平成31年2月5日
(県政記者クラブ主催)
【知事】
今日もよろしくお願いいたします。
まず、資料に基づく説明に入ります前に、今、国でもまさに予算委員会でも問題になっております基幹統計調査について、先週の会見でも述べましたとおり、1回調べてみなあかんということで、基幹統計調査について先週の2月1日、各統計調査の所管課に対して、自主点検をするよう統計を所管する統計課から指示をいたしました。
基幹統計は法定受託事務でございます。法令及び事務処理基準、これは調査の手引でありますとか、マニュアル等により調査手続が国において詳細に定められています。こうした国において定められた事務処理手続に沿って、適正に調査を行っているか、行っていると信じているんですが、しかし行えているか、改めてチェックシートを作成して点検・確認することとしています。
この点検は、統計法に基づく基幹統計、これは合計56統計あるんですが、実際に県が調査事務を処理しております30の統計すべてについて、直近の年度の調査を対象に行うこととしております。
繰り返しになりますが、基幹統計調査は国の事務でございまして、県が法定受託事務として処理している部分について、適正に処理されているかできているか自主点検を行いたいと存じます。
なお、いつまでに調べるのかということにつきましては、今週中をめどに期限、今チェックをさせている状況でございますので、わかり次第ですね、内容等について、もちろん国の事務でございますので、いろいろな確認はする必要がございますが、皆様方にまたご報告をさせていただきたいと存じます。
それでは資料に基づきまして2点申し上げます。
1点目は、パンフレットもございますが、「びわ湖から世界へ!水に関わる環境ビジネス丸わかりセミナー」の開催についてでございます。滋賀県は琵琶湖の水環境保全に取り組みながらですね、経済発展を遂げてまいりました。企業においても主体的に琵琶湖を守るという使命感をもって事業活動を行っていただいております。県内に滋賀の強みである水環境ビジネスに関わる中小企業、小規模事業所も多いんですが、昨今の人材不足の折、次世代を担う人材の育成や確保が課題となってございます。
そこで本年度新規事業といたしまして、若年求職者を対象に、水環境ビジネスに特化したセミナー、その名も「びわ湖から世界へ!水に関わる環境ビジネス丸わかりセミナー」ということで開催しております。
その事業の特徴は3つございます。1つ目はこのセミナーにおいて県から水環境ビジネスを推進する背景を紹介するとともにですね、水環境ビジネスを国内外で展開している県内企業、これは幾つかあるんですけれども、こういった企業様で働かれる若手社員から仕事内容や、やりがい、社会貢献性、また学生時代の経験との関連ですとか求職者へのアドバイスなどをお話いただくことでございます。これにより、一般的にイメージしにくい水環境ビジネスの魅力ですとか将来性について若年求職者に身近に感じていただけるのではないかと考えています。
2点目は、さらにグローバルな視点で、JICAの講師から発展途上国等での水環境問題や日本の貢献などについて御講演いただくこと。これにより、日本企業とりわけ琵琶湖での経験を持つ県内企業がどのように途上国の持続的発展に寄与できるのか、御理解いただけるのではないかと考えています。
3点目、このセミナーの参加者に対し、3月に開催されます合同企業説明会を御紹介することでございます。水環境関連企業に関心を持たれた方が、実際に合同企業説明会にも御参加いただくことで、県内関連企業への就職につながる、つなげていくことができればと期待するものでございます。
この事業を通して、滋賀県における水環境ビジネスをより広く知っていただき、琵琶湖はもとより世界で貢献・活躍できる次世代の人材育成や人材確保につなげていきたいと存じます。もちろん水だけではないんでしょうけど。彦根のバルブはじめですね、地場産業等にもつながるのではないかと考えます。
続きまして、もう一つ資料を配布しております。出ました。連続講座「近江の城郭」第5回「信長の城と戦国近江」についてご説明をさせていただきます。
滋賀県には約1,300の城跡があるということでございます。これは全国でも4番目の多さということだそうでございます。「近江を制するものは天下を制す」という言葉がありますように、近江は歴史上の節目となるような争乱の舞台となってまいりました。このような城跡また古戦場は、全国の戦国ファンから注目されているところでもございます。
そこで、本県に数多く残ります城跡や戦国古戦場などの戦国遺跡の魅力を、さらに多くの方々に知っていただくため、「戦国の近江」地域の魅力発信事業を実施しています。この事業では、全国に向けて広く情報発信するため、東京でのシンポジウムや講座を開催するとともに、県内の城郭遺跡をテーマにした連続講座「近江の城郭」を行っています。
