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知事定例記者会見(2018年11月20日)

平成30年11月20日
(県政記者クラブ主催)

おはようございます。先週は中国出張で1週間、飛びましたけれども、今日もよろしくお願いいたします。まず、拙い句を一句。

ありがたし世のともしびに冬紅葉

今ちょうど紅葉などが見ごろを迎えておりまして、週末、私も湖東三山の一つ、金剛輪寺に拝観をしてまいりましたが、多くの方々に来ていただいておりました。滋賀県が誇るこの紅葉も、これからしっかり皆さんにPRしていきたいと思っております。

また、もう一つ季節の話題でございますが、別にお酒を飲もうと言うわけではないんですけれども、毎年、愛荘町の藤居本家からですね。新嘗祭の御神酒、これ白酒と言うんですけれども、この一樽を天皇陛下に献上されているということでございます。新嘗祭自体は11月23日(金曜日)に行われると。今年はですね、明日、11月21日(水曜日)に滋賀県酒造組合の会長である藤居鐵也さんと東京本部の職員が宮内庁に献上する予定だということでございます。この白酒はですね、新嘗祭御神酒田にて収穫した新穀を使って、新嘗祭御神酒謹醸蔵にて古式ゆかしく醸されているということでございまして、新嘗祭用として毎年県下各神社にも献酒いただいているということでございます。この新嘗祭はですね、天皇が五穀の新穀を天神地祇に勧め、また自らもこれを食してその年の収穫に感謝するというものでございます。通常には販売されていない非売品だということでございまして、こういうのを献上しますということで、一本、知事室にお持ちいただいたということでございます。御紹介とさせていただきます。

話題提供の前にですね、去る14日、高島市の陸上自衛隊饗庭野演習場で迫撃砲弾1発が演習場内にこれを誤って飛び、着弾しですね、演習場外の国道路肩に留まっていた乗用車の窓ガラスが割れるなどの事案が発生いたしました。このため私自身も、中国出張の予定を切り上げて帰国をいたしまして対応に当たってきたところでございます。平成27年7月に、同じ饗庭野演習場で重機関銃の跳弾事案が発生した際に、徹底した安全対策を講じるよう強く要請したにもかかわらず、このような事態が再び起こりました。今回は、自動車の窓ガラスが割れるということでございましたが、もっと大惨事になりかねない、そういう事態であるということから、また繰り返し起こってしまったということから、重大かつ誠に遺憾なことだというふうに思っております。すでに16日にはですね、饗庭野演習場内における実弾射撃訓練の中止、これを求めると同時にですね、まず何が起こったのかと、どういう事態が起こったのかという、この説明と、なぜ起こったのかという原因の究明、これを求めてます。その上で再発防止に向けた具体的な安全対策の構築、これを求めておりますし、今回、平成27年に交わされた覚書に基づく対応が十分とられていなかったのではないかという事態が散見されます。とりわけ情報伝達は遅かったのではないかということから、迅速かつ確実な連絡の徹底というものを陸上自衛隊中部方面総監部また防衛省近畿中部防衛局ならびに陸上自衛隊今津駐屯地に対して申し入れを行っているところでございます。

また、報道等でも一部言われておりますし、地元の説明会等でも指摘されたと聞いておりますが、訓練のあり方そのものにも、問題点があるのではないかということが指摘されています。もちろん訓練の際には演習場内でさまざまな訓練が行われるということなんですけれども、演習場外の周辺状況の把握というものが果たして訓練する方々に、それを指揮する方々に十分だったのかどうか、こういった点も検証されてしかるべきではないだろうか、今後、防衛省からの詳細な報告を受けながら、高島市としっかりと連携して、対応をとってまいりたいと存じます。

