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「健康しが」に向けた環境こだわり農業の深化

皆さん、おはようございます。

2月25日に閉会した平昌オリンピックでは、フィギュアスケートの羽生選手、スピードスケートの高木姉妹をはじめとする各選手の活躍により、日本は冬季五輪で史上最多となる13個のメダルを獲得しました。世界各国の一流のアスリートによる真剣勝負は、私たちに大きな感動を与えてくれました。3月9日に開幕するパラリンピックも楽しみです。みんなで応援しましょう。

3月23日には春の選抜高校野球大会が開会します。一般選出で近江高校、彦根東高校、21世紀枠で膳所高校という3校同時出場は本県にとって史上初となる快挙です。球児の皆さんの活躍を、県民の皆さんとともに応援したいと思います。

3月に入りますと、産卵を控えたホンモロコやニゴロブナの漁が盛んになってきます。鮒ずし用にニゴロブナを塩漬けする「塩切り」という作業も始まるそうです。農家の皆さんが春からの米作りに向けた計画づくりや種もみの消毒作業にとりかかる季節です。

そのような中、昨日、一般財団法人日本穀物検定協会が実施する平成29年産米の食味ランキングで、「みずかがみ」が3年連続で最高ランクの特Aに評価されたという大変うれしいニュースがありました。

琵琶湖の環境に配慮し、気候変動にも適応しながら、良食味の米を生産いただいている生産者、関係団体の皆様のご努力にあらためて感謝申し上げます。

本日は、県内の米作りの約5割で取り組まれ、本県の農業の中核を成す「環境こだわり農業」についてお話しいたします。

本県では、より安全で安心して食べられる農産物の供給と、琵琶湖をはじめとする環境保全を目的に、農薬・化学肥料の使用量を通常の半分以下とし、周辺環境にも配慮する「環境こだわり農業」を平成13年度にスタートしました。国の交付金等も活用しながら推進に努めた結果、化学合成農薬の県内の使用量は取組開始前と比べて約4割削減でき、その取組面積は現在日本一を誇っています。

これからの時代に求められる農業のあり方を考えると、環境こだわり農業のさらなるブランド力の向上が必要となっています。そこで、県では農薬・化学肥料を一切使用しないオーガニック農業へのステップアップを検討するプロジェクトを今年度スタートさせました。

まずは今年度、県の農業技術振興センターにおいて除草機を用いた実証試験を行い、米のオーガニック栽培技術の確立や環境保全効果の分析に取り組んできました。その技術を普及するため、先日開催した栽培研修会では、想定の倍以上の生産者の皆さんが参加されたとのことで、その関心の高さを実感しています。

今後は、本県のオーガニック米の栽培面積を10年後に約4倍、1,000haまで拡大することを目標にしています。オーガニック農業への挑戦の輪が広がるよう、生産者の方々へのさらなる普及啓発に取り組んでまいりたいと思います。

県民の皆さんには、オーガニック農業の取組を通じて環境こだわり農業の安全・安心や環境保全効果をあらためて知っていただきたいと思います。琵琶湖と共生する滋賀県らしいライフスタイルについて考え、食べることで環境や農業の持続可能性を支えていく実践のきっかけにしてもらえるよう、しっかりとアピールしていきたいと思います。

さらに、次年度からは、お茶のオーガニックの取組も進めていきます。海外では健康イメージから日本茶の人気が高まっており、そのマーケットを見据えて、農薬の規制等をクリアーできるオーガニック茶を生産拡大することにより、滋賀から世界へ、「近江の茶」の輸出を促進していきます。

環境こだわり農業の深化は、世界と未来を見据えた新たなチャレンジです。生産者、消費者の皆さんと行政が力を合わせ、「健康しが」の象徴的な取組の一つとして、大切に育てていきたいと思います。

今年度も残り1か月です。3月は何かとあわただしい時期ではありますが、今年度の仕上げと次年度への準備を、特に来年度当初の取組の充実に向けて、各職場で力を合わせて取り組んでいきましょう。

これで今月の知事談話を終わります。