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仕事始めにあたっての知事あいさつ

令和2年、2020年あけましておめでとうございます。

それぞれに健やかにお揃いで新年をお迎えのことと、また決意も新たにお迎えのこととお慶び申し上げます。

ご家族でゆっくりと過ごされた時間も多かったのではないかと思います。

年末年始、県民の皆様方のために仕事に勤務していただいた方々には、心から感謝申し上げます。

 

今年の干支、十二支・十干(じゅうにし・じっかん)は庚子(かのえね)ということだそうです。植物などの成長が一旦止まって、新たな変化が起こり、様々な新しい芽や生が萌芽、めばえる年であると言われています。

変化の年になるのではないでしょうか。

また、変化の中に萌芽、新たな一歩を刻む一年にしたいと考えています。

 

キーワードは、「チェンジ(Change)」と「チャンス(Chance)」と「チャレンジ(Challenge)」です。

 

今年は東京オリンピック・パラリンピックが開催されます。世界からたくさんの選手の皆さんが、観客が日本を訪れ、注目のなか熱い戦いが繰り広げられる年になるでしょう。

パラ・競泳の木村敬一選手、陸上短距離の桐生祥秀選手をはじめ、本県ゆかりの選手の皆さんの活躍も大いに期待され、楽しみなところであります。

聖火リレーが5月の下旬に、またホストタウンのゆかりの行事などもございます。

2021年のワールドマスターズゲームズ関西や2024年の国スポ・障スポ大会に向けた準備もさらに加速させて、しっかりと行ってまいりたいと存じます。

 

政治・経済など今年は激動と激変の年となるのではないかと予想しています。すでに昨年末また年始から様々な兆しが出てきつつあるのではないでしょうか。

米国とイランの対立は不穏です。気候変動・温暖化は人類存亡のテーマです。相次ぐ自然災害に今年もしっかりと備えていきましょう。

琵琶湖の全層循環が起こるのかしっかりと調べて、注視したいと思います。生態系や農産物などへの変化、これらをしっかりと捉え、可視化していきたいと思います。

少子化・高齢化・長寿化は、静かながら大きな変化が着実に進行してきています。昨年、全国で生まれくる子どもの数が90万人を大きく下回り、84万人でした。速報ベースですが、滋賀県で生まれてくる子どもの数が昨年は1万1千人を大きく下回ってきています。また、今年2020年は亡くなる人の数が初めて140万人を超えると予想されています。

子ども・若者の希望にしっかりと寄り添い、それらを叶えられる滋賀県政にしていきたいと思います。

また、2025年問題、医療や福祉、人材やネットワークをしっかりとつくることで、安心の絆をしっかりとつくっていきたいと思います。

 

2020年は、滋賀を知ってもらう、滋賀に来てもらう好機満載の一年でもあります。

ご案内のとおりスカーレットは今が佳境です。「麒麟がくる」もはじまります。5月には全国糖尿病学会が開催され、1万人を超える方が滋賀県に来訪されます。6月には初めて全国知事会議を滋賀県で開催します。まだ時期は未定ですが、来年の全国植樹祭に向けてプレイベントが県内で開催予定であります。

これらをしっかりと活かし、地域振興・地場産業の振興、さらには文化財の活用に繋げていきたいと思いますので、皆さんよろしくお願いいたします。

大きく動くチェンジの年、好機満載のチャンスの年、ぜひ県庁・県政はチャレンジの年にしたいと思います。

 

来年度の予算編成はいま大詰めです。健康しがへの挑戦を掲げた予算をしっかりとつくり、まとめ、議会におはかりし、成立をさせ、しっかりと県民の皆さんにも知っていただき、共感を得て、参加や投資を促せるように努めていきたいと思います。

 

「チェンジ(Change)」「チャンス(Chance)」「チャレンジ(Challenge)」の年、年始にあたり、2つの事をやろうと皆さんに呼び掛けたいと思います。

1つ目は、2050年までに排出するCO2を実質ゼロにする、そのための行動を起こすことを県民の皆様方に宣言をしたいと思います。滋賀県として、県をあげて、県民とともに協力し、気候変動・温暖化に向けた具体的な行動を起こしていきたいと思います。

 

2つ目、私たちが必ず迎える「死」。人生のゴールであり、また新たな旅立ちであるかもしれない「死」に対して、いっしょに向き合う機会を、そういう場づくりを今年行いたいと思います。「死」を考えることで、生きること、よりよく生きること、自分らしく周りの人と生きることについて、県として考える機会をつくっていきたいと思いますので、ご協力をお願いいたします。

全ての生命、生きとし生けるものを大切にするのはもちろんのこと、老い、病、これらを前向きにとらえ、しっかりと支えあうことが前提ですけれども、「死」というものをしっかりと見据え、生きていることをより大切にする、そういう滋賀県をいっしょにつくっていきたいと思います。

 

チェンジの年、チャンスの年、チャレンジする年、県庁はワンチームになろう。県庁をワンチームにしよう。これは、みんなが同じというわけではなく、多様な人が集まり、お互いに認めあい、支えあい、ひとつの目標を持って、時には倒れながらパスを出す、つらくとも次の人に襷を渡す、このことで着実に課題を克服して、可能性を伸ばすために前に進める1年にしようではありませんか。

 

最後になりましたけれども、私事で恐縮ですが、年末激しい腰痛に襲われ、動くこともままならない時間を過ごしました。

ちょっとした動きが、少しの段差がこんなに痛いのか、つらいのか、難しいのかということを人生で初めて体験しました。ひとりで歩けません。県職員の皆さんや県民の皆さんと一緒に歩むことで、時には肩を貸しあって、励ましあって歩くことで、県民の皆さんのご負託に応えていける一年にしたいと思います。

 

どうか幹部の皆さん、職員の皆さん、今年もいろんなことがあるでしょうけれども、力を合わせていっしょにがんばりましょう。

以上を申し上げ、令和2年2020年の年頭のあいさつといたします。今年もいっしょにがんばりましょう。