っていただいている方にも御指導をさせていただきまして、家でも、そして地域でも、続けて取り組んでいただけるようにパンフレットとDVDをお渡しさせてもらっています。人生100年時代ということで、さらなる健康寿命の延伸を目指し、これらの取り組みを進めて参りますので、広報PRに御協力のほどよろしくお願いします。ありがとうございました。
【知事】
どうもありがとうございました。大窪さん、曽根さん、手塚さんは後ほども残っていただきますので、また御取材等あれば、お聞かせください。こういう気軽な形で、身近な地域でできる取組というのはいいですね。これからもしっかりと続けられるように、広められるように、彦根市の皆さんと一緒に頑張っていきたいと思います。どうもありがとうございました。長くなりましたが、私からは以上でございます。
[京都新聞]
大戸川ダムについて、先週の会見で、国に早期の整備を要請していくということを表明されまして1週間経ちましたけれども、その後の反応と今後の取組についてはどのようにお考えでしょうか。
【知事】
まず昨日ですね、国で淀川水系の検証委員会が開催されたと聞いております。これまでの改修の状況等を確認の上、検証がなされたと聞いておりますので、詳細を今後確認したいというふうに思っています。また、関係府県に対してはですね。今後、スケジュール、方法等を詰めながらですね。どのように説明をするのかということを現在事務方で調整をしております。国、近畿地方整備局に対しましては、昨日、整備局長とお会いする機会がございましたので、そこで私から直接、先般の会見で申し述べた内容等につきまして説明をさせていただきました。引き続き、事務レベルでもしっかりと補足しながら説明をさせていただきます。整備局長からはですね、私自身が「現地視察、地元関係者との意見交換、勉強会など様々な取り組みを行った上で判断したことと理解しており、近畿地方整備局として重く受けとめている。今後の河川整備については、流域の様々な意見を聞いて検討して参りたい」との御意見をいただいたところでございます。
いずれにいたしましても、国でも検証委員会がなされ、また下流府県等についても、説明をしていく調整にも入っておりますので、そういった機会を作り、とらえながらですね、しっかりと説明をして参りたいと思います。なお、本日、対策委員会の皆様方も御要望に来られるということでございますので、しっかりとまた御意見等も承って参りたいと思います。
[京都新聞]
表明後の県民の反応の部分は、どのようにお感じになられてますでしょうか。
【知事】
十分、すべてをつかみきれているかどうかわかりませんが、多くの御反応を、私だけではなくて、関係部局にもいただいているのではないかと思っています。この間の経過あり、10年前からの、遡ればその前の流域委員会から含めますと、平成の時代、様々な議論をしてきた、そういう経過があり、また4府県知事で優先順位を変えて、ダムを一時期凍結して、他の河川改修を優先してきた、そういった経過がございますので、そういったことにより丁寧な説明を求める御意見ですとか、そもそもダム以外の河川改修等まだまだ進めるべきではないかといった御意見や、また大戸川だけではなくて、その他の河川、その改修、対策に関する御意見等もいただいておりますし、同時に滋賀県知事としての今回の決断、表明というものをある意味では評価していただく御意見、また国の事業であるがゆえに県知事が県が表明しただけでは成らない下流府県との関係、国との関係、こういったこともあるので、さらなる努力を求める御要望等もいただいているところでございまして、現時点、今申し上げただけでもかなり多岐にわたる御意見をいただいてると思いますので、それらを整理しながら、また来る議会等でもきっちりとお伺いしながらですね、向き合っていきたいし、進めるべきを進めていきたいと考えております。
[毎日新聞]
昨日の近畿地方整備局の検証委員会では、100年に1度とされる平成25年の台風のデータでシュミレーションされたんですけれども、滋賀県では勉強会が1000年に1度でシュミレーションされましたけれども、何か、1000年に1度の大雨が来るぞと言う恐怖感を県民に与えた上でダムが必要だというふうに持って行ったともとれるんですけれども、あえて1000年に1度のケースもシュミレーションされたとねらいというのはどういうところにあるのでしょうか。
【知事】
勉強会の折にも先生方からも御指摘いただきましたし、それらを受ける形で私どもからも御説明をさせていただきましたが、今回勉強会を設置するにあたり、大戸川ダムが大戸川流域に与える効果、そして琵琶湖の水位にも影響を与え得る洗堰の操作に与える影響というものを検証しようと。それは10年前に4府県知事合意がなされて、優先順位を変えて河川改修を行ってきたことを前提に、かつ、その10年間だけでも、滋賀県では平成25年に特別警報も発出される形で台風の襲来を受けましたし、それ以外の滋賀県以外の地域でも様々な想定を超える豪雨等がございまして、被害も出ました。それらが、この滋賀県流域、琵琶湖流域淀川水系に降った場合に、どういうことになるのかということについても想定をしたほうがいいのではないかということを考え、今回県としては勉強会をまわさせていただいたということでございますので、恐怖感をあおるためということではなくて、他の地域で経験した最悪最大のケースも考慮しながらシミュレーションさせていただいた結果を検証したということだと理解しています。
