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今、新型コロナウイルスから学んでいること

皆さんお疲れさまです。知事の三日月です。

今月はこの時間にお届けいたします。

既に午後の業務も始まり、コールセンター等で御対応いただいている方もいらっしゃると思いますので、少し声量を弱めに、小さな声で短めにお伝えしたいと思います。

 

新緑が眩しく、薫風が爽やかな季節になりました。滋賀県の田んぼにも水が入り、稲の苗が植えられてきました。カエルの鳴き声も聞かれるようになりました。琵琶湖ではアユがはね、街にはツバメが営巣を始めています。いつもの初夏の滋賀の風景ですが、今年は少し異なる感慨とともに眺めています。

 

観光に力を入れている私ですが、今年のゴールデンウィークは「滋賀に来んといて!」と呼びかけました。スポーツも、芸術・文化も、お祭りも、今年は「自粛」で、中止や延期が続きます。断腸の思いです。今年の秋、来年を展望し、戦略を練り直しましょう!

新しい学校や学年の4月でしたが、学校は休校。「遊びたい、学びたい、体を動かしたい」子どもたちも、先生方も、我慢して新しい学び方に挑んでくれています。「オンライン心のノートはオフライン」とならない、細やかな対応が必要だと痛感しています。

 

納税、審査、公共事業、農業技術の普及など、今が佳境で、書き入れ時の業務を担う職員も含めて、「滋賀1/5ルールの実践を」と呼びかけています。現場の職員の皆さんには戸惑いもあると聞いていますが、 感染を防止しながらの業務の継続のため、また新しい職場のあり方や仕事の進め方をつくるためにも挑戦や見直しを続けて下さい。

こうした中、感染のリスクと闘いながら、県民の皆様のためのお仕事を担ってくれている職員の皆さん、そして、部局を越えて支援に入ってくれている職員の皆さんに心から感謝します。 法律に基づく「緊急事態宣言」が続く今月は、なおしばし、これまでにない体制と対応が続きますが、心と力を合わせて、この難局を乗り越えていこうではありませんか。

もちろん、知事として、私自身も、顔を見て、顔を見せて、声をかけて、声を聴いて、皆さんと悩みを出来るだけ共有しながら、日々、一緒に、前に進んでいきます。

同時に、この新型コロナウイルスとの闘いの中からこれからの県政の道を拓く、滋賀をアップデートするための、本当の意味での「健康しが」をつくるための「視座」を見出したい。それを職員や県民の皆さんと共有したいと願っています。まだまとまっていないのですが、現時点で3つあります。

 

1つ目は、今、私たちは、「自然との和解」「社会の再生」の過程にあるのではないか?ということです。「節度」を取り戻せ、今こそ「利他の心」を、と新型コロナウイルスから教えられているのではないでしょうか。街も、職場も、これまで少し「密に集め、集まり過ぎていた」のかもしれません。自分で食べるものや身につけるモノは「自分でつくる」という古来の知恵を軽んじて「買う」「使う」「捨てる」が行き過ぎた反省もあります。これまでの日常が見直され、「効率性」の指標だけでは語れない価値も再評価されるのではないでしょうか。

 

2つ目は、「見えないものを見える化することで社会は動く」ということです。この新型コロナウイルスとの闘いにおいても、情報を公開し、データを集めて示すことで、人びとの理解と納得、協力と参加が加速することがわかりました。メディアによってつくられる印象や誘導に支配されない知識や自我も当然必要ですが、これからの政策形成にさらに活用していきましょう。

 

3つ目は、それでも「人と人のつながり」「世界とのつながり」は大切にしたいということです。デジタル化やリモート化もさらに活用しながら、新型コロナウイルスによる分断を乗り越えていきたいと思います。

 

幸い、おかげさまで、私たちの滋賀県には、これら3つのことを見直して、磨いて、新たにつくっていく素地と土壌、そして感性があると確信しています。「with(ウィズ)コロナ」「ポストコロナ」を展望・構築する協議の中で、皆さんともさらに議論を深めていければと思います。

 

1月からの新型コロナウイルスとの長期にわたる闘いで、疲れやストレスがたまっている職員の皆さんもいらっしゃるでしょう。 困窮の中にある県民の皆様の声を聴き、汗と涙を流す職員の皆さんのケアも重要局面に入ってきていることを実感しています。一つの正念場となるこの令和2年の5月。記憶に残る5月になるかもしれません。

今月も、仲良く、一緒に頑張りましょう!