滋賀県は、琵琶湖を中心にそれを取り巻くように山々が連なっています。最高峰の伊吹山が 1,377mと標高はそれほど高くない山々が連なりますが、日本のほぼ中央に位置し、北部と南部の気候の違いなどもあって豊かな自然が広がっています。
豊かな自然の中で楽しい登山を楽しむためにも、安全に心がけましょう。安全な登山は計画を立てる時から始まっています。ゆとりある計画を立て、必要な装備を整え、体力にあった山登りをしましょう。
平成30年中は85件の山岳遭難が発生しています。中には不十分な登山計画のために、地図や食料を持たないなどによる救助要請もありました。
山に登り自然の素晴らしさを体感していただくことは、山頂での達成感はもとより、心身の健康づくりにもつながります。
山登りは事前に十分な備えをすれば、先のようなリスクも軽減することが可能です。事前の備えにより山登りの素晴らしさを体感しましょう。
年別\項目 | 発生件数 | 死者 | 行方不明 | 負傷者 | 無事救助者 |
---|---|---|---|---|---|
平成30年中 | 85 | 10 | 0 | 47 | 43 |
平成29年中 | 76 | 4 | 1 | 36 | 67 |
前年比 | +9 | +6 | -1 | +11 | -24 |
※平成30年中、山岳遭難発生件数85件中、登山届の提出があったのは15件でした。
地図やガイドブックなどを参考に自分の体力や技術、季節、コース、ガイドの有無などを考慮し、余裕のあるスケジュールで計画を立て、経験者からアドバイスを受けましょう。その後は、決めた山やコースに応じた装備を揃えましょう。また、日頃から体力づくり、読図などにも努めましょう。
日が近づいてきたら、最新の山の天気やコース状況等について調べ、山登りに向かいましょう。
現地では、現地の状況を見て再度山登りの実施を検討し、時には延期や引き返す事を決断することも大切です。
そして、登る前には必ず登山届を提出しましょう。また、家族や知人にも登山計画書を渡しておきましょう。
装備は、登る山や期間、コース、季節等によっても異なりますが、最低限以下のような装備を用意し、必要に応じて揃えるようにしましょう。
地図とコンパス、救急用のテープや医薬品類、行動食に加え非常食を必ず携行しましょう。また、季節や山域、日程、天候に関わりなく、雨具、水筒、ヘッドランプ、レスキューシート、細引き、笛、簡易テントを携帯しましょう。
靴やリュックサックも、一日の行動を左右するものです。自分の体はもちろん、コースや季節、期間などに応じたものを選びましょう。
万が一の事故、遭難時の通信手段として携帯電話、無線機(予備電池を含む)を携行しましょう。
衣類は、吸湿性、速乾性、保湿性に優れたものを着用しましょう。
行動中は、こまめに水分や行動食を摂りましょう。また、衣類は季節に応じて重ね着などで調整し、熱中症、汗冷え、低体温症等に注意しましょう。
行動中の道迷いを防ぐため、地図とコンパスを利用して、常に現在地を把握しましょう。もし道に迷った時は、判る場所まで戻りましょう。
気象状況等周囲の状況により、早めに引き返す勇気を持つことも大切です。
山歩きに、近郊だから、低山だから、また日帰りだからといって油断は禁物です。睡眠不足などのないよう、十分体調を整えて入山しましょう。少しでも体に変調を覚えたら、コースを変更したり、引き返すようにしましょう。また、出来る限り経験豊富な方と一緒に登りましょう。
特に冬山は自然環境が厳しいことから、体力、技術、知識を十分備えて登山しましょう。