今回お知らせいたしますのは連続講座「近江の城郭」の第5回目で、織田信長が天下布武の拠点として築いた安土をテーマに、現地探訪とシンポジウムを開催します。私も参加予定です。3月9日に開催する現地探訪では安土城跡と安土城下町をめぐります。織田信長が安土を選んだのはなぜなのか、こういった魅力を探求したいと思います。
平成元年度から20年度にかけて滋賀県教育委員会が実施いたしました特別史跡安土城跡調査整備事業の発掘調査成果でありますとか、安土の町中に残ります安土城下町の痕跡を調査に直接携わった県の専門職員が詳しくわかりやすく御案内いたします。
また、3月10日には「信長の城と戦国近江」と題するシンポジウムを、安土文分芸セミナリヨホールで行います。シンポジウムでは織田信長が築城した小牧山城跡や岐阜城跡の最新の調査成果と、安土城跡の調査成果とを比較検討することで、信長の城づくりの特徴を明らかにするとともに、安土城を生み出した近江の戦国時代の特質に迫っていきたいと考えています。
ぜひこの講座にもお越しいただき、信長が築いた安土城と城下町に思いを馳せていただければと思います。私からは以上でございます。
[読売新聞]
冒頭にありました統計調査の関係で質問なんですけれども、県が処理してる30の統計、例えば具体的にどんなものがあるのかということと、調査してらっしゃる直近の年度ということですが、これは29年度でよろしいのでしょうか。
また、今週中を目途にチェックされてということなんですけれども、結果が我々などに示されるのはいつ頃という目途でいらっしゃるのか、そのあたりをお聞かせください。
【知事】
まず基幹統計につきましては、例えば、統計主管課、県で言いますと統計課が行う調査といたしましては、家計調査、労働力調査、個人企業経済調査、小売物価統計調査、工業統計調査、生産動態統計調査、商業動態統計調査、学校基本調査など、すいませんちょっと早口になって、18ほどあります。そして、事業主管課、統計課以外の事業主管課がやる調査といたしましては国民生活基礎調査、薬事工業生産動態統計調査を始め12調査ございます。経常調査と周期調査、何年かおきにやる調査と、毎年やる調査、それぞれがございますので、その直近の調査が、決まりのとおりできていたかを調べるということでございます。
なお、これは県の事務について自主点検をするということで、もちろん決まりとおり、マニュアルどおり調査できていると思うのですが、万が一そうでない事案が発生した場合、それはその事柄にもよるんですが、事柄にもよりますし、また国の受託事務ですので、どういう経過でそうなったのかという確認なども一定いるのではないかと思いますので、そういったことが明らかになり次第、できるだけ速やかに、きちんとお知らせをさせていただきたいと存じます。
[NHK]
もし、不正がないと判断された場合は、金曜日に明らかにされるんですか。
【知事】
金曜日の何時に締切りにしてるのだっけ。
【統計課】
金曜日の午後5時15分でございます。
【知事】
いや、すいません夕方ですので、できるだけを早くお知らせしたいと思いますが、一定の事務確認作業もあるのかもしれませんし、それぞれの課が出してきたものがどれぐらいの精度で出させてるのかっていうこともあります。
ただそれ過ぎると、土日月3連休になっちゃいますし、次開けたら12日ということもありますので、ちょっと私自身も見て、どういう形でお知らせできるのか確認したいと思います。
[NHK]
滋賀県ではまだこれから調べるということですけれども、国の方でこういう話が出ていることについて、知事はどのように感じているのか教えていただけますか。
【知事】
起こっていることの全容なり、その要因のすべてを把握してるわけではありません。ただ、私たちが政策を作るときに、国はじめ、それぞれの分野の実態を見るときに、基礎となる統計資料に誤りがあったとすれば、これはある意味、政策や信頼の根底を揺るがすことにもつながりかねない、そういう事態だと思います。したがって極めて遺憾な事態でありますし、それぞれの現場、現場で、これは統計調査員の方々はじめですね、県内でも1,200人を超えて、いてくださるんですが、こういった方々が調査員調査をはじめ、様々な調査活動に勤しんでいただいております。
ただ非常に、昨今の調査もいろいろと個人情報の管理でありますとか、マンションのオートロックの問題でありますとか、様々な調査が大変なご事情であるとか、この調査員の皆様方が高齢化なさっていらっしゃるというようなご事情等もあるようでございまして、その中で頑張っていただいているこの調査というものをですね、改めて我々自身が見つめ直して、これを機会にどういう課題があるのかということをしっかりと検証した上で対策をとっていくことが必要であろうと。国においても、今、国会審議でそういった方向性で議論がなされてるのではないかと承知をしております。
