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「意志」と「情熱」でつくる県政

本日、10月1日、年度後半が始まります。一つの節目です。

今年度は令和という新しい時代が始まりました。私たち県庁、滋賀県で申し上げれば、新たな基本構想、行政経営方針、更には健康経営の取組がスタートする大事な年です。

折しも、昨日から「スカーレット」の放送が始まり、関連して昨夜は「鶴瓶の家族に乾杯」、そして先々週からは「ブラタモリ」と、滋賀県のことが様々な形で取り上げられる機会にも恵まれており、うれしく思っております。

改めて私たちが住んでいる、また私たちが一緒に働いている滋賀県の奥深い魅力や、幅広い楽しみや、なにより豊かな自然、温かい人のことを表現・発信していただいていることをうれしく、誇りに思います。大事にしたいと思います。

 

一方で、昨年度の後半からとりわけ今年度にかけて不適切な事案、残念な事案が、私たちが働く過程で起こっています。改めて、振り返りながら、どのように考えていけばよいのか、所感を申し上げたい。

年をとったからなのか、若いからなのか、言動に感情が入り過ぎてしまい自戒したいと思います。

今から述べることを作るにあたり、7月後半から8月にかけて、私の思いをどのように伝えたら良いのかと考えてきました。自分だけでは考えあぐねてしまい、周りの職員さんや、県政経営会議のメンバーに色々な角度からお知恵をいただいたところです。御協力に感謝申し上げたいと思います。

 

まず、第一に職員の日々のそれぞれの働きや頑張りに敬意と感謝を申し上げたい。本当に大変なこと、色々辛いこともあるでしょうが、皆さんの日々の頑張りのおかげで、県政は進み、県民へのサービスや仕事が作られています。心から感謝を申し上げます。

出産した女性職員、配偶者が出産した男性職員、そしてその上司に手紙を書いて、お祝いを申し上げるとともに、育児休暇を取得するよう、そして取得に対する理解と支援をお願いしています。

また、今年度から、新たに課長級以上の方に、誕生月にお祝いメッセージを書いています。その方々のこと、その方々が担当している仕事を考えながら、一言二言メッセージを書いていますが、その方から返事をもらうことがあり、うれしく思います。

何を申し上げたいかというと、一緒に働いているので、顔の見える、心が通う取組を大事にしていきたいということです。皆さんも、それぞれの単位、所属でそのことに留意していただけると幸いです。

もう一つ、昨年度の後半から職員座談会を始めました。それぞれの所属や専門分野の方々に集まっていただき、一時間ですが、時の課題等について議論しています。また、この夏には、気になる職務を担っていただいている方々に集まってもらい、朝のミーティングを開きました。

それぞれが、夢や志を持って、そして専門分野を持って、経験を積まれながら、県民の皆さんのために懸命に仕事をされていることに心を打たれましたし、同時に心強く感じました。

一方、人が十分いない中、時間を十分にかけられない中、次々来る仕事に翻弄されながら、苦闘されながら職務を遂行していただいている。このことを、一端かもしれませんが、痛切に感じました。

仕事や人生に対する向き合い方、組織体制のあり方、予算の作り方、職員の配置、定数を含めて不断に検証します。検証に基づき改善していきます。必要であれば職員の増強、増員もしっかりと行っていきます。そのためのお願いもしていきます。ここに皆様にお誓い申し上げます。

 

うれしいことがありました。先月、国道422号大石東バイパスの開通式に出席しました。十数年にわたる事業が完成、開通し、地元の皆様方と一緒に喜びを分かち合ったという瞬間でした。その開通式は、職員の皆さんの手作りで御案内いただき、作りあげていただきました。心が通う式典でした。開通式には出られなかったけれど、ここに至るまで、用地買収、排水、予算付けなどに奔走されるなど、様々な方々のおかげで今日があるのだと感じました。

私はあまり言いませんが、式典の挨拶の中で、「この開通のために頑張った職員のことも思って欲しい」、「労いの言葉をかけて欲しい」、「そうしたら皆様のためにより頑張る」ということを申し上げました。

忘れてならないのは、今申し上げた仕事・職場以外にも、疎かにしてはいけない大切な仕事がたくさんあるということです。どれも大事な仕事です。

例えば、税を公平に納めていただくための仕事、許認可の仕事、公共工事の入札発注のための様々な仕事、水道用水の供給のために日夜ご奮闘いただいている仕事、県立病院等での医療・保健・福祉に関わる仕事、本当に大変だと思う児童虐待の対応、気を抜けない危機管理対応、地道だけれども人権擁護のための啓発なども、とても大事な仕事だと思う。他にもありますが、これらの仕事は私たちの暮らし、社会の基盤になるものだと思います。

