皆さん、おはようございます。
平成28年、2016年も早3月になりました。
今日の各新聞でも報じられておりましたが、認知症の男性が徘徊中に列車にはねられて死亡した事故をめぐり、鉄道会社が遺族に対して損害賠償を求めた訴状の最高裁判決について、私も考えるところが多くありました。「法の正義とは何なのか、とるべき、担うべき責任とは」ということで大いに考えさせられております。昨夜は家族で話し合いました。行政としても何ができるのか、どうか皆さんにも考えていただきたいと思います。
3月は年度末、県庁の仕事ではひとつの節目となります。大事な仕上げの時期でもございます。お互いしっかりと過ごしてまいりたいと思います。
同時に3月は卒業のシーズンです。
昨日、県内多くの県立高校で卒業式が行われました。私は、瀬田丘陵にあり、昨年創立40周年を迎えられた東大津高等学校の卒業式に臨席をいたしました。まさに「なごり雪」で彩られた風景の中、3年間の充実した高校生活の思い出を胸に、不安な中にも夢や希望、志を感じる卒業生の皆さんとの何とも言えない時間と空間を過ごしました。
生徒の名前を呼ぶときに感極まって言葉に詰まる先生。それぞれ思い思いに先生や学校に対し感謝の気持ちを表現する生徒たち。大変感動いたしました。
私は卒業生に3つのことを申し上げました。1つ目は、自分を大切に、可能性を信じて能力を伸ばそう、学び続けようということ。2つ目は、周りの人のことも考え、他の人と協力してより良い社会をつくろうということ。3つ目は、琵琶湖をはじめ自然を大切に、人間以外の生き物、命にも心を寄せられる人になろう。自分に言い聞かせるつもりで3つのことをメッセージとして贈りました。
「さまざまの事おもひ出す桜かな」
これは、尊敬する松尾芭蕉の句であります。3月、4月は早春の風景、桜の光景とともにいろいろなことを思い出します。皆さんもそうではないでしょうか。
2年前の2014年、滋賀から政党の枠組みを越え、対話・共感・協働の社会づくりをしようと国会議員の議席を返上し、政党を離れ知事選挙に出ることを決めました。
5年前の2011年3月11日、国会議事堂で大きな揺れを感じ、職員の皆さんといっしょに机の下に入りました。その後、テレビ映像で報じられる光景に絶句しながら、救助・復旧の対応、また復興立法作業に関わりました。
14年前の2002年、政治の道を志し、勤めていた鉄道会社を辞職し、松下政経塾に入塾しました。
22年前、もう22年にもなるのですが、大学を卒業。学生時代4年間をお世話になった東京都武蔵野市の湖国寮から巣立つ時、仲間、後輩と涙したことを思い出します。この湖国寮でお世話になった4年間があったこと、これが故郷・滋賀県のために将来尽力したいと思うに至ったきっかけだったようにも思います。
さて最後に、今月の1冊です。
滋賀県の旧八日市市ご出身で、京都大学の総長もお務めになった井村裕夫先生が、2月に「健康長寿のための医学」という御著書を出版されました。
早い時期から人生の全体を通じて健康に注意する、いわゆる「ライフコース・ヘルスケア」の時代ということで、長寿社会を展望し、健康教育の必要性について論じられておられます。ぜひ皆さんと一緒に読みながら、これからの施策を考えていければと思います。
今月、何かと慌ただしいひと月となるでしょうが、お互い健康に気を付けて仕事に頑張ってまいりましょう。
今月の知事談話はこれで終わります。