御来庁の皆さん、職員の皆さん、こんにちは!滋賀県知事の三日月大造です。
令和6年(2024年)11月の知事談話をお届けいたします。
晩秋の湖国。
「釣瓶落とし」のように日が短くなり、朝夕は冷え、夜暗くなるのも早くなりましたね。紅葉から落葉へ、11月は冬の入り口です。滋賀県の風景も大きく変わっていきます。風情を楽しみながら過ごしていけたらいいなと思っています。
午前中、新幹線に乗って名古屋へ行ってきました。JR東海に様々な要望等を届けるためです。車内誌『ひととき』の今月号は、「滋賀 仏像めぐり」、作家・澤田瞳子さんの「湖北、観音の里へ」が特集です。
過去、色々ありましたが、おかげさまでこのような機会をいただけるようになり、真摯に御対応いただきました。東海道新幹線は今年60周年を迎えたそうです。2年後からのワンマン化計画を発表され、自動運転など未来に向けた挑戦もされているとのこと。
湖東・湖北地域を中心に、中京圏とのつながりも深く広く、東海道新幹線沿線の玄関口や結節点としての米原駅がある滋賀県としても、ますます連携を強化してまいりたいと思います。
滋賀県では、本年から、この初冬の11月を「感染症を考える月間」と定め、様々な取組を実施いたします。今月21日と27日には、県では初めてとなる「感染症をテーマとした総合訓練」を行いますし、29日には、新興感染症発生時に備える「リスクコミュニケーション」に関するシンポジウムを開催いたします。
2019年12月初旬に第1例目が報告された新型コロナウイルス感染症。あれからまもなく5年となります。その当時の不安や混乱の状況、懊悩と苦悶と共に対応した教訓も生かしながら、平時から公衆衛生の緊急事態への備えも整えておきたいと思います。
さて、本日11月1日は「古典の日」。「紫式部日記」に「源氏物語」のことが記されたのが、約1,000年前の11月1日(寛永5年11月1日)と言われています。今放送されている大河ドラマ『光る君へ』では、1,000年前の人々が春夏秋冬、様々な関係の中で悩み生きている姿が描かれ、今を生きる私達にも多くの示唆を与えてくれています。来月の最終回まで、どのように物語が紡がれ、そして幕が下ろされるのか、注目したいですね。
紫式部がその着想を得られた場所が大津市の石山寺だそうです。源氏物語の注釈書「湖月抄」を記された、野洲市にゆかり深い、江戸時代初期の文学者、北村季吟先生も今年御生誕400年とのことです。ゆかりの地をめぐる旅も面白いですね。
文化財の話題では、国宝「彦根城」の世界遺産登録へ、ユネスコに提出していた事前評価申請書について、先月、審査機関のイコモスから報告書が出されました。彦根城中心に長年敷かれてきた「大名統治システム」について評価され、残る課題等も具体的に示されたことで、念願の世界遺産登録、令和9年の実現に向けて、大きな一歩、歩みを進めることができました。関係職員の皆さんの御尽力を労いたいと思います。
昨日、私が会長を務める彦根城世界遺産登録推進協議会総会を開催し、結果を共有・確認するとともに、今後の取組方針等についても協議したところです。戦のない平和な時代を築き、人々の暮らしを安定させた知恵や仕組みを学び生かしていくためにも、世界に向けて発信していくためにも、この彦根城の世界遺産登録・世界遺産認定を実現したいと強く思います。
先月27日には、第50回衆議院議員総選挙が行われました。結果は御案内のとおりです。「納得と共感」を得るためには、「信頼」が大切だということを、私はこの総選挙から改めて学びました。
選挙管理委員会事務局をはじめ、公正な選挙執行のため御尽力いただいた職員の皆さん、お疲れ様でした。新たに国民の負託を受けた議員の皆さんが、政権を構成され、国政を運営いただくことになります。議論されている様々な政策や課題、補正予算を含め、令和7年度の予算編成の動向等も踏まえ、滋賀県政の運営も機動的に行ってまいりたいと存じます。
投票率が下がったことを受けて、どのような投票状況だったのか、今後どういった投票環境を整えていくことが必要なのか、市町選挙管理委員会の皆さんとも情報を共有しながら、分析・検討していきたいと思います。
最後に、職員の皆さんの職場環境の改善についても申し上げます。
現在、人事委員会勧告を受けた給与改定等について、職員団体(労働組合)の皆さん、代表者の方々との交渉協議を行っているところですが、カスタマーハラスメントに対する対応等も強く求められているところです。
職員の名札につきましては名字のみとすることも可能にいたしましたが、窓口や電話口で、ハラスメントと受け取れるような対応を長時間強いられることもあると聞いています。いかに防ぎ、守っていくのか。現場最前線の職員の皆さんの意見も聴きながら、できることを実施していきたいと考えています。
職員の皆さんとの意見交換の中でも特に改善要望が強く、監査委員の皆さんからも御指摘されている「外線電話の受付」について、時間外の受付をやめることや録音機能を設定することなど、令和8年度に本庁舎等の電話交換機の更新を行う予定に合わせて検討を始めています。総務課より、近く職員アンケートも実施されると聞いていますので、皆さん御協力ください。
「すぐに、全て」というのは難しいのですが、職員の皆さんの声や願いが届く県庁職場を目指して、私も頑張りますので、一緒に頑張りましょう!
だんだん、どんどん寒くなる11月ですが、近江米、近江の茶、琵琶湖の産物、そして、時々ですが近江牛など、ありがたく頂きながら、栄養を取り休養もして、心と体を整えて、楽しみながら公務に勤しんでまいりましょう!