聞いてみますと、統計スタティスティックスっていうのは、ステートのステータスを図る基礎資料ということが、この統計課の皆さんが持ってる「統計実務基礎知識」、私も読んだのですが、こういうものに載ってまして、改めて我々自身もですね、この政策を作る際に、この統計というものの重要性を再認識して取り組んでいかなければならないなと考えているところでございます。
[毎日新聞]
統計不正に関連してなんですけれども、誤った調査結果によって県の事業にどんな影響があるとか、そういったことは今どんな認識でいらっしゃるのか、県の事業に影響があるんじゃないかということを調査される御予定とかございましたら教えていただけますでしょうか。
【知事】
まず、私どもは国の法定受託事務を適正に決まりに基づいてやっております。
できてると思ってますが、しかし国でああいう事態になってますので、県の行っている事務は大丈夫かどうか、改めて確認をしてみようということでございます。
万が一、誤りがあった場合、それらがどう政策なり、その他の事業に影響しているのかいないのか、そのことを改めて確認の上、皆様方に御説明する必要があるのではないかと考えています。最初から何か誤りがある、いろいろ修正が必要だという、そういう予断を持って調査に取り組んでいるわけではありません。
[京都新聞]
先ほどの質問のつながりなんですけれども、県に影響が、今回の毎月勤労統計調査ですとか、それらの県への影響というのは何か出てるんでしょうか。
【知事】
今、国で明らかになっている毎月勤労統計調査の誤り等が県に与える影響ということでございますか。現時点でそういったものがあるという認識は持っておりません。また、国からもそういう連絡を受けておりません。現時点ではですね。
[京都新聞]
先日、県政経営会議につきまして、一部の議題を除きまして、議事録を作成していないことが明らかになりましたけれども、知事はそのことについてはお受け止めは、いかがお感じになられているでしょうか。
【知事】
この県政経営会議については、全庁的な合意・了承を出していく「協議事項」と、協議の前段階で全庁的な視点で議論する「論議事項」と、情報共有に係る「その他」の3項目に分けて、議論をしております。
私はすべてが公開されてると思ってたんですが、実は聞いてみると「論議事項」については率直な意見交換を行うため、また「その他」については情報共有にとどまるため、議事録の作成はしてなかったということが、実は、今年度になる前にわかりまして、いや、僕は、幹部だけじゃなくて県民に話してるつもりで述べているということを申し述べた上で、きちんと公開しようということで、今年度4月から県政経営会議の議事録を作成して、改めて、この8月30日に全庁で公文書の作成等の取り扱いを定めたということになっています。
したがって現在は、これは論議事項、その他の情報共有も含めて議事録を作成しておりますし、その作成した議事録は公開させていただいているところです。いずれにしろ、もちろん、いろんな経緯はあったんでしょう。いろいろ自由な議論ということもあったのだと思いますが、すいません、それ以前はできていなかったということでございますので、今後、できるだけ明らかにできるように努めて参りたいと存じます。
[京都新聞]
確認なんですけれども、知事が御指示をされて、今年度から議事録を作成されるようになっているということでしょうか。
【知事】
平成30年度4月からについては、私が指示をして、はい。
[京都新聞]
ただ、今年度からの記録は残されていますけれども、過去少なくとも県政経営会議ができた10年前から今年度にいたるまでの議事録というのは失われてしまっているわけなんですけれども、復元なりなんとかできないのかという思いを県民としては持つんですけれども、知事はそのへんの今後の対応についてはどのようにお考えになられますか。
【知事】
まず、経営会議が始まった平成20年度から昨年度までの10年間、これ協議事項の議事録が作成されておったということなんですけれども、論議事項に係るまたその他に係る議事録が作成されていないということでございます。
それらを経営会議の議事録として復元するのがいいのか、その他に残されている、そのテーマに係る公文書をきちんと公開する形で、知る権利に寄り添っていくのがいいのか、そこはテーマにもよるのではないかなと思います。ただ、議事録の復元っていうのはなかなか難しいのではないかなと考えますので、必要ないろんな調査はしなければならないとは思いますが、まずはこうした県政経営会議について、何が話されてるのか、何が指示されてるのかっていうことをつまびらかにさせていただくということで、応えていきたいなと考えております。
[京都新聞]
知事も議事録がつくられていないことは、御存じなかったということなんですけれども、それを知られた時の御印象というのはどうだったんですか。
【知事】