それでは、資料に基づき、私のほうから短く4点、申し上げます。

1点目は、今も触れました湖南省訪問結果について御報告をさせていただきます。去る11月11日から15日まで、中国湖南省訪問してまいりました。写真にもありますように杜家毫書記および許達哲省長と会談を行いまして35年の友好交流を継承、継続発展させていくこと、また洞庭湖の環境保全への協力や、今後、とりわけ農業技術協力を進めていくことなどを話し合いをしたところでございます。35周年記念式典に出席いたしまして、友好交流を一層推進するため、また今後経済交流や環境分野の協力を行うことを確認し、許達哲省長と友好交流に関する覚書を取り交わしました。また甲賀市と張家界市が新たに友好都市提携を結ばれたということでございますので、その立会を行いました。両県省で湖沼の重要性を世界に向けて発信することについて合意をいたしまして、琵琶湖環境部と科学技術庁による覚書も調印したところでございます。記念式典の後はですね、松雅湖国際友誼林において記念植樹ならびに記念碑の設置を行いました。両県省の友好に福があることを俳句に込めて石碑に刻んでいただきました。中国語に訳しにくいと批判もありましたことから、ここでの紹介は差し控えさせていただきます。本県からですね、200名の訪問団を歓迎し、湖南省政府が主催するレセプションが開催されました。記念品として本県の伝統工芸品であります絹弦、これは丸三ハシモトさんの絹弦を使用した楽器の琵琶を進呈したところでございます。

記念事業の一つとして、両県省の書道、絵画、写真作品計150点を展示する「湖南滋賀芸術展」が開催をされました。私も開幕式に出席いたしました。開幕式に先立ち、烏蘭副書記とも面会をさせていただきました。琵琶湖と洞庭湖の持続可能な発展をテーマといたしました「水環境シンポジウム」が開催され、開会式に出席をいたしました。その開会式に先立ち、陳飛副省長とも面会をいたしまして、環境教育等での協力を約束したところでございます。このシンポジウムでは、琵琶湖・洞庭湖マザーレイク保護に関する共同宣言、これは議長と現地の高校生が読み上げていただいたんですけれども、この共同宣言にもともに署名させていただいたところでございます。

本県の魅力発信ですとか観光プロモーションについても一部取り組みを行いました。今回、中国出店20周年を迎えられた平和堂様とコラボいたしまして、湖南省1号店において滋賀県物産観光フェアを行ったところです。また世界遺産の街張家界市において甲賀市とともに滋賀県の魅力のPRをさせていただきました。この湖南省訪問中、長沙高新区という場所でありますとか、その高新区に立地する東洋電機製造様、これ滋賀県に竜王の工業団地に新たに工場を建てられたこの東洋電機製造様を訪問いたしました。今後、この高新区に滋賀県として事務所の設置を行う方針を固め、歓迎レセプション等で表明させていただいたところでございます。また湖南師範大学と県立大学との間で環境法学の共同研究センター設置の除幕式が行われまして、臨席をさせていただきました。あわせて学生を対象に、本県の紹介をしたところでございます。

湖南省訪問にはですね、県内各界から総勢約200名が参加をいたしまして、各方面にわたり交流が展開されました。東近江市長、彦根市副市長、栗東市副市長ならびに新たな友好市として、甲賀市長が出席する「友好都市市長フォーラム」も開催されたところです。

今関信子さんによる日中の友好描いた、「子犬の裁判はじめました」という図書の贈呈式が湖南省図書館で行われたところです。県民交流団によるホームビジットも行われ、湖南省から本県への元研修生に大変お世話になったところでございます。

両県省の書道家による交流が10年ぶりに行われました。平和堂中国出店20周年の記念式典も盛大に開催されたところでございます。滋賀経済産業協会におかれては、会員企業の青年層7名で構成する視察ミッション団が派遣され、湖南省企業と経済交流が活発に行われたということでございます。環境プロジェクトのメンバーで構成する御一行が湖南省水資源センターの御協力のもと、洞庭湖の視察、水環境シンポジウムでの発表も行われたところでございます。訪問中、びわ湖放送様や京都新聞様、また中日新聞様の同行取材を受けさせていただくとともに、中国メディアの取材もあり、現地で大々的に報道もしていただいたところでございます。日中を代表するような滋賀県と湖南省の友好の絆を実感するとともに、新たな交流も生まれましたので、その意味では大変意義のある訪問となったところでございます。

