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つながりを大切に!ご縁を大切に!

ご来庁の皆さん、職員の皆さん、こんにちは。滋賀県知事の三日月大造です。今月、令和5年2023年6月の知事談話をお届けいたします。

今日は雨です。滋賀県内にはすでに大雨洪水警報が出ています。土砂災害警戒情報が県内でも複数発令されたことを受けて、11時45分に災害警戒本部を設置しました。14時半から江島副知事を本部長とする第1回警戒本部員会議を開催します。彦根地方気象台からの予報によれば、午後にかけてさらに雨がひどくなるようです。事故、土砂災害、低い土地への浸水、河川の増水等に十分注意していきましょう。土木、防災部局をはじめ、職員の皆さん、本日も、また、これからの洪水期も色々ご苦労をかけますが、意識や体制の警戒レベルを上げて、いざというときのために備えてください。また、ライフラインや公共交通機関の運行への影響にも気を配り、対応していきましょう。

昨日からびわ湖ホールでは、恒例の音楽会へ出かけよう!ホールの子事業が始まったと伺いました。滋賀県が世界に誇る芸術劇場オペラハウス、びわ湖ホールで、京都市交響楽団とびわ湖ホール声楽アンサンブルによる本格的な舞台演奏を体感する貴重な機会です。新型コロナ5類移行後の開催ということもあり、バス代補助の仕組みもご利用いただき、9日までの開催期間中、過去最多の参加希望があるとのことです。本物に触れることは大事ですね。

今日、6月2日は織田信長公のご命日。信長忌ということで、午前中、安土の摠見寺の法要に参加する予定でしたが、警報発令を受けて見合わせました。

先月は特別史跡安土城跡調査整備事業、令和の大調査に関する覚書を交わさせていただきましたし、大杉副知事らが世界農業遺産認定式への参列にあわせてバチカンの文化教育省長官や、国務省総務長官、図書館・文書館長らに宛てた文化交流を深化・発展させ、安土山図屏風の調査へのご協力等をお願いする、私の親書を届けていただきました。

 大切なことは、歴史を学ぶことです。多文化共生やセミナリヨ跡の検証を含め、文化交流の深化・発展が大切なテーマになると思います。お城の有り様、地域の歴史、日本史だけではなく、世界史の文脈からとらえる視点も重要ですね。

 さて、今週28日からは岩手県へ、31日からは埼玉県へ出張してまいりました。岩手県では所属する将来世代応援知事同盟のサミットに参加し、人口減少や少子化への対策、子ども・子育て、男女共同参画、働き方改革等の取り組み事例等を議論いたしました。同時に、紫波町というところでは、公民連携で不動産価値、リセールバリューを上げるまちづくり、雫石町では、国体開催を契機とした、アーチェリー競技を活かしたまちづくり、花巻市では、GPS基地局も整備されたスマート農業の取組や、閉店となった商業施設を活用した民間の有料で展開されている木のぬくもりや魅力を感じながら遊べる大人気のおもちゃ美術館を視察させていただきました。市長や町長とも意見交換し、交流のテーマ等を探りますとともに、宮沢賢治など、その地ゆかりの偉人のご足跡や遺された言葉からも、たくさんの学びをいただいたところです。

 埼玉県では西武鉄道や西武ホールディングスとの連携や、よく似た地域同士なんでしょうが、埼玉県との連携について協議してきました。

 また、岩手県盛岡市、埼玉県秩父市などで、近江商人ゆかりの方々や滋賀県人会の皆さまと懇談する機会もいただきました。皆さんご存知の方も多いと思いますが、岩手県盛岡市には1600年代江戸時代に高島大溝の近江商人たちが、北前船などで東北盛岡南部藩に渡来され、その地に草鞋を脱いで商売を営んでこられたそうです。埼玉県秩父市では1700年代、日野から近江商人がやって来て、酒造りをはじめ、矢尾百貨店様はじめ、地域を代表する名士になっておられます。どちらも風雪辛苦を乗り越えながら、代々、延々脈々と、また相互に助け合いながら、事業を続けてこられただけではなく、その地域の発展のために尽力してこられ、なにより、故郷近江・滋賀への愛や思慕の念が厚く、つながりを保ってくださっていることを深く実感いたしました。とてもありがたいことであり、胸が熱くなりました。私自身、滋賀を離れて学んだ東京で、また、働き始めた広島で、滋賀県人会の皆さまに大変お世話になってまいりましたし、知事として伺う沖縄や福岡、徳島や和歌山、石川や青森や北海道、そして海外のフランス・パリや中国、香港、シンガポールなどでも滋賀県人会の皆さまに色々なことを教えていただいております。他の知事に聞いても、滋賀県ほど全国や世界に県人会ネットワークが広がる都道府県は他にありません。担当部局の皆さんには大変ご苦労をかけました。ありがとうございました。おかげさまでいただいた知見や情報、ご縁を活かしながら、滋賀県の施策充実に努めていきましょう。

 コロナ禍の局面が変わり、これまで3年のことが信じられない、がらっと異なった、むしろ我慢がはじけ、需要があふれるように、観光への流動が増えてきているように感じます。昨日も修学旅行のバスが何台も連なって県内宿泊施設に来られていました。いよいよシガリズムの本格展開です。体験や滞在、リピーター、関係人口から移住へ。コンテンツを磨き、さらにより良くおもてなしをしていきましょう。この3年間準備してきたことを活かして、新たな観光立県を進めていこうではありませんか。パスポートセンターの皆さんにはご苦労をかけますが、海外渡航を予定されている皆さんへのお手伝いをよろしくお願いいたします。

 繰り返しますが、まず今日の雨に備えましょう。じめじめすることが多い時期ですが、ときに夏椿や紫陽花の花を眺め、上手にリフレッシュしながら、今月も一緒に頑張りましょう。