[毎日新聞]
近畿整備局の方でも、関係府県とお話する際には、いろんなリクエストがあると思うと言ってますけれども、やはり知事としても1000年に1度のデータを検証して欲しいというふうな要望をされますか。
【知事】
国が、近畿地方整備局として、どのような範囲を、どのようなタイムレンジで治水を考えられてるのかということにもよると思うんです。私どもは大戸川流域の治水を見る上で、そういうエリア内に他の地域では降って、同じ流域面積に、降った場合にどうなるかということを想定して検証いたしました結果を、まずは国や下流府県に説明をしていきたい。国は国の考え方で、一定、検証作業をされてこられましたので、そのやり方に対して言うということよりも、まずは県で出した結果について、きちんと説明するのが筋ではないかと考えているところです。
[毎日新聞]
4月19日に県の幹部職員の研修があって、由布副知事が面白い人材を積極的に登用するようにと呼びかけられたわけですけども、知事御自身は面白い公務員というのは、どんなイメージをお持ちですか。
【知事】
いろんな考えの方が県内にもいらっしゃるし、県内を訪問される。また、従来の延長線上だけで行政が成し得るかというとそうではない。また1足す1が2になるだけではない化学反応というものも、人と人との交流の中で生まれてくるでしょう。さらに、世界から来訪される、世界との関わりの中でビジネスをされるという意味においては、私たちがこれまでやってきた業務を超えた知識や、また手法というものも求められてくると思います。そういうことに果敢に挑戦をしようとする前向きな姿勢があれば、おのずと面白いというか、個性的な、多くの方の御負託に応えられる公務員になっていくのではないかなというふうに思っています。
[毎日新聞]
もう1つ、知事は以前、朝鮮半島のことを韓半島と表現されたことがあるという記憶があるんですが、1回に限らず少なくとも2回は。なぜ、あえて韓半島と言う表現を使われるのかが気になるのですが
【知事】
私も、いつどの文脈で、どの御質問で、どの返答で申し上げたかは記憶にありません。自分の中で特に何か決めて、分けて使っているものでもございません。ただ、古くから、この滋賀県というのは、朝鮮半島、韓半島から様々な渡来があり、そのことにより文化文明がもたらされた、技術がもたらされたということもありますので、そのことを表現したり、また雨森芳洲先生の誠信の交わり等、朝鮮通信使の関わり等がございましたので、そういった関わり合いをこれからも大事にしたいという意味で申し上げたのかもしれません。特に半島名をどの表記、どの表現で申し上げるかということに、厳密な何か私の考えがあるわけではございません。
[時事通信]
2点ほどお伺いします。まず第1点目は先日、自民党の萩生田幹事長代行が10月の消費税増税の見送りの可能性に言及された件について、受けとめと、この消費増税のあり方について、どのようにお考えなのか、お伺いしたいんですけれども。
【知事】
私も直接伺ったわけではありませんが、報道等によれば、今御質問にあったようなことをおっしゃったと仄聞しています。ただ、その後の萩生田議員のお話によれば、これも報道ベースでしか確認しておりませんが、政治家としての、また個人の御見解であったいうことでございまして、政府として、また政府を代表としての見解でなかったと、釈明をなさっておられます。
いずれにいたしましても、この消費税率の引き上げは、例えばこの秋から予定されている、幼児教育・保育料無償化の財源になっていたり、多く増大が指摘されている社会保障の貴重な財源として充当することが予定されているなど、大変重要な財源であると思いますので、地方財政を預かる立場としては、おっしゃるように、国民生活や経済の実態とは十分勘案する必要はあると思いますが、予定通りの引き上げを強く求めていきたいと考えています。
[時事通信]
もう1点は大戸川ダムについてなんですけれども、大阪府は検証委員会を立ち上げるということですが、京都府は静観するというような内容のコメントが出ておりまして、4府県知事合意の時に、技術検討会というのをつくりまして、報告書が出されていて、ここでは大阪府の淀川に対する影響は、大戸川はそれほど大きくないというような趣旨のことが書かれております。県の検証結果は、県内のことであって、大阪や京都に対する効果というのは特に出されていませんが、両府県の方に必要性をわかっていただくという意味では、こういったところも、県として検証したり説明したりする必要もあるのではないかと思うんですが、そのあたりはどのようにお考えでしょうか。
【知事】
