皆さんこんにちは!令和3年、2021年7月の知事談話をお届けします。
今月に入り、今日も梅雨前線が活発化し、停滞いたしまして、今週から来週にかけて雨が続くようです。豪雨災害への警戒を強めなければなりません。コロナ禍でもあります。地先の安全度、川の氾濫や土砂災害をはじめ、リスクを再確認し、いざというときのために、非常参集や避難、資機材の準備を改めて行いましょう。
さて、今日7月1日は「びわ湖の日」。今年は制定されて40周年という節目となります。昭和の時代、戦後、高度成長期に人口も急増。琵琶湖は排水により汚染され、富栄養化により赤潮も発生しました。まさに、危機的な状況であったそうです。
そのことに気づき、行動を始めた県民により石けん運動が起こり、広がり、行政と議会をも動かし、リンを含む合成洗剤の使用等を規制する条例、通称「琵琶湖条例」が制定されました。その条例の施行の翌年、1981年、昭和56年に7月1日が「びわ湖の日」と定められました。
この「びわ湖の日」の前後、先月末から今月にかけて、県内各地で、自治会や事業所などで「びわ湖美しくする運動」としての環境美化活動が実施されます。10万人以上の方々が参加し、湖岸や琵琶湖に流れ込む河川、周辺環境の清掃美化に取り組みます。この実践と継続は、私たちの誇りとするところです。大事にしたいと思います。
今朝も数千人の皆さんが清掃活動に参加してくださいました。
私は、堅田漁港で開催された滋賀県漁業組合連合会主催の「第50回琵琶湖(漁場)をきれいにする運動」に、滋賀ふるさと観光大使の西川貴教さんと一緒に参加しました。その後、西川さんと船で移動し、琵琶湖博物館で、滋賀と琵琶湖のこれまでと、これからについて対談させていただき、その様子を動画配信させていただきました。
生態系や景観を含めて、豊かな琵琶湖を取り戻すための取組も重要です。外来魚リリース禁止への協力を呼びかける「びわこルールキッズ」の開催や、外来水生植物の駆除活動などを行っています。
こうした取組への理解や参加支援を広げるためにも、リニューアルされた琵琶湖博物館で学ぶこと、学校給食で湖魚メニューを、また、居酒屋で琵琶湖八珍を食べること。ビワイチサイクリングやフィッシングなどで遊ぶことといった形で、琵琶湖にもっと関わろうという呼びかけを強化しているところです。
そして、この節目となる7月。滋賀県から「変えよう、あなたと私から」というメッセージを添えて、マザーレイクゴールズ『MLGs』を発信することといたしました。
このマザーレイクゴールズ『MLGs』は、2030年に環境と経済・社会活動をつなぐ健全な循環をつくるため、琵琶湖を切り口に13のゴール、目標を設定したものです。「琵琶湖版SDGs」と表現できるでしょう。
県、行政が設定したものではなく、マザーレイクフォーラムびわコミ会議やワークショップなどを通じて、琵琶湖に関わるたくさんの人の思い、びわ湖との約束を集約して作成してきたものです。国連の持続可能な開発目標『SDGs』を意識しつつも、別の考え方で、みんなで話し合ってつくってきました。一人ひとりの行動の変化が、持続可能な社会や環境をつくることにどのようにつながるのかを考えて、つくってきたものでもあります。
ですので、身のまわりの身近なことから始めようと呼びかけていきます。
大学生など若い世代の皆さんも積極的に参加してくれていることも、明るく心強いです。今後、高校生や中学生、小さい子どもたちにも広がっていけばいいですね。
また、『MLGs』のロゴマークは、琵琶湖を取り巻く滋賀と地球をイメージした丸い形で、ゴール、目標を13色の日本の伝統色でデザインされています。立命館大学の一般社団法人インパクトラボの皆さんが、考案してくれました。私自身、とても気に入っていますし、ご紹介するどなたからも好印象で受け止めていただいています。これは、今一番の「推し」だと思っています。
琵琶湖は私たちの暮らしを映す鏡でもあり、地球環境の健康を知らせてくれる窓でもあります。取り囲んでくれている山と森、流れ注ぐ川、私たちが住む里のつながりの中で、常に意識し、より良い状態にするための行動につなげていきましょう。
「健康しが」の象徴として、また、コロナ禍を克服していく「より良き自治」の実践として、本当の意味での「健康しが」への道標、道しるべとして、このマザーレイクゴールズ『MLGs』を発信していきたいと思いますし、何よりこの目標の達成のために、みんなで努力を積み重ねていきたいと思います。
このテーマで話し出すと止まりません。時間もありますので、ここまでとします。
今月は、だんだんどんどん暑くなります。栄養と休養を十分にとりながら、変異株を含め、コロナ禍のリバウンドを防ぎながら、一緒に頑張っていきましょう!