この湖南省訪問に先立ちまして、11月10日に香港を訪問いたしました。香港貿易発展局マーガレット・フォン総裁との間で相互協力の覚書に調印をいたしました。また、貿易発展局が主催する「インターナショナルワイン&スピリッツフェア」において、滋賀の地酒と食材のPRを行ったところでございます。香港公開大学の学生を対象に講演も行い、本県の魅力をPRさせていただきました。

また、香港滋賀県人会の方々との交流も行ったところでございます。今回の訪問と取り組みを通じまして、本県と香港との距離が一定近づいたと思います。発展著しく日本への関心も高い、またアジアのゲートウェイである香港で今後ビジネス交流をさらに展開してまいりたいと考えているところでございます。御取材いただいた方々、本当にありがとうございました。

続いて、2点目、こちらも資料がお手元にあろうかと思いますが、共生社会づくり条例要綱案に対する意見の募集ということについてでございます。本日から年明けの1月4日までの間、「滋賀県障害者差別のない共生社会づくり条例要綱案」に対する県民政策コメントを実施させていただきます。この条例につきましては、昨年5月、「障害者差別解消法の実効性の補完」と「障害者等同様に社会的障壁により様々な生きづらさを抱える人に対する課題」という二つの問題認識、問題意識のもと、1人の孤立も見逃さない共生社会を目指していくための条例が必要との認識に立ちまして、滋賀県社会福祉審議会に条例骨格について諮問をいたしました。今年の6月に審議会から障害の社会モデルの定義、障害者差別の禁止の強化、「地域アドボゲーター」の設置をはじめとする相談体制の整備など、滋賀らしさも盛り込まれた答申をいただいたところでございます。その後8月、9月にかけまして、県内6カ所で条例のタウンミーティングを開催し、延べ489名の皆さんの参加を得て、答申の内容を周知させていただくとともに、条例に対する御意見もいただきながら条例づくりに取り組んできたところでございます。

今般、県民政策コメントということで、「滋賀県障害者差別のない共生社会づくり条例要綱案」を作成いたしまして、その内容を公表し、御意見を募集するものでございます。条例の実効性を確保するためには、できるだけ多くの県民の方々にこの条例の必要性や目的などについて御理解を得ながら検討を進めることが重要でございますが、県民の皆さんと一緒に共生社会づくりを目指すこの条例に関しましては、特にその過程を大切に進めていきたいと考えています。

「滋賀県障害者差別のない共生社会づくり条例要綱案」 点字版(左) 音声版(右)

県民政策コメントでこうした取り組みを行うというのは、初めてのことだということでございます。また、市町や当事者団体を初め、障害福祉サービスの事業所、経済団体、県と包括的連携協定を締結する企業等へも個別に照会をさせていただく予定でございます。意見の募集期間を、通常1カ月なんですけれども、少し長めに設定いたしましたので、ぜひ多くの方から、内容ご確認の上、御意見をお寄せいただけるように我々も頑張って取り組みますので、報道機関各位のお力添えを賜れば幸いでございます。

続きまして、年末ジャンボ宝くじが11月21日(水曜日)から全国で発売されるということでございます。今年の年末ジャンボ宝くじの収益金の一部はですね、大阪北部地震、西日本豪雨、北海道胆振東部地震の被災地支援にも役立てられますことから、ぜひ多くの皆さんに、県内で御購入いただきたいと。詳しくはお手元に配付した資料を御覧をいただきたいと思いますし、その裏面にはですね、各地で行われるイベントについても紹介をさせていただいておりますので、ぜひまた御報道の対象等に加えていただければ幸いでございます。

それではですね、今一つ、今月のイチオシしということで、イチオシは「健康しがシリーズ」を紹介させていただいてるんですが、今日は東近江市の「里山保育」を紹介させていただきます。東近江市にはですね、国内でも珍しい河辺林を生かした「河辺いきものの森」という施設がございまして、年間1万人、300以上の団体が里山の自然に親しむ活動に来られているということだそうでございます。市内にはですね、そのほかにも身近に豊かな自然がたくさんございます。そのような環境にありながら、現代の子どもたちに目を向けますと、せっかく身近にある自然の楽しみ方をよく知らない子が多いのではないかと思います。

