「鳥も憩う 春あけぼのの びわ湖かな」
おはようございます。今日、3月1日はお子様が卒業式という方もいらっしゃるのではないでしょうか。
今年度も残り1か月となりました。職員の皆さんは、今年度事業の締めくくり、来年度事業の準備に取り組んでいただいていると思います。
さて、今議会では平成29年度の予算案として、「人口減少社会」への挑戦と「琵琶湖新時代」をつくっていくことをご説明しております。
その「琵琶湖新時代」に向けて、今日は、世界農業遺産の認定を目指す取組についてお話しします。
世界農業遺産とは、世界的に重要な農業や農法を守り継ぐことを目的に、国連食糧農業機関が、農業・農文化・生物多様性などを一体として認定される仕組みです。
琵琶湖を真ん中に抱く本県では、環境こだわり農業や魚のゆりかご水田、水源林の保全の取組など、琵琶湖や生きものとの調和や持続可能なあり方を考えた農林水産業が営まれてきました。
これらは、滋賀県民に根付く「琵琶湖と共に生きる」という思想や暮らしのもとで育まれてきたものであり、滋賀が世界に誇れるものの一つです。
この「滋賀モデル」を世界標準のものさしで評価し、国内外に発信すべく、現在、世界農業遺産の認定を目指しています。昨年9月のシンポジウムでは、私がキックオフ宣言をさせていただき、市町や関係団体とともに進めているところです。
その認定に向けて、取組の過程を大切にしたいと考えています。
ねらいは2つです。1つ目は、行政や生産者だけでなく、県民や企業に幅広く参画いただくことで、新たな気づきや行動を生みだしていきたいということです。
県民や企業に対しては、本県では一般的なこの農業モデルが、世界的には次世代に継承すべき素晴らしい価値を持つことを知っていただきたい。そして、消費者にも地産地消などの形で取組の輪に入っていただき、その輪を広げていきたいと思います。
また、生産者の皆さんが地域に誇りを持ち、農業に希望を取り戻す機会となることも期待しております。特に、若手農業者や就農を目指す方々にとって、夢と自信を持っていただきたいと思います。
2つ目は、認定への過程を通じて、環境こだわり農業の深化や取組の拡大を図っていきたいということです。
遺産に手を加えず、その保護を目的とする「世界遺産」に対して、「世界農業遺産」は、優れた農業を後世へ生かすことが目的です。そのため、時代や環境の変化にあわせて積極的に取組を発展させることが求められます。
県では、来年度予算で有機農業の検討を盛り込んでいますが、認定を目指す中で、各主体による新しい取組を芽生えさせていきたいと思います。
世界農業遺産の認定への取組は、持続可能な農業の実現を目指すSDGsと方向性を同じくするものです。世界標準の取組としても、認定を目指すことは極めて重要だと思います。
琵琶湖を「守り、活かす」滋賀の農林水産業への前進、「琵琶湖新時代」への一歩として、認定を目指し共に頑張っていきましょう。
最後に、現在「働き方改革」を進めておりますが、議会やメディアを通じて様々なご指摘をいただいております。
時間外勤務の縮減や組織・職場での仕事の分担など、業務の進め方も重要な課題ですが、それとともに、各施設や県庁内できちんと挨拶ができているかを今一度、確認していただきたいと思います。
お客様に対して、同僚に対して、また廊下などで出会った方々に対して、会釈や挨拶ができているでしょうか。来訪された方々に気持ち良く感じていただくために、この3月、お互いに会釈や挨拶をすることを心掛けていただきたいと思います。
今月が皆さんにとって実りある月となるように、また平成28年度がしっかりと締めくくれますように、共に頑張りましょう。