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仕事始めにあたっての知事あいさつ

職員の皆さん、平成29年、明けましておめでとうございます。

年明け、そして仕事始めを共に健やかに迎えられたことに感謝し、喜びたいと思います。宿直や雪寒対応、児童の養護・相談業務、病院、警察等、年末年始の期間中も県民の皆様のために仕事をしていただいた方々には、心から敬意を表し、感謝申し上げます。

おかげさまで、滋賀県の三が日は概ね天候も良く、暖かく穏やかでありました。職員の皆さんはそれぞれに英気を養われ、新たな気持ちで本日を迎えられたことと思います。

私は、元旦、初詣に近江神宮へお参りしました。今年は、天智天皇が大津に都を開かれて1350年の節目を迎えます。その当時は、律令制度の基礎となったとされる法令が創設され、漏刻による時報が始まるなど、日本の社会にとって大変大きな、歴史的な一歩を記した時代であったといわれています。

そのことに思いを馳せ、日本の真ん中にある滋賀県、人口減少をはじめとする歴史的転換点にあるこの滋賀県から、次の時代を見据えた「新しい豊かさ」への一歩を皆さんとともにつくっていきたい、つくっていかなければならないという決意を新たにいたしたところです。

「うみとともに すこやかなれと 走り初め」

1月2日には、大津市の琵琶湖岸で開催された新春健康マラソンに家族とともに参加しました。琵琶湖も人も健やかでいられるようにと願いながら拙い句を詠み、自分自身もしっかりと務めていこうと気を引き締めました。

2020年の東京オリンピック・パラリンピック、2021年の関西ワールドマスターズゲームズ、さらには2024年の滋賀県での国民体育大会・全国障害者スポーツ大会にまた一歩近づきました。本県においては、大会準備、施設整備等を着実に進めるとともに、スポーツと文化で滋賀を元気にしよう、人生をより健康で豊かにしていこうという機運を皆さんと一緒に盛り上げていきたいと思います。

基本構想は2年目から3年目に入り、「人口減少を見据えた豊かな滋賀づくり総合戦略」のプロジェクトの成果を出していく局面に入っています。知事としては、任期最終年に入ります。全体像や将来像を鳥瞰、俯瞰しながら、同時に現場での対話や体験を大切にし、中江藤樹先生の「五事を正す」の姿勢で公務に勤しんでまいりたいと思います。

多くをお話ししたいのですが、今日は一点のみに絞り、皆さんにお伝えします。

それは、「琵琶湖を世界一の湖にしよう。」ということです。

県民の皆様と力を合わせて、世界に誇れる琵琶湖を一緒につくっていこう、「琵琶湖新時代」をつくろうということです。

琵琶湖の価値を私たち自身が知り、学び、磨き、自信を持って全国に、そして世界にPRをしていきたいと思います。もちろん今までも取り組んできましたが、さらに強く発信していく1年にしていこうではありませんか。

折しも、琵琶湖保全・再生のための法律に基づく計画策定が最終段階に入っております。しっかりと計画を策定し、琵琶湖を「守るために活かす」政策を本格的に進めてまいりたいと思います。

昨年、私は自転車での「ビワイチ」を達成しました。「ビワイチ」は、観光はもちろん健康や教育など、様々な分野につながる可能性があり、安全、道路整備やルール作り等の様々な施策に関係する重要な取組です。多様な立場の方々と協力して進めてまいりたいと思います。また、歌い継がれて100周年を迎える「琵琶湖周航の歌」の活用、琵琶湖を守るために人の心や力、知恵が山に入るようにするための林業の成長産業化、世界農業遺産の認定に向けて着実に前進させるための取組も進めていきます。

春には、「国立環境研究所琵琶湖分室(仮称)」がいよいよ滋賀県に開設されます。水質や生態系の問題をはじめ、水質評価に関する新たな指標づくりへの挑戦、ウォーターバレーを志向する本県として水環境ビジネスをさらに進めていく方策など、研究所との協定に基づき、様々な研究をスタートさせたいと思います。秋には、20回目の節目を迎える「びわ湖環境ビジネスメッセ」をぜひとも成功させたいと思います。そして、今日から、びわ湖フローティングスクールの学習船「うみのこ」のクラウドファンディングが始まっています。どうか皆さんでこの取組を広めていただきたいと思います。

これらの取組を、本年10月にオープンする東京での本県の情報発信拠点をはじめ、あらゆる施策の中で発信していきたいと思います。

この「琵琶湖新時代」を築いていくための姿勢、手段として、2つのことを申し上げます。

1点目は、国連が定める持続可能な社会の実現のための17の開発目標(SDGs)の取組に、地方自治体として率先して参画することを宣言したい、ということです。この目標は、環境問題のみならず貧困をなくそう、飢餓をゼロにしよう、質の高い教育をみんなにといった幅広いものですが、この目標を取り込み、世界を視野に、滋賀県の取組や成果を発信していきたいと思います。

2点目は、7月1日の「びわ湖の日」を県民の休日にしようという提案です。

この日には、これまでから様々な取組が行われていますが、より多くの県民の皆さんが改めて琵琶湖と自分とのつながりを考える、琵琶湖ともっと深く関われる、そうした時間を持つきっかけとなるよう、取り組んでまいりたいと思います。

私たちは古来、琵琶湖を真ん中にして、周りの人たちのことを思い、下流の人たちのことを思い、人間以外の生き物との共存を思い、未来のことを思いながら生活や生産活動を行ってきました。私たち滋賀県民は、そのことを当たり前と思うかもしれませんが、これだけ周りの人との関係が難しくなり、絆やつながりが薄れ、世界的には資本主義や民主主義の行く末が問われるような時代だからこそ、滋賀県民が大切にしてきた考え方や行動が見直されると確信しております。その意味において、世界の中の滋賀県として、滋賀県が世界をリードしていくという気概を持って、皆さんとともに諸施策を進めていきたいと思います。

最後になりますが、現在全庁的に取り組んでいる「働き方改革」を徹底的に進めていきたいと思います。ご縁があって県民の皆様のために一緒に仕事をしている私たちが、お互いに心と力を合わせ、助け合って仕事を進めてこられたと思える一年を共に築いていくことを誓い合い、平成29年の仕事始めの挨拶といたします。

一緒にがんばりましょう。