そこで、東近江市では、専門知識を持つ河辺いきものの森のスタッフの皆さんが保育園や幼稚園に出向かれて、園の近くの身近な自然に四季を通じて園児を何度も連れていく里山保育という活動を行っていらっしゃるということでございます。里山保育で元気いっぱい生き生きと活動する様子に担任の先生も驚かれているということであったり、体力がついたという保護者のお声も寄せられるなど、子どもたちの心と体の健康にも大きく寄与していると考えられます、

とのことで、健康しがシリーズで紹介させていただくこととなりました。

去る10月22日、森や自然を活用した保育・幼児教育の推進に取り組む全国の110の自治体により「森と自然の育ちと学び自治体ネットワーク」が設立されました。東近江市と滋賀県もこれに参加しておりますが、東近江市の里山保育は全国的に見てもこのネットワークの中においても、とてもユニークな取り組みであるとお聞きしております。

今日はゲストにお越しいただきました。見るからに里山保育のナビゲーターという感じでございますが、東近江市森と水政策課河辺いきものの森主幹の丸橋裕一さんでございますが、せっかくの機会ですので、丸橋さんの方から、ちょっと御紹介いただけますでしょうか。

[東近江市]

東近江市河辺いきもの森丸橋と言います。知事がおっしゃっていただいたようにちょっと雰囲気を出すために今日はこんな格好で来ました。里山保育っていうのは簡単に言いますと、保育園や幼稚園の子どもをですね、園から歩いて行ける距離に、私たちが年間10回程度、連れて行っていろんなことをしようという活動しているわけです。

知事がおっしゃったユニークっていうのはどういうことかといいますと、全国で森の幼稚園というのが随分注目をされております。ただ、森の幼稚園をやろうと思うとですね、まず環境がないとできない、そういう森ですとかね。それから指導者も園にいないとできない、そういう大きなハードルがあるわけですが、私たちがやってるのは、フィールドは園の近くの森があれば、田んぼしかなければあぜ道、そういうところでもできるということが一つ。もう一つ私たちが出向いてやるので、園に指導者が不要ということで、やろうと思えば、いつでもできるよというのは非常にユニークという意味で全国でもほとんど例がないのではないかなというふうに考えております。お配りした資料はですね、ちょっと子どもたちの写真が多いので掲載とか転用はちょっと控えていただきたいものなんですけども、生き生きとですね子どもが活動しているような様子がわかるかなと思いますので、どうぞよろしくお願いいたします。

[知事]

はい、この写真見るだけでも何となくわくわくするようなところがございますので、また丸橋さんには残っていただきますので、後ほどお問い合わせ等いただければと存じます。長くなりましたが、私からは以上でございます。

[中日新聞]

湖南省出張の関係で伺いたいんですけれども、先ほど知事の話の中で、湖南省に事務所を設置するというお話があったと思うんですが、それについてもう少し詳しくお伺いできたらというのと、あと知事の狙いだとか、思いだとかも、あわせて伺えたらと思います。

[知事]

写真にもありましたけれども、長沙高新区というところにですね、各国や各地域、また各分野の事務所がございまして、この地域は、伺うところ、1988年から30年にわたって、150平方キロメートルの敷地がございまして、2万8千社を超える会社があるそうでございます。とりわけ、バイオ医学、新エネルギー、新素材、電子化学など、最先端の技術等についても、今、企業等で開発、また取引がされている、中国初のハイテクサイエンスパークということでございます。

この中に、この商務プラットホームということで、2015年に設立された場所があるということでしたので、その場所の一画をお借りする形で、湖南省と滋賀県とのさらなる交流をつなげられるような、そういう体制を整えられないだろうかということを考えておりまして、今回、私自身もその場所を直接見た上で、式典で表明をさせていただいたというところでございます。

狙いは今申し上げたように、湖南省と滋賀県との35年のこの歴史に基づく交流をさらに発展させると。今現地駐在員1名、置いておりますが、そういった駐在もそこに入ることによってですね、また、新たにビューロー等からもスタッフを入れることによってですね、観光や経済交流をさらに発展させていきたいと考えているところです。