いや私はてっきり出されてると思ってたので、いつも県政経営会議の最後にその他のところで、知事何かありますかという時に、私は幹部はもちろん県庁内はもちろん県民の皆様方に述べるつもりで数点、その時々の話題、私の思いを話すことにしておりました。当然伝えられてると思ってたんですけど、すいません、私の管理が甘かったと言えばそれまでなんですが、結果的に皆様方がそれを確認できる議事録として公開されていなかったということについては、残念だなあと思います。
ただ、いろいろと紐解いてみますと、そういった、もっともっと自由に発言できるようにという思いもあったということでございますので、今後は県民の皆様方にも見ていただく形で自由な論議ができるように、その事を後にもご確認いただけるようなそういった公開をしっかりと原則としながら、対応していきたいと思います。
[産経新聞]
すいません、再び統計不正の話で恐縮なのですけれども、調査を指示されたということなのですけれど、具体的にどういったことについて、どのような調査をされるのか、もしお分かりであれば。担当課に伺った方が良いかもしれないのですが。
【知事】
改めて言い直すと、もしくは言葉を付け加えますと、基幹統計を自主点検いたします。その基幹統計っていうのは何かと言われれば、先ほども申し上げたのですが、もうあえて繰り返しませんが、統計法等に基づいて家計調査をはじめ、今回話題になっております、毎月勤労統計調査を含め、56ある基幹統計のうち、県が関わっております30統計全てを対象に、直近の年度が法令ですとか事務処理基準、これは調査の手引きとかマニュアル等に沿って、きちんと調査が行えていたのかということを、チェックシートを作成して点検・確認するということでございます。
[産経新聞]
そのチェックシートの項目について、いくつか分からないですか。何々について点検していく等。
【統計課】
統計課でございます。基幹統計ということでございますので、統計法及び統計法施行令において、都道府県が一部事務を受託している部分について法令に定まっておりますので、ただ、受託している内容については、各統計によって異なってくる部分があるのですけれども、その受託した内容について、さらに事務処理基準あるいはマニュアル等であるかもしれませんが、そういった基準に基づいて点検を行っていくというような形になります。
[産経新聞]
いや、もうちょっと具体的に言ってもらえませんか、何か想像が全くできないので。
【統計課】
例えば、調査票の配布・審査等が適切に定められた手順によってなされているか、あるいは統計によっては、調査員の配置が適切になされているかっていう、そういった観点から、各所管課で点検を行うというふうに考えております。
【知事】
やっぱり重要なのは、やはり今回の国の問題なっていますけど、必要なサンプルなり対象が、きちんと対象とされているかどうか、また、調査員による調査で行うべしとされているところが、本当にきちんと調査員による調査でできているかどうか、オンライン調査・郵送調査というような簡便なものになっているのかいないのか、なっていないと思いますけどね、定められていれば。そういったこと等がきちんと要領等に基づいて行えているかどうかを、項目をちょっと子細に作りまして、確認をするということでございます。
[毎日新聞]
関連ですけれども、調査員が正しく調査しているかを調べるわけですか。というのは、国からおりてきた調査方法を県の段階で間引いてというか、マニュアルを書き変えて指示をおろしている可能性も調べるのですか。
【知事】
まず法定受託事務ですので、今、御質問にあったような内容というのはおよそ想定しておりませんので、法令なり手続き要領に基づいて調査が行えているのか、この調査主体にはもちろん県も関わっておりますけれども、それができているのかを確認いたします。で、万万が一というか、そういうものを調査しようということに代えてね、何か行っているとすれば、それは明らかに問題だと思いますので、そういったことが発覚し次第ですね、公表しなければならないと思います。やっていないと思いますけれども。今、御質問どういったことを想定されておっしゃっているのか。
[毎日新聞]
現場の調査員が正しくやっていたのかを調べるのですか。その人が手を抜いているとか。
【知事】
いやいや、そういうことではなくて、誰々を対象にいついつまでにどういった調査をしなければならないと定められている調査が、そのとおりできているかどうか。ですから、それはもちろんその決まりどおり調査をやって報告なりを上げていると思いますが、そうできていなかったとすれば、それはどういうものなのか、なぜできなかったのかということについても、明らかにしていく必要があるんじゃないかと思います。
【統計課】
今のところ調査員について一斉に調査するということは、国からの指示もございません状況の中で、考えていない状況でございます。
【知事】
調査員?