今、最後におっしゃった、その非常に長い流域、長い延長を持ち、広い流域面積を持つ水系河川の治水対策。私どもは県でできる勉強・検証として、県がお預かりする県の流域エリア、大戸川等の効果影響等について検証させていただきました。今、最後におっしゃったような、広い面積での、長い延長での治水については、国が昨日も行われた検証委員会等で検証されているというふうに思います。その中で一定、この間の雨の降り方や、この間進めてきた改修の状況等もふまえてですね、また、今後、例えば整備計画等で計画されている事業がなされたとすれば、どのような影響効果があるのかということについても一定説明をされてこられたと思っていますし、これからも詳しく説明をされると承知をしておりますので、その中で、それぞれの府県が判断することではないでしょうか。
確かに私どもは、大戸川流域に主に降る雨で今回、効果と影響を述べさせていただきましたが、その効果と影響は、当然、洗堰にも効きますが、その下流である天ケ瀬ダムにどれだけ入るのか、どれだけ流せるのかということにも影響してきます。この天ヶ瀬からどれだけ流れるのか流せるのかということは、宇治川や淀川の水位、この宇治川や淀川の水位の影響は、当然、その宇治川や淀川に流れ込む河川が、どう流れるのか流せるのかということにも影響して来るでしょうから、当然、上流には上流の事情や都合が、下流には下流の事情や都合がありますが、これらを丁寧に擦り合わせながら、今後の事業について検討していく、私どもはそういう時期に来ているのではないかと思っておりますし、いずれにしても、よく国や下流府県と話していきたいと思います。
[びわ湖放送]
「うみのこ」ですけれども、旧船のほうですが、売りに出されていたんですが、昨日の締め切りの段階で、どこからも買い手がなかったということで、これについて知事はどのように受けとめていらっしゃるかと、今後解体するにしても巨額の費用がかかるわけなんですが、今後のスケジュールというのを教えていただきますか。
【知事】
大変残念です。民間等の方々により、再び活用されることを期待しながらですね、売却の公募を行ったんですけれども、昨日17時の締め切りまでに応募がなかったいうことでございます。このことは残念に思います。これまでからですね、買い手がなければ、解体し、廃船するという大きな方針を示しています。そのように説明させていただいておりますので、大きな方向は、こういった方針に沿って進めさせていただくことになりますが、なお、どういう配慮をしなければならないのか、することができるのか、関係者とよく協議したいと思います。
[びわ湖放送]
もう解体ということで決定ですか。
【知事】
大きな方針は、そういうことで今まで言って来ていますので。買い手がなかったらどうするんだっていう時に、これは新しい船をもう作ってますから。我々も、もう公的主体として、旧船を活用するということはしないな、できないな、という結論を出していますので、大きな方向では廃船し解体するということが原則です。ただ、その際にどういうことに気を遣わなければならないのか、なし得ることがあるのか、ないのか、ということについては、今回の結果を受けて、よく関係者と協議したいと思います。
[びわ湖放送]
スケジュール的にはどうなるのでしょうか。
【知事】
係留にも費用がかかりますし、また、台風等が来れば、係留した船の安全性ということもございますので、そんなに時間はかけられないと思っています。できるだけ早く方向性は見出した上で、次の一歩を、踏み出していけるようにしたいと思います。
[朝日新聞]
先ほどの大戸川ダムの関係で、大阪、京都、両府の知事へ、三日月知事から直接説明に上がるという機会は、近々あるのでしょうか。それとも何かお考えとして、いつまでにやりたいとかそういう思いがあればお伺いしたいというのがまず1点目です。
【知事】
まだ決定し、皆様にお伝えできる予定はございません。かつ、私自身が伺ってなのか、直接向き合ってなのか、どういう形でその場を持つのか、ということについても現在は未定です。いずれにしろ、県として、こういう結果を出しました、こういう考えを持っていますということは何らかの形で説明をしなければならないと思います。現在、事務方をして調整中です。
[朝日新聞]
4月8日に、琵琶湖の全層循環を今年度は確認されなかったっていうのを、県の方から発表ありましたけども、長い琵琶湖の歴史を見ても、初めてのことだっていうことで、研究者の方もすごく懸念されてると思うんですけども、県として、現段階から何らかですね、影響が出るだろうという夏以降に向けて動いてくるというお考えがあるのかどうかと、全層循環が確認されなかったということ自体への知事のお受けとめをお伺いできますか。
【知事】
とても心配しています。琵琶湖の中の状態がどうなっているのかということについては、知り得る手段も限られてるんですけれども、毎年確認できる底層、最底層までの全層の循環が今年は起こっていないということですので、知事としても、一県民としても、琵琶湖の状態を心配しております。原因は様々あるかもしれないということで、現在分析中と聞いていますが、冬の間、暖かかったことですとか、様々な要因が考えられるということですが、そういった分析の結果を待ちたいと思いますし、この全層がしっかり循環しなかったということの影響がどのような形で表れていると考えられるのかということについても注意深く見ていきたいと思います。9割ぐらいまでは回っていると、溶存酸素も行き渡っているということも一部で指摘されていますので、そのあたりがどのような影響をしているのか。ただ、いずれにしろ、繰り返しになりますが、いつも行われている全層循環が、この冬から春にかけて行われなかったということについては、大変憂慮しているところでございます。
