令和5年、2023年、あけましておめでとうございます。
皆様とともに生きて年を越し、新年を迎え、本日こうして仕事始めの挨拶をお届けできることを嬉しく存じます。
この年末年始、多くの人が休みの時に仕事を仕事して下さった人びと、帰省や旅行、買い物などたくさんの人の楽しみのために働いてくださった方々、防災宿直、雪寒対応やコロナ対応含む医療福祉、保健所や病院、警察や消防救急、ボートレース事業や水道事業など、県民のために仕事をしてくれた職員に感謝します。
ウクライナなど砲弾の中、戦禍の年越しを余儀なくされた方々や避難されている方々、土砂崩れや事故・事件に巻き込まれた方々にも心を寄せ、無事、平和、平穏を祈ります。
年改まり、1月に入りました。今年度の仕上げ・締め括り、予算や組織体制づくりなど来年度に向けて大事な時期を迎えています。気持ちを込めて、力を込めてがんばっていきましょう。
≪越えていく決意の朝の初茜≫
元日の朝、明けゆく空を眺めて浮かんだ句です。
今年、令和5年、2023年は干支、十干十二支はそのめぐり合わせで「癸卯(みずのとう)」。
万事正しく「筋」を通してゆけば繁栄に向かいますが、誤ると紛糾して動乱する意を含んでいるそうです。
変わる滋賀、続く幸せを標榜する滋賀県基本構想は第二期の実施計画をつくり、2030年に向けて前進をいたします。
車の両輪としての行政経営方針も立てて持続可能性と活力ある行政の実現へ、業務の見直しと効率化を断行していきます。
2025年、わたSHIGA輝く国スポ障スポ大会へ1000日を切りました。諸準備を加速させます。
関西広域連合の連合長を担う県ともなりました。「筋」。道やのりを正しく捉えてともに歩みを進めたいと思います。
その際の、日々刻刻の視座・姿勢として卯年にちなんで「弱さ」を大切にしたいと考えています。「弱さこそ力、強さ」ではないだろうか?と最近考えるようになりました。とかく自らの個々の強さや強みを強調する昨今だからこそ、見た目も、心も、つながりも、県勢も、「弱さ」を大切にした、それを隠さず、表明・表現し、支え合って高めていく、暮らしや働き、行政をともに追求・実践していきたいと思います。
また、「癸卯」は「大地を潤す恵みの水を表すとともに、十干の最後にありますので、生命の終わりから新たな生命の誕生や成長し始めていくことを意味する」とも言われています。
そこで、いよいよ、そろそろBeyondコロナ。コロナを乗り越え、府県境や国境も越え、様々な物事を超越して、「シン・ジダイ」へ。「健康しが2.0」、実現・実感のため新たなチャレンジをする1年にしよう。
このことを誓い、皆さんに呼びかけたいと思います。
このシン・ジダイ。カタカナ表記のシン・ジダイの「シン」には、新しいの「新」、一歩進むの「進」、未来に伸びるの「伸」、一本芯の通った「芯」、こころの健康重視の「心」、みんな仲良く親しくの「親」、本当の意味の「真」、など多くの意味を込めています。
それでは重点事項を3つ申し上げます。
まず、1点目、出発点として「子ども・子ども・子ども」。シン・ジダイの希望は子どもです。子どものために、子どもとともにつくる県政を前進させていきます。出産、子育て環境、保育・教育環境の充実に取り組むとともに、2025年、大阪・関西万博に「滋賀の全ての子どもが行けるプロジェクト」をスタートさせたいと思います。
1970年の大阪万博を私はリアルに知らない世代ではありますが、夢を描ける絶好の機会だと思います。今世紀の人類の重要テーマである「生命(いのち)」や「健康」の未来について、体験・発見・冒険し、ワクワク楽しみ、学べる機会をみんなでつくっていくことを提起し、挑戦していきたいと思います。
2つ目、正しく筋を通してつくる、シン・ジダイへの歩みは、琵琶湖をはじめ、山・川・土など自然環境とともにあるべきだと信じます。琵琶湖をお預かりする滋賀県の使命として、気候変動対策としての、CO2ネットゼロの取組を更に進めるとともに、生態系サービス、生物多様性の保全にこれまで以上に力を入れて取り組むことといたします。
そのため、昨年12月カナダで開催されたCOP15での合意「30by30」、その決定に賛同を表明し、県としての率先・主体的な取組を更に進めていきます。
県土の37.4%が生態系の保全保護地域である私たちの滋賀県は、MLGsをはじめ、琵琶湖の総合保全、やまの健康、しが生物多様性取組認証制度やトンボ100大作戦など、既に様々な取組等を、産官学労金民で実施しておりますが、平成27年、2015年策定いたしました現行の「生物多様性しが戦略」の改定に着手し、更なる高みを目指した、より野心的な目標の設定と具体的な取組を産業界や県民とともにつくっていくことといたします。
3つ目、滋賀のシン・ジダイへのチャレンジは、世界とのつながりの中で行いたいと考えます。
目下、様々な分野で強化展開中の「ひとづくり」を多文化共生の視点で進めるとともに、今年それぞれ55周年、40周年の節目を迎えます、米国・ミシガン州、中国・湖南省との友好姉妹関係を対面交流活動の復活再開と、環境・平和友好交流訪問団の派遣により進化・発展させたいと思います。
また、高校生の留学を積極的に支援する枠組みづくりをはじめ、ミシガン州、湖南省、リオ・グランデ・ド・スール州に次ぐ第4、第5の友好交流提携先の可能性を探ることとしたいと考えます。
以上、「子ども」、「自然環境・生態系」、「世界とのつながり」のテーマから3つ、重点的に取り組むことを述べましたが、他にも既に予算や組織体制づくり等で検討を進めております、「公園の価値魅力の向上」、「3年におよぶコロナ対応を教訓としたハード・ソフト両面からの感染症対策の強化」、「北部振興」や「財源づくりとともに進める交通ビジョンづくり」についても近くまとめる予算案や組織体制等にも最大限盛り込み、着実に実行・推進していきたいと存じます。
最後に、シン・ジダイの県庁と県政づくりのための提案を2つ。
県政150周年の節目を昨年越えて、次の新たな歴史をつくり始めた今、県政において1979年から1985年に設置された「文化の屋根委員会」を参考に、また、今年度行っております研究会を発展させて、「(仮称)新しい豊かさ研究会」をつくり、県民とともに最新・最高の知見を集め、より効果的な手法で新たな指針づくりを検討すること。と、
私たちは何のために滋賀県職員としているのか?働くのか?「滋賀県庁のパーパス」を議論・決定し、共有して、前提や、ともにチャレンジする礎としたいと思います。
前提や形式に囚われず業務を見直すとともに、勤務時間中の服装についても自由で、柔軟なものに改めることも含め、取り組んでいきたいと思います。
色々申し上げましたが、「弱さ」を大切に、シン・ジダイへ、健康しが2.0。夢と希望をもって、チャレンジする1年にしたいと思います。私たちならできます。
実り多き、1年になりますよう、ともにがんばりましょう。
以上、申し上げ、私の年頭の挨拶とさせていただきます。