【統計課】
調査員自身の不正を調査するということではなくて、県のとるべき手続が適正になされているかという観点から調査すると考えております。
【知事】
それぞれの調査をすると。調査員1人1人まで、ちゃんとしていますかっていう調査までではない。
[朝日新聞]
すいません関連で、今調査員の方に個別に調査するわけではないとおっしゃいましたけど、大阪府の例だと調査員の方にも調査しないと不正があったかどうかというのが分からなかったわけで、そこを調査しない意味というか、課のチェックだけで終わると、大阪府のような事例とかが抜け落ちるのではないかなという心配があるのですけど、そこは知事としては、調査は指示しないのですか。
【知事】
まず、今回、県が実施している事務についてどうだったのかから始めたいと思います。おっしゃるように個別具体的に調査範囲を広げないと、深めないと、分からないところもあるのかもしれませんが、まず、第一段階、県の事務の調査を、点検をさせていただきたいと思います。
[朝日新聞]
まずは県の事務レベルで問題がなかったかということで、今後広げる可能性もある。
【知事】
まあ、事柄にもよりますが、はい。
[NHK]
確認なのですけれども、これは滋賀県独自でされるものなのですか。それとも国から調査をするようにというようなお達しがきて、チェックシートは国からのものがあって、それを参考に作られたのか、それとも、もう取り組む必要があるというか、知事がそういうふうに話されて、滋賀県独自のチェックシートを作られたものなのか、その辺りも詳しく教えていただきたいなと。
【知事】
国から指示があって行う点検・調査ではございません。こういう指示もありません。私自身もそうですし、統計課の職員のみんなも、これは1回点検しようということで、チェックシートを作って、点検をさせていただくということでございます。
[京都新聞]
ちょっと細かいのですけれど、この統計課が所管する調査が18と、それ以外の12については、何課に跨っているのですか。
【知事】
申し上げます。国民生活基礎調査は健康福祉政策課、薬事工業生産動態統計調査は薬務感染症対策課、人口動態調査は衛生科学センター、建設工事統計調査は土木交通部監理課、建築着工統計調査は建築課、港湾統計調査は流域政策局。
また、周期調査になりますが、地方公務員給与実態調査は人事課と市町振興課、法人土地・建物基本調査は県民活動生活課、医療施設調査につきましては、衛生科学センター、患者調査というものもあるのですが、こちらは衛生科学センター、学校教員統計調査は教育委員会事務局教職員課、社会教育調査については、教育委員会事務局生涯学習課でございます。
[時事通信]
統計の関係で1点なのですが、先日の会見でもおっしゃっていました県独自の調査については、これは特に含められていないという理解でよろしいですか。
【知事】
県独自の調査というのはどういう・・。
[時事通信]
県がやっている調査、国の指示に基づいてやる法定受託じゃないもの。
【知事】
まず、今回問題になっている事案がございますので、まずは、国の法定受託事務の統計調査を対象としています。
[時事通信]
あと話が変わって申し訳ないのですが、先日総務省から人口移動の発表がありまして、5年ぶりにですね、転入超過になったのですけれども、この受け止めと、これをどのように要因分析されているかということ、それから、これをふまえて何か検討というか、考えられること、対策とかありましたらお伺いしたいのですが。
【知事】
先般、発表されました住民基本台帳人口移動報告、これは平成30年、2018年結果として、総務省が発表された資料に基づきますと、滋賀県の住民基本台帳の人口移動報告においては、全体として409人の増加、内訳みますと、外国人が951人の増、日本人が542人の減となっております。また、さらに詳しく増えているところと減っているところを比較してみますと、総じて、東京中心とした大都市への一極集中、都市部集中という、この流れは進んでいるのではないかなと思います。