また、庁舎の施設管理、会計出納、人事、財政、広報など県の仕事を下支えしている仕事もあります。開通式を迎えるような、決して派手ではなく、県民の皆様に誇れるような仕事ではないかもしれませんが、確実に県民の皆様方のために遂行されている大切な不可欠な仕事です。

国スポ・障スポ大会の調整、近江鉄道の調整など、市町や関係者との協議に御苦労いただいています。しっかりと力を合わせて頑張っていきたいと思います。

 

また、プラごみや食品ロス、オーガーニック米の取組、安土城復元プロジェクトの取組、山の健康の取組など、新たなニーズに応える取組、新たな課題を設定してチャレンジする取組、皆さんがその中にあって汗を出し、智恵を出し、着実に歩んでいることに感謝を申し上げたい。

また、時間外、県庁外のつながりの中で、勉強会等に積極的に関わり、自分の力を伸ばそうとしている職員がいることを、とても心強く感じています。横断的な業務の見直しに係るタスクフォースに手を挙げて参加し、頑張ろうとしてくれている職員がいることも、有り難く、心強く思っています。

 

県民の皆様と一緒に担っている公務のバトンをしっかりと持ち、歩み、走りながら、よりよい状態で次の県政に託していけるように頑張っていきましょう。

そのために、すべては「信なくば立たず」です。その上で信用信頼をしっかり高めるために、また損なわないために心しておきたいことを二つ申し上げます。

当たり前のことですが、一つは法令遵守と人権尊重です。

もちろん意図的に法令を違反する職員はいませんが、知らなかった、法令の規則まで十分な知識がなかったということで、法令違反をしてしまうことがあります。しっかりと、法令・規則に関わる知識を勉強し、研鑽を重ねていきましょう。また、知識、技能の習得に励みましょう。

そしてハラスメントを絶対に起こさないでください。お互いのことを思いやりながら仕事をするということを徹底しましょう。ややもすると、ハラスメントを恐れるがあまり、周囲の職員、上司や部下とのコミュニケーションに悩むといったことをお聞きしています。大切なのは日々の心がけ。自分の独りよがりの考えに依らず、絶えずこれでいいのかという謙虚な省みの姿勢を持つことが大事なのではないかと思います。挨拶を含めた相談や報告など、日々のコミュニケーションを大事にしていこうじゃありませんか。

もう一つは、ミスを恐れず、チャレンジする県庁を作りましょう。

私たち一人はみんなのためにあり、私たちの周りのみんなは私たち一人のためにある。こういう県庁組織を作りましょう。

 

全ての職員の皆さんに申し上げます。

自分のWILLと自分のWILLからくるPASSION。この二つを大事にしてほしい。自分自身の意思と、「これを何としてもやりとげたい」、「このことをわかって欲しい」という情熱、WILLPASSION、意思と情熱を大事にしながら仕事をしてほしい。やらされているのではなく、自分自身の意思で、誰がやっても同じではなく、私がやるからできるんだと、この意思と情熱を持ってお互い仕事をしていきましょう。

 

上司の皆さん、管理職の皆さん、それぞれ大きくとも小さくとも長にある皆さんに申し上げます。

ミスや間違いが起こりにくい組織を作ろう、仕事のあり方を試行しよう。ミスは起こそうと思って起こすのではなく、仕方なく起きるものがほとんどです。

起こった時に、大きな損失につながらないようカバーをすること、またリカバリーをすること。ミスを教訓として、次に起こらない体制を作ること。ミスをみんなで助け合える風土や雰囲気を作ること。こういうことが大事だと思います。

ある職場では、様々な規定や仕事のやり方の見直しに、一生懸命取り組んでくれています。こういうことも職場の中からミスを減らしていく大きなチャンスになると思います。

 

今、ここにいて互いに仕事を一緒にできること、今の立場で仕事ができることは今しかないと思います。この御縁を大切に、県民の皆様のために、県民の皆様とともに、これからにつながる県政を一緒に作っていきたいと思いますので、どうか皆様方の更なる御奮闘をお願い申し上げて、下半期も一緒に頑張ることをお誓い申し上げ、少し長くなりましたが、私からの言葉とさせていただきます。一緒に頑張りましょう。