[朝日新聞]
なんらか、専門家の方たち集めて会議を開くなり、事前に影響が出る前から動き始めるっていうことは今のところは。
【知事】
動いて影響や、また循環するのかどうかというのもわかりません。県にも一定のスタッフ等がいますし、その単に琵琶湖だけを見ているのみならず、例えば、魚の関係の生態を見ている者もおりますので、あらゆる角度から全層循環が行らなかったことからくる影響というものを見ていきたい。また、1年だけでどうなのか、来年どうなのかということで、琵琶湖は400万年ありますので、1年、2年の変化というものがどういうことになってるのかということも見なければならないのではないかと思いますので、少しじっくり構えて処していきたい、臨んでいきたいと思います。
[NHK]
「うみのこ」の関係で、費用がこれまで、平成26年度の試算の時点で1億2,000万円ほどということで、この額についてはどのように感じていますでしょうか。
【知事】
今おっしゃった解体経費が1億2,000万円と出された試算、これは平成26年度に実施されたコンサル評価だと伺っています。今後、具体的な中身、詳細等を確認しながら、解体し廃船するという手続きにかかる費用等も精査していきたいと思います。
[NHK]
先ほどの質問に対してですが、台風ですとか係留費用もあるので、できるだけ早く方向性を、ということでしたが、今現時点で、新年度予算には計上されていないっていうことで、今年度中の補正予算ていうのも、検討の一つにはあるんでしょうか。
【知事】
今年度は、おっしゃるようにかかる費用は予算に計上しておりません。今年度に、何かしらの対策を、予算をかけてするのであれば、必要な予算は県議会もって県民の皆様方にお諮りをするということになると思います。
[NHK]
先ほどできるだけ早くっていうのは、補正予算も含めて検討する必要があるということなんでしょうか。
【知事】
今年度中にやらせていただくとすれば、予算を補正させていただいた上で、対策を行っていく必要があると思います。
[中日新聞]
先ほどのお話の中で、まだ検討中ということであったんですけれども、「令和の森」をつくるというお話がありましたが、県内に何ヶ所ぐらいを想定されているのかということと、また森の内容ですね、例えばその森林公園みたいな形を予定されているのかとか、何かありますでしょうか。
【知事】
御着目の上、御質問いただきありがとうございます。今おっしゃった、いくつぐらいなのかとか、どういう内容でというのは、まだまだこれからでございまして、今関係者と協議の上、検討させていただいているというところでございます。
そんな時間かけずに、できるだけ早く発表させていただきたいと思いますので、暫しお時間いただければと思います。
[京都新聞]
関連しまして、令和の森なんですけれども、位置付けとしては実際に木を伐って活用するイメージの森だという、保全林とかもございますけれども、活用する森だという理解でよろしかったでしょうか。
【知事】
今、御質問いただいたように、また先ほど私が説明の中で申し上げたように、昭和は植える時代、平成は育てる時代だった。令和は育ってきた木を伐らせていただいて、また植えていくという、そういう健全な循環を作っていく、そういう時代にしたいという思いが表現できる、そういう森づくりにしたいと思います。
[NHK]
中国に行かれる件ですけれども、いただいた資料で主な内容として、「一帯一路」フォーラムでは、貿易をテーマとして分科会等に参加ということですが、県として、三日月知事として、この貿易をテーマとして、滋賀県の何をどんなふうにアピールしたいとか、参加する方々に伝えたいとか、どういうお考えでしょうか。
【知事】
貿易と言っても、お考えのように大変広いものでございます。まずは、滋賀県の農産品、これは加工品も含めて、どのような輸出の可能性があるのか、また逆に制約があるのか、ある意味では期待があるのか、こういったことを現地で確認できればと思います。また滋賀県は、日本を代表するモノづくり県、工業県でもございます。既に県内に立地されている企業、県内に本社を持たれている企業様も、こちらで作ったものを中国に輸出されていたり、中国にも同様の工場を持たれていたりというようなことがございますので、そういう中での取引、関わり、ある意味では貿易、そういったものも現状や、また一帯一路を進める中での可能性、こういったものも確認をしていきたいと思います。
いずれにしろ、一帯一路も日中の関係だけではなくて、多国間の繋がりの中での発展、プラン、プログラムだと承知をしておりますので、日中間だけではないと思いますが、滋賀県としてはそういった観点で、見ていきたいと思います。