滋賀県は数年続いていた転出超過から転入超過になりました。ただ、その中身をみますと、外国人の転入超過拡大が要因であるということでございます。その外国人の転入超過拡大の要因というもので、もう少し詳しくみてみますと、年代別にみれば、15歳から19歳が129人、20歳から24歳が241人等々ですね、若年層が多いということでありましたり、どこから滋賀県に来られたのかというものをみてみますと、愛知県、大阪府、京都府からの転入というものが多いということでございますので、技能実習生として滋賀県に来られ、滋賀県で生活しておられるケースが多いのではないかと推察されます。
日本人の転出超過の要因をみてみますと、30歳から34歳、子育て世代については、増えています。前年がプラス185人であったところがプラスの300人。また、0歳から14歳の年少世代も増えています。これはプラスの181人からプラスの308人。50歳から64歳、定年前後の人も増えています。前年のマイナス79人からプラスの90人。しかし、20歳から24歳の大学卒業後の就職の年齢層は大きく減っています。前年が1,091人のマイナスから1,495人のマイナス。これで全てマイナスになってしまっていると言っても過言ではないぐらい減ってしまっているということでございますので、すいません、少し長くなりましたが、都市部への人口集中が加速しているということと、外国人の方の流入が、技能実習生レベルでも、やはり増えているということが数字の面でも明らかになりました。今後法改正等が行われたことを受けて対応をせねばならないこともたくさんございますし、引き続き、若者世代の滋賀県への定着、また、子育て世代等の働く場の確保、こういったことをしっかりと焦点を当てて対応していく必要があるというふうに考えております。
[時事通信]
あと1点だけなのですが、日欧EPAが今月1日に発効したのですが、それについての御所見をお伺いしたいのですが。
【知事】
先般のTPP11に続き、日欧EPAの発効ということでございます。関税等がエリアを定めてではございますが引き下がり、障壁なく物やサービスが移動できるということは、私は大きな意味でプラスになるのではないかと思います。ただ、急激な変化への対応ですとか、弱い面への対応、こういったことは必要ではないかと考えます。従来から申し上げているとおり、プラスの効果が発現できるよう、マイナスの影響が最小限になるよう、県内の産業基盤の強化等にしっかりと取り組んで参りたいと思いますし、少し長い目でみた構造改革というものをそれぞれの産業分野でしっかりと志向できるように県も役割を果たして参りたいと思います。
[NHK]
高島の日米共同訓練が昨日から実施されているということで、オスプレイが6年ぶり飛来するということで、そのあたり知事のお考えといいますか、昨年11月に事故があった饗庭野演習場、その件も踏まえて、どのような安全な訓練して欲しいかというところを教えていただきたいと思います。
【知事】
一にも二にも安全第一で、必要な訓練に臨んでもらいたいと思います。防衛ですので、訓練ですので、しかも日米共同訓練ということであれば、全てが即時に明らかになるわけではないのかもしれませんが、饗庭野演習場は、昨年、近い時期にああいった問題のあった場所でもございますので、市民、県民の皆様方で不安に思われる方も一定数いらっしゃるのだと思います。しかし必要な訓練ということであるならば、一にも二にも安全対策をしっかりと講じた上で、事故なく必要な訓練が完遂されるように願っております。
また、可能な限りどこをどういう形で飛ぶのか、また、どういう訓練を行うのか、こういった情報開示についても、可能な限り行っていただくように要請をさせていただいておりますので、そういったことを受けてか、どういったスケジュールで、どういう機が飛んだというようなことについては、近畿中部防衛局からメールでいただいておりますので、そういったもので確認をさせていただいているということでございます。