[時事通信]

税制の関係でお伺いしたいんですが、2点なんですが、地方法人課税の偏在是正についてということと、今、税制改正、来年に向けてですね、検討を行われている車体課税の関係ですね、見直し、これについての御所見をお伺いできればと思います。

[知事]

まず、法人課税ですね。これは、大きく言うと、地方税の偏在を是正するという観点で、東京一極集中になっている地方法人課税を、偏在是正措置をとることによって、地方、とりわけ本県の財政需要に見合ったものになるように、期待をしたいと思います。

単なる、都市部と地方部が財源を取り合うということではなくて、お互いにとって理解し合える、また、持続的な、税源の偏在性が少ない、安定的な制度となるように、深い議論を期待をしたいと思います。

また、車体課税につきましても、1つは、一般財源化されて以降の、特定財源ではなくなって以降の、この自動車課税のあり方についての問題提起、さらにはタックスオンタックスになっていることについての是正御要望、また、来年の10月の消費税率引き上げを前に、できるだけ景気変動を少なくするための措置の必要性、と同時に、環境問題から考えての走行距離に応じた税のあり方ということの必要性、こういった観点から様々な改革なり改善が必要になってきておりますので、これも大変重要な課題だと認識しています。我々としては、景気配慮はとても重要な視点だと思いますし、自動車課税に係る積年の課題というものは改善、解決に向けて努力を求めると同時に、地方自治体にとっては大変重要な財源、これは市町村にとっても都道府県にとっても、財源でございますので、そういったことについては十分配慮した議論と対応をお願いしたいと考えているところです。

[産経新聞]

冒頭お話もありましたが、饗庭野演習場の砲弾の件で、16日に中部方面総監部等にですね、知事名で緊急の要請書を提出されましたが、その後の動きと今後どのようなやりとりがあるのか、もし判明していることがあったら教えてください。

[知事]

16日、金曜日ですね、私の知事名で、これは高島市長の後を追うような形で、防災監から文書を手交させていただきました。その後、私は高島市役所に伺いまして、その道すがら現地も行けましたので、参りまして、現地を確認した上で、高島市長と今後の対応方針等について一定、情報、方針を共有させていただいたということでございます。週末17日には、3年前の覚書に基づいて作られている周辺の自治体の協議会、関係自治体に対する説明会が、これは3カ所で行われたということでございますし、その場に同席されていた大岡衆議院議員とも、日曜日の夜でしたか、これは一部私も、状況等について話をさせていただいたということでございます。

それ以外はですね、大きな動きとして、私が把握してるものはございません。

今、自衛隊をして、事態の詳細並びに原因の究明、再発防止対策の議論が、まずは原因究明を前提に行われると承知をしておりますので、その報告を待って、今後の対応を行っていきたいと思います。

[朝日新聞]

饗庭野の演習場の関係なんですが、覚書なんですけどね、先ほど知事も対応がとられてなかった部分があるということを仰ってましたが、覚書を変えるというかですね、速やかに報告する時間を具体的に記すとかですね、何かその覚書に関しての知事の考え方をちょっとお聞かせください。

[知事]

まず、平成27年8月27日付けで、甲・高島市長、乙・陸上自衛隊今津駐屯地業務隊長名で交わされ、私ども滋賀県公室長と陸上自衛隊中部方面総監部幕僚長が立会人となっている覚書、この覚書につきましては、まずこの覚書に基づく対応がとられているのかどうかということを検証することが必要だと考えます。具体的に言うと、関係機関への通報等ということで第2条、ここには、乙は、これは陸上自衛隊ですね、演習場外へ危害が及ぶ可能性を確認した場合、または演習場外に危害が及び甲が実弾射撃訓練中止を要請した場合は、直ちに実弾射撃訓練を中止し、速やかに関係地元自治会、滋賀県および甲へ通報するものとする、と書いてある、このことが、やはり当日できていなかったのではないかということですので、まずはこの覚書に基づく対応について、検証、対応するのが先決ではないかというのが私の考えです。

[滋賀報知新聞]

関連してなのですけれども、その覚書なのですが、各社さんから同じような質問も今まであったかと思うのですけども、県は立会人ということで、一応、高島市や自衛隊の対応を受けての今後の検証というお話もあったかと思うのですけれども、高島市の福井市長は、この覚書に関しては今後改定する予定は今のところないと。前回決めた時に一言一句決めたので変更はないということだったのですが、立会人ということで、県の当事者としての関わり方というのがやはりちょっとずれがあるのかなと。以前、高島市長と会談をされたときに認識を共有されたというお話もあったのですけども、そのあたりも含めて、現在の知事の認識といいますか、今後、立会人ではなくて当事者として、新たな覚書を交わすなり、改定をするなりというそういう可能性というのはありますでしょうか。

[知事]

今も申し上げたように、まずは、この覚書に基づく対応がきちんと取られていたのかどうかということをしっかり検証した上で、必要な対応を講じていくということを基本にいたします。したがって、この覚書の締結当事者である高島市さんと陸上自衛隊今津駐屯地業務隊との間で、どういったことができたのか、できなかったのかということを摺合せていただいた上で、必要な対応を取るということが基本になると思います。

立会人という県の立場がどうかという問題意識はあろうかと思いますが、事実上、高島市とはこの件でもよく連携を取りながらですね、当然その演習場そのものは高島市域内にございますが、このテーマに関して、関心の高い県民の皆様方もたくさんいらっしゃいますので、また、国道も隣接する形で、ある意味では貫く形で通っていますので、この県民の皆様方に説明責任を果たすという県の役割はしっかりと果たしてまいりたいと思いますので、その視点で、まずは高島市さんと陸上自衛隊を基本にしながら、県も立会人としての役割を果たしていくということだと思います。

[京都新聞]

関連しまして、迫撃砲の関係なのですけれども、饗庭野の演習場自体、今回のような危険性もあるわけなのですけれども、演習場が滋賀県内にあることの意義ですとか、存在自体については、知事はどのように受け止めていらっしゃいますでしょうか。

[知事]

まず陸上であれ、海上であれ、航空であれ、自衛隊の存在というのは、国の防衛にとって大変重要な役割を果たしていただいておりますし、本来任務のみならず、自然災害が発生した折にもですね、迅速な対応をしていただいている、そのために必要な訓練を繰り返し行い、積み重ねると同時に地域活性化にも御検討いただいている。その意味で、陸上自衛隊の存在というものは、私は不可欠なものであると、かつ重要なものであるというのが私の認識ですね。

であるからこそ、陸上自衛隊の演習場内で起こった、この誤った対応等については、県民の皆様方の、何をやっているのだと、しっかりして欲しいという、こういう思いも強いと思いますので、そのことをしっかりと陸上自衛隊にも伝えながらですね、改善を促し、そのことを確認していく必要があるだろうなというふうに思っております。

[BBC]

北方領土問題なのですけれども、先月、私も県民会議の皆さんと一緒に根室の方に同行取材させていただいたのですが、行って初めて分かったのですけれども、市長もそうですし、元島民の皆さんも、滋賀県が1番この返還運動に対して頑張ってくれてはると、やっぱり北海道から離れると、もうそういうことを皆忘れてしまうので、滋賀県と他の、県民会議はどこでもあるけれども、滋賀県と数県だけが頑張ってやっていただいているということで、非常に喜んでらっしゃったという印象を持ったのですけれども、その後、帰ってきてから、国の方で大きな動きがあったのですけれども、知事は、この北方領土問題についてどのようにお考えになっているか、地方からできることっていうのは、もう限られているのかなと思うのですが、何ができると思われますか。

[知事]

今から1時間ぐらいお時間いただいて説明したい気持ちなのですが。ありがとうございます。大変重要なテーマだと思います。まず、北方領土に対する基本的な認識ということで言えば、日本国の領土ですので、できるだけ早く返還をして欲しいし、そのための努力が有効に積み重ねられるよう願っております。今、国、外交当局含め総理先頭に御努力いただいていると思いますので、そういったことが実を結ぶように期待をしております。ただ、相手があったり歴史があったり、またこの間の交わしてきた文書等の存在があったりということで、大変難しい課題だと思いますので、そのあたりの外交交渉全てを詳らかに承知しているわけではございませんが、頑張って交渉をしていただきたい。また、私たち国民にとって、納得の得られる結果が出てくるように期待をしています。とりわけ、離れているとはいえ、本県との関わりでいえば、坂田さん御自身も、現地でお感じいただいたように、大変この間、滋賀県は熱心に対応してきております。大溝藩、近藤重蔵氏との関わりもありますし、近江商人との関わりもありますし、その御縁から県民会議が立ち上げられ、根室市の中学生を毎年お招きして、その作文を聞かせていただいているというようなこともございますので、やはり離れていても、忘れずに、引き続き、また繰り返し、粘り強く、この世論喚起の対応をしていくということが重要ではないかなと考えますので、その意味で県民会議歴代の皆様方のお取り組みに敬意を表しつつ、私たちもこういった取り組みをしっかりと継続していけるように努力をしていきたいと思います。

[京都新聞]

湖南省訪問についてなのですけれども、今回の訪問の成果を踏まえまして、今後どういった取り組みを展開していくべきだというふうにお考えになられていますでしょうか。

[知事]

今、改めてその成果と課題と可能性等、最終取りまとめをさせていただいている段階なのですけれども、多くの県民、訪中団の皆さんが行っていただきましたので、各分野で。それぞれどうだったのかっていう御感想等も一定取りまとめをした上で、今後の方向性を探っていきたいなと思っています。私の団で感じたこと、皆様方に確認していただいたこともあると思うのですが、もう少し最終取りまとめは時間が要るかなと思っておりますが、私も湖南省は今回で3回目です。また、今回は節目で行かせていただきましたので、より、これまでを振り返りながら、これからを展望した議論というのができたのではないかなと思っています。その意味で、これまでの県民・人民同士の交流からですね、文化芸術の交流、さらには観光経済面での交流、水環境保全から、さらなる、例えば、一緒に琵琶湖・洞庭湖モデルを中国・日本のそれぞれの地域に、また世界に発信していこうというそういう取り組みですとか、新たな展開というものを模索していっても良い時期にきているのではないかなということを実感いたしましたし、とりわけ、湖南省の指導者の皆様方からは農業農村の振興について、滋賀県の取り組みをぜひ共有したいというようなお話も熱烈にありましたので、早速、帰国後、農政担当部局にも指示をいたしまして、どういうことができるのか、9月には副省長がこちらに来られていますのでね、そのときの関心事項なども改めて整理しながら、今後の方向性をつくっていこうとしているところです。

[NHK]

国体の懸案についてなのですけれども、期日が迫ってきていますけれども、そのあたり知事のお考えを聞かせていただけますか。

[知事]

国スポ大会ですね、全スポ大会も合わせて2024年に開催をさせていただくと、その主会場整備、これは彦根で行わせていただくのですが、この整備につきまして用地の取得等で、今、鋭意努力をしているところでございます。もう日々、いろんな事が動き変わりしておりますので、なお、地権者の皆様方にも御理解いただけるように最大限の努力をしていきたいと思っています。

[NHK]

ボートの会場ですとか、そのあたりまだ決まっていないところで、どのような方向性というか、そのあたりはございますでしょうか。

[知事]

ボートの会場が決まっていない?

[NHK]

ボートどうするかっていうところは。

[知事]

ボートの会場、決まっていなかったのでしたっけ。いずれにしろ、漕艇場につきましては、漕艇場の改修をさせていただくということになっておりますので、これについては、協会の皆様方ともよく協議をしながら、せっかく行う改修ですので、その大会もそうですけれども、その後の施設利用にもしっかりと寄与することができるように、取り組みをするということですし、それ以外の決まっていない種目についても、今年度中にですね、一定の目途を立てながら、開催準備委員会等で決定をするための手続をしていくということですし、県内で開催することができない競技種目があるとすれば、県外開催をできるだけ早く決めていくということだと思いますので、開催時期が決まっていますので、そこから戻りながらのスケジュールをしっかりとふまえた対応を行